【過去問】消防設備士甲1・乙1の電気④|絶縁抵抗試験と電気系統の点検

【過去問】消防設備士甲1・乙1の電気④|絶縁抵抗試験と電気系統の点検

これから覚える3つ

  1. 300V以下で対地電圧150V以下:0.1MΩ以上
  2. 300V以下で対地電圧150V超300V以下:0.2MΩ以上
  3. 300Vを超える低圧電路:0.4MΩ以上

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300V以下で対地電圧150V以下:0.1MΩ以上

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300V以下で対地電圧150V超300V以下:0.2MΩ以上

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300Vを超える低圧電路:0.4MΩ以上

測定作業では、停電、検電、電子機器等の切離し、測定、残留電荷の放電、復旧確認を一つの流れとして扱います。

強欲な青木
200V回路なら、必ず0.2MΩ以上ですか。

必ずではありません。300V以下の電路は、使用電圧ではなく対地電圧が150V以下かどうかでもう一段分けます。
消防設備士

絶縁抵抗試験の全体像

「使用電圧→対地電圧→基準値」の順に判定する。

 

 

現在地:電気・配線4(4/4)|この講義3問・単元全18問


 

⚡絶縁抵抗は何を測るのか

正常な電路では、導体から大地や別の導体へ流れる漏れ電流が十分に小さく保たれます。絶縁抵抗計は直流試験電圧を印加し、そのとき流れる電流から抵抗を求めます。

R = V / I

同じ試験電圧なら、漏れ電流が小さいほど絶縁抵抗は大きくなります。したがって、絶縁抵抗は原則として「大きいほど絶縁状態がよい」と読みます。ただし、測定電圧、回路構成、電子部品、温湿度が異なる測定値を単純比較してはいけません。

低圧電路では、開閉器又は過電流遮断器で区切ることのできる電路ごとに、電線相互間及び電路と大地との間を確認します。消防設備の点検でも、電源を遮断し、分岐回路を区分して測定することが基本です。

漏れ電流から絶縁抵抗を読む

強欲な青木
普通のテスターで導通を見れば、絶縁も確認できますか。

導通試験と絶縁抵抗試験は目的も試験電圧も違います。絶縁抵抗計を使い、対象回路に適した電圧で測ります。
消防設備士

電気設備に関する技術基準を定める省令第58条は、開閉器又は過電流遮断器で区切ることのできる電路ごとに、電線相互間及び電路と大地との間の絶縁抵抗を定めています。

導通の有無ではなく、線間・対地間の漏れにくさをMΩで測る。

 

 

🧤 測定前後の安全手順

絶縁抵抗計は回路へ試験電圧を加えます。活線のまま測るものではありません。消防庁の点検要領は、電源を確実に遮断し、検電器等で完全に電源が遮断されていることを確認してから測定するよう示しています。

安全手順は次の順に整理します。

  1. 対象回路と停止影響を確認し、関係者へ周知する
  2. 電源を遮断し、誤投入防止措置を行う
  3. 検電器で無電圧を確認する
  4. 半導体、調整装置、表示器等、試験電圧で損傷するおそれのある機器を切り離す
  5. 対象回路に適した絶縁抵抗計・試験電圧を選ぶ
  6. 線間及び対地間を測定し、値を記録する
  7. 測定後に残留電荷を放電する
  8. 切り離した機器を復旧し、結線、端子、機能を確認して再投入する

コンデンサや長いケーブルは電荷を蓄えることがあります。測定直後に端子へ触れず、測定器の放電機能又は定められた方法で十分に放電します。

停電から復旧までの安全シーケンス

強欲な青木
主幹を切ったら、すぐ測定棒を当ててよいですか。

遮断だけでは不十分です。検電で無電圧を確認し、損傷のおそれがある電子機器を切り離してから測ります。
消防設備士

消防庁の「第26 配線」点検要領は、電源を確実に遮断し、検電器等で完全な遮断を確認して絶縁抵抗を測定する手順を示しています。

遮断した事実と無電圧の確認は別。必ず検電する。

 

 

🎚️ 試験電圧と機器の切離し

消防庁の点検要領は、低圧回路用の絶縁抵抗計として100V、125V、250V、500Vの区分を挙げています。どの回路にも一律500Vを加えるのではなく、設備・機器の仕様と点検要領に合う測定電圧を選びます。

電子回路、避雷素子、半導体、調整装置、表示器、インバータ等を接続したままでは、測定器の試験電圧が機器へ加わり、誤測定や損傷の原因になります。点検要領に「半導体、調整装置等の絶縁抵抗測定ができないものは除く」とある場合も、単に試験を省略する意味ではありません。対象を切り分け、機器の取扱説明書や別の確認方法に従います。

