このページを見たら消防設備士試験 甲4・乙4の法令(類別)に出てくる「消防機関へ通報する火災報知設備」に関する問題が得点源となるはず!
最新ver.の過去問情報は、青木マーケ(株)noteの消防設備士「過去問テスト」で毎年更新しています。
併せて、ご参照ください。
火災通報装置とは
消防機関へ通報する火災報知設備は、M型火災報知設備と火災通報装置の2種類です。
M型火災報知設備は、M型発信機から消防機関に設置されたM型受信機へ火災信号を送る設備です。
現在の試験で中心になるのは火災通報装置です。
火災通報装置の機能は、全部で4段階です。
火災通報装置は、次のいずれかで起動します。
- 手動起動装置を操作する
- 自動火災報知設備の感知器の作動と連動する
起動すると電話回線を使用して消防機関を呼び出し、あらかじめ記憶した音声情報で火災を通報し、消防機関と通話できるようにします。
連動起動が必要な防火対象物は別に決まっています。
まずは、設備そのものの設置対象から確認します。
消防法施行規則第25条第2項・第3項。火災通報装置は電話回線を使用する装置で、防災センター等に設置します。
火災通報装置は「手動または自火報連動 → 電話回線 → 蓄積音声 → 通話」の設備。
設置基準は0・500・1,000の3段階
消防法施行令第23条第1項の設置基準は、用途ごとに3段階で整理できます。
面積にかかわらず設置
- 病院
- 患者を入院させる施設がある診療所
- 入所施設がある助産所
- 養護老人ホーム、特別養護老人ホームなど(6)項ロ
- 地下街
- 準地下街
延べ面積500㎡以上で設置
- 劇場、映画館、公会堂
- キャバレー、遊技場など
- 百貨店、展示場
- 旅館、ホテル
- 入院施設がない診療所、入所施設がない助産所
- 老人デイサービスセンター、老人福祉センター、保育所など(6)項ハ
- 幼稚園、特別支援学校
- 工場、映画スタジオ
- 重要文化財など
延べ面積1,000㎡以上で設置
- 飲食店
- 寄宿舎、下宿、共同住宅
- 学校
- 図書館、美術館、博物館
- 公衆浴場
- 停車場、船舶・航空機の発着場
- 神社、寺院、教会
- 自動車車庫、飛行機・回転翼航空機の格納庫
- 倉庫
- 事務所など
消防法施行令第23条第1項第1号~第3号。第1号は面積不問、第2号は延べ面積500㎡以上、第3号は延べ面積1,000㎡以上です。
設置面積は「避難困難な入院・入所系と地下街=0、にぎわい・宿泊・工場系=500、飲食・学校・倉庫・事務所系=1,000」。
場所によって設置しなくてよい場合
用途と面積が設置基準に該当しても、場所の条件によって設置しなくてよい場合があります。
場所の例外は、全部で3つです。
❶:消防機関から著しく離れた場所

消防機関から著しく離れた場所にある防火対象物は、施行令第23条第1項ただし書の対象です。
❷:消防機関が同じ建築物内にある場合

次の高リスク用途とそれらを含む複合用途防火対象物・地下街・準地下街では、消防機関が同じ建築物内にある場合が省令上の設置不要場所です。
- (6)項イ(1)の病院
- (6)項イ(2)の4人以上の患者を入院させる施設がある診療所
❸:消防機関からの歩行距離が500m以下

上記以外の防火対象物では、消防機関からの歩行距離が500m以下の場所が省令上の設置不要場所です。
道なりに歩く距離で判定します。
過去問では、これらの場所に該当しないと条件を付けてくることが多いです。
消防法施行令第23条第1項ただし書、消防法施行規則第25条第1項。著しく離れた場所に加え、防火対象物の区分に応じて「同じ建築物内に消防機関」または「歩行距離500m以下」を確認します。
500mは歩行距離。問題文で場所の例外を除外しているかを先に確認する。
電話があれば省略できる用途・できない用途
設置対象となる防火対象物でも、消防機関へ常時通報できる電話を設置すれば、火災通報設備を省略できる場合があります。
電話があっても省略できないのは4グループ、省略できる主な例は6グループです。
