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【過去問】溶液の濃度と溶解とは?モル濃度・水和物の計算を解説|危険物取扱者【甲種】物理化学

【過去問】溶液の濃度と溶解とは?モル濃度・水和物の計算を解説|危険物取扱者【甲種】物理化学

A出題ランク:甲種で頻出のAランク(重要)

甲種専用物理化学シリーズ、今回は溶液の濃度と溶解です。質量パーセント濃度・モル濃度・質量モル濃度の使い分けと、水和物の扱い、溶解度の温度変化による析出量計算が頻出テーマです。

公式は単純ですが、水和物の式量計算や単位換算でつまずきやすい分野なので、丁寧に押さえましょう。

強欲な青木

モル濃度と質量モル濃度、名前が似すぎて区別つかないっす…

消防設備士

分母に注目してください。モル濃度は「溶液1L」、質量モル濃度は「溶媒1kg」が基準です。分母が溶液の体積か溶媒の質量かの違いだけです。

このページを見たら危険物取扱者甲種の物理化学に出てくる「溶液の濃度と溶解」に関する問題が得点源となるはず!

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併せて、ご参照ください。

目次

🔰基礎教養学習

1. 濃度の3つの表し方

名称 定義 単位
質量パーセント濃度 溶質の質量/溶液の質量×100
モル濃度 溶質の物質量/溶液の体積 mol/L
質量モル濃度 溶質の物質量/溶媒の質量 mol/kg

例えば水80gに塩化ナトリウムNaCl20gを溶かした水溶液の質量パーセント濃度は、20/(80+20)×100=20%となります。

濃度の3つの表し方の考え方
濃度の3つの表し方の考え方

2. 水和物のモル濃度計算に注意

Na₂CO₃・10H₂Oのように水分子を含んだ結晶を水和物といいます。水和物を水に溶かして一定体積にする場合、水和物全体の式量(分子量)で物質量を計算する必要があり、無水物の式量で計算すると誤ります。

強欲な青木

「・10H₂O」の分の重さも足すのを忘れそうっす…

消防設備士

そこが引っかけの定番です。Na₂CO₃・10H₂Oの式量は106+18.0×10=286。この286を使ってmolを計算しないと正答できません。

上記の内容をふまえて、さっそく過去問に挑戦してみましょう!

【過去問】溶液の濃度と溶解

【問1】 0.1mol/Lの濃度の炭酸ナトリウム水溶液をつくろうとした場合、次の操作のうち正しいものはどれか。なお、炭酸ナトリウム(Na₂CO₃)の分子量は106とし、水(H₂O)の分子量は18.0とする。

  1. 10.6gのNa₂CO₃を1Lの水に溶かす。
  2. 28.6gのNa₂CO₃・10H₂Oを水に溶かして1Lにする。
  3. 28.6gのNa₂CO₃・10H₂Oを971.4mLの水に溶かす。
  4. 10.6gのNa₂CO₃・10H₂Oを水に溶かして1Lにする。
  5. 28.6gのNa₂CO₃・10H₂Oを1Lの水に溶かす。
解答と解説を見る

正解:2

Na₂CO₃・10H₂Oの式量は106+18.0×10=286。28.6gは0.1molにあたります。これを水に溶かして全体を1Lにする(=メスフラスコで定容する)ことで、正確に0.1mol/Lとなります。「1Lの水に溶かす」(選択肢1・5)では、水と溶質を合わせた体積が1Lをわずかに超えるため誤りです。

【問2】 溶質の溶媒に対する溶解性について、次のうち誤っているものはどれか。

  1. 極性溶媒にイオン結晶はよく溶ける。
  2. 極性溶媒に極性分子はよく溶ける。
  3. 無極性溶媒に極性分子はよく溶ける。
  4. 無極性溶媒にイオン結晶は溶けにくい。
  5. 無極性溶媒に無極性分子はよく溶ける。
解答と解説を見る

