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【過去問】混合ガスの燃焼下限界とは?ルシャトリエの法則を解説|危険物取扱者【甲種】物理化学

【過去問】混合ガスの燃焼下限界とは?ルシャトリエの法則を解説|危険物取扱者【甲種】物理化学

A出題ランク:甲種で頻出のAランク(重要)

甲種専用物理化学シリーズ、今回は混合ガスの燃焼下限界です。2つ以上の可燃性ガスが混ざったときの燃焼下限界を求める計算で、「ルシャトリエの法則」という公式を使います。

同じ「ルシャトリエ」の名がついていますが、以前のページで解説した化学平衡のルシャトリエの原理とは全く別の内容なので、混同しないよう注意しましょう。

強欲な青木

ルシャトリエの原理と法則、名前が似すぎて絶対試験でひっかかるやつっす…

消防設備士

実際によく出る引っかけです。「原理」は化学平衡の移動、「法則」は混合ガスの燃焼下限界の計算式と割り切って覚えてください。中身は無関係な公式です。

このページを見たら危険物取扱者甲種の物理化学に出てくる「混合ガスの燃焼下限界」に関する問題が得点源となるはず!

最新ver.の過去問情報は、青木マーケ(株)noteの危険物取扱者「過去問テスト」毎年更新しています。

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併せて、ご参照ください。

目次

🔰基礎教養学習

1. ルシャトリエの法則とは

可燃性の混合ガスにおける燃焼下限界の算出には、ルシャトリエの法則が使われます。可燃性ガスA、Bの燃焼下限界をそれぞれXa(%)、Xb(%)、混合ガス中の体積割合(モル分率)をna、nbとすると、混合ガスの燃焼下限界Xm(%)は次の式で求められます。

1/Xm = (na/Xa) + (nb/Xb) (na+nb=1)

ルシャトリエの法則による混合ガス燃焼下限界の考え方
ルシャトリエの法則による混合ガス燃焼下限界の考え方

2. 計算手順

ステップ 内容
各ガスの体積比(モル比)を合計が1になるよう体積割合na、nbに直す
1/Xm=(na/Xa)+(nb/Xb) に代入する
右辺を計算してから逆数をとり、Xmを求める

例えば、燃焼下限界が5vol%のメタンと3vol%のエタンを体積比1:4で混合した場合、na=1/5=0.2、nb=4/5=0.8。1/Xm=(0.2/5)+(0.8/3)=0.04+0.267=0.307となり、Xm=1/0.307≒3.3vol%です。

強欲な青木

最後に逆数をとるのを忘れそうっす…

消防設備士

そこが最大の落とし穴です。公式の左辺は「1/Xm」であって「Xm」ではないので、計算後に必ず逆数をとる一手間を忘れないでください。

上記の内容をふまえて、さっそく過去問に挑戦してみましょう!

【過去問】混合ガスの燃焼下限界

【問1】 メタン(燃焼下限界5vol%)とエタン(燃焼下限界3vol%)2つの可燃性ガスを体積比1:4の割合で混合したとき、その混合ガスの燃焼下限界の値はルシャトリエの法則から求めると、次のうちどれか。

  1. 約2.7vol%
  2. 約3.3vol%
  3. 約4.0vol%
  4. 約4.4vol%
  5. 約8.5vol%
解答と解説を見る

正解:2(約3.3vol%)

体積比1:4より、メタンの体積割合na=1/5=0.2、エタンの体積割合nb=4/5=0.8。

1/Xm=(0.2/5)+(0.8/3)=0.04+0.267=0.307 → Xm=1/0.307≒3.3vol%

【問2】 ルシャトリエの法則によると、A、B2つの可燃性蒸気について、単独のときの燃焼下限界をそれぞれXa=1.0vol%、Xb=4.0vol%とし、AとBをモル比1:3の割合で混合すると、混合蒸気の燃焼下限界の値Xmは、次のうちどれになるか。