ただし、次の用途では電話による代替が認められません。
電話を設置しても省略できない
- 旅館・ホテルなど(5)項イ
- 病院、診療所、助産所(6)項イ
- 養護老人ホーム、特別養護老人ホームなど(6)項ロ
- 老人デイサービスセンター、老人福祉センター、保育所など(6)項ハ
この4グループは、常時通報できる電話があっても、設置基準に該当すれば火災通報設備が必要です。
電話があれば省略できる主な例
- 劇場、公会堂
- 百貨店
- 幼稚園、特別支援学校(6)項ニ
- 工場
- 飲食店
- 地下街、準地下街
消防法施行令第23条第3項。電話による省略から除外されるのは、(6)項イ(1)~(3)・ロ、(5)項イ、(6)項イ(4)・ハです。まとめると(5)項イと(6)項イ・ロ・ハです。
電話で省略できない用途は「ホテル系+(6)項イ・ロ・ハ」。幼稚園の(6)項ニと地下街は省略できる。
自動火災報知設備と連動して起動する対象
連動対象は全部で5グループ、連動を省略できる例外は1つです。
次の防火対象物に設ける火災通報装置は、自動火災報知設備の感知器の作動と連動して起動させます。
- (6)項イ(1)の病院
- (6)項イ(2)の4人以上の患者を入院させる施設がある診療所
- (6)項ロの養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、障害者支援施設など
- 上記用途を含む(16)項イの複合用途防火対象物
- 上記用途を含む地下街・準地下街
ただし、自動火災報知設備の受信機と火災通報装置の両方が、常時人がいる防災センターに設置される場合は、連動起動を省略できます。
(6)項イ(3)の入所施設がある助産所などは、設置自体は面積不問ですが、この連動起動義務の列挙には含まれていません。
消防法施行規則第25条第3項第5号。連動起動の対象と受信機・火災通報装置が常時人のいる防災センターに設置される場合の例外を定めています。
「設置義務」と「自火報連動義務」を分ける。連動は(6)項イ(1)・(2)とロ、その用途を含む複合・地下街等。
設置・維持の基本
火災通報装置の設置・維持で確認するのは、全部で5項目です。
火災通報装置は、次の基準に従って設置・維持します。
- 消防庁長官が定める基準に適合するものを使用する
- 機能に支障を生じるおそれのない電話回線を使用する
- 他の通信の影響で機能に支障を生じない部分へ接続する
- 原則として、電源は蓄電池または交流低圧屋内幹線から、他の配線を分岐させずに取る
- 電源の開閉器と所定の配線接続部に「火災通報装置用」である旨を表示する
火災通報装置は防災センター等に設置します。
消防法施行規則第25条第2項第1号、第3項第1号~第4号。設置場所、適合基準、電話回線、接続部分、電源、表示を定めています。
技術基準は「防災センター・適合品・支障のない回線・分岐しない電源・用途表示」。
※よく出る引っかけポイント
よく出る注意ポイントは、全部で5つです。
❶:電話があれば必ず省略できる
ホテル系と(6)項イ・ロ・ハは省略できません。
❷:地下街は電話があっても省略できない
地下街・準地下街は、施行令第23条第3項の電話による省略対象です。
❸:幼稚園と老人福祉センターを同じ扱いにする
幼稚園は(6)項ニで電話による省略が可能、老人福祉センターは(6)項ハで省略不可です。
❹:病院は500㎡以上
病院は面積にかかわらず設置対象です。
❺:設置対象なら必ず自火報と連動
連動対象は、規則第25条第3項第5号に列挙された用途です。
設置面積・電話代替・連動起動は、それぞれ別の条文として判定する。
📝試験問題を解くときの手順
解く手順は、全部で5つです。
❶:場所の除外条件を読む
消防機関から著しく離れた場所、同じ建築物内の消防機関、歩行距離500m以下が除外されているか確認します。
❷:用途を0・500・1,000へ分類する
面積不問、500㎡以上、1,000㎡以上のどこに入るか決めます。
