【法令(類別)③】避難器具の設置個数と減免|消防設備士甲5・乙5【過去問】

【法令(類別)③】避難器具の設置個数と減免|消防設備士甲5・乙5【過去問】

現在地:法令(類別)3(3/5)|このページ19問

避難器具の個数計算は、いきなり割り算をすると間違えます。

まず防火対象物が令第25条第1項のどの号に当たるかを決め、基準人数を選びます。その後で、耐火構造・避難階段・渡り廊下・屋上広場などによる減免を順に確認します。

この講義で覚える順序は、次の4段階です。

  1. 基本の基準人数を選ぶ
  2. 条件を満たせば基準人数を2倍に読み替える
  3. 避難階段、渡り廊下、屋上の避難橋の数を差し引く
  4. 最後に全免除の条件を確認する
「2倍に読み替える」と「個数を差し引く」は別の緩和です。順番を分けて考えましょう。
消防設備士

 

 

🔢 基本個数は100・200・300人の3区分

消防法施行令第25条第2項第1号の基本は次のとおりです。

令第25条第1項の区分 基準人数 個数の考え方
第1号・第2号・第5号 100人 100人以下は1個。100人まで増すごとに1個加算
第3号 200人 200人以下は1個。200人まで増すごとに1個加算
第4号 300人 300人以下は1個。300人まで増すごとに1個加算

端数が出たときは切り上げます。たとえば第3号の防火対象物で収容人員450人なら、基本個数は3個です。

第1・2・5号は100人、第3号は200人、第4号は300人。

 

 

🪜 基準人数を2倍にできる条件

次の2条件を両方満たす階では、100・200・300人を、それぞれ200・400・600人に読み替えます。

  • 特定主要構造部が耐火構造である
  • 地上に通ずる直通階段を、避難階段または特別避難階段としたものが2以上ある

避難階段には、条件を満たす屋内避難階段と屋外避難階段の両方が含まれます。特別避難階段が1つだけでは足りません。

消防法施行規則第26条第1項。

「耐火構造」かつ「地上直通の避難階段等が2以上」で基準人数を2倍。

 

 

➖ 個数から差し引ける3つの設備

 

避難階段または特別避難階段

一定の構造を満たす避難階段・特別避難階段がある場合、算出個数からその階段の数を差し引くことができます。差し引いた結果が1未満なら、その階には避難器具を設置しないことができます。

 

渡り廊下

特定主要構造部が耐火構造で、渡り廊下が次の条件を満たす場合は、その階の算出個数から「渡り廊下の数×2」を差し引けます。

  • 耐火構造または鉄骨造
  • 両端の出入口に、自動閉鎖装置付きの特定防火設備である防火戸を設置
  • 防火戸は防火シャッターを除く
  • 避難、通行、運搬以外の用途に使わない

渡り廊下の長さを10m以内とする条件や、排煙設備を必須とする条件は、この減免規定にはありません。

 

屋上広場の避難橋

特定主要構造部が耐火構造で、直下階から屋上広場へ通じる避難階段・特別避難階段が2以上あり、屋上広場などが次の条件を満たす場合は、直下階の算出個数から「避難橋の数×2」を差し引けます。

  • 屋上広場の有効面積が100㎡以上
  • 屋上広場に面する窓・出入口に防火戸を設置
  • 出入口から避難橋までの経路に避難上の支障がない
  • 経路上の扉などを避難時に容易に開閉できる

避難橋をボルト締めや溶接で屋上へ固定することは、この個数減免の条件ではありません。

消防法施行規則第26条第2項〜第4項。

階段は「その数」、渡り廊下と屋上の避難橋は「数×2」を差し引く。

 

 

✅ 条件が揃えば全免除になる場合

規則第26条第5項〜第7項には、避難器具を設置しないことができる条件があります。用途によって要求される条件が異なるため、ひとまとめに暗記しないことが大切です。

よく問われる条件は次のとおりです。

  • 特定主要構造部が耐火構造
  • 開口部に防火戸を設けた耐火構造の壁・床による区画
  • 内装を準不燃材料とするか、一定のスプリンクラー設備を設置
  • 直通階段を避難階段または特別避難階段とする
  • 有効なバルコニー等、または相互に離れた2以上の直通階段と2方向避難経路

