【消防関係法令①】免状・講習・届出・命令・防火管理|消防設備士甲種特類【過去問】

【消防関係法令①】免状・講習・届出・命令・防火管理|消防設備士甲種特類【過去問】

強欲な青木
免状、講習、着工届、設置届、命令……。「だれが」「いつまでに」が全部混ざるで!

手続きは、主語・対象・期限の3列に分けます。防火管理は、選任する人と実務を行う人を分ければ解けます。
消防設備士



この講義では、消防設備士の免状と講習、用途変更時の基準、着工・設置の届出、設置・維持命令、防火管理をまとめます。

ここは2024〜2026年度で毎年4問ずつ出題された範囲です。問題文が長くても、主語と数字を分けると安定した得点源にできます。

まず「だれが」「何を」「いつまでに」を拾い、その後に例外を確認します。

免状と講習

①:甲種は工事と整備、乙種は整備

免状の類と、工事・整備を行う設備の種類を一致させます。

主な対象
第1類 屋内消火栓、スプリンクラー等の水系
第2類 泡消火設備
第3類 不活性ガス、ハロゲン化物、粉末消火設備
第4類 自動火災報知設備等
第5類 金属製避難はしご、救助袋、緩降機
第6類 消火器
第7類 漏電火災警報器

免状を受けていない人は、政令で定める消防用設備等の設置工事または整備を行えません。(消防法第17条の5)

②:講習は「最初の4月1日」を起算点にする

初回の講習は、免状の交付を受けた日以後の最初の4月1日から2年以内です。2回目以降は、前回の講習を受けた日以後の最初の4月1日から5年以内です。

起算点 期限
初回 免状交付後の最初の4月1日 2年以内
2回目以降 前回講習後の最初の4月1日 5年以内

消防設備士は、都道府県知事等が行う工事整備対象設備等の工事または整備に関する講習を受けます。(消防法第17条の10)

用途変更と現行基準の適用

①:原則と例外を逆にしない

用途変更によって新しい基準に適合しなくなった場合、一定の条件で用途変更前の基準を引き続き適用できます。ただし、次の場合はその特例を使えません。

  1. 用途変更前から基準違反だった
  2. 用途変更後に定められた増築・改築・大規模の修繕・模様替えを行った
  3. 用途変更後の基準に適合するに至った
  4. 変更後の用途が特定防火対象物である

「用途変更前の基準に戻す」のではありません。特例が外れると、用途変更後の基準へ適合させます。

引っかけ①:設置義務が消えても撤去義務とは限らない

用途変更後に設置義務がなくなったことと、既設設備を撤去して機能停止させる義務があることは別です。「設置義務がない→必ず撤去」と飛躍しないようにします。

着工届・設置届・設置維持命令

①:着工届は甲種消防設備士が10日前まで

甲種消防設備士が政令で定める工事をしようとするときは、工事着手の10日前までに消防長または消防署長へ届け出ます。

着工届の対象となる主な設備は、屋内消火栓、スプリンクラー、水噴霧、泡、不活性ガス、ハロゲン化物、粉末、屋外消火栓、自動火災報知、ガス漏れ火災警報、消防機関へ通報する火災報知、固定式の金属製避難はしご、救助袋、緩降機です。

着工届は、甲種消防設備士が工事着手の10日前までに届け出ます。(消防法第17条の14)

②:設置届は工事完了から4日以内

検査を受けようとする防火対象物の関係者は、消防用設備等または特殊消防用設備等の設置工事が完了した日から4日以内に、消防長または消防署長へ届け出ます。

届出 主語 基準日 期限
着工届 甲種消防設備士 工事着手 10日前まで
設置届 防火対象物の関係者 工事完了 4日以内

③:命令の相手方は「関係者で権原を有する者」

消防長または消防署長は、消防用設備等が技術基準に従って設置・維持されていないと認めるとき、その防火対象物の関係者で権原を有する者に必要な措置を命じられます。

命令は「関係者ならだれでも」ではありません。対象設備について権原を有することが必要です。

防火管理者の選任基準と業務

①:収容人員は10・30・50の3段階

防火対象物 選任が必要となる収容人員
(6)項ロの福祉施設等 10人以上
その他の特定防火対象物 30人以上
非特定防火対象物 50人以上

病院・診療所は細分に注意します。(6)項ロの福祉施設等は10人以上、(6)項イの病院・診療所等は特定防火対象物の30人以上の基準で判定します。

②:防火管理者の業務と権原者の届出を分ける

防火管理者は、消防計画の作成、消火・通報・避難訓練、消防用設備等の点検・整備、火気の監督、避難・防火上必要な構造・設備の維持管理、収容人員の管理等を行います。

一方、防火管理者を選任または解任したことの届出は、管理について権原を有する者が行います。

防火管理者の選任・解任の届出義務者は、防火対象物の管理について権原を有する者です。(消防法第8条)

