【過去問】気体の状態方程式・気体反応の計算を解説|危険物取扱者【甲種】物理化学

ここからは甲種だけに出題される「物理化学の計算問題」シリーズです。乙種では出題されない発展分野ですが、パターンを覚えれば確実に得点できる分野でもあります。
1本目は気体の状態方程式・気体反応の計算です。「0℃・1気圧で気体1molは22.4L」という基本を軸に、温度換算や反応後の気体量を求める問題を解説します。
強欲な青木計算問題って聞くと身構えちゃうっす…公式を丸暗記するしかないんすか?
消防設備士大丈夫です。「0℃・1気圧・気体1molで22.4L」という1つの基準値と、温度が上がれば体積も比例して増えるという関係だけ覚えれば、ほとんどの問題は解けます。実際の過去問を使って手順を確認していきましょう。
このページを見たら危険物取扱者甲種の物理化学に出てくる「気体の状態方程式・気体反応の計算」に関する問題が得点源となるはず!
最新ver.の過去問情報は、青木マーケ(株)noteの危険物取扱者「過去問テスト」で毎年更新しています。
併せて、ご参照ください。
🔰基礎教養学習
1. 気体の状態方程式の基本
気体の体積は、温度・圧力・物質量(mol数)によって変化します。危険物取扱者試験でまず覚えるべき基準値は次の1つです。
0℃、1.013×10⁵Pa(1気圧)のとき、気体1molの体積=22.4L

2. 計算問題の2大パターン
| パターン | 考え方 |
| ① 温度換算 | 0℃基準の体積(mol×22.4L)を求めたあと、絶対温度の比(シャルルの法則)で目的の温度の体積に換算する |
| ② 反応後の気体量 | 燃焼反応式の係数比=体積比(アボガドロの法則)を使い、消費量・残量・生成量を求める |
強欲な青木絶対温度の比ってどうやって使うんすか?
消防設備士絶対温度(K)=セ氏温度+273で変換し、「0℃(273K)での体積 × 目的の絶対温度 ÷ 273」で計算します。例えば20℃なら293Kなので、体積を293/273倍すれば求まります。
上記の内容をふまえて、さっそく過去問に挑戦してみましょう!
【過去問】気体の状態方程式・気体反応の計算
【問1】 メタノール3molが完全燃焼するときに消費される酸素の、常温(20℃)、1.013×10⁵Pa(1気圧)における体積として、次のうち最も近いものはどれか。ただし、0℃、1.013×10⁵Pa(1気圧)での気体1molの体積は、22.4Lとする。
- 54.1L
- 67.2L
- 100.8L
- 108.2L
- 216.4L
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正解:4
メタノールの完全燃焼式は次のとおりです。
CH₃OH + 3/2 O₂ → CO₂ + 2H₂O
メタノール1molの燃焼に酸素1.5molが必要なので、3molなら酸素4.5molが必要です。
0℃・1気圧での体積:4.5mol × 22.4L = 100.8L
これを20℃(293K)に換算します(0℃=273K)。
100.8L × (293/273) ≒ 108.2L
【問2】 0℃、1.013×10⁵Pa(1気圧)で、3.0Lの一酸化炭素と6.0Lの酸素を混合して完全燃焼させた。このとき、反応した酸素の体積および反応後の気体の体積として、次の組合せのうち正しいものはどれか。ただし、気体の体積は0℃、1.013×10⁵Pa(1気圧)として計算すること。
反応した酸素の体積 反応後の気体の体積
1 1.5L 4.5L
2 1.5L 7.5L
3 1.5L 9.0L
4 3.0L 4.5L
5 3.0L 7.5L
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正解:2
一酸化炭素の完全燃焼の反応式は次のとおりです。
2CO + O₂ → 2CO₂
同温・同圧の気体は体積比=モル比=反応係数の比となります(アボガドロの法則)。COとO₂は2:1の体積比で反応します。
①反応した酸素:CO 3.0Lが完全燃焼するため、酸素は 3.0 × (1/2) = 1.5L反応します。
②反応後の気体の体積:残った酸素(6.0-1.5=4.5L)+生成したCO₂(3.0L)=7.5L
【問3】 次に掲げる物質のうち、物質量(mol)が最も大きいものはどれか。なお、メタノールの分子量を32、水の分子量を18とする。
- 0℃、1.013×10⁵Paで22.4Lの酸素
- 48gのメタノール
- 36gの水
- 0℃、1.013×10⁵Paで22.4Lの水素
- 0℃、2.026×10⁵Paで11.2Lの窒素
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正解:3
選択肢1・4・5はいずれも1molです(5は圧力が2倍・体積が1/2なので、標準状態換算で22.4L相当=1mol)。選択肢2のメタノール48gは48/32=1.5mol。選択肢3の水36gは36/18=2molで最大です。
チェック1(4択)
0℃、1気圧における気体1molの体積として、正しいものはどれか。
- 11.2L
- 22.4L
- 44.8L
- 100L
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正解:2
0℃、1気圧における気体1molの体積は22.4Lです。この数値は必ず暗記しておきましょう。
チェック2(○✕)
次の記述の正誤を答えなさい。
同温・同圧の気体反応では、反応式の係数比がそのまま体積比になる。
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正解:○
これはアボガドロの法則によるもので、同温・同圧では気体の体積比=モル比=反応係数比となります。
チェック3(穴埋め)
次の( )に当てはまる数値・語句を答えなさい。
- 0℃、1気圧における気体1molの体積は( ① )Lである。
- 絶対温度(K)=セ氏温度+( ② )である。
- 気体の体積を温度換算するときに使う法則を( ③ )の法則という。
- 同温・同圧の気体反応における体積比=モル比=反応係数比となる法則を( ④ )の法則という。
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① 22.4 ② 273 ③ シャルル ④ アボガドロ
深掘り解説

① 計算の型を3ステップで固定する
気体の体積計算問題は、次の3ステップに分解すると迷わず解けます。
- 反応式を書き、必要なmol数を求める(燃焼式の係数比を使う)
- 0℃・1気圧での体積を計算する(mol数 × 22.4L)
- 指定された温度に換算する(絶対温度の比をかける)
この順番を「反応式→0℃基準の体積→温度換算」と固定しておくと、初見の問題でも同じ手順で対応できます。

② 圧力が変わる場合の考え方
チェック問題の【問3】選択肢5のように、圧力が2倍になれば同じmol数の気体の体積は半分になるという関係(ボイルの法則)も重要です。「圧力2.026×10⁵Pa(2気圧)で11.2L」は、標準状態(1気圧)に換算すると22.4Lに相当し、結局1molになります。
温度・圧力どちらも変化する問題では、ボイル・シャルルの法則(PV/T=一定)を使って標準状態に統一してから比較するのがコツです。
まとめ
- ✓
0℃、1気圧における気体1molの体積は22.4L
- ✓
絶対温度(K)=セ氏温度+273で換算し、体積は絶対温度に比例する
- ✓
同温・同圧の気体反応は体積比=モル比=反応係数比(アボガドロの法則)
- ✓
計算手順は「反応式→0℃基準の体積→温度換算」の3ステップで固定する
- ✓
圧力が変化する場合はボイル・シャルルの法則で標準状態に統一する
強欲な青木次は酸化還元の電子授受計算っすね!甲種専用の計算シリーズ、続けていきましょう!
危険物取扱者「過去問テスト」は、その名の通り“過去に出た問題”のテストです。
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