このページを見たら消防設備士試験 甲4・乙4の構造・機能に出てくる「煙・炎・複合式感知器と非火災報」に関する問題が得点源となるはず!
最新ver.の過去問情報は、青木マーケ(株)noteの消防設備士「過去問テスト」で毎年更新しています。
併せて、ご参照ください。
煙感知器はイオン化式と光電式から整理する
煙感知器の中心は、イオン化式と光電式です。

| 種類 | 感知範囲 | 検出する変化 | 発信する信号 |
|---|---|---|---|
| イオン化式スポット型 | 一局所 | イオン電流の変化 | 火災信号 |
| 光電式スポット型 | 一局所 | 光電素子の受光量の変化 | 火災信号 |
| 光電式分離型 | 広範囲 | 送光部・受光部間の受光量の変化 | 火災信号 |
| イオン化アナログ式スポット型 | 一局所 | イオン電流の連続的変化 | 火災情報信号 |
| 光電アナログ式スポット型 | 一局所 | 受光量の連続的変化 | 火災情報信号 |
| 光電アナログ式分離型 | 広範囲 | 受光量の連続的変化 | 火災情報信号 |
光電式分離型の公称監視距離は、5m以上100m以下で5m刻みです。
感知器等規格省令第2条第8号~第14号、第17条の2。煙感知器をイオン電流・受光量・感知範囲・信号の種類で定義し、光電式分離型の公称監視距離を5m以上100m以下の5m刻みとしています。
イオン化=イオン電流、光電スポット=散乱光、光電分離=減光。
3方式の作動原理
イオン化式スポット型
感知器内部のイオン室には、ごく微量の放射線源があり、空気をイオン化して微弱なイオン電流を流しています。
煙がイオン室へ入るとイオン電流が減少します。この変化が設定値に達すると火災信号を発信します。
光電式スポット型
一般的な散乱光式は、外部の光を遮る暗箱の中に発光素子と受光素子を配置します。
清浄な空気では、発光素子の光が受光素子へ直接届かない構造です。煙が入ると煙粒子で光が散乱し、その一部を受光素子が受けます。この受光量の変化を検出して火災信号を送ります。
光電式分離型
送光部と受光部を離れた位置に設け、空間を横切る光を監視します。
煙が光路へ入ると受光部へ届く光が弱くなります。広範囲の煙による減光を検出して火災信号を送るため、体育館・工場・倉庫などの大空間で使われます。
イオン化式は光ではなく、イオン電流の変化です。
感知器等規格省令第2条第8号~第10号、第8条第9号。イオン化式はイオン電流、光電式は光電素子の受光量の変化で作動すると定義し、スポット型の煙感知器には虫の侵入を防ぐ措置を求めています。
光電スポットは「煙で受光」、光電分離は「煙で減光」。
蓄積型とアナログ式は別の考え方
蓄積型
一定濃度以上の煙を感知した後、その状態が一定時間続いたときに火災信号を発信します。一過性の煙による非火災報を減らす仕組みです。
蓄積時間は5秒を超え60秒以内、公称蓄積時間は10秒以上60秒以内の10秒刻みです。
非蓄積型
煙濃度が設定値に達すると蓄積時間を置かずに火災信号を発信します。
アナログ式
煙濃度に対応する火災情報信号を連続的に発信します。受信機側で注意表示や火災表示の判断に利用できます。
蓄積型は「時間の継続」、アナログ式は「煙の程度」を扱うため、同じ分類ではありません。
感知器等規格省令第16条~第17条の6。イオン化式・光電式の蓄積時間、公称蓄積時間、アナログ式の煙濃度に対応した連続応答性を定めています。
蓄積=時間、アナログ=煙濃度に対応する情報。
炎感知器は紫外線・赤外線を捉える
炎感知器は、炎から放射される紫外線または赤外線の変化を利用します。
| 種類 | 主に見るもの | 作動の考え方 |
|---|---|---|
| 紫外線式スポット型 | 紫外線 | 受光量の変化が一定以上 |
| 赤外線式スポット型 | 赤外線 | 受光量の変化が一定以上 |
| 紫外線赤外線併用式スポット型 | 紫外線+赤外線 | 両方の変化が一定以上 |
| 炎複合式スポット型 | 紫外線式+赤外線式の性能 | 二つの性能を併せもつ |
紫外線式では、紫外線検出管の外部光電効果を利用する方式があります。紫外線が当たると光電子が放出され、電流として検出されます。
炎感知器は煙や熱の到達を待たずに炎を捉えられますが、直射日光、溶接火花、赤外線を発する機器など、火災以外の光源との区別が必要です。
感知器等規格省令第2条第16号~第19号、第17条の8。紫外線式・赤外線式・併用式・炎複合式の検出対象を定義し、視野角ごとの公称監視距離と感度を定めています。
紫外線・赤外線は炎感知器。イオン化・光電は煙感知器。
熱煙複合式と煙複合式
熱煙複合式スポット型
次の性能を組み合わせた感知器です。
- 差動式スポット型または定温式スポット型の熱感知性能
