【過去問】発信機・中継器・地区音響装置|消防設備士甲4・乙4【規格③】

【過去問】消防設備士甲4・乙4の規格③|発信機・中継器・地区音響装置
強欲な青木
発信機・中継器・地区音響装置の規格値は、何と結び付けますか?
機器の役割と試験項目を先に確認し、力・音圧・信号先の数値を対応させます。
消防設備士

学習範囲:規格|発信機・中継器・地区音響装置



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併せて、ご参照ください。

この講義で扱うのは、発信機・中継器・地区音響装置に要求される性能と規格値です。各機器の働きは「構造・機能④」、設置位置は「工事・整備④」、実物の操作と試験は「鑑別④」で扱います。

 

発信機の種類を通話で分ける

発信機は、火災信号を受信機へ手動で発信するものです。

種類 信号 発信と同時の通話 主な報知先
P型発信機 共通または固有 できない 建物内の受信機
T型発信機 共通または固有 できる 建物内の受信機
M型発信機 固有 定義上の判定軸ではない M型受信機を介して消防機関

P型1級発信機には、受信機との電話連絡用装置があります。ただし、P型という種類の定義は「発信と同時に通話できない」です。押しボタンで信号を発信した後に、電話ジャックへ送受話器を接続して通話する機能と区別してください。

T型発信機は、発信と同時に通話できます。M型発信機は固有の火災信号をM型受信機へ手動で送り、その受信機が消防機関へ報知する系統です。

P型発信機の外観

強欲な青木
P型1級に電話機能があっても、P型の定義は通話できないんですか?

「発信と同時に」がポイントです。信号発信後の相互電話とは別です。M型は発信機から直接119番へ電話する装置ではありません。
消防設備士

P型=発信と同時に通話不可、T型=発信と同時に通話可、M型=固有信号をM型受信機へ手動発信。

 

 

P型1級・2級発信機の構造

P型発信機の押しボタンスイッチは、その前方に保護板を設け、保護板を破壊または押し外すことで容易に押せる構造とします。

 

共通する主な構造

  • 押しボタンスイッチを押したときに火災信号を伝達する
  • 自動的に元へ戻らないスイッチは、復旧忘れを防止する措置を講ずる
  • 保護板は透明の有機ガラス
  • 外箱の色は赤色
  • スイッチは確実・容易に作動し、停止点が明確
  • スイッチ接点は腐食のおそれがなく、最大使用電流に耐える

 

保護板の20N・80N

指先で押し破る・押し外す構造の保護板は、中央部の直径20mmの円内へ加える力について次を満たします。

静荷重 保護板の状態
20N 押し破られず、押し外されず、たわんで押しボタンへ触れない
80N 押し破られる、または押し外される

 

P型1級だけに必要な機能

機能 P型1級 P型2級
受信機が信号を受信したことを確認する装置 規定なし
火災信号の伝達に支障なく受信機と相互電話 規定なし

応答確認灯と相互電話はP型1級の特徴です。P型2級に要求される共通構造と混ぜないようにします。

P型発信機の保護板と20N・80N

強欲な青木
応答確認と相互電話はP型1級だけですね。

はい。応答確認装置と受信機との相互電話はP型1級に必要な機能です。20N・80Nは保護板の別基準です。
消防設備士

P型発信機は「透明有機ガラス・20Nで耐える・80Nで作動・赤色」。応答確認と電話はP1。

 

 

中継器は信号ごとに送出先が違う

中継器は、火災・ガス漏れ・設備作動等の信号を受信し、信号の種類に応じた相手へ発信します。

受信する信号 発信できる相手
火災信号・火災表示信号・火災情報信号・ガス漏れ信号 他の中継器・受信機・消火設備等
設備作動信号 他の中継器・受信機

設備作動信号の送出先には、消火設備等を含めません。消火設備等が作動した旨を知らせる信号を、さらに消火設備等へ戻すものとして読まないようにします。

 

中継器の主な構造

  • 水滴が入りにくく、ほこり・湿気で機能異常を生じない
  • 不燃性または難燃性の外箱
  • 配線は十分な電流容量を持ち、的確に接続
  • 定格電圧が60Vを超える金属製外箱に接地端子
  • 地区音響を鳴動させる中継器は、受信機で操作しない限り鳴動を継続

地区音響の停止操作は受信機側で行います。「中継器に停止装置を設ける」という選択肢は誤りです。

発信機・中継器・受信機・地区音響装置の信号の流れ

強欲な青木
地区音響を止める操作は、中継器ではなく受信機ですね。

はい。地区音響の停止操作は受信機側で行います。中継器は信号別の送出先も分けて確認します。
消防設備士

中継器は「火災等・ガス→中継器・受信機・消火設備等」「設備作動→中継器・受信機」。

 

