危険物取扱者「過去問テスト」はこちらから!

【過去問】比重・密度とは?水との比較と蒸気比重を解説|危険物取扱者乙4

A出題ランク:ほぼ毎回出るAランク(重要)

「比重」と「密度」は似て非なる概念で、比重は水を基準にした密度の比(単位なし)という点がカギになります。比重・蒸気比重は物化(基礎的な物理学・化学)でほぼ毎回問われるAランクの重要テーマ。ここを押さえると「水に浮くか沈むか」「蒸気がどこにたまるか」という第4類危険物の取り扱い・消火の理解が一気に進みます。

消防設備士

今回は乙4頻出の比重・密度・蒸気比重を整理しましょう。「水より重いか軽いか」「蒸気がどこにたまるか」に直結する大事なテーマです。

強欲な青木

比重と密度って、同じものじゃないんすか?

消防設備士

似ていますが別物です。密度は質量÷体積で単位があるのに対し、比重は水を基準にした密度の比で単位がありません。

強欲な青木

なるほど。じゃあ比重が1より小さいと水に浮くってことっすね?

消防設備士

その通り。さらに蒸気には別の基準があって、蒸気比重は空気を1とした比。第4類は蒸気比重が1を超え、蒸気が低所にたまるのが定番の引っかけです。

目次

💪実力試し(3問)

まずは現在の理解度をチェック。本番レベルを3問用意しました。

問題1

密度と比重に関する説明として、正しいものはどれか。

  1. 密度は水を基準にした比であり、単位を持たない。
  2. 比重は質量を体積で割った値で、単位は g/cm³ である。
  3. 密度は質量を体積で割った値で単位を持ち、比重は水を基準にした密度比で単位を持たない。
  4. 密度と比重は完全に同じ意味で、どちらも単位を持つ。
解答と解説を見る
正解
解説

密度=質量÷体積で単位あり(g/cm³)、比重=水(4℃)を基準にした密度比で無次元(単位なし)。選択肢1・2は密度と比重の説明が入れ替わっており、4は両者を同一視しているため誤り。

間違えやすいポイント

『比重に単位がある』『密度が無次元』という入れ替えが最頻出。比重は無次元と覚える。

問題2

第4類危険物の比重に関する性状として、正しいものはどれか。

  1. 液比重が1を超えるものが多く、水に沈む。
  2. 液比重が1未満のものが多く水に浮き、蒸気比重は1を超え空気より重い。
  3. 液比重も蒸気比重もともに1未満である。
  4. 蒸気比重が1未満で、蒸気は高所に滞留する。
解答と解説を見る
正解
解説

第4類は液比重が1未満で水に浮くものが多く(非水溶性が多い)、蒸気比重は1を超え空気より重いため蒸気が低所に滞留する。これが水消火が不適な理由にも直結する。

間違えやすいポイント

液比重(水基準)は1未満、蒸気比重(空気基準)は1超。基準と大小を取り違えさせる引っかけが定番。

問題3

二硫化炭素を水中で保存する理由として、最も適切なものはどれか。

  1. 液比重が1未満で水に浮き、水が蓋になるから。
  2. 水によく溶けて安定するから。
  3. 液比重が1.26で水に沈むため、水を張って蒸気の発生を抑えられるから。
  4. 発火点が高く、水があっても燃えないから。
解答と解説を見る
正解
解説

二硫化炭素は第4類の例外で液比重1.26>1のため水に沈む。沈んだ液面の上に水を張ることで可燃性蒸気の発生を抑える『水中保存』ができる。

間違えやすいポイント

第4類は液比重1未満が多いが、二硫化炭素だけは1超で水に沈む例外。ここが頻出。

🔰基礎教養学習

1. 密度とは

1. 密度とは

密度は単位体積あたりの質量で、密度=質量÷体積で求める。単位は g/cm³(または kg/m³)。物質ごとに固有の値を持つ。

消防設備士

密度は「ぎゅっと詰まっている度合い」。質量を体積で割るだけ、単位がある点がポイントです。

2. 比重とは

比重は水(4℃)の密度を基準にした密度の比。基準の水で割るため単位を持たない(無次元)。比重が1より大きければ水に沈み、1より小さければ水に浮く。

強欲な青木

水を「ものさし」にして、何倍重いか軽いかを表した数字ってことっすね。

3. 蒸気比重とは

3. 蒸気比重とは

蒸気比重は空気(=1)を基準にした蒸気の重さの比。蒸気比重が1を超えると空気より重く低所に滞留し、1未満だと高所へ拡散する。液体の比重は水基準、蒸気は空気基準と区別する。