確認対象 主な注意
一般の配線 分岐を区切り、線間・対地間を測る
電動機巻線 端子接続を確認し、他回路の影響を切り離す
電子制御部 高い試験電圧を直接印加しない。仕様に従う
長いケーブル 充電電流の影響と測定後の放電に注意
試験電圧の選択と切離し

強欲な青木
高い電圧で測るほど、厳しくて正確ですよね。

高ければよいわけではありません。回路仕様を超える試験電圧は電子部品を損傷させます。対象に適したレンジを選びます。
消防設備士

消防庁の配線点検要領は、低圧回路用として100V、125V、250V、500Vの絶縁抵抗計を示し、半導体・調整装置等の測定できない部分を除外しています。

試験電圧は大きさ競争ではない。回路・機器仕様への適合が先。

 

 

📏低圧電路の0.1・0.2・0.4MΩ

試験で最も重要な表です。

電路の使用電圧 対地電圧 絶縁抵抗値
300V以下 150V以下 0.1MΩ以上
300V以下 150Vを超え300V以下 0.2MΩ以上
300Vを超えるもの 0.4MΩ以上

0.1、0.2、0.4は最小値です。「0.2MΩ以下」ではなく「0.2MΩ以上」が合格です。また、300V以下の二行は使用電圧だけで選べません。対地電圧を確認して分岐します。

問題文が「対地電圧150Vを超え300V以下」と直接示すなら0.2MΩです。使用電圧が400Vなら300Vを超えるため0.4MΩです。

0.1・0.2・0.4MΩ判定フロー

強欲な青木
300Vちょうどは0.4MΩですか。

300Vは「300V以下」に入ります。その上で対地電圧を確認し、0.1又は0.2MΩを選びます。
消防設備士

電気設備に関する技術基準を定める省令第58条及び消防庁点検要領の絶縁抵抗値表は、低圧電路を0.1・0.2・0.4MΩ以上の三段階に区分しています。

境界を正確に読む。300Vは「以下」、150Vは「以下」側。

 

 

🔀使用電圧と対地電圧を分ける

使用電圧と対地電圧は同じとは限りません。

 

単相3線式100/200V

中性線を接地した単相3線式では、外線相互間は200V、各外線と接地された中性線の間は100Vです。したがって200V負荷を含む回路でも、対地電圧は100Vとして0.1MΩ以上の区分になる場合があります。

 

三相3線式200V

非接地式電路では、省令の定義上、対地電圧を電線間の電圧として扱うため200Vとなり、0.2MΩ以上の区分です。接地方式が指定されている場合は、その条件に従って判定します。

 

三相400V級

使用電圧が300Vを超える低圧電路なので、0.4MΩ以上です。400Vという数字を対地電圧150Vの分岐へ持ち込む必要はありません。

線間電圧と対地電圧

強欲な青木
単相200V機器があるなら、対地電圧も200Vですよね。

中性線接地の単相3線式では、外線間200Vでも外線―大地間は100Vです。回路方式と接地点を見ます。
消防設備士

省令第58条の表は、接地式電路では電線と大地との間、非接地式電路では電線間の電圧を対地電圧として扱う旨を定義しています。

「200V回路=0.2MΩ」と短絡しない。接地方式まで確認する。

 

 

🧮工場の測定表を判定する手順

複数の工場・回路の測定値から不適合を探す問題は、次の手順で解きます。

  1. 各列の使用電圧・配線方式・対地電圧を確認する
  2. 各列の最小基準値を表の上へ書く
  3. 測定値が基準値以上かを列ごとに比較する
  4. 一つでも基準未満なら、その行を不適合とする

例えば、単相3線式100/200Vを0.1MΩ、三相3線式200Vを0.2MΩ、三相400Vを0.4MΩとする設問なら、判定用の基準行は 0.1|0.2|0.4 です。

測定値 100/200V 三相200V 三相400V 判定
A 0.4 0.2 0.3 400Vが不足
B 0.3 0.3 0.4 全列適合
C 0.2 0.2 0.5 全列適合
D 0.1 0.3 0.4 全列適合

数値が最も小さい行を選ぶ問題ではありません。それぞれの列に異なる最低値を当てます。

測定表の合否スキャン

強欲な青木
表の中で一番小さい0.1MΩがある行が不適合ですか。

0.1MΩが基準の列なら合格です。各列の基準と比較し、基準未満だけを探します。
消防設備士

消防庁の配線点検要領は、低圧分岐回路の対地間及び線間を測定し、電圧区分に応じた表の値以上であることを判定条件としています。

横一列を眺めず、列ごとの基準値を先に固定する。

 

 