解法の手順

step
設問の正誤を囲む

「正しい」「誤っている」「定められていない」のどれを選ぶか、先に固定します。

step
主語を一人に決める

都道府県知事、消防長・消防署長、甲種消防設備士、防火対象物の関係者、管理権原者、防火管理者を分けます。

step
期限の起算点を書く

講習は4月1日、着工届は工事着手、設置届は工事完了が起算点です。

step
原則を固定してから例外を確認する

用途変更は、旧基準を引き続き適用できる場合と、現行基準へ適合させる場合を分けます。

【過去問】免状・講習・届出・命令・防火管理


都道府県知事(総務大臣が指定する市町村長その他の機関を含む。)が行う工事整備対象整備等の工事または整備に関する講習の制度について消防法令上、正しいものは次のうちどれか。

1 消防設備士は、その業務に従事することになった日から2年以内に、その後、前回の講習を受けた日から5年以内ごとに講習を受けなければならない。

2 消防設備士は免状の交付を受けた日から2年以内に、その後、前回の講習を受けた日から5年以内ごとに講習を受けなければならない。

3 消防設備士は、その業務に従事することになった日以降における最初の4月1日から2年以内に講習を受け、その後、前回の講習を受けた日以後における最初の4月1日から5年以内ごとに講習を受けなければならない。

4 消防設備士は、免状の交付を受けた日以後における最初の4月1日から2年以内に講習を受け、その後、前回の講習を受けた日以後における最初の4月1日から5年以内ごとに講習を受けなければならない。




防火対象物の用途が変更された場合、消防用設備等(消火器・避難器具その他政令で定めるものを除く。)の技術上の基準の適用について消防法令上、誤っているものは次のうちどれか。

1 変更後の用途が特定防火対象物に該当する場合は、変更後の用途区分に適合する消防用設備等を設置しなければならない。

2 特定防火対象物以外の防火対象物であっても、用途変更前に設置された消防用設備等が法令の規定に違反していた場合は、用途変更前の基準に適合するように措置しなければならない。

3 特定防火対象物以外の防火対象物であっても用途変更後に法令で定める規模の修繕を行った場合は、変更後の用途区分に適合する消防用設備等に変更しなければならない。

4 用途変更前に設置された適法な消防用設備等については、法令で定める場合を除き、変更しなくてもよい。




工事整備対象設備等着工届出書による届け出が必要となる消防用設備等の組み合わせとして消防法令上、正しいものは次のうちどれか。

1 屋外消火栓設備、救助袋、スプリンクラー設備

2 消火器、非常警報設備、連結送水管

3 屋内消火栓設備、粉末消火設備、漏電火災警報器

4 緩降機、誘導灯、自動火災報知設備




政令別表第一に掲げる次の防火対象物のうち消防法令上、防火管理者を定めなければならないものはどれか。

1 診療所(政令別表第一(6)項イ⑷)で、収容人員が20人のもの

2 美術館(政令別表第一(8)項)で、収容人員が30人のもの

3 教会(政令別表第一(11)項)で、収容人員が40人のもの

4 事務所(政令別表第一(15)項)で、収容人員が50人のもの




A、B、C、Dの4人はそれぞれ消防用設備等の工事または整備を行ったが消防法令上、違反とならないものは次のうちどれか。

1 共同住宅の所有者であるAは、この建物が自動火災報知設備を設置する義務があるため、消防設備士免状の交付を受けていないが電気工事士の資格を持っているので、自分で自動火災報知設備の設置工事を行った。

2 危険物関係施設の工事を業としているBは、得意先から危険物の製造所に義務設置となる第3種の消火設備の設置工事を依頼されたが、危険物の製造所は消防法第17条第1項の適用を受けない対象物であると考えて、消防設備士免状の交付を受けていないのにこの工事を行った。

