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【過去問】ルシャトリエの原理(平衡移動)を解説|危険物取扱者【甲種】物理化学

【過去問】ルシャトリエの原理(平衡移動)を解説|危険物取扱者【甲種】物理化学

A出題ランク:甲種で頻出のAランク(重要)

甲種専用物理化学シリーズの最後はルシャトリエの原理です。可逆反応が平衡状態にあるとき、条件(濃度・温度・圧力)を変化させると平衡がどちらに移動するかを判断する原理で、係数の比較だけで解ける計算しやすい分野です。

このページで甲種専用物理化学シリーズが完結します。

強欲な青木

圧力を上げたら平衡がどっちに動くかなんて、感覚的にしか分からないっす…

消防設備士

感覚ではなく機械的に判定できます。反応式の左辺と右辺の気体の係数(mol数)を足して比べるだけです。圧力を上げると、気体の分子数が少ない側へ平衡が移動します。

このページを見たら危険物取扱者甲種の物理化学に出てくる「ルシャトリエの原理」に関する問題が得点源となるはず!

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併せて、ご参照ください。

目次

🔰基礎教養学習

1. ルシャトリエの原理とは

可逆反応が平衡状態にあるとき、濃度・温度・圧力などの条件を変化させると、その変化を打ち消す方向に平衡が移動します。これをルシャトリエの原理(平衡移動の原理)といいます。

圧力を上げる → 気体の分子数(mol数)が少ない側へ平衡が移動する

ルシャトリエの原理の考え方
ルシャトリエの原理の考え方

2. 判定手順

ステップ 内容
反応式の左辺・右辺それぞれの気体の係数を足す
左辺と右辺のmol数を比較する
圧力を上げた場合、mol数が少ない側へ平衡が移動すると判定する
強欲な青木

左辺と右辺の気体の数が同じだったらどうなるんすか?

消防設備士

左辺と右辺の気体の分子数(mol数)が同じ場合、圧力を変化させても平衡は移動しません。例えばH₂+I₂⇄2HIは左辺2mol・右辺2molで同じなので、圧力変化の影響を受けにくい反応です。

上記の内容をふまえて、さっそく過去問に挑戦してみましょう!

【過去問】ルシャトリエの原理

【問1】 次のA〜Dの気体および蒸気の可逆反応で、温度が一定で圧力を上げた場合、平衡が右に移動するもののみをすべて掲げているものはどれか。

A 2NO₂ ⇄ N₂O₄
B H₂ + I₂ ⇄ 2HI
C N₂ + 3H₂ ⇄ 2NH₃
D 2SO₂ + O₂ ⇄ 2SO₃

  1. AとB
  2. AとCとD
  3. BとCとD
  4. BとD
  5. CとD
解答と解説を見る

正解:2(AとCとD)

温度一定で圧力を上げると、気体の物質量が少ない側へ平衡が移動します。

A:2molから1molになるため右へ移動
B:左辺2mol、右辺2molで同じなので、圧力変化の影響を受けにくい
C:4molから2molになるため右へ移動
D:3molから2molになるため右へ移動

右辺の気体mol数が少ない反応、すなわちA・C・Dがすべて右へ移動するため、これらをすべて含むが正解です。

【問2】 次の反応A〜Dのうち、圧力を上げても平衡が移動しないものはどれか。

A 2NO₂ ⇄ N₂O₄
B H₂ + I₂ ⇄ 2HI
C N₂ + 3H₂ ⇄ 2NH₃
D 2SO₂ + O₂ ⇄ 2SO₃

解答と解説を見る

正解:2

B(H₂+I₂⇄2HI)は左辺2mol、右辺2molで気体分子数が変わらないため、圧力を上げても平衡は移動しません。

チェック1(4択)

ルシャトリエの原理によれば、圧力を上げたとき平衡はどちらに移動するか。

  1. 気体の分子数が多い側
  2. 気体の分子数が少ない側
  3. 常に右側
  4. 常に左側
解答と解説を見る

正解:2

圧力を上げると、気体の分子数(mol数)が少ない側へ平衡が移動します。

チェック2(○✕)

次の記述の正誤を答えなさい。

H₂+I₂⇄2HIの反応は、圧力を上げても平衡は移動しない。

解答と解説を見る

正解:○

左辺2mol、右辺2molで気体分子数が変わらないため、圧力変化の影響を受けません。

チェック3(穴埋め)

次の( )に当てはまる語句を答えなさい。

  1. ルシャトリエの原理は、条件変化を( ① )方向に平衡が移動するという原理である。
  2. 圧力を上げると、気体の( ② )が少ない側へ平衡が移動する。
  3. N₂+3H₂⇄2NH₃は、圧力を上げると( ③ )辺へ平衡が移動する。
  4. 左辺と右辺の気体分子数が等しい反応は、圧力を変化させても平衡が( ④ )。
解答と解説を見る

打ち消す ② 分子数(mol数) ③  ④ 移動しない

🪏深掘り解説

① 係数の合計を比べるだけで解ける「型」

ルシャトリエの原理の圧力に関する問題は、次の型で機械的に解けます。

  1. 反応式の左辺の係数の合計を求める
  2. 反応式の右辺の係数の合計を求める
  3. 係数の合計が少ない方へ、圧力を上げたときの平衡が移動する

例えばN₂+3H₂⇄2NH₃なら、左辺は1+3=4mol、右辺は2molなので、右辺の方が少ないため、圧力を上げると右(NH₃が増える方向)へ移動します。

② 甲種専用物理化学シリーズを振り返る

これで、気体の状態方程式・酸化還元の電子授受計算・オームの法則・金属結晶構造・ルシャトリエの原理という、甲種だけに出題される物理化学の計算問題シリーズが完結しました。

共通しているのは、いずれも「公式・法則を1つ覚えて機械的に当てはめれば解ける」という点です。丸暗記ではなく手順を理解しておけば、本番でも初見の数値でも対応できます。

まとめ

  • ルシャトリエの原理は条件変化を打ち消す方向に平衡が移動する原理

  • 圧力を上げると、気体の分子数(mol数)が少ない側へ平衡が移動する

  • 判定は左辺と右辺の係数の合計を比較するだけでよい

  • 左辺・右辺の気体分子数が等しい反応は圧力変化の影響を受けない

  • 甲種専用物理化学シリーズ(気体計算・酸化還元・オーム・結晶構造・ルシャトリエ)がこれで完結

強欲な青木

これで性状(個別物質)シリーズと甲種専用物理化学シリーズ、両方が完走っす!お疲れさまでした!

危険物取扱者「過去問テスト」は、その名の通り“過去に出た問題”のテストです。

ブログでお馴染みの管理人が過去問に関する情報収集を積み重ね、その中からピックアップして過去問ベースの模擬試験を作成したものです。

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この記事を書いた人

高専から大学院まで9年間にわたり化学を専攻。
消防整備士として10年の実務経験を積み、独立・起業。

消防設備士全類、危険物取扱者全類をはじめ、第二種電気工事士、AI・DD総合種、第三種電気主任技術者など、多数の国家資格を保有。

神戸高等技術専門学院にて危険物取扱者 乙種第4類およびDO第3種の講師を担当。
また、月刊誌「電気と工事(オーム社)」にてコラムを連載中。

実務・教育・執筆の三軸から、専門性と実践力を兼ね備えた情報発信を行っている。

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