現在地:法令(類別)1(1/5)|このページ15問
避難器具の設置義務は、消防設備士甲5・乙5の法令問題で中心になる範囲です。
問題を解くときは、いきなり人数だけを見てはいけません。先に防火対象物の用途を令別表第一へ当てはめ、次に階、収容人員、直通階段の数を確認します。
この講義で覚えることは、全部で4つです。
- ① 設置義務を決める5つの区分
- ② 2階から対象になる用途と、3階から対象になる用途
- ③ 20・30・50・100・150・10人の使い分け
- ④ 設置個数の基本となる100・200・300人区分
🚪 避難器具を設置する階の基本
避難器具は、消防法施行令第25条第1項が定める防火対象物の階に設置します。
ただし、次の階は同項の対象から除かれます。
- 避難階
- 11階以上の階
ここでいう「11階以上は除く」は、第5類の避難器具に関する令第25条の規定です。ほかの消防用設備等の設置基準と混同しないようにします。
消防法施行令第25条第1項は、避難器具を設置する防火対象物の階から「避難階及び十一階以上の階」を除いています。
避難器具は、まず「避難階か」「11階以上か」を確認してから用途判定へ進む。
🏢 設置義務は5区分で整理する
令第25条第1項の5つの区分を、試験用に整理すると次のようになります。
| 区分 | 主な用途 | 対象となる階 | 収容人員 |
|---|---|---|---|
| 第1号 | 病院、診療所、福祉施設、幼稚園、特別支援学校など(6)項 | 2階以上または地階 | 20人以上。一定の用途が下階にあると10人以上 |
| 第2号 | 旅館、ホテル、宿泊所、共同住宅など(5)項 | 2階以上または地階 | 30人以上。一定の用途が下階にあると10人以上 |
| 第3号 | 劇場、飲食店、物品販売店、学校、図書館、公衆浴場など | 2階以上または地階 | 50人以上 |
| 第4号 | 工場、映画・テレビスタジオ、事務所など(12)・(15)項 | 3階以上または地階 | 無窓階・地階は100人以上、その他は150人以上 |
| 第5号 | 別表第一の防火対象物で直通階段が不足する階 | 原則3階以上。一定の(2)・(3)項用途は2階以上 | 10人以上 |
第3号の「耐火構造の2階」
第3号の用途では、特定主要構造部を耐火構造とした建築物の2階は除かれます。
一方、第1号の病院等と第2号のホテル等には、この2階除外をそのまま当てはめません。
病院20、ホテル30、その他の2階用途50、工場・事務所は原則3階から。
🪜 直通階段が1つしかない階は10人以上に注意
前の4区分に加えて、令第25条第1項第5号は避難経路が不足する階を対象にします。
確認する条件は次の3点です。
- 別表第一に掲げる防火対象物である
- その階から避難階または地上に直通する階段が2以上ない
- 収容人員が10人以上である
対象階は原則として3階以上です。ただし、(2)項・(3)項の用途や、2階にそれらの用途部分がある一定の複合用途では2階から対象になります。
消防法施行令第25条第1項第5号は、当該階から避難階または地上に直通する階段が2以上設けられていない階について、原則3階以上、一定の場合は2階以上、収容人員10人以上と定めています。
「2階・10人・階段1つ」が出たら、(2)項・(3)項用途かを確認する。
🔢 設置個数の基本は100・200・300人
設置が必要と分かったら、次に個数を計算します。詳しい減免は法令3で扱いますが、基本は次の3区分です。
| 令第25条第1項の区分 | 1個あたりの収容人員 |
|---|---|
| 第1号・第2号・第5号 | 100人までごとに1個 |
| 第3号 | 200人までごとに1個 |
| 第4号 | 300人までごとに1個 |
たとえば、百貨店は第3号なので500人なら3個以上です。事務所は第4号なので350人なら2個以上です。
消防法施行令第25条第2項第1号本文は、第1・2・5号を100人、第3号を200人、第4号を300人まで増すごとに1個追加する区分で定めています。
個数は「100・200・300」のどの群かを先に決め、最後に切り上げる。
🧭 過去問を解く5手順
STEP 1|用途を令別表第一へ分類する
病院、ホテル、学校、工場、事務所などを第1号〜第4号のどこへ入れるか判断します。
STEP 2|避難階・11階以上を除く
令第25条の対象階かを最初に確認します。
STEP 3|2階からか、3階からかを確認する
工場、映画・テレビスタジオ、事務所は原則として3階以上または地階です。
STEP 4|収容人員の基準と比較する
20・30・50・100/150人、または第5号の10人を使います。
