【法令(類別)③】設置の緩和・維持基準・区分鳴動|消防設備士甲4・乙4【過去問】

【過去問】消防設備士甲4・乙4の法令③|設置の緩和・維持基準・区分鳴動
強欲な青木
「設置の緩和・維持基準・区分鳴動」って、数字も条件も多すぎへん!?
最初に判断する順番を決めれば、過去問でも迷いにくくなります!
消防設備士

このページを見たら消防設備士試験 甲4・乙4の法令(類別)に出てくる「設置の緩和・維持基準・区分鳴動」に関する問題が得点源となるはず!

最新ver.の過去問情報は、青木マーケ(株)noteの消防設備士「過去問テスト」毎年更新しています。

>> 消防設備士「過去問テスト」

併せて、ご参照ください。

 

自動火災報知設備を省略できる条件

省略判定で確認するのは、全部で4項目です。

1. 対象となる消火設備

2. 閉鎖型ヘッドの性能

3. 消火設備の有効範囲

4. 省略が禁止される用途・場所

次の消火設備を技術上の基準に従って設置した場合、その有効範囲内の部分では、自動火災報知設備を省略できることがあります。

対象となる消火設備は、全部で3設備です。

  • スプリンクラー設備
  • 水噴霧消火設備
  • 泡消火設備

いずれも、総務省令で定める閉鎖型スプリンクラーヘッドを備えるものに限ります。

その閉鎖型スプリンクラーヘッドは、次の2条件を両方満たします。

  • 標示温度75℃以下
  • 種別1種
自動火災報知設備を省略できるか判定する4項目

強欲な青木
スプリンクラーが付いてたら、自火報はいらんのですか?

有効範囲内で省略できる場合があります。ただし、省略できない防火対象物や場所が決められています。
消防設備士

消防法施行令第21条第3項、消防法施行規則第23条第2項・第3項。対象となる消火設備、閉鎖型スプリンクラーヘッドの標示温度75℃以下・種別1種を確認します。

「消火設備がある=必ず省略」ではなく、設備・ヘッド・有効範囲・省略禁止場所の順に判定する。

 

 

スプリンクラーがあっても省略できない場所

次の防火対象物や場所では、消火設備の有効範囲内であっても、自動火災報知設備を省略できません。

 

省略できない場所は全部で3グループ

グループ 主な内容
特定防火対象物 劇場、飲食店、百貨店、ホテル、病院など
感知器を指定される場所 階段、廊下、エレベーター昇降路、高天井など
階の条件 地階、無窓階、11階以上の階
スプリンクラーがあっても自動火災報知設備を省略できない3グループ
百貨店や病院は特定防火対象物なので省略できません。事務所は非特定ですが、廊下は煙感知器等の指定場所です。つまり、用途で通っても場所で省略不可になることがあります。
消防設備士

 

二段階で判定する|全部で2段階

1. 1/2:防火対象物の用途が特定防火対象物か

2. 2/2:その部分が感知器の指定場所や地階等に当たるか

たとえば事務所は(15)項で非特定防火対象物ですが、事務所の廊下には煙感知器または熱煙複合式スポット型感知器を設けるため、省略できません。

消防法施行規則第23条第2項は、特定防火対象物等と同条第5項各号・第6項第2号の場所を省略対象から除いています。

省略問題は「用途」と「その部分の場所」を別々に確認する。

 

 

地区音響装置の基本

地区音響装置は、感知器の作動と連動してベルなどを鳴らし、建物内へ火災を知らせます。

覚える数字と原則は、全部で4つです。

 

音圧・配置・作動

項目 基準
一般の地区音響装置の音圧 中心から1m離れた位置で90dB以上
音声で警報する地区音響装置の音圧 中心から1m離れた位置で92dB以上
各部分から一つの地区音響装置まで 水平距離25m以下
作動 原則として感知器と連動し、全区域へ有効に報知
地区音響装置で覚える1m、90dB、92dB、25mと一斉鳴動

ダンスホールやカラオケボックスなど、騒音で聞き取りにくい場所では、他の警報音や騒音と明らかに区別して聞き取れるようにします。

強欲な青木
ベルは建物全部で鳴らすのが原則ですか?

