学習範囲:規格|ガス漏れ火災警報設備
最新ver.の過去問情報は、青木マーケ(株)ショップの消防設備士「過去問テスト」で毎年更新しています。
併せて、ご参照ください。
この講義で扱うのは、ガス漏れ検知器・中継器・受信機の作動、表示、試験機能に関する規格です。設置義務は「法令④」、検知の仕組みと信号の流れは「構造・機能⑤」、実物の識別と調査は「鑑別⑥」で扱います。
ガス漏れ信号の流れ
検知器は、ガス漏れを検知して中継器または受信機へガス漏れ信号を発信します。警報機能を持つ検知器は、それに加えて、その場でも音響により警報します。
| 機器 | 主な役割 |
|---|---|
| 検知器 | ガスを検知し、ガス漏れ信号を発信。警報機能付きはその場でも鳴動 |
| 中継器 | ガス漏れ信号を受信し、他の中継器・受信機・消火設備等へ発信 |
| G型受信機 | ガス漏れ信号を受信し、建物の関係者へ報知 |
| GP型受信機 | P型受信機+G型受信機の機能 |
| GR型受信機 | R型受信機+G型受信機の機能 |
G・GP・GR型受信機は、ガス漏れ信号を受信すると次を自動的に行います。
- 黄色のガス漏れ灯
- 主音響装置
- 地区表示装置によるガス漏れ警戒区域の表示
GP・GR型では、火災区域とガス漏れ区域を明確に識別できる表示が必要です。
信号は「検知器→中継器→受信機」。ガス漏れ表示は黄色灯+主音響+地区表示。
G・GP・GR型受信機の試験機能
G・GP・GR型受信機は、表示だけでなく、次の試験・受信機能を持ちます。
ガス漏れ表示試験
ガス漏れ表示の作動を容易に確認できる試験機能を持ちます。試験中に別回線からガス漏れ信号を受けても、ガス漏れ表示できなければなりません。
信号回路の導通試験
終端器に至る信号回路の導通を、回線ごとに容易に確認できる機能を持ちます。
ただし、接続回線数が5以下のものや、検知器の電源停止を受信機で確認できる装置を持つものには例外があります。
同時受信と表示時間
- 2回線からガス漏れ信号を同時に受信しても表示できる
- ガス漏れ信号の受信開始からガス漏れ表示まで60秒以内
火災表示の5秒以内と混同しないでください。ガス漏れ表示は60秒以内です。

G系受信機は「表示試験・導通試験・2回線同時・60秒以内」。
検知器の作動濃度
一般の都市ガス用ガス漏れ検知器は、検知対象ガスの爆発下限界に対する割合で性能を判定します。
| ガス濃度 | 検知器の性能 |
|---|---|
| 爆発下限界の1/200以下 | 作動しない |
| 1/200超~1/4未満 | 規格上の不作動・確実作動の境界間 |
| 爆発下限界の1/4以上 | 確実に作動 |
爆発下限界とは、可燃性ガスと空気の混合物が爆発できる最も低い濃度側の境界です。
例えば爆発下限界が5%のガスなら、単純計算では次の濃度になります。
- 5%×1/4=1.25%以上で確実に作動
- 5%×1/200=0.025%以下で作動しない
この例は割合を理解するための計算です。実務では検知対象ガス、適用基準、機器仕様を確認します。
作動濃度は「濃い側の1/4で確実作動、薄い側の1/200で不作動」。
検知器の継続性能と60秒
検知器には、作動濃度だけでなく次の性能が要求されます。
- 爆発下限界の1/4以上のガスにさらされている間は、継続して作動する
- 信号を発する濃度のガスに断続的にさらされても、機能異常を生じない
- 通常使用時、調理等の湯気・油煙・アルコール・排ガス等で容易に信号を発しない
- 信号を発する濃度のガスに接してから60秒以内に信号を発する
警報機能付き検知器
その場で音響警報も発する検知器は、次を備えます。
| 項目 | 規格 |
|---|---|
| 通電確認 | 通電状態を容易に確認できる表示灯 |
| 作動確認 | 信号を発した旨を容易に確認できる装置 |
| 警報音圧 | 前方1mで70dB以上 |
一般に電源灯や作動確認灯には色の慣例がありますが、ここでは規格本文が求める機能を中心に覚えます。