3 甲種第2類の消防設備士免状の交付を受けているCは、消火器の販売に従事し、消火薬剤詰め替え等の整備を行った。

4 乙種第3類の消防設備士免状の交付を受けているDは、自分の経営する工場に設置されている粉末消火設備の整備を行った。




消防法令上、設備等技術基準の施行または適用の際、現に存する特定防火対象物以外の防火対象物における消防用設備等(消火器、避難器具その他政令で定めるものを除く。)がこれらの規定に適合せず、当該規定が適用されていないとき、当該防火対象物の修繕をした場合、当該消防用設備等を当該規定に適合させなければならないものは次のうちどれか、ただし、当該消防用設備等は、従前の規定に適合しているものとする。

1 主要構造部である柱を2分の1にわたって修繕したもの

2 主要構造部である床を2分の1にわたって修繕したもの

3 主要構造部である壁を3分の2にわたって修繕したもの

4 主要構造部である屋根を3分の2にわたって修繕したもの




消防用設備等の設置および維持に関する命令について消防法令上、誤っているものは次のうちどれか。

1 命令は、任意に設置した消防用設備等にまでは及ばない。

2 消防用設備等の設置義務がある防火対象物に消防用設備等の一部が設置されていない場合であっても、命令の対象となる。

3 命令を発することができる者は、消防長または消防署長である。

4 命令の相手方は、防火対象物の関係者であれば当該消防用設備等について権原を有していなくてもよい。




次のアからエまでの防火対象物のうち、防火管理者を定めなければならないものとして消防法令上、正しいものの組合せはどれか。

ア 老人短期入所施設(政令別表第一(6)項ロ⑴)で、収容人員が10人のもの

イ カラオケボックス(政令別表第一(2)項ニ)で、収容人員が20人のもの

ウ 物品販売店舗(政令別表第一(4)項)で、収容人員が30人のもの

エ 共同住宅(政令別表第一(5)項ロ)で、収容人員が40人のもの

1 ア、イのみ

2 ウ、エのみ

3 ア、ウのみ

4 イ、エのみ




工事整備対象設備等の工事または整備に関する講習の実施者として消防法令上、正しいものは次のうちどれか。

1 都道府県知事

2 総務大臣

3 消防長または消防署長

4 消防庁長官




防火対象物の用途が変更された場合の消防用設備等の技術上の基準の適用について、消防法令上、誤っているものは次のうちどれか。

1 変更後の用途が特定防火対象物に該当する場合は、変更後の用途区分に適合する消防用設備等を設置しなければならない。

2 用途変更前に設置された消防用設備等が用途変更前の基準に違反していた場合は、用途変更後の基準に適合する消防用設備等を設置しなければならない。

3 用途変更前に設置された適法な消防用設備等については、法令に定める場合を除き、変更する必要は無い。

4 用途変更後、設置義務のなくなった消防用設備等については、撤去するなど確実に機能を停止させなければならない。




消防用設備等の設置届出書の提出期限について消防法令上、正しいものは次のうちどれか。

1 消防用設備等または特殊消防用設備等の設置に係る工事完了の日から4日以内

2 消防用設備等または特殊消防用設備等の設置に係る工事完了の日から7日以内

3 消防用設備等または特殊消防用設備等の設置に係る工事完了の日から10日以内

4 消防用設備等または特殊消防用設備等の設置に係る工事完了の日から14日以内




防火対象物の防火管理者に選任された者が行わなければならない業務として、消防法令上に定められていないものは次のうちどれか。

1 消防計画の作成

2 火気の使用または取扱いに関する監督

3 収容人員の管理

4 防火管理者の解任の届出


まとめ

  • 消防設備士の免状は、工事・整備を行う設備の種類と一致させます
  • 講習は免状交付後の最初の4月1日から2年以内、その後は5年以内ごとです
  • 用途変更は、旧基準を継続できる原則と、現行基準へ適合させる例外を分けます
  • 着工届は甲種消防設備士が10日前まで、設置届は関係者が完了後4日以内です
  • 防火管理者の選任基準は、建物用途と10・30・50人を使い分けます

強欲な青木
手続きは、主語と期限をセットにすればええんやな!

その通りです。次は、特類の中心となる特殊消防用設備等の性能評価・認定へ進みます。
消防設備士


それでは続いて【消防関係法令②】特殊消防用設備等の認定・性能評価|消防設備士甲種特類【過去問】へ進みます。