 

中継器の蓄積・電源・表示

 

蓄積式・アナログ式

蓄積時間を調整する装置は、中継器の内部に設けます。蓄積時間は5秒を超え60秒以内で、発信機からの火災信号を検出した場合は蓄積機能を自動解除します。

アナログ式中継器の感度設定装置は、対象感知器と表示温度等を確認でき、2以上の操作によらなければ設定変更できない構造とします。1回の操作で容易に変えられるものではありません。

 

電源・保護

外部負荷へ電力を供給する回路には、ヒューズ・ブレーカ等の保護装置を設けます。

外部から電力を供給されない方式では、主電源回路の両線と予備電源回路の1線へ保護装置を設け、原則として予備電源を備えます。ただし、ガス漏れ火災警報設備用の中継器は予備電源を省略できる場合があります。

 

所要時間・表示事項

自動火災報知設備の中継器は、受信開始から発信開始まで5秒以内です。ガス漏れ信号は、接続する受信機の条件により60秒以内とできる例外があります。

主な表示事項は、中継器の文字、型式・型式番号、製造年、製造番号、製造事業者名、取扱方法、接続回線数等、主電源の定格電圧・電流、蓄積式の公称蓄積時間です。

強欲な青木
中継器の基本所要時間は5秒以内ですね。

はい。中継器の受信開始から発信開始までは原則5秒以内です。蓄積時間の5秒超60秒以内とは別の時間基準です。
消防設備士

中継器は「60V超で接地・蓄積調整は内部・設定変更は2操作以上・基本5秒以内」。

 

 

地区音響装置の構造・音声

地区音響装置は、ベル・ブザー等の音響またはスピーカー等の音声で、建物内の人へ警報します。

 

共通構造と公称音圧

  • ほこり・湿気で機能異常を生じない
  • 腐食のおそれがある部分に防食措置
  • 主要部の外箱は不燃性または難燃性
  • 配線は十分な電流容量を持ち、的確に接続
  • 充電部へ外部から容易に触れられない保護
警報方式 公称音圧
ベル・ブザー等の音響 90dB以上
スピーカー等の音声 92dB以上

受信機内部の主音響85dBと混同しないでください。

 

音声切替装置

1. 最初の信号 → 感知器作動警報

2. 作動中に次の信号を受信、または一定時間経過 → 火災警報

警報 音声 内容
感知器作動警報 女声 感知器が作動した旨等
火災警報 男声 火災が発生した旨等

スピーカーは、300Hz以上8kHz以下の範囲で入力インピーダンスが定格インピーダンスの80%以上です。

強欲な青木
受信機主音響の85dBとは別ですね。

ベル等は90dB、音声は92dBです。感知器作動警報は女声、火災警報は男声です。
消防設備士

地区音響=音響90dB・音声92dB。感知器作動は女声、火災は男声。

 

 

※よく出る引っかけポイント5つ

 

引っかけ①:P型2級にも応答確認灯が必要

応答確認装置と相互電話はP型1級の機能です。

 

引っかけ②:保護板は20Nで押し破れる

20Nでは押し破られず、80Nで押し破られる・押し外される構造です。

 

引っかけ③:設備作動信号を消火設備等へ送る

設備作動信号の送出先は、他の中継器または受信機です。

 

引っかけ④:中継器に地区音響停止装置を設ける

受信機で操作しない限り鳴動を継続させます。停止操作の中心は受信機です。

 

引っかけ⑤:地区音響の感知器作動警報は男声

感知器作動警報は女声、火災警報は男声です。

強欲な青木
機器ごとに数字を箱分けすると混ざりませんね。

発信機は20・80、中継器は60V・2操作・5秒です。地区音響は90・92と女・男をセットで覚えます。
消防設備士

「押す=20/80」「渡す=信号別送出先」「鳴らす=90/92・女/男」で整理する。

 

 

全部で11ポイント


  1. P型発信機は発信と同時に通話できず、T型はできる
  2. M型発信機は固有の火災信号をM型受信機へ手動で発信する
  3. P型発信機の保護板は20Nで耐え、80Nで押し破られる・押し外される
  4. 保護板は透明の有機ガラス、外箱は赤色
  5. 応答確認装置と受信機との相互電話はP型1級の機能
  6. 火災等・ガス漏れ信号は中継器・受信機・消火設備等へ送れる
  7. 設備作動信号は他の中継器または受信機へ送る
  8. 中継器の金属製外箱は定格電圧60V超で接地端子が必要
  9. 蓄積時間調整装置は内部、感度設定変更は2以上の操作
  10. 地区音響は音響90dB以上・音声92dB以上
  11. 感知器作動警報は女声、火災警報は男声