4. 液比重・蒸気比重の意味と第4類の特徴

項目 基準 1を超えると 第4類の傾向
液比重 水(4℃)=1 水に沈む 1未満が多く水に浮く(非水溶性が多い)
蒸気比重 空気=1 低所に滞留 1を超え空気より重く低所に滞留
4. 液比重・蒸気比重の意味と第4類の特徴
図解:4. 液比重・蒸気比重の意味と第4類の特徴

5. 第4類 主要物質の比重データ

物質 液比重 蒸気比重 備考
ガソリン 0.7〜0.8 3〜4 水より軽く浮く・非水溶性
灯油 0.8前後 4〜5 水より軽く浮く・非水溶性
二硫化炭素 1.26 2.6 例外で水に沈む→水中保存
エタノール 0.8前後 1.6 水溶性・水より軽い
5. 第4類 主要物質の比重データ
図解:5. 第4類 主要物質の比重データ

✅理解度チェックテスト(3問)

チェック1(4択)

液比重0.79のエタノールを水に入れた。どうなるか?

  1. 水に浮く
  2. 水に沈む
  3. 中央で止まる
  4. 気化する
答えを見る
正解
ポイント

液比重0.79<1なので水より軽く、水に浮く。

チェック2(○✕)

次の記述は正しいか誤りか、○✕で答えてください。

「比重は密度を質量で割った値で、単位は g/cm³ である。」

答えを見る
正解✕(誤り)
解説

誤り。比重は水を基準にした密度の比で無次元(単位なし)。単位を持つのは密度(質量÷体積)。

チェック3(穴埋め)

次の文の【 】に入る最も適切な語句を選んでください。

空気を基準(=1)にした蒸気の重さの比を【 】という。

  1. 液比重
  2. 蒸気比重
  3. 密度
  4. 比熱
答えを見る
正解
解説

空気を1とした蒸気の重さの比が『蒸気比重』。1を超えると低所に滞留する。

🪏深掘り解説

① なぜ第4類の消火に水が不向きなのか

第4類の多くは液比重が1未満で非水溶性。水をかけても危険物が水に浮いてしまい、燃えながら水面に広がって火災を拡大させる恐れがある。だから水(棒状注水)は不適で、泡・粉末・二酸化炭素などの窒息消火が基本となる。

② 蒸気比重と低所滞留の危険性

第4類の蒸気は蒸気比重が1を超え空気より重いため、床面・ピット・側溝など低い所にたまる。低所に点火源があると引火・爆発につながるため、換気は低い位置から行い、低所の火気を避ける。

③ 二硫化炭素という例外

  • 液比重1.26で第4類では珍しく水より重く、水に沈む
  • 水に沈む性質を利用した水中保存で蒸気の発生を抑える
  • 「第4類=水に浮く」の例外として狙われやすい

🥊過去問演習(10問)