❸:電話があるなら4グループを確認する
(5)項イと(6)項イ・ロ・ハなら、電話があっても省略できません。
❹:連動を問われたら対象を絞る
(6)項イ(1)・(2)とロ、その用途を含む複合用途・地下街等を確認します。
❺:問題の向きを再確認する
「設置しなければならない」「省略できる」「誤っている」のどれを選ぶか確認します。
全部で9ポイント
- 火災通報装置は、電話回線で消防機関を呼び出し、蓄積音声で通報して通話する設備
- 設置基準は、用途ごとに面積不問・500㎡以上・1,000㎡以上
- 病院、入院・入所系、(6)項ロ、地下街、準地下街は面積不問
- 劇場、百貨店、ホテル、工場などは500㎡以上
- 飲食店、学校、倉庫、事務所などは1,000㎡以上
- 場所による例外では、著しく離れた場所、同じ建築物内の消防機関、歩行距離500m以下を確認する
- 電話で省略できないのは(5)項イと(6)項イ・ロ・ハ
- 幼稚園(6)項ニと地下街・準地下街は、電話による省略が可能
- 自火報との連動対象は(6)項イ(1)・(2)とロ、その用途を含む所定の複合・地下街等
それでは以下の「消防機関へ通報する火災報知設備」に関する消防設備士試験の過去問にチャレンジして、これまでの内容が頭に入っているかを確認しましょう!
【過去問】消防機関へ通報する火災報知設備
消防法令上、消防機関へ常時通報することができる電話を設置した場合でも、消防機関へ通報する火災報知設備を設置しなければならない防火対象物の用途は、次のうちどれか。ただし、消防機関からの歩行距離は、いずれも500mを超えているものとする。
1. 劇場
2. 百貨店
3. 老人福祉センター
4. 幼稚園
消防機関へ通報する火災報知設備を設置しなければならない防火対象物として、消防法令上、正しいものは次のうちどれか。ただし、消防機関へ常時通報することができる電話を設置してあるものとする。
1. 延べ面積が2,500㎡の地下街
2. 延べ面積が2,000㎡の公会堂
3. 延べ面積が1,500㎡の飲食店
4. 延べ面積が1,000㎡の病院
消防機関へ常時通報することができる電話を設置した場合、消防機関へ通報する火災報知設備を設置しないことができる防火対象物として、消防法令上、正しいものは次のうちどれか。ただし、防火対象物の用途及び延べ面積以外の条件は、考慮しないものとする。
1. 地下街で、延べ面積が3,000㎡
2. ホテルで、延べ面積が2,000㎡
3. 養護老人ホームで、延べ面積が3,000㎡
4. 病院で、延べ面積が2,000㎡
火災通報装置に関する説明として、消防法令上、最も不適切なものは次のうちどれか。
1. 火災通報装置は、火災通報装置の機能に支障を生ずるおそれのない電話回線であれば、どの回線に接続してもよい。
2. 電源の開閉器及び配線の接続部(当該配線と火災通報装置との接続部を除く)には、火災通報装置用のものである旨を表示しなければならない。
3. 火災通報装置の電源は、蓄電池又は交流低圧屋内幹線から他の配線を分岐させずにとらなくてもよい場合がある。
4. 火災通報装置は、自動火災報知設備の感知器の作動と連動して起動する場合がある。
自動火災報知設備の感知器の作動と連動して起動する火災通報装置を設置しなければならない防火対象物として、消防法令上、誤っているものは次のうちどれか。
1. 病院
2. 養護老人ホーム
3. 障害者支援施設
4. 入所施設のある助産所
消防設備士「過去問テスト」は、その名の通り“過去に出た問題” のテストです。
ブログでお馴染みの管理人が過去問に関する情報収集を積み重ね、その中からピックアップして過去問ベースの模擬試験を作成したものです。
上記以外に新傾向問題の情報など提供あり次第、解説を毎年追記して更新しています。これから消防設備士の試験を受けられる方は是非ご覧下さい。
それでは続いて【構造・機能まとめ】受信機・感知器・発信機|消防設備士甲4・乙4【過去問】の過去問をみていきましょう。