ここからは、直前までに整理した「発信機・中継器・地区音響装置」の判断手順を、実際の過去問で確認します。

 

強欲な青木
問題文では、どの条件から確認すればええんですか?
本文で整理した「発信機・中継器・地区音響装置」の判断手順を使い、条件と選択肢を一つずつ照合しましょう。
消防設備士

【過去問】発信機・中継器・地区音響装置

自動火災報知設備の地区音響装置の構造および機能について消防庁告示上、正しいものは次のうちどれか。

1. 主要部の外箱の材料は、不燃性または難燃性のものとすること。

2. 音声により警報を発する音響装置の公称音圧は、90dB以上とすること。

3. 音響により警報を発する音響装置の公称音圧は、92dB以上とすること。

4. 感知器作動警報に係る音声は、男性によるものとし、自動火災報知設備の感知器が作動した旨の情報またはこれに関連する内容を周知するものであること。


 

P型1級発信機の構造に関する次の記述において、文中の【 】に当てはまる数値として、規格省令に定められているものの組合せはどれか。

「指先で押し破り、又は押し外す構造の保護板は、その中央部の直径20 mmの円内に【ア】Nの静荷重を一様に加えた場合に、押し破られ、又は押し外されることなく、かつ、たわみにより押しボタンスイッチに触れることなく、【イ】Nの静荷重を一様に加えた場合に、押し破られ又は押し外されなければならない。」

選択肢
20 80
20 100
30 80
30 100

 

P型2級発信機の構造および機能について規格省令上、誤っているものは次のうちどれか。

1. 火災信号は、押しボタンスイッチが押されたときに伝達されなければならない。

2. 押しボタンスイッチは、その前方に保護板を設け、その保護板を破壊し、または押し出すことにより、容易に押すことができなければならない。

3. 火災信号を伝達したとき、受信機が当該信号を受信したことを確認することができる装置を有しなければならない

4. 押しボタンスイッチを押した後、当該スイッチが自動的に元の位置にもどらない構造の発信機にあっては、そのスイッチを元の位置に戻す操作を忘れないための措置を講しなければならない。


 

中継器について規格省令、正しいものは次のうちどれか。

1. 火災が発生した旨の信号を他の防災設備に発信するものである。

2. 各種信号を総合防災盤に発信するものである。

3. 火災信号等またはガス漏れ信号を受信し、他の中継器・受信機または消火設備等に発信するものである。

4. 設備作動信号を受信し、他の中継器・受信機または消火設備等に発信するものである。


 

火災報知設備またはガス漏れ火災警報設備に使用する中継器について、規格省令上、誤っているものは次のうちどれか。

1. 定格電圧が60Vを超える中継器の金属製外箱には、接地端子を設けること。

2. 地区音響装置を鳴動させる中継器にあっては、中継器に当該地区音響装置の鳴動を停止させる装置を設けること。

3. 蓄積時間を調整する装置を有するものにあっては、当該装置を中継器の内部に設けること。

4. 検知器・受信機または他の中継器から電力を供給されない方式の中継器には、予備電源を設けること。ただし、ガス漏れ火災警報設備に使用する中継器にあっては、この限りでない。



5問は、外箱・20/80・P1専用・送出先・停止場所で判定できます。中継器の選択肢は、信号と送出先を線で結んで確認します。
消防設備士

強欲な青木
設備作動信号は、どこへ送らない点が引っかけになりますか?

設備作動信号は、消火設備等へは送らず、ほかの中継器または受信機へ送ります。送出先まで一組で覚えてください。次はガス漏れ火災警報設備の規格です。
消防設備士

 

 

まとめ

発信機・中継器・地区音響装置は、役割と試験項目を確認してから各規格値を対応させます。

強欲な青木
迷わずに回答できましたか?
もし、まだ自信がないのであれば繰り返し「過去問テスト」等を使って類題を解くことをオススメします!
消防設備士

消防設備士「過去問テスト」は、その名の通り“過去に出た問題” のテストです。

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上記以外に新傾向問題の情報など提供あり次第、解説を毎年追記して更新しています。これから消防設備士の試験を受けられる方は是非ご覧下さい。


次は【過去問】ガス漏れ火災警報設備|消防設備士甲4・乙4【規格④】へ進みます。