圧力・流量・仕事率の基礎は、先に機械に関する基礎知識の無料講義で確認できます。この講義では計算原理を繰り返さず、製図問題の条件を拾い、水源・吐出量・摩擦損失・全揚程・性能曲線を一連で解く演習に絞ります。各計算の構造的な意味は構造・機能③で扱います。
屋内消火栓の計算は、1号か2号かを決めれば骨格が定まります。水源、ポンプ吐出量、摩擦損失、実揚程、放水に必要な圧力水頭を一つずつ積み上げます。
種類を決め、同時使用個数nを決めてから計算する。
これから覚える7つ
- 1号・2号の基本値
- 全揚程を4つに分ける
- 代表問の計算一覧
- 性能曲線まで判定する
- 1号と2号を設備で見分ける
- 管径別に摩擦損失を分ける
- よくある誤り
現在地:実技(製図・甲種のみ)3(3/6)
問題の掲載方針
この記事の確認問題は、過去問ベースの類題です。原題の論点・条件・正答を維持しつつ、文章・表・図を学習用に再構成しており、原題の問題文・図版そのものではありません。
最新ver.の過去問情報は、青木マーケ(株)ショップの消防設備士「過去問テスト」で毎年更新しています。
併せて、ご参照ください。
🔢1号・2号の基本値
| 項目 | 1号消火栓 | 2号消火栓 |
|---|---|---|
| 水源水量 | 2.6m3 × n |
1.2m3 × n |
| ポンプ吐出量 | 150L/min × n |
70L/min × n |
| 全揚程 | H=h1+h2+h3+17m |
H=h1+h2+h3+25m |
| ノズル放水量 | 130L/min以上 | 60L/min以上 |
| ノズル放水圧力 | 0.17MPa以上0.7MPa以下 | 0.25MPa以上0.7MPa以下 |
nは設置個数が最も多い階の個数で、2を超える場合は2です。
📐全揚程を4つに分ける
H = h1 + h2 + h3 + 放水圧力換算水頭
h1:消防用ホースの摩擦損失水頭h2:配管・継手・弁の摩擦損失水頭h3:吸水基準位置から最遠・最高位の開閉弁までの落差- 定数:1号17m、2号25m
最遠と最高が別の消火栓なら、計算対象は設備条件に従って最も不利な系統を選びます。高さは階数だけでなく、吸水基準位置、階高、消火栓箱の高さを漏れなく足します。
🧭代表問の計算一覧
| 問題 | 種類 | 水源 | 吐出量 | 全揚程 |
|---|---|---|---|---|
| 性能曲線判定例 | 1号 | 5.2m3 | 300L/min | 39m |
| 設備判別例A | 1号 | 2.6m3 | 条件による | 47m |
| 設備判別例B | 2号 | 2.4m3 | 条件による | 63m |
| 実揚程20mの2号 | 2号 | 2.4m3 | 140L/min | 65m |
| 工場の1号 | 1号 | 5.2m3 | 300L/min | 60m |
| 実揚程26mの2号 | 2号 | 2.4m3 | 140L/min | 71m |
| 1号・2号を選ぶ例 | 1号/2号 | 5.2/2.4m3 | 300/140L/min | 49/68m |
| 倉庫の1号 | 1号 | 5.2m3 | 300L/min | 51m |
| 管径別摩擦損失の例 | 1号 | 条件による | 条件による | 35.7m |
📈 性能曲線まで判定する
h3 = 1 + 3.5×3 + 2.5 + 2 = 16m
H = 4 + 2 + 16 + 17 = 39m
必要吐出量は150×2=300L/min以上です。提示ポンプは定格320L/min・40mでも、定格流量の150%である480L/min時に、定格全揚程の65%である26m以上を満たさないため不適です。
定格点だけを見て「320>300、40>39だから適」と判定しないことが重要です。
🏷1号と2号を設備で見分ける
- Aは独立した起動スイッチを備えるため1号
- Bは開閉弁等にリミットスイッチを内蔵するため2号
- A:
H=12.5+17.5+17=47m、水源2.6m3 - B:
H=20.5+17.5+25=63m、水源2.4m3
名称のラベルがなくても、起動方法とホース操作から種類を判別します。
🧾 管径別に摩擦損失を分ける
ホースは30m×12m/100m=3.6mです。
配管は40A・1mと50A・22mを分けます。
h2 = 1×13.3/100 + 22×4.2/100 + 2 = 3.057m → 3.1m
h3 = 1 + 9 + 2 = 12m
H = 3.6 + 3.1 + 12 + 17 = 35.7m
流量または管径が変わるたびに区間を分け、指定された段階まで丸めません。
⚠よくある誤り
- 1号の130L/minとポンプ150L/minを入れ替える
- 2号の60L/minとポンプ70L/minを入れ替える
- 最多設置階の個数をそのまま使い、上限2を忘れる
- h3にホース長や水平配管長を重ねて足す
- 1号へ25m、2号へ17mを使う
- MPaとm、L/minとm3を混在させる
- 性能曲線を定格点だけで判定する
解答の型
- 消火栓の種類とnを宣言する
- 水源水量を求める
- ポンプ吐出量を求める
- h1、h2、h3を別式で出す
- 17mまたは25mを足してHを求める
- 性能曲線や放水圧条件があれば最後に判定する
✍過去問ベースの類題で確認しよう
※以下は、原題の論点・条件・正答を維持しつつ、表・図・文章を学習用に再構成した類題です。原題の問題文・図版そのものではありません。
1号消火栓の代表問で、ホース損失4m、配管等損失2m、実揚程16m、計算個数2個です。必要全揚程と吐出量を求め、定格320L/min・40mのポンプが150%流量480L/min時に26m未満となる場合の適否を答えてください。
独立した起動スイッチを持つAと開閉弁等にリミットスイッチを内蔵するBについて、消火栓の種類、水源水量、全揚程をそれぞれ答えてください。
本文U07の2号消火栓について、水源水量、ポンプ吐出量、実揚程h3、全揚程Hを答えてください。
本文U08の工場に設ける1号消火栓について、水源水量、ポンプ吐出量、全揚程、必要な放水圧力範囲を答えてください。
本文U10の2号消火栓について、水源水量、ポンプ吐出量、実揚程h3、全揚程Hを答えてください。
本文U11について、1号を選んだ場合と2号を選んだ場合の水源水量、ポンプ吐出量、全揚程をそれぞれ答えてください。
本文U12の倉庫に設ける1号消火栓について、水源水量、ポンプ吐出量、実揚程h3、全揚程Hを答えてください。提示された摩擦損失は4mと4mです。
1号消火栓で、ホース30mの損失率12m/100m、40A・1mの損失率13.3m/100m、50A・22mの損失率4.2m/100m、弁継手相当2m、実揚程12mです。h1、h2、Hを求めてください。
消防設備士「過去問テスト」は、その名の通り“過去に出た問題” のテストです。
ブログでお馴染みの管理人が過去問に関する情報収集を積み重ね、その中からピックアップして過去問ベースの模擬試験を作成したものです。

上記以外に新傾向問題の情報など提供あり次第、解説を毎年追記して更新しています。これから消防設備士の試験を受けられる方は是非ご覧下さい。
➡次に進みましょう
実技(製図・甲種のみ)の3/6講義が終了です。次は「屋内消火栓の系統図・弁・配管」を学習します。 下のタイムラインで点灯している講義から、そのまま次の学習へ進めます。



