学習範囲:構造・機能|発信機・中継器・地区音響装置
最新ver.の過去問情報は、青木マーケ(株)ショップの消防設備士「過去問テスト」で毎年更新しています。
併せて、ご参照ください。
発信機・中継器・地区音響装置の役割
| 機器 | 入力・操作 | 主な役割 | 出力・報知先 |
|---|---|---|---|
| 発信機 | 人が押しボタンを操作 | 火災を手動で知らせる | 火災信号を受信機へ送る |
| 中継器 | 感知器・検知器等から信号を受信 | 信号を中継・変換・識別する | 受信機・他の中継器・消火設備等へ送る |
| 地区音響装置 | 受信機の地区音響鳴動装置から信号を受信 | 火災の発生を建物内へ知らせる | ベル・ブザー・スピーカーで警報する |
受信機を中心に見ると発信機と中継器は入力側、地区音響装置は出力側です。
感知器等規格省令第2条第20号、中継器規格省令第2条第6号、地区音響装置の基準第2。発信機・中継器・地区音響装置を、操作・信号・報知先で定義しています。
発信機=手動入力、中継器=信号の受け渡し、地区音響=建物内への出力。
P型1級・P型2級発信機
発信機は、火災を発見した人が押しボタンを操作し、受信機へ火災信号を送る機器です。

P型1級発信機
P型1級には、次の機能があります。
- 押しボタン
- 応答確認灯
- 受信機と相互に電話連絡するための電話ジャック
押しボタンを押して受信機が火災信号を受信すると応答確認灯が点灯し、発信者は信号が届いたことを確認できます。
接続できる受信機は、P型1級・GP型1級・R型・GR型です。
P型2級発信機
P型2級は、電話ジャックと応答確認灯を持ちません。P型2級・GP型2級受信機へ接続します。
| 比較 | P型1級 | P型2級 |
|---|---|---|
| 押しボタン | あり | あり |
| 応答確認灯 | あり | なし |
| 電話ジャック | あり | なし |
| 主な接続先 | P1・GP1・R・GR | P2・GP2 |
感知器等規格省令第32条。P型発信機の火災信号、押しボタン、受信確認装置、電話連絡装置、外箱の色等を定めています。受信確認装置と電話連絡装置はP型1級に求められる機能です。
P1=応答確認灯+電話ジャック。P2=どちらもなし。
発信機を押した後の信号と設置数字
P型1級発信機では、一般に押しボタンを押すと表示線回路と応答線・電話線側の回路が連動します。
1. 人が押しボタンを押す
2. 発信機から受信機へ火災信号を送る
3. 受信機が火災表示・警報を行う
4. 応答線を介して発信機の応答確認灯が点灯する
設置数字は次のとおりです。
| 項目 | 基準 |
|---|---|
| 発信機まで | 各階の各部分から歩行距離50m以下 |
| 押しボタンの高さ | 床面から0.8m以上1.5m以下 |
| 表示灯 | 発信機の直近に設ける |
| 表示灯の見え方 | 取付け面と15°以上の方向に沿い、10m離れた位置から容易に識別 |
発信機の表示灯は、屋内消火栓用表示灯と兼用できます。「別に設けなければならない」は誤りです。
消防法施行規則第24条第1項第8号。発信機を歩行距離50m以下、高さ0.8m以上1.5m以下に設け、直近の表示灯を15°以上の方向・10mから容易に識別できる赤色灯とすることを定めています。
発信機=歩行50m・高さ0.8~1.5m。表示灯=15°・10m。
中継器が扱う5つの信号
中継器は、次の信号を受信して、信号の種類に応じた機器へ発信します。
- 火災信号
- 火災表示信号
- 火災情報信号
- ガス漏れ信号
- 設備作動信号
発信先には重要な違いがあります。
| 受信する信号 | 発信先 |
|---|---|
| 火災信号・火災表示信号・火災情報信号・ガス漏れ信号 | 他の中継器・受信機・消火設備等 |
| 設備作動信号 | 他の中継器・受信機 |
設備作動信号の発信先には、消火設備等を含めません。
また、検知器・受信機・他の中継器から電力を供給されない方式は、主電源装置と予備電源装置を持ちます。
中継器規格省令第2条第6号・第3条。火災信号等・ガス漏れ信号と設備作動信号の発信先を区別し、地区音響装置を鳴動させる中継器は受信機で操作しない限り鳴動を継続すること等を定めています。
設備作動信号 → 他の中継器・受信機。消火設備等は含めない。
地区音響装置の90・92・25
地区音響装置は、受信機の地区音響鳴動装置から信号を受け、ベル・ブザー・スピーカー等で火災を知らせます。