はい。原則は全区域への一斉鳴動です。大規模な建物では、最初に一部の階だけを鳴らす区分鳴動を使います。
消防設備士

消防法施行規則第24条第1項第5号・第5号の2。一般の地区音響装置は1mで90dB以上、音声式は1mで92dB以上、各部分からの水平距離は25m以下です。

地区音響装置の基本数字は「1m・90dB・25m」。音声式は92dB。

 

 

大規模建物は区分鳴動

区分鳴動は、全部で2つの適用条件と出火階別の3パターンを整理します。

次の2条件を両方満たす防火対象物では、出火階に応じて特定の階から警報を発する区分鳴動ができます。

  • 地階を除く階数が5以上
  • 延べ面積が3,000㎡を超える

「5階以上」は以上、「3,000㎡」は超えるです。延べ面積3,000㎡ちょうどは、この条件に入りません。

 

出火階ごとの鳴動範囲|全部で3パターン

出火階 最初に鳴動させる階
2階以上 出火階+直上階
1階 1階+2階+すべての地階
地階 出火階+直上階+その他の地階
区分鳴動の適用条件2つと出火階別の鳴動3パターン
基本の覚え方は「出火階+直上階」です。1階で出火したら、1階・2階・地階全部を鳴らします。地階で出火したら、ほかの地階も鳴らします。最上階に直上階はないので、最上階だけです。
消防設備士

 

最終的には全区域へ鳴動する

区分鳴動は、避難を段階的に進めるための最初の鳴動範囲です。

一定時間が経過した場合、または新たな火災信号を受信した場合は、全区域へ自動的に警報を発します。

消防法施行規則第24条第1項第5号ハ。地階を除く階数5以上かつ延べ面積3,000㎡超の防火対象物について、出火階別の鳴動範囲とその後の全区域鳴動を定めています。

区分鳴動は「2階以上=出火+上」「1階=1+2+地下全部」「地下=出火+上+地下全部」。

 

 

自動火災報知設備の維持基準

設備は設置しただけではなく、火災時に確実に作動できる状態を維持しなければなりません。

維持基準は、全部で4つの確認に分けて覚えます。

受信機、感知器等、電源、アナログ式と無線式の維持基準4項目

 

受信機

  • 付近に操作上支障となる障害物がない
  • 操作部の各スイッチが正常な位置にある
  • 付近に警戒区域一覧図を備える
  • アナログ式中継器・受信機の付近には表示温度等設定一覧図を備える

総合操作盤が法令に従って設置されている場合は、受信機付近の警戒区域一覧図を省略できる場合があります。

 

感知器・発信機・中継器

  • 感知区域、監視空間または監視距離が適正
  • 火災の感知を妨げる措置がない
  • 発信機・中継器の付近に操作上支障となる障害物がない

 

電源・アナログ式・無線式

  • 常用電源が正常に供給されている
  • 非常電源・予備電源の電圧と容量が適正
  • アナログ式は表示温度等を規定範囲内に維持
  • 無線式は機器間で確実に信号を送受信できる良好な状態に維持

強欲な青木
表示温度等設定一覧図は、どの受信機にも必要ですか?

アナログ式中継器とアナログ式受信機が対象です。自動試験機能付きという条件ではありません。
消防設備士

消防法施行規則第24条の2。受信機、感知器、発信機・中継器、電源、アナログ式、無線式について維持状態を定めています。

維持基準は「操作できる・感知できる・電源が生きている・図面が備わっている」を確認する。

 

 

※よく出る引っかけポイント5つ

よく出る引っかけは、全部で5つです。

設置緩和と区分鳴動でよく出る5つの引っかけ

 

引っかけ①:消火設備があれば全部省略できる

省略できるのは有効範囲内だけです。さらに、特定防火対象物、感知器指定場所、地階等は省略できません。

 

引っかけ②:閉鎖型ヘッドなら種類を問わない

標示温度75℃以下・種別1種の条件があります。

 

引っかけ③:3,000㎡以上なら区分鳴動

条文は3,000㎡を「超える」です。3,000㎡ちょうどは対象外です。

 

引っかけ④:2階以上の出火では直下階を鳴らす

鳴らすのは直上階です。最上階なら直上階がないため、出火階だけです。

 

引っかけ⑤:区分鳴動のまま終わる

一定時間の経過または新たな火災信号で、全区域鳴動へ移行します。

「上」と「下」を入れ替える選択肢が定番です。1階出火では、すべての地階を忘れないでください。
消防設備士

緩和は省略禁止条件、区分鳴動は直上階と全地階を重点確認する。

 

 

📝試験問題を解くときの手順5つ

解く手順は、全部で5つです。

設置緩和と区分鳴動の過去問を解く5手順

 

step
緩和か鳴動か維持かを判別する

同じ自動火災報知設備でも、使う条文が異なります。

 

step
緩和問題は消火設備とヘッドを確認する

対象設備、標示温度75℃以下、種別1種、有効範囲内を確認します。

 

step
用途と場所の省略禁止条件を確認する

特定防火対象物、感知器指定場所、地階・無窓階・11階以上を見ます。

 

step
区分鳴動は建物規模を確認する

地階を除く階数5以上、延べ面積3,000㎡超の両方が必要です。

 

step
出火階から鳴動階を塗る

出火階、直上階、必要な地階を順に塗り、選択肢と比較します。

強欲な青木
「図問題は頭の中だけで考えん方がええですね」って理解で合ってますか?

