学習範囲:法令(類別)|設置位置・特定一階段等防火対象物
最新ver.の過去問情報は、青木マーケ(株)ショップの消防設備士「過去問テスト」で毎年更新しています。
併せて、ご参照ください。
この講義では、避難器具をどこに設けるか、そして特定一階段等防火対象物で何を追加して確認するかを扱います。設置義務と個数が決まっても、位置が不適切なら避難に使えません。開口部、避難経路、器具相互の位置関係を問題文の条件どおりに読みます。
①:設置位置は避難しやすさで判断する
避難器具は、避難する人が容易に接近できる位置に設けます。階段・避難口などの避難施設からは適当な距離をとり、その器具を安全に使用できる構造の開口部に設置します。「見える位置にある」だけでは、器具まで移動して使えるとは限りません。
②:開口部との関係を読む
避難器具を設ける開口部は、原則として相互に同じ垂直線上に重ならない位置とします。この規定から除かれるのは、すべり棒・避難ロープ・避難橋・避難用タラップです。また、避難上支障がない場合には、同じ垂直線上とすることが認められます。
③:特定一階段等では対象階を見落とさない
特定一階段等防火対象物とは、特定用途が地階又は3階以上の階(避難階を除く)にあり、その階から避難階又は地上へ直通する階段・傾斜路が、原則として2以上ない防火対象物です。ここでいう特定用途は、飲食店・店舗・旅館・病院など、令別表第1の(1)〜(4)、(5)イ、(6)、(9)イに掲げる用途です。
1階・2階はこの対象階に含めません。避難上有効な開口部のない壁で区画されている部分がある場合は、その区画された部分で判定します。屋外に設けた階段・傾斜路や、省令所定の避難上有効な構造を備えたものは、1以上あれば階段数の条件に該当しません。また、小規模特定用途複合防火対象物は定義から除かれます。
この対象物又はその部分に設ける避難器具は、次のいずれかに適合する必要があります。
- 安全かつ容易に避難できる構造のバルコニー等に設ける。
- 常時、容易かつ確実に使用できる状態で設置する。
- 1動作で、容易かつ確実に使用できるものとする。
3つすべてを同時に満たすという意味ではありません。1動作を数えるときは、開口部を開ける動作と、保安装置を解除する動作を除きます。
表示は、位置を示す標識と使用方法を示す標識を分けて読みます。位置を示す標識は、避難器具の直近の見やすい箇所と、その設置箇所に至る廊下・通路等に設けます。ただし、避難器具の設置場所が容易にわかる場合は、この限りではありません。これは同じ位置標識の設置場所を定めるもので、別種類の標識を二重に求めるものではありません。使用方法を示す標識は、避難器具の直近の見やすい箇所に設けます。ただし、使用方法が簡便な器具では省略できます。特定一階段等防火対象物では、さらに次の措置が必要です。
- イ:設置・格納場所の出入口上部又はその直近に、その場所であることを容易に識別できる措置を講じる。
- ロ:避難器具設置等場所の見やすい箇所に、避難器具である旨及びその使用方法を表示した標識を設ける。
- ハ:その場所がある階のエレベーターホール又は階段室の出入口付近の見やすい箇所に、設置・格納場所を明示する標識を設ける。階段室に附室がある場合は、附室の出入口付近とする。
これらは特定一階段等防火対象物に対する規則の追加要件で、告示第2号第五の一般の位置標識・使用方法標識とは、適用根拠と配置の単位が異なります。同じ適切な表示が必要な内容と位置の要件を満たす場合まで、標識自体を別々に重ねて設ける趣旨ではありません。各要件を、表示内容と配置場所の両方で確認します。

過去問で確認
【過去問1/6】接近と開口部
次の文の(ア)(イ)に当てはまる組合せとして正しいものはどれか。
「避難器具は、避難に際して容易に(ア)ことができ、階段、避難口その他の避難施設から適当な距離にあり、かつ、安全な構造を有する(イ)に設置する。」
1.見通しする・開口部
2.見通しする・壁または床
3.接近する・開口部
4.接近する・壁または床
【過去問2/6】距離の表現
次の文の(ア)(イ)に当てはまる組合せとして正しいものはどれか。
「避難器具は、避難に際して容易に(ア)し、階段、避難口その他の避難施設から(イ)距離にある。」
1.接近・20m以内の
2.接近・適当な
3.歩行・20m以内の
4.歩行・適当な
【過去問3/6】適当な距離
次の文の(ア)(イ)に当てはまる組合せとして正しいものはどれか。
「避難器具は、避難に際して容易に(ア)し、階段、避難口その他の避難施設から(イ)にある。」
1.見通し・歩行距離20m以上
2.見通し・適当な距離
3.接近・歩行距離20m以上
4.接近・適当な距離
【過去問4/6】設置位置の基本文
次の文の(ア)(イ)に当てはまる組合せとして正しいものはどれか。
「避難器具は、避難に際して容易に(ア)ことができ、階段、避難口その他の避難施設から(イ)にある。」
1.持ち出し・直近の位置
2.操作する・直近の位置
3.接近する・適当な距離
4.取り付ける・適当な距離
【学習用再構成・問5/6】特定一階段等の3階
この問は原問未取得のため、法令に基づき学習用に再構成した問題です。特定一階段等防火対象物の3階へ避難器具を設置し、設置場所は容易にわからず、使用方法も簡便ではないものとして、標識の一般原則を問います。さらに、選択肢の器具はいずれも同一垂直線上にない位置とする規定の除外器具ではなく、同一垂直線上としても避難上支障がない場合の例外も適用しません。誤っているものはどれか。
1.位置を示す標識を、器具の直近の見やすい箇所と、設置箇所に至る廊下・通路等に設ける
2.使用方法を表示する標識は、器具から離れていても、設置場所の出入口直近にあればよい
3.安全かつ容易に避難できる構造のバルコニー等に設ける
4.4階・2階の避難器具と相互に同一垂直線上にない位置へ設ける
【過去問6/6】同一垂直線の除外器具
避難器具を設ける開口部を相互に同一垂直線上にない位置へ設ける規定から除かれる器具はどれか。
1.救助袋
2.避難はしご
3.緩降機
4.避難用タラップ
実務メモとまとめ
問題文に書かれた条件を順に確認し、結論に至る理由を一文で説明できるようにしましょう。
消防設備士「過去問テスト」は、その名の通り“過去に出た問題” のテストです。
ブログでお馴染みの管理人が過去問に関する情報収集を積み重ね、その中からピックアップして過去問ベースの模擬試験を作成したものです。

上記以外に新傾向問題の情報など提供あり次第、解説を毎年追記して更新しています。これから消防設備士の試験を受けられる方は是非ご覧下さい。
次の学習
類別法令を終えたら、共通の機械に関する基礎的知識で、避難器具を理解するための力学・材料・機構を確認しましょう。