音圧
| 警報方法 | 音圧 |
|---|---|
| ベル・ブザー等の音響 | 中心から前方1mで90dB以上 |
| スピーカー等の音声 | 中心から前方1mで92dB以上 |
配置
各階ごとに、その階の各部分から一の地区音響装置までの水平距離が25m以下となるように設けます。
発信機の歩行距離50mと混ぜないようにします。
音声切替装置
- 感知器作動警報:女声
- 火災警報:男声
感知器が作動した段階では女声で確認を促し、火災と判断された段階では男声で火災を知らせます。発信機からの火災信号を受信したときは、火災警報を自動的に発します。
消防法施行規則第24条第1項第5号・第5号の2、地区音響装置の基準第3・第4。地区音響装置の水平距離25m、音響90dB以上、音声92dB以上、感知器作動警報の女声、火災警報の男声を定めています。
地区音響=1mで音響90・音声92、水平距離25m、女声→男声。
※よく出る引っかけポイント6つ
引っかけ①:P型2級にも応答確認灯がある
応答確認灯と電話ジャックを持つのはP型1級です。
引っかけ②:発信機まで水平距離50m
発信機は歩行距離50m以下です。地区音響装置は水平距離25m以下です。
引っかけ③:表示灯は屋内消火栓用と兼用できない
兼用できます。別に設けなければならない、という記述が誤りです。
引っかけ④:地区音響は70・85dB
70・85dBは受信機の主音響装置で出る数値です。地区音響装置は音響90dB、音声92dBです。
引っかけ⑤:感知器作動警報は男声
感知器作動警報は女声、火災警報は男声です。
引っかけ⑥:設備作動信号を消火設備等へ送る
設備作動信号の発信先は、他の中継器または受信機です。
50歩行・25水平・90音響・92音声。
📝試験問題を解くときの手順
1. 発信機・中継器・地区音響のどれかを決める
2. 入力側・中継・出力側の位置を決める
3. P型1級なら応答確認灯・電話ジャックを確認する
4. 距離は歩行50mか水平25mか確認する
5. 音圧は90・92、音声は女声・男声を確認する
6. 中継器は信号ごとの発信先を確認する
全部で8ポイント
- 発信機は手動入力、中継器は信号の受け渡し、地区音響装置は建物内への出力
- P型1級発信機は応答確認灯・電話ジャックを持ち、P型2級は持たない
- 発信機は歩行距離50m以下、高さ0.8m以上1.5m以下
- 表示灯は15°以上の方向・10mから識別し、屋内消火栓用表示灯と兼用できる
- 中継器は5信号を扱い、設備作動信号だけは消火設備等へ発信しない
- 地区音響装置は水平距離25m以下
- 音響90dB以上、音声92dB以上
- 感知器作動警報は女声、火災警報は男声
ここからは、直前までに整理した「発信機・中継器・地区音響装置」の判断手順を、実際の過去問で確認します。
【過去問】発信機・中継器・地区音響装置
P型1級発信機または表示灯の設置について、誤っているものは次のうちどれか。
- 発信機を階ごとに、その階の部分から一の発信機までの水平距離が50mになるように設けた。
- 発信機を、床面の高さから1.2mの箇所に設けた。
- 発信機の直近の箇所に表示灯を設けた。
- 表示灯は赤色の灯火で、取付け面と15°以上の角度となる方向に沿って10m離れたところから点灯していることが容易に識別できるように設けた。
P型1級受信機に接続する地区音響装置(音声により警報を発するものを除く。)の音圧について、消防法令に定められているものは次のうちどれか。
- 音圧は取り付けられた音響装置の中心から1m離れた位置で、60dB以上であること。
- 音圧は取り付けられた音響装置の中心から1m離れた位置で、70dB以上であること。
- 音圧は取り付けられた音響装置の中心から1m離れた位置で、80dB以上であること。
- 音圧は取り付けられた音響装置の中心から1m離れた位置で、90dB以上であること。
自動火災報知設備の地区音響装置の機能について消防庁告示上、正しいものは次のうちどれか。
- 音声により警報を発する音響装置の公称音圧は、90dB以上としなければならない。
- 音響により警報を発する音響装置の公称音圧は、87dB以上としなければならない。
- 音声切替装置を備えた地区音響装置の感知器作動警報に係る音声は、男声によるものとしなければならない。
- 音声切替装置を備えた地区音響装置の音声による警報の鳴動は、地区音響鳴動装置から信号を受信した場合において、感知器が作動した旨の警報を自動的に発することができなければならない。