実際の試験レベル10問に挑戦しましょう。解説付きで知識を固めます。

問題で狙われるポイント:比重・密度とは?水との比較を解説
図解:問題で狙われるポイント:比重・密度とは?水との比較を解説

危険物乙4 2-2:比重・密度とは?水との比較を解説 過去問演習10問

危険物取扱者試験 乙種第4類「比重・密度とは?水との比較を解説」の過去問演習10問です。

1 / 10

密度と比重に関する説明として、次のうち正しいものはどれか。

2 / 10

蒸気比重の説明として、次のうち正しいものはどれか。

3 / 10

第4類危険物の一般的な性状として、次のうち正しいものはどれか。

4 / 10

二硫化炭素を水を張ったタンクで貯蔵(水中保存)する理由として、最も適切なものはどれか。

5 / 10

ガソリンの性状に関する記述として、次のうち誤っているものはどれか。

6 / 10

液比重が0.79のエタノールを水に入れたとき、起こる現象として正しいものはどれか。

7 / 10

密度の単位として、適切なものはどれか。

8 / 10

蒸気比重が4の可燃性蒸気が室内に漏れたとき、最も注意すべき場所はどれか。

9 / 10

比重1.0の水を入れた容器に、比重1.26の二硫化炭素を静かに注いだときの様子として正しいものはどれか。

10 / 10

第4類危険物の消火に、一般に棒状の水(注水)が適さない理由として最も適切なものはどれか。

あなたのスコアは

平均スコアは 0%

🎙️現場のリアル

ガソリンは水より軽くて水に浮きます。だから流出事故で水をかけると、燃えたまま水に乗って広がる。現場で「とりあえず水」が最悪手になる理由がこれです。そして蒸気は空気より重いので低いところに溜まる。ピットや側溝を必ず確認するのは、そこに溜まっているからです。

📝まとめ

比重・密度とは?水との比較を解説
図解:比重・密度とは?水との比較を解説
  • 密度:質量÷体積。単位あり(g/cm³)
  • 比重:水(4℃)基準の密度比。単位なし。1未満で浮く・1超で沈む
  • 蒸気比重:空気基準の比。1超で低所に滞留
  • 第4類は液比重1未満・非水溶性が多く、蒸気比重は1超
  • 二硫化炭素は液比重1.26で水に沈む例外(水中保存)
消防設備士

次回は「熱量・比熱」。1gを1℃上げる熱量=比熱という考え方と、温度変化の計算を学びます。

📚 この科目の全体像(学習ロードマップ)

いま何回目をやっていて、あと何回残っているかがひと目でわかります。復習したい回はここから飛んでください。

物理・化学の学習ロードマップ17
  1. 1【過去問】物質の三態とは?状態変化と潜熱を解説|危険物取扱者乙4続きを見る
  2. 2【過去問】比重・密度とは?水との比較と蒸気比重を解説|危険物取扱者乙4続きを見る
  3. 3【過去問】熱量・比熱・熱膨張とは?計算問題の解き方を解説|危険物取扱者乙4続きを見る
  4. 4【過去問】熱の移動とは?伝導・対流・放射の違いを解説|危険物取扱者乙4続きを見る
  5. 5【過去問】静電気とは?発生メカニズムと除去対策を解説|危険物取扱者乙4続きを見る
  6. 6【過去問】物理変化と化学変化の違いは?化合・分解も解説|危険物取扱者乙4続きを見る
  7. 7【過去問】化学反応式とは?化合・分解と係数の合わせ方を解説|危険物取扱者乙4続きを見る
  8. 8【過去問】酸と塩基・pHとは?液性の見分け方を解説|危険物取扱者乙4続きを見る
  9. 9【過去問】中和反応とは?塩と水ができる仕組みを解説|危険物取扱者乙4続きを見る
  10. 10【過去問】酸化と還元とは?電子の授受で見分け方を解説|危険物取扱者乙4続きを見る
  11. 11【過去問】金属とイオン化傾向とは?腐食との関係を解説|危険物取扱者乙4続きを見る
  12. 12【過去問】燃焼とは?燃焼の三要素・四要素を解説|危険物取扱者乙4続きを見る
  13. 13【過去問】燃焼の区分とは?固体・液体・気体の燃え方を解説|危険物取扱者乙4続きを見る
  14. 14【過去問】引火点と発火点の違いは?燃焼点も解説|危険物取扱者乙4続きを見る
  15. 15【過去問】燃焼範囲(爆発範囲)とは?下限値と危険性を解説|危険物取扱者乙4続きを見る
  16. 16【過去問】消火の原理とは?消火の4要素を解説|危険物取扱者乙4続きを見る
  17. 17【過去問】消火剤の種類と適応は?第4類への使い分けを解説|危険物取扱者乙4続きを見る
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

高専から大学院まで9年間にわたり化学を専攻。
消防整備士として10年の実務経験を積み、独立・起業。

消防設備士全類、危険物取扱者全類をはじめ、第二種電気工事士、AI・DD総合種、第三種電気主任技術者など、多数の国家資格を保有。

神戸高等技術専門学院にて危険物取扱者 乙種第4類およびDO第3種の講師を担当。
また、月刊誌「電気と工事(オーム社)」にてコラムを連載中。

実務・教育・執筆の三軸から、専門性と実践力を兼ね備えた情報発信を行っている。

コメント

コメントする


目次