正解:3

「極性物質どうし」「無極性物質どうし」は溶けやすく、極性物質と無極性物質は溶けにくいのが原則です。無極性溶媒に極性分子は溶けにくいため、選択肢3が誤りです。

【問3】 80℃における塩化カリウムの飽和水溶液200gを20℃まで冷やすと析出する塩化カリウムの量として、次のうち正しいものはどれか。なお、20℃および80℃の水100gに溶ける塩化カリウムの溶解量は、それぞれ35gおよび50gとする。

  1. 15g
  2. 20g
  3. 25g
  4. 30g
  5. 35g
解答と解説を見る

正解:2(20g)

80℃では水100g+塩化カリウム50g=飽和水溶液150g、20℃では水100g+塩化カリウム35g=飽和水溶液135g。飽和水溶液150gを冷やすと50-35=15g析出するので、200gなら比例計算で200×15/150=20g析出します。

チェック1(4択)

溶液1L中に含まれる溶質の物質量(mol)で表した濃度を何というか。

  1. 質量パーセント濃度
  2. モル濃度
  3. 質量モル濃度
  4. 飽和濃度
解答と解説を見る

正解:2

溶液1L中の溶質の物質量(mol)で表す濃度がモル濃度(単位mol/L)です。

チェック2(○✕)

次の記述の正誤を答えなさい。

水和物を水に溶かして濃度を計算するときは、水和水を除いた無水物の式量を用いる。

解答と解説を見る

正解:✕

水和物全体(水和水を含む)の式量を用いて物質量を計算する必要があります。

チェック3(穴埋め)

次の( )に当てはまる語句を答えなさい。

  1. 溶質の質量を溶液の質量で割り100を掛けた濃度を( ① )という。
  2. 溶質の物質量を溶媒の質量(kg)で割った濃度を( ② )といい、単位は( ③ )である。
  3. 極性物質どうし、無極性物質どうしは( ④ )が、極性物質と無極性物質は溶けにくい。
解答と解説を見る

質量パーセント濃度 ② 質量モル濃度 ③ mol/kg ④ 溶けやすい

🪏深掘り解説

① なぜ危険物取扱者試験で濃度計算が出るのか

過酸化水素水の質量パーセント濃度による危険物該当性の判定(36%以上で第6類該当など)のように、危険物の判定基準そのものに濃度計算が使われる場面があります。単なる化学計算ではなく、法令上の指定数量や危険物該当性の判断に直結する実務的な知識です。

② 溶解度計算は「比例式」で機械的に解ける

溶解度の温度変化による析出量の問題は、「飽和水溶液の質量:析出量=既知の質量:求める析出量」という比例式を立てるだけで解けます。水の質量・溶質の質量・飽和水溶液の質量の3つの関係を表にまとめてから計算すると、計算ミスを防げます。

まとめ

  • 濃度には質量パーセント濃度・モル濃度・質量モル濃度の3種類がある

  • モル濃度は溶液1L基準(mol/L)、質量モル濃度は溶媒1kg基準(mol/kg)

  • 水和物の物質量計算は水和水を含めた式量を使う

  • 溶解性は極性どうし・無極性どうしが溶けやすいのが原則

  • 溶解度の析出量計算は比例式で機械的に解ける

強欲な青木

次は混合ガスの燃焼下限界っすね!ルシャトリエつながりで名前が似てるけど別物なんすね!

危険物取扱者「過去問テスト」は、その名の通り“過去に出た問題”のテストです。

ブログでお馴染みの管理人が過去問に関する情報収集を積み重ね、その中からピックアップして過去問ベースの模擬試験を作成したものです。

\そのまま試験に出ます/

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危険物取扱者 乙種 解答カード
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この記事を書いた人

高専から大学院まで9年間にわたり化学を専攻。
消防整備士として10年の実務経験を積み、独立・起業。

消防設備士全類、危険物取扱者全類をはじめ、第二種電気工事士、AI・DD総合種、第三種電気主任技術者など、多数の国家資格を保有。

神戸高等技術専門学院にて危険物取扱者 乙種第4類およびDO第3種の講師を担当。
また、月刊誌「電気と工事(オーム社)」にてコラムを連載中。

実務・教育・執筆の三軸から、専門性と実践力を兼ね備えた情報発信を行っている。

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