検知器は「1/4・1/200・60秒」。警報機能付きは「通電・作動・1mで70dB」。
中継器の5秒と60秒の例外
中継器は、原則として信号の受信開始から発信開始まで5秒以内です。
ガス漏れ信号については、ガス漏れ信号の受信開始からガス漏れ表示まで5秒以内の受信機へ接続する場合に限り、中継器の所要時間を60秒以内とできます。
| 機器・区間 | 所要時間 |
|---|---|
| 中継器の受信開始→発信開始 | 原則5秒以内 |
| 条件を満たすガス漏れ用中継器 | 60秒以内とできる |
| G系受信機の信号受信→ガス漏れ表示 | 60秒以内 |
| 検知器が信号濃度のガスへ接触→信号発信 | 60秒以内 |
「中継器はいつでも60秒以内」と覚えるのは誤りです。60秒にできるのは、接続先受信機の表示時間に関する条件を満たす場合だけです。
時間問題は主語を確認する。中継器は原則5秒、条件付きガス漏れは60秒。
※よく出る引っかけポイント5つ
引っかけ①:ガス漏れ灯は赤色
黄色です。赤色は火災灯です。
引っかけ②:ガス漏れ区域は手動表示
受信機の地区表示装置で自動的に表示します。
引っかけ③:爆発下限界の1/200以上で確実作動
確実作動は1/4以上です。1/200以下では作動しません。
引っかけ④:警報機能付き検知器は85dB
前方1mで70dB以上です。85dBは受信機の主音響と混同させる数字です。
引っかけ⑤:ガス漏れ用中継器は常に60秒以内
原則5秒以内です。60秒は接続先受信機に条件がある例外です。
色・濃度・時間・音圧を、「どの機器が何をする規格か」まで書いて判定する。
全部で9ポイント
- ガス漏れ信号は検知器から中継器・受信機へ送られる
- G・GP・GR型のガス漏れ灯は黄色
- 受信機は主音響と地区表示装置で自動表示する
- G系受信機は表示試験、導通試験、2回線同時受信、60秒以内を押さえる
- 検知器は爆発下限界の1/4以上で確実作動、1/200以下で不作動
- 信号を発する濃度のガスに接して60秒以内に信号を発する
- 警報機能付き検知器は通電確認・作動確認・前方1mで70dB以上
- 中継器は原則5秒以内、条件付きガス漏れ信号は60秒以内とできる
- 60秒は検知器・中継器・受信機で主語と条件が異なる
ここからは、直前までに整理した「ガス漏れ火災警報設備」の判断手順を、実際の過去問で確認します。
【過去問】ガス漏れ火災警報設備
G型受信機について、規格省令上、誤っているものは次のうちどれか。
1. ガス漏れ信号を受信したとき、赤色のガス漏れ灯および主音響装置によりガス漏れの発生を、地区表示装置により当該ガス漏れの発生した警戒区域をそれぞれ自動的に表示するものでなければならない。
2. ガス漏れ表示の作動を容易に確認することができる装置による試験機能を有し、かつ、この装置の操作中に他の回線からのガス漏れ信号を受信したとき、ガス漏れ表示をすることができること。
3. 2回線以上からガス漏れ信号を同時に受信したとき、ガス漏れ表示をすることができること。
4. ガス漏れ信号の受信開始からガス漏れ表示までの所要時間は、60秒以内であること。
ガス漏れ火災警報設備に関する次の記述において、文中の【 】に当てはまる数値として、規格省令に定められているものはどれか。
「ガス漏れ火災警報設備に使用する中継器の受信開始から発信開始までの所要時間が、ガス漏れ信号の受信開始からガス漏れ標示までの所用時間が5秒以内である受信機に接続するものに限り、【 】秒以内とすることができる。」
1. 15秒
2. 30秒
3. 60秒
4. 90秒
受信機に設ける火災表示及びガス漏れ表示について、規格省令に定められていないものは次のうちどれか。
1. GP型受信機がガス漏れ信号を受信したときは、黄色のガス漏れ灯を自動的に表示する。
2. P型1級受信機が火災表示信号を受信したときは、赤色の火災灯を自動的に表示する。
3. G型受信機がガス漏れ信号を受信したときは、地区表示装置により当該ガス漏れの発生した警戒区域を手動で表示する。
4. GR型受信機の地区表示装置は、火災の発生した警戒区域とガス漏れの発生した警戒区域とを明確に識別できるように表示する。
ガス漏れ検知器の性能の基準として、消防庁告示上、正しいものは次のうちどれか。ただし、温泉の採取のための設備で総務省令で定めるところにより設ける場合を除く。
1. ガスの濃度が爆発下限界の1/4以上のときに確実に作動し、1/200以下のときに作動しない。
2. ガスの濃度が爆発下限界の1/2以上のときに確実に作動し、1/100以下のときに作動しない。
3. ガスの濃度が爆発下限界以上のときに確実に作動し、爆発下限界未満では作動しない。
4. ガスの濃度が爆発上限界未満のときに確実に作動し、爆発上限界以上では作動しない。
ガス漏れ検知器の性能の基準として、消防庁告示上、誤っているものは次のうちどれか。ただし、温泉の採取のための設備で総務省令で定めるところにより設ける場合を除く。
1. ガスの濃度が爆発下限界の1/4以上のときに確実に作動し、1/200以下のときに作動しない。
2. ガスの濃度が爆発下限界の1/2以上のときに確実に作動し、1/100以下のときに作動しない。
3. 信号を発する濃度のガスに接したとき、60秒以内に信号を発する。
4. 信号を発する濃度のガスに断続的にさらされたとき、機能に異常を生じない。
まとめ
ガス漏れ検知器は、作動濃度と表示・警報・試験機能を分けて確認します。
消防設備士「過去問テスト」は、その名の通り“過去に出た問題” のテストです。
ブログでお馴染みの管理人が過去問に関する情報収集を積み重ね、その中からピックアップして過去問ベースの模擬試験を作成したものです。

上記以外に新傾向問題の情報など提供あり次第、解説を毎年追記して更新しています。これから消防設備士の試験を受けられる方は是非ご覧下さい。
次は【過去問】火災通報装置・蓄電池設備|消防設備士甲4・乙4【規格⑤】へ進みます。
