【過去問】金属結晶構造(体心・面心・六方最密)を解説|危険物取扱者【甲種】物理化学

甲種専用物理化学の4本目は金属結晶構造です。金属原子がどのように規則正しく並んでいるかを表す「単位格子」の種類と、単位格子に含まれる原子数を数える計算が頻出のポイントです。
ナトリウム・カリウム・鉄など、これまでの記事で扱った金属の性質ともつながる分野です。
強欲な青木単位格子中の原子数って、頂点にある原子も普通に1個って数えていいんすよね?
消防設備士そこが最大のポイントです。立方体の頂点にある原子は、8個の単位格子で共有されているため1/8個分としてカウントします。面の中心にある原子も、隣の単位格子と共有しているので1/2個分です。この「共有分」の考え方を理解すれば計算できます。
このページを見たら危険物取扱者甲種の物理化学に出てくる「金属結晶構造」に関する問題が得点源となるはず!
最新ver.の過去問情報は、青木マーケ(株)noteの危険物取扱者「過去問テスト」で毎年更新しています。
併せて、ご参照ください。
🔰基礎教養学習
1. 金属結晶の3つの構造
金属の固体では、原子が規則正しく配列して結晶をつくっています。この繰り返し単位を単位格子といい、金属結晶の多くは次の3種類のいずれかをとります。
体心立方格子(BCC)=2個/面心立方格子(FCC)=4個/六方最密構造(HCP)=2個(単位格子中の原子数)

2. 単位格子の比較
| 構造 | 原子数 | 代表的な金属 |
| 体心立方格子(BCC) | 2個(頂点1/8×8+中心1) | Fe、Na、K |
| 面心立方格子(FCC) | 4個(最密構造) | Al、Cu、Ag |
| 六方最密構造(HCP) | 2個(最密構造) | Mg、Zn |
強欲な青木ナトリウムとカリウムが同じ構造ってことは、鉄とも同じなんすね。
消防設備士そのとおりです。ナトリウム・カリウム・α鉄はいずれも体心立方格子(BCC)という共通点があります。この3つの金属の組合せは、実際の過去問でもそのまま出題されています。
上記の内容をふまえて、さっそく過去問に挑戦してみましょう!
【過去問】金属結晶構造
【問1】 金属の結晶構造の説明について、次の【 】内のAおよびBに当てはまる語句の組合せで、正しいものはどれか。
「ナトリウム、カリウム、鉄は、下の模式図で示すように、【 A 】の結晶構造をとる。図はこの結晶の単位格子を示しており、この単位格子中に含まれる金属原子の数は【 B 】である。」
A B
1 面心立方格子 4
2 面心立方格子 8
3 体心立方格子 2
4 体心立方格子 4
5 六方最密構造 9
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正解:3
ナトリウム(Na)、カリウム(K)、鉄(Fe)はいずれも体心立方格子(BCC)の結晶構造をとります。この単位格子中に含まれる原子の数は次のとおりです。
・立方体の各頂点(8箇所)にある原子:各1/8×8=1個
・立方体の中心にある原子:1個
・合計:1+1=2個
したがって、A:体心立方格子、B:2の組合せである3が正解です。
【参考】面心立方格子(FCC)は4個、六方最密構造(HCP)は2個(または六方単位胞で6個)です。
【問2】 金属(水銀を除く)についての一般的説明として、次のうち誤っているものはどれか。
- 金属の結晶は、金属元素の原子が規則正しく配列してできている。
- 自由電子があるため、熱をよく伝える。
- 金属光沢と呼ばれる特有の光沢をもっている。
- それぞれの原子は、共有結合でつながっている。
- 展性や延性がある。
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正解:4
金属原子どうしは共有結合ではなく、自由電子による「金属結合」でつながっています。この自由電子が熱や電気を伝えやすくし、金属光沢・展性・延性をもたらします。
チェック1(4択)
面心立方格子(FCC)の単位格子中に含まれる原子数として、正しいものはどれか。
- 2個
- 4個
- 6個
- 8個
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正解:2
面心立方格子(FCC)の単位格子中の原子数は4個です。
チェック2(○✕)
次の記述の正誤を答えなさい。
金属原子どうしは共有結合でつながっている。
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正解:✕
金属原子どうしは自由電子による金属結合でつながっています。共有結合ではありません。
チェック3(穴埋め)
次の( )に当てはまる語句・数値を答えなさい。
- ナトリウム・カリウム・鉄はいずれも( ① )立方格子の結晶構造をとる。
- 体心立方格子の単位格子中に含まれる原子数は( ② )個である。
- 金属原子どうしを結びつける結合を( ③ )結合という。
- 面心立方格子・六方最密構造は、空間に原子が最も密に詰まった( ④ )構造である。
解答と解説を見る
① 体心 ② 2 ③ 金属 ④ 最密
深掘り解説

① 原子数を数える「共有分」の考え方
単位格子中の原子数を求めるときは、原子がいくつの単位格子と共有されているかで按分します。
- 頂点の原子:8個の単位格子で共有 → 1/8個分
- 面の中心の原子:2個の単位格子で共有 → 1/2個分
- 単位格子の中心の原子:どこにも共有されない → 1個分そのまま
体心立方格子は「頂点8箇所×1/8+中心1個」=2個、面心立方格子は「頂点8箇所×1/8+面6箇所×1/2」=4個となります。

② 自由電子が金属特有の性質を生み出す
金属原子の価電子は特定の原子に固定されず、金属中を自由に動き回ります。これを自由電子といい、この自由電子が原子どうしを結びつける結合を金属結合といいます。
自由電子のおかげで、金属は熱・電気を通しやすく、たたくと薄く延びる(展性)、引っ張ると糸状に伸びる(延性)という特有の性質を示します。
まとめ
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金属結晶は主に体心立方格子(BCC)・面心立方格子(FCC)・六方最密構造(HCP)の3種類
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単位格子中の原子数はBCC=2個、FCC=4個、HCP=2個
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ナトリウム・カリウム・鉄はいずれも体心立方格子をとる
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頂点の原子は1/8個分、面の中心の原子は1/2個分として数える
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金属原子どうしは自由電子による金属結合でつながる(共有結合ではない)
強欲な青木次はルシャトリエの原理っすね!これで甲種専用物理化学、そして全シリーズが完走っす!
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