また、第3号・第4号に掲げる一部の防火対象物では、直下階から屋上へ通じる避難階段等が2以上あり、屋上広場の面積が1,500㎡以上などの条件を満たすと、その直下階を全免除にできる場合があります。

強欲な青木
屋上広場は100㎡と1,500㎡の両方が出ますね。

100㎡は避難橋による「個数の減少」、1,500㎡は条件付きの「全免除」です。目的で区別します。
消防設備士

消防法施行規則第26条第5項〜第7項。

100㎡は減少、1,500㎡は全免除の論点。

 

 

✍️ 過去問は全部で19問

 

過去問 1/19|2倍読み替え後の個数

基準人数を2倍に読み替えられる場合、個数の記述として誤っているものはどれか。

  1. 工場で収容人員600人なら1個以上
  2. 劇場で収容人員600人なら2個以上
  3. ホテルで収容人員600人なら3個以上
  4. 病院で収容人員600人なら4個以上

 

過去問 2/19|耐火・避難階段2つの場合

特定主要構造部が耐火構造で、地上に通ずる直通の避難階段が2つある場合、誤っているものはどれか。

  1. 収容人員150人の2階の病院に1個設置した
  2. 収容人員350人の3階の事務所に1個設置した
  3. 収容人員450人の3階の劇場に2個設置した
  4. 収容人員100人の地階の事務所に設置しなかった

 

過去問 3/19|1個で足りるもの

特定主要構造部が耐火構造で、避難階段または特別避難階段が2以上ある場合、避難器具1個で足りるものはどれか。

  1. 病院の3階・収容人員300人
  2. 中学校の3階・収容人員400人
  3. 図書館の3階・収容人員550人
  4. 工場の3階・収容人員700人

 

過去問 4/19|読み替え後の計算

特定主要構造部が耐火構造で、地上直通の避難階段が2以上ある場合、正しいものはどれか。

  1. 病院で収容人員500人の階は1個以上
  2. 高校で収容人員1,500人の階は2個以上
  3. 遊技場で収容人員600人の階は1個以上
  4. 図書館で収容人員500人の階は2個以上

 

過去問 5/19|用途ごとの正しい個数

2倍読み替えが適用される場合、正しいものはどれか。

  1. 公会堂で収容人員1,000人の階は3個以上
  2. ホテルで収容人員400人の階は3個以上
  3. レストランで収容人員300人の階は2個以上
  4. 養護老人ホームで収容人員200人の階は2個以上

 

過去問 6/19|2倍読み替えの階段条件

特定主要構造部を耐火構造としたうえで、2倍読み替えの対象となるものの組合せはどれか。

  • ア:地上に通ずる直通階段で、屋外避難階段が2つ
  • イ:地上に通ずる直通階段で、屋内避難階段が2つ
  • ウ:地上に通ずる直通階段で、特別避難階段が1つ
  1. ア、イのみ
  2. ア、ウのみ
  3. イ、ウのみ
  4. ア、イ、ウのすべて

 

過去問 7/19|正しい階段の設け方

特定主要構造部を耐火構造としている場合、2倍読み替えができるものはどれか。

  1. 地上への直通階段として特別避難階段を1つ設ける
  2. 地上への直通階段として屋内避難階段を2つ設ける
  3. 避難階への直通階段として屋外階段を2つ設ける
  4. 避難階への直通階段として屋外避難階段を1つ設ける

 

過去問 8/19|屋上の避難橋による減少条件

屋上広場に避難橋を設け、直下階の個数を減らす条件として誤っているものはどれか。

  1. 屋上広場の有効面積が100㎡以上
  2. 避難橋の両端をボルト締め、溶接などで堅固に固定
  3. 屋上広場に面する窓・出入口に防火戸があり、避難橋までの経路に支障がない
  4. 経路上の扉などを避難時に容易に開閉できる

