構造、用途・面積、契約電流の順に条件を拾えるようになります。
最新版の過去問情報は、学習の進み具合に合わせてこの講義で確認できます。
結論:構造を確認し、面積基準と一定用途の50A超を分ける
漏電火災警報器の設置義務は、建物の用途だけでは決まりません。最初に壁・床・天井のいずれかが対象構造に当たるかを確認し、次に用途と延べ面積を確認します。さらに、法令で定められた一定用途だけは、最大契約電流容量が50Aを超えるかを別分岐で確認します。
仕組み:建物側の条件を3段階で判定する
対象となるのは、次のいずれかの構造を有する建築物です。
- 間柱または下地を準不燃材料以外の材料で造った、鉄網入りの壁
- 根太または下地を準不燃材料以外の材料で造った、鉄網入りの床
- 天井野縁または下地を準不燃材料以外の材料で造った、鉄網入りの天井
壁・床・天井の3部位をすべて備えることが要件ではありません。いずれかに該当するかを部位ごとに判定します。
屋根は、この構造条件として列挙されていません。「壁・床・天井」と覚えましょう。
用途ごとの延べ面積は、次の5段階に整理できます。
| 延べ面積 | 主な用途 |
|---|---|
| 面積条件なし | 重要文化財等の建造物 |
| 150m²以上 | 寄宿舎・共同住宅、蒸気浴場・熱気浴場など |
| 300m²以上 | 劇場、遊技場、飲食店、物品販売店、福祉施設、工場・作業場など |
| 500m²以上 | 学校、図書館、発着場、神社・寺院など |
| 1,000m²以上 | 倉庫、その他の事業場 |
さらに、対象となる一定用途の建築物では、最大契約電流容量が50Aを超える場合にも設置義務が生じます。50Aちょうどは含みません。
図解:構造、用途・面積、契約電流を分ける

図は、対象構造を確認してから、用途・面積と契約電流の分岐へ進む順番で読みます。いずれか一つの数字だけで判定せず、問題文の用途と境界表現を照合してください。
ここからは「ラス・モルタル構造と防火対象物」の確認問題です。問題文から判断根拠を決めた後で、解答・解説を開いてください。
【過去問】ラス・モルタル構造と防火対象物
確認問題1:対象となる建物部分
次の選択肢は、「鉄網入りの壁の間柱・下地/鉄網入りの床の根太・下地/鉄網入りの天井の天井野縁・下地」に用いる材料条件の順です。正しい組合せはどれでしょうか。
- 準不燃材料以外・準不燃材料以外・不燃材料
- 準不燃材料以外・不燃材料・不燃材料
- 準不燃材料以外・準不燃材料以外・準不燃材料以外
- 不燃材料・不燃材料・不燃材料
確認問題2:屋根は対象部位か
延べ面積300m²の工場で、設置義務がある構造として誤っているものはどれでしょうか。
- 準不燃材料以外の下地で造った鉄網入りの屋根
- 準不燃材料以外の天井野縁で造った鉄網入りの天井
- 準不燃材料以外の間柱で造った鉄網入りの壁
- 準不燃材料以外の根太で造った鉄網入りの床
確認問題3:300m²と500m²の区別
建築構造と契約電流容量を考えない場合、設置対象となるものはどれでしょうか。
- 延べ面積500m²の事務所
- 延べ面積500m²の神社
- 延べ面積275m²の老人福祉センター
- 延べ面積250m²の遊技場
確認問題4:50Aの境界
寄宿舎で、建築構造と延べ面積を考えない場合、設置義務が生じる契約電流容量はどれでしょうか。
- 50A以上
- 50Aを超える
- 60A以上
- 60Aを超える
確認問題5:用途・面積・契約電流の総合判定
構造条件を満たす平家建で、設置しなくてもよいものはどれでしょうか。
- 100m²の演芸場、契約電流容量60A
- 200m²の幼稚園、契約電流容量50A
- 500m²の図書館、契約電流容量40A
- 800m²の工場、契約電流容量60A
実務メモ:図面と建物条件を先に分ける
- 鉄網入りの「壁・床・天井」のいずれかに該当するか確認する。
- 用途を別表の区分へ当てはめる。
- 150・300・500・1,000m²のどこに属するか確認する。
- 一定用途では50Aを超えるかも確認する。
「50A以上」ではなく「50Aを超える」が頻出の境界です。
実務で図面や現地条件を確認するときも、まず対象となる壁・床・天井の構造を確認し、用途・面積と契約電流は別の欄で整理します。試験でも同じ順番で条件を拾うと、境界値の見落としを減らせます。
まとめと次の講義
設置義務は、対象構造、用途・面積、一定用途の契約電流の順で判定します。続いて変流器・音響装置・設定値へ進み、機器側の設置基準を学んでください。