📝点検記録と復旧確認

測定値だけでは再現性が不足します。少なくとも次を記録します。

  • 設備名、盤名、回路名、測定位置
  • 使用電圧、対地電圧、配線方式
  • 使用した絶縁抵抗計と試験電圧
  • 線間・対地間の測定値
  • 測定日時、温度、湿度、天候等の条件
  • 切り離した機器、復旧状況、再投入後の機能確認

絶縁抵抗は温湿度、汚損、水分、配線長に影響されます。基準をわずかに上回ったから終わりではなく、前回値との傾向も確認します。ただし、試験電圧や切離し範囲が違う測定値を同列に比較しないようにします。

復旧時は、外した線の戻し忘れ、端子の緩み、遮断器の投入順序、表示・警報・ポンプ制御の正常性まで確認します。測定して合格でも、復旧不良で設備を停止させては点検になりません。

点検記録から復旧まで

強欲な青木
基準以上なら、前回値が大きく下がっていても合格だけ書けばよいですか。

判定値と傾向は別に残します。同じ条件で低下が続くなら、汚損・湿気・損傷を調べる手がかりになります。
消防設備士

強欲な青木
測定が終わったら、線を戻して遮断器を入れれば完了ですね。

放電、結線復旧、端子確認、再投入後の表示・警報・制御まで確認して完了です。
消防設備士

消防庁の点検要領は、測定位置、測定方法、判定値を示し、他法令による点検値を用いる場合も測定値の記録を前提としています。

令和7年10月3日付け消防予第410号による点検要領改正後も「第26 配線」は一覧に維持され、絶縁抵抗値の区分は現行の点検体系に引き継がれています。

絶縁抵抗試験は、測定値だけでなく安全な復旧までが一工程。

 

 

⚠よく出る注意ポイント

  1. 使用電圧200Vなら必ず0.2MΩ → 対地電圧150V以下なら0.1MΩ
  2. 300Vちょうどは0.4MΩ → 300V以下の区分
  3. 150Vちょうどは0.2MΩ → 150V以下なので0.1MΩ
  4. 0.1・0.2・0.4MΩ以下なら合格 → いずれも以上
  5. 表の最小値がある行を選ぶ → 列ごとの基準と比較
  6. 遮断器を切れば検電不要 → 無電圧を検電器で確認
  7. どの回路にも500Vを印加 → 対象機器・回路に合う試験電圧を選ぶ
  8. 電子機器も接続したまま測定 → 損傷のおそれがある機器は切り離す
  9. 測定直後に端子へ触れる → 残留電荷を放電
  10. 合格値だけ記録する → 測定条件・位置・復旧状態も記録

 

 

✍過去問ベースの類題で確認しよう

※以下は、原題の論点・条件・正答を維持しつつ、表・図・文章を学習用に再構成した類題です。原題の問題文・図版そのものではありません。

この単元の収録類題は、全部で3問です。

 

使用電圧300V以下で、対地電圧が150Vを超え300V以下の低圧電路に必要な絶縁抵抗の最小値はどれか。

  1. 0.1MΩ
  2. 0.2MΩ
  3. 0.3MΩ
  4. 0.4MΩ

 

単相3線式100/200V、三相3線式200V、三相3線式400Vの各電路について、絶縁抵抗測定値が基準に適合しない工場はどれか。単位はMΩとする。

選択肢 100/200V 200V 400V
0.4 0.2 0.3
0.3 0.3 0.4
0.2 0.2 0.5
0.1 0.3 0.4

 

同じ三つの電圧区分について、基準に適合しない測定値を含む組合せはどれか。単位はMΩとする。

選択肢 100/200V 200V 400V
0.1 0.2 0.4
0.1 0.4 0.5
0.2 0.2 0.3
0.2 0.3 0.4

 

 

まとめ

  • 絶縁抵抗は電線相互間及び電路と大地との間で確認する
  • 低圧の基準は0.1・0.2・0.4MΩ以上
  • 300V以下は対地電圧150Vを境に0.1と0.2へ分かれる
  • 300Vを超える低圧電路は0.4MΩ以上
  • 単相3線式100/200Vでは線間200Vでも対地電圧100Vとなる場合がある
  • 測定前に停電・検電・電子機器等の切離しを行う
  • 対象に合う試験電圧を選び、測定後は残留電荷を放電する
  • 測定条件と復旧後の機能確認まで記録する

絶縁抵抗の問題は、数値の暗記より判定順が大切です。「使用電圧300V以下か」「対地電圧150V以下か」「測定値は基準以上か」の三段階で処理してください。

 

➡次に進みましょう

強欲な青木
次はどこへ進めばいいですか?

電気・配線の全4講義・18問はここで終了です。次は「規格」へ進みます。
消防設備士

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