 

過去問 9/19|屋上広場の防火戸と経路

屋上広場の避難橋による減免の必要条件として定められているものはどれか。

  1. 屋上広場の有効面積が50㎡以上
  2. 屋上広場に面する窓・出入口に防火戸があり、出入口から避難橋までの経路に支障がない
  3. 避難橋が耐火構造または準耐火構造
  4. 避難橋を避難・通行・運搬以外の用途に使わない

 

過去問 10/19|屋上広場の有効面積

避難橋の数を2倍した数だけ直下階の避難器具を減らせる場合、屋上広場の有効面積は何㎡以上か。

  1. 50㎡
  2. 80㎡
  3. 100㎡
  4. 150㎡

 

過去問 11/19|100㎡の確認

屋上広場の避難橋による個数減少の条件として正しい有効面積はどれか。

  1. 50㎡以上
  2. 80㎡以上
  3. 100㎡以上
  4. 150㎡以上

 

過去問 12/19|渡り廊下による減少数

条件を満たす渡り廊下による減免として正しいものはどれか。

  1. 防火対象物全体で避難器具が不要になる
  2. 渡り廊下を設けた階で避難器具が必ず不要になる
  3. 防火対象物全体の個数から、渡り廊下1か所につき2個減らす
  4. 渡り廊下を設けた階の個数から、渡り廊下1か所につき2個減らす

 

過去問 13/19|渡り廊下の構造・防火戸・乗数

渡り廊下による減免の語句の組合せとして正しいものはどれか。

  1. 耐火構造または鉄骨造・防火シャッター・3
  2. 耐火構造または鉄骨造・防火戸・2
  3. 耐火構造・防火シャッター・3
  4. 耐火構造・防火戸・2

 

過去問 14/19|渡り廊下の条件

渡り廊下による個数減少の条件として誤っているものはどれか。

  1. 避難、通行、運搬以外に使わない
  2. 耐火構造または鉄骨造
  3. 建築基準法上の排煙設備を設ける
  4. 両端に自動閉鎖装置付きの特定防火設備である防火戸を設ける

 

過去問 15/19|渡り廊下の距離

個数を減らせる渡り廊下の条件として誤っているものはどれか。

  1. 耐火構造または鉄骨造
  2. 渡り廊下の距離が10m以内
  3. 両端に自動閉鎖装置付きの特定防火設備である防火戸を設ける
  4. 避難、通行、運搬以外に使わない

 

過去問 16/19|事務所の全免除条件

事務所の階で避難器具を設置しないことができる条件として誤っているものはどれか。

  1. 特定主要構造部が耐火構造
  2. 直通階段が避難階段または特別避難階段
  3. 開口部に防火戸を設けた耐火構造の壁または床で区画
  4. バルコニー等が避難上有効に設けられている

 

過去問 17/19|全免除の対象用途

特定主要構造部が耐火構造で、直通階段・バルコニー等・2方向避難など所定の条件を満たす場合、設置しないことができる用途として正しいものはどれか。

  1. 小学校
  2. 工場
  3. 図書館
  4. 神社

 

過去問 18/19|遊技場の全免除条件

遊技場の階を全免除にする条件に適合しないものはどれか。

  1. 特定主要構造部が耐火構造
  2. 直通階段が特別避難階段
  3. 開口部に防火戸を設けた耐火構造の壁または床で区画
  4. 壁の室内側の仕上げを耐火材料とする

 

過去問 19/19|1,500㎡の屋上広場

小学校の屋上広場の直下階で、避難器具を設置しないことができる要件として誤っているものはどれか。

  1. 直下階から屋上広場へ通じる避難階段または特別避難階段が2以上
  2. 屋上広場に面する窓・出入口に防火戸を設置
  3. 壁・天井の室内側を準不燃材料で仕上げる
  4. 屋上広場の面積が1,500㎡以上

 

 

➡次に進みましょう

次は「収容人員の算定」へ進みます。
消防設備士

【法令(類別)④】収容人員の算定|消防設備士甲5・乙5【過去問】