  1. 約0.4vol%
  2. 約0.6vol%
  3. 約1.8vol%
  4. 約2.3vol%
  5. 約2.8vol%
解答と解説を見る

正解:4(約2.3vol%)

モル比1:3より、na=1/4=0.25、nb=3/4=0.75。

1/Xm=(0.25/1.0)+(0.75/4.0)=0.25+0.1875=0.4375 → Xm=1/0.4375≒2.3vol%

チェック1(4択)

混合ガスの燃焼下限界の算出に用いる法則はどれか。

  1. ボイルの法則
  2. シャルルの法則
  3. ルシャトリエの法則
  4. ドルトンの分圧の法則
解答と解説を見る

正解:3

混合ガスの燃焼下限界の算出にはルシャトリエの法則を用います。

チェック2(○✕)

次の記述の正誤を答えなさい。

混合ガスの燃焼下限界を求めるルシャトリエの法則は、化学平衡に関するルシャトリエの原理と同じ内容である。

解答と解説を見る

正解:✕

両者は名称が似ているだけで全く別の内容です。ルシャトリエの法則は混合ガスの燃焼下限界の計算式、ルシャトリエの原理は化学平衡の移動方向を表す原理です。

チェック3(穴埋め)

次の( )に当てはまる語句・数式を答えなさい。

  1. 可燃性ガスA、Bの体積割合をna、nb、燃焼下限界をXa、Xbとすると、混合ガスの燃焼下限界Xmは( ① )の式で求められる。
  2. この式から計算した後、Xmを求めるには( ② )をとる必要がある。
  3. この法則は化学平衡の( ③ )とは全く別の内容である。
解答と解説を見る

1/Xm=(na/Xa)+(nb/Xb) ② 逆数 ③ ルシャトリエの原理

🪏深掘り解説

① なぜ危険物取扱者試験で混合ガスの燃焼下限界が出るのか

危険物施設では複数の可燃性ガス・蒸気が同時に漏れる状況が想定され、混合したときに燃焼範囲に入るかどうかの判断が防災上重要です。単独では燃焼下限界に達していなくても、混合すると危険域に入ることがあるため、この計算は火災予防の実務にも直結します。

② 同じ「ルシャトリエ」でも中身は無関係と割り切る

試験対策としては、「ルシャトリエの原理=平衡移動(圧力・温度・濃度)」「ルシャトリエの法則=混合ガスの燃焼下限界計算」と、名前と用途をセットで丸ごと覚えてしまうのが最も効率的です。中身を無理に結びつけようとすると逆に混乱するので、割り切って別物として暗記しましょう。

まとめ

  • 混合ガスの燃焼下限界はルシャトリエの法則で求める

  • 1/Xm=(na/Xa)+(nb/Xb) (na、nbは体積割合、合計1)

  • 計算後は必ず逆数をとってXmを求める

  • 化学平衡のルシャトリエの原理とは全く別の内容(名前が同じだけ)

  • 甲種専用物理化学シリーズ、これで全8本が完結

強欲な青木

これで甲種専用物理化学シリーズ、全8本完走っす!お疲れさまでした!

危険物取扱者「過去問テスト」は、その名の通り“過去に出た問題”のテストです。

ブログでお馴染みの管理人が過去問に関する情報収集を積み重ね、その中からピックアップして過去問ベースの模擬試験を作成したものです。

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この記事を書いた人

高専から大学院まで9年間にわたり化学を専攻。
消防整備士として10年の実務経験を積み、独立・起業。

消防設備士全類、危険物取扱者全類をはじめ、第二種電気工事士、AI・DD総合種、第三種電気主任技術者など、多数の国家資格を保有。

神戸高等技術専門学院にて危険物取扱者 乙種第4類およびDO第3種の講師を担当。
また、月刊誌「電気と工事(オーム社)」にてコラムを連載中。

実務・教育・執筆の三軸から、専門性と実践力を兼ね備えた情報発信を行っている。

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