中継器について規格省令、正しいものは次のうちどれか。
- 火災が発生した旨の信号を他の防災設備に発信するものである。
- 各種信号を総合防災盤に発信するものである。
- 火災信号等またはガス漏れ信号を受信し、他の中継器・受信機または消火設備等に発信するものである。
- 設備作動信号を受信し、他の中継器・受信機または消火設備等に発信するものである。
自動火災報知設備のP型1級発信機の押しボタンを押したが、受信機は火災 表示と警報鳴動をしなかった。この原因として、最も適当なものは次のうちど れか。ただし、配線及び受信機は正常であるものとする。
- 1. 発信機内の接点が腐食している。
- 2. 発信機内の確認LEDランプ配線がはずれている。
- 3. 発信機内の電話線がはずれている。
- 4. 発信機内に設けられている終端器が断線している。
P型1級受信機に接続する地区音響装置(音声により警報を発するものを除く。)の音圧について、消防法令に定められているものは次のうちどれか。
- 音圧は取り付けられた音響装置の中心から1m離れた位置で、60dB以上であること。
- 音圧は取り付けられた音響装置の中心から1m離れた位置で、70dB以上であること。
- 音圧は取り付けられた音響装置の中心から1m離れた位置で、80dB以上であること。
- 音圧は取り付けられた音響装置の中心から1m離れた位置で、90dB以上であること。
自動火災報知設備の地区音響装置(音声により警報を発するものに限る。)について、消防法令及び消防庁告示上、誤っているものは次のうちどれか。
- スピーカーに至る回路は、自動火災報知設備の信号回路における信号の伝達に影響を及ぼさないように設けるとともに、他の電気回路によって誘導障害が生じないように設けること。
- 配線は、十分な電流容量を有し、かつ、的確に接続されていること。
- 周波数が300Hz以上8kHz以下の範囲における入力インピーダンスは、定格インピーダンスの60%以上であること。
- 主要部の外箱の材料は、不燃性又は難燃性のものとすること。
自動火災報知設備の地区音響装置の構造及び機能について、消防庁告示上、正しいものは次のうちどれか。
- 主要部の外箱の材料は、不燃性又は難燃性のものとすること。
- 音声により警報を発する音響装置の公称音圧は、90dB以上とすること。
- 音響により警報を発する音響装置の公称音圧は、92dB以上とすること。
- 感知器作動警報に係る音声は、男声によるものとし、自動火災報知設備の感知器が作動した旨の情報又はこれに関連する内容を周知するものであること。
自動火災報知設備に使用する地区音響装置について、消防庁告示上、誤っているものは次のうちどれか。
- 音響装置とは、ベル、ブザー、スピーカー等の音響又は音声により警報を発するものをいう。
- 音響により警報を発する音響装置の公称音圧は、90dB以上であること。
- 音声により警報を発する音響装置の公称音圧は、92dB以上であること。
- 音声切替装置を備えた地区音響装置の、感知器作動警報に係る音声は、男声によるものであること。
地区音響装置の音声切替装置の機能のうち、音声による警報について、消防庁告示上、誤っているものは次のうちどれか。
- 感知器作動警報は、第1警報音、音声、1秒間の無音状態の順に連続するものを反復する構成のものでなければならない。
- 火災警報は、第2警報音、音声、1秒間の無音状態の順に連続するものを反復する構成のものでなければならない。
- 感知器作動警報に係る音声は、女声によるものとし、自動火災報知設備の感知器が作動した旨の情報又はこれに関連する内容を周知するものでなければならない。
- 火災警報に係る音声は、男声によるものとし、火災が発生した旨の情報又はこれに関連する内容を周知するものでなければならない。
消防設備士「過去問テスト」は、その名の通り“過去に出た問題” のテストです。
ブログでお馴染みの管理人が過去問に関する情報収集を積み重ね、その中からピックアップして過去問ベースの模擬試験を作成したものです。

上記以外に新傾向問題の情報など提供あり次第、解説を毎年追記して更新しています。これから消防設備士の試験を受けられる方は是非ご覧下さい。
まとめ
発信機、中継器、地区音響装置は、人の操作から建物内への警報まで信号の順に追います。
次は【過去問】ガス漏れ火災警報設備の構造・機能|消防設備士甲4・乙4【構造・機能⑤】へ進みます。