STEP 5|個数を100・200・300人区分で計算する
減免条件が付いていないかも最後に確認します。
用途→対象階→人数→階段→個数の順で処理する。
✍️ 過去問は全部で15問
以下は、出題条件と正答を確認した問題です。
過去問 1/15|耐火構造の2階
特定主要構造部を耐火構造とした建築物の2階で、収容人員により避難器具を設置しなければならないものはどれか。
- マーケット
- 診療所
- 工場
- 中学校
過去問 2/15|3階の無窓階
次の防火対象物の3階(無窓階)で、避難器具の設置が必要ないものはどれか。ほかの条件は考慮しないものとする。
- 共同住宅・収容人員30人
- 飲食店・収容人員40人
- 大学・収容人員50人
- 事務所・収容人員100人
過去問 3/15|2階の設置義務
避難器具を設置しなければならない防火対象物の階として、誤っているものはどれか。用途・階・収容人員以外の条件は考慮しないものとする。
- 幼稚園の2階・20人
- 共同住宅の2階・30人
- マーケットの3階・40人
- 飲食店の3階・50人
過去問 4/15|単独用途の2階
次のうち、避難器具を設置しなければならない階として正しいものはどれか。いずれも単独用途とし、ほかの条件は考慮しないものとする。
- 診療所の2階・15人
- 小学校の2階・55人
- 演芸場の2階・35人
- 工場の2階・155人
過去問 5/15|20人で対象になる用途
次の防火対象物の2階(避難階以外)で収容人員が20人の場合、避難器具を設置しなければならないものはどれか。特例は考慮しないものとする。
- 展示場
- 宿泊所
- 乳児院
- 蒸気浴場
過去問 6/15|直通階段が1つの2階
2階の収容人員が15人で、避難階または地上に直通する階段が1つしかない場合、避難器具を設置しなければならないものはどれか。いずれも単独用途とする。
- キャバレー
- 旅館
- 中学校
- 幼稚園
過去問 7/15|集会場160人
集会場の3階で収容人員が160人の場合、避難器具の最少個数はいくつか。ほかの条件は考慮しないものとする。
- 1個
- 2個
- 3個
- 4個
過去問 8/15|事務所350人
事務所の5階(無窓階)で収容人員が350人の場合、避難器具の最少個数はいくつか。ほかの条件は考慮しないものとする。
- 1個
- 2個
- 3個
- 4個
過去問 9/15|百貨店500人
百貨店の5階で収容人員が500人の場合、最少の設置個数はいくつか。
- 1個
- 2個
- 3個
- 4個
過去問 10/15|2階で人数にかかわらず対象外
収容人員にかかわらず、避難器具の設置が必要ないものはどれか。単独用途で、ほかの条件は考慮しないものとする。
- 映画スタジオの2階
- 図書館の2階
- 旅館の2階
- 熱気浴場の2階
過去問 11/15|耐火構造ではない2階
特定主要構造部が耐火構造以外で、2階が避難階ではない場合、避難器具の設置が必要ないものはどれか。
- 診療所・20人
- ホテル・30人
- 小学校・50人
- 事務所・100人
過去問 12/15|テレビスタジオの2階
特定主要構造部が耐火構造以外で、2階が避難階ではない場合、避難器具の設置が必要ないものはどれか。
- 各種学校・50人
- 美術館・50人
- ホテル・30人
- テレビスタジオ・100人
過去問 13/15|3階の個数
防火対象物の3階に設置する避難器具の個数の算出として正しいものはどれか。個数の減免は考慮しないものとする。
- 病院100人なので1個
- 共同住宅200人なので1個
- 旅館200人なので1個
- 百貨店300人なので1個
過去問 14/15|誤っている個数
防火対象物の3階に設置する避難器具の個数として、誤っているものはどれか。個数の減免は考慮しないものとする。
- ホテル100人なので1個
- 劇場200人なので1個
- 図書館300人なので1個
- 事務所300人なので1個
過去問 15/15|用途別の個数
防火対象物に設置する避難器具の個数の算出として正しいものはどれか。ほかの条件は考慮しないものとする。
- 演芸場の5階・200人なので1個以上
- 映画スタジオの5階・300人なので2個以上
- 特別支援学校の5階・200人なので3個以上
- ホテルの5階・500人なので4個以上
⚠️ 試験と実務の注意
試験では消防法施行令と消防法施行規則の基準を使います。実際の建物では、用途の判定、収容人員の算定、条例による付加、既存建物への経過措置なども関係します。
実務で設置可否を判断するときは、図面と建物条件を整理し、所轄消防機関へ確認してください。
➡次に進みましょう