出火階へ丸、鳴動階へ色を付けると間違いにくいです。問題が「誤っているもの」かも最後に確認しましょう。
消防設備士

 

 

全部で8ポイント


  1. 設置緩和の対象は、閉鎖型ヘッドを備えたスプリンクラー・水噴霧・泡消火設備
  2. 閉鎖型ヘッドは標示温度75℃以下・種別1種
  3. 特定防火対象物、感知器指定場所、地階・無窓階・11階以上は省略できない
  4. 地区音響装置は1mで90dB以上、水平距離25m以下
  5. 区分鳴動は地階を除く階数5以上かつ延べ面積3,000㎡超
  6. 2階以上は出火階+直上階、1階は1・2階+地階全部、地階は出火+直上+地階全部
  7. 一定時間の経過または新たな火災信号で全区域鳴動へ移行する
  8. 維持基準では、操作・感知・電源・一覧図・信号状態を確認する

それでは以下の「設置の緩和・維持基準・区分鳴動」に関する消防設備士試験の過去問にチャレンジして、これまでの内容が頭に入っているかを確認しましょう!

 

【過去問】設置の緩和・維持基準・区分鳴動

総務省令で定める閉鎖型スプリンクラーヘッドを備えたスプリンクラー設備を、技術上の基準に従って設置したとき、その有効範囲内で自動火災報知設備を省略できる防火対象物として、消防法令上、誤っているものは次のうちどれか。

1. 百貨店

2. 作業場

3. 博物館

4. 映画スタジオ


 

標示温度75℃以下・種別1種の閉鎖型スプリンクラーヘッドを備えたスプリンクラー設備を設置しても、自動火災報知設備を省略できない部分は次のうちどれか。地階・無窓階・11階以上ではなく、天井等の高さは考慮しないものとする。

1. 図書館の倉庫

2. 事務所の廊下

3. 工場の食堂

4. 倉庫の荷さばき室


 

地上5階・地下3階、延べ面積5,000㎡の防火対象物で地区音響装置を区分鳴動させる場合、消防法令上、誤っているものは次のうちどれか。

1. 地階出火では、出火階・直上階・その他の地階を鳴動する。

2. 1階出火では、1階・直上階・地階を鳴動する。

3. 2階出火では、2階・直上階を鳴動する。

4. 5階出火では、5階・直下階を鳴動する。


 

地上5階・地下2階、延べ面積5,000㎡の防火対象物について、出火階と最初に警報を発する階の組合せとして、消防法令上、誤っているものを選びます。

選択肢 出火階 図に示された鳴動階
2階 2階・3階
1階 1階・2階・B1階
B1階 B1階・1階・B2階
B2階 B2階・B1階
地上5階・地下2階の区分鳴動範囲

 

下図の防火対象物において、自動火災報知設備の地区音響装置を一部の階に限って警報を発するものとする場合、出火階と警報を発する階の組合せとして、消防法令上、誤っているものは次のうちどれか。ただし、この防火対象物の延べ面積は4,000㎡とし、◎印は出火階を、○印は警報を発する階を示す。

区分鳴動の出火階と警報階 問題2

 

自動火災報知設備の地区音響装置を区分鳴動させる場合に、出火階と警報を発することができる階の組合せとして、消防法令上、正しいものは次のうちどれか。ただし、この防火対象物の延べ面積は4,000㎡とし、◎印は出火階を示し、○印は警報を発することができる階を示す。

区分鳴動の出火階と警報階 問題3

 

自動火災報知設備の維持に関する技術上の基準として、消防法令上、定めら れていないものは次のうちどれか。 1.受信機の付近に警戒区域一覧図を備えておくこと。ただし、消防法施行規 則に定めるところにより総合操作盤が設置されている場合は、この限りでな い。 2.自動試験機能を有する中継器及び受信機にあっては、当該中継器及び受信 機の付近に表示温度等設定一覧図を備えておくこと。 3.受信機の付近に当該受信機の操作上支障となる障害物がないこと。 4.操作部の各スイッチが正常な位置にあること。


 

強欲な青木
迷わずに回答できましたか?
もし、まだ自信がないのであれば繰り返し「過去問テスト」等を使って類題を解くことをオススメします!
消防設備士

消防設備士「過去問テスト」は、その名の通り“過去に出た問題” のテストです。

ブログでお馴染みの管理人が過去問に関する情報収集を積み重ね、その中からピックアップして過去問ベースの模擬試験を作成したものです。

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上記以外に新傾向問題の情報など提供あり次第、解説を毎年追記して更新しています。これから消防設備士の試験を受けられる方は是非ご覧下さい。


それでは続いて【法令(類別)④】ガス漏れ火災警報設備の設置基準|消防設備士甲4・乙4【過去問】過去問をみていきましょう。