- イオン化式スポット型または光電式スポット型の煙感知性能
熱と煙の両方を扱えますが、煙感知性能を持つ以上、粉じん・蒸気・排気ガスなど煙感知器に適さない環境では、熱煙複合式も原則として適しません。
煙複合式スポット型
イオン化式スポット型と光電式スポット型の性能を併せもつ感知器です。
熱煙複合式は、煙感知器の不適応環境も引き継ぐ。
非火災報は「原因」と「設備の反応」を分ける
非火災報とは、火災以外の原因で感知器等が作動し、火災ではないのに警報を発することです。
主な原因
- 設置環境に合わない感知器の選定
- 蒸気・粉じん・排気ガス・調理煙等の流入
- 結露等による感知器回路の短絡
- 終端器表面の汚れによる端子間の短絡
- 受信機や感知器の故障
非火災報とは違う異常
終端器の断線は、通常は断線表示の原因です。火災信号を発する短絡とは違うため、それ自体を非火災報の原因として扱いません。
差動式分布型の空気管の亀裂も、空気が漏れて作動しにくくなる異常であり、非火災報ではなく失報・作動不良側の問題です。
設置環境に合わせる
煙感知器と熱煙複合式は、じんあい・微粉・水蒸気・排気ガスが多量に滞留する場所等には原則として適しません。
一方、排気ガスが多量に滞留する駐車場・車路では、環境に適応する炎感知器が選択肢になります。感知器は「高性能なもの」ではなく、火災の現象と周囲環境に合うものを選びます。
消防法施行規則第23条第4項第1号ニ・ホ、第24条第1項第6号、消防予第240号。煙感知器・熱煙複合式・炎感知器の不適応環境と選択基準を定め、受信機は地絡・開閉による電圧電流変化・振動衝撃で火災表示しない構造とします。
短絡=火災信号の原因になり得る。断線=断線表示。空気管亀裂=作動不良。
※よく出る引っかけポイント5つ
引っかけ①:紫外線式・赤外線式を煙感知器に入れる
紫外線式・赤外線式は炎感知器です。煙感知器はイオン化式・光電式を中心に整理します。
引っかけ②:光電式スポット型も煙で光が弱くなる
散乱光式のスポット型は、煙粒子で散乱した光が受光素子へ届くことで作動します。煙で受光量が減るのは光電式分離型の考え方です。
引っかけ③:複合式ならどの環境にも適する
熱煙複合式は煙感知性能を持つため、煙感知器に不向きな粉じん・蒸気・排気ガス等の環境では原則として適しません。
引っかけ④:終端器の断線は非火災報の原因
断線は断線表示側です。回路の短絡と混同しないようにします。
引っかけ⑤:空気管の亀裂は非火災報の原因
亀裂から空気が漏れるため、作動不良側です。
📝試験問題を解くときの手順
1. 問題が熱・煙・炎のどれを扱っているか決める
2. イオン電流・散乱光・減光・紫外線・赤外線のキーワードを拾う
3. 火災信号か火災情報信号か確認する
4. 設置環境に、蒸気・粉じん・排気ガス・火炎・光源があるか確認する
5. 異常問題は、短絡・断線・漏れを分けて設備の反応を追う
全部で7ポイント
- イオン化式は、煙によるイオン電流の変化を検出する
- 光電式スポット型は散乱光、光電式分離型は減光を検出する
- 光電式分離型の公称監視距離は5m以上100m以下・5m刻み
- 蓄積型は煙の継続時間、アナログ式は煙濃度に対応する情報を扱う
- 紫外線式・赤外線式は炎感知器である
- 熱煙複合式は熱と煙の性能を持つが、煙に不向きな環境へ無条件に適するわけではない
- 短絡は非火災報、断線は断線表示、空気管の亀裂は作動不良側で整理する
それでは以下の「煙・炎・複合式感知器と非火災報」に関する消防設備士試験の過去問にチャレンジして、これまでの内容が頭に入っているかを確認しましょう!
【過去問】煙・炎・複合式感知器と非火災報
感知器の種別と設置場所の適否について、誤っているものは次のうちどれか。
1. じんあい・微粉等が多量に滞留する場所には、煙感知器と熱煙複合式は適さないが、差動式スポット型は適している。
2. 排気ガスが多量に滞留する場所には、煙感知器は適さないが、熱煙複合式は適している。
3. 火を使用する設備で火炎が露出する場所には、炎感知器は適さないが、定温式は適している。
4. 水蒸気が多量に滞留する場所には、炎感知器は適さないが、熱アナログ式スポット型は適している。
炎感知器が適応する設置場所として、最も適当なものは次のうちどれか。
1. 水蒸気が多量に滞留する蒸気洗浄室・消毒室
2. 腐食性ガスが発生するおそれのあるメッキ工場・バッテリー室
3. 著しく高温となる乾燥室・ボイラー室
4. 排気ガスが多量に滞留する駐車場・車路
非火災報の原因として、最も不適当なものは次のうちどれか。
1. 感知器回路の短絡
2. 受信機の故障
3. 感知器種別の選定の誤り
4. 終端器(終端抵抗)の断線
受信機において、火災が発生した旨の表示をしてはならない事態が消防法令で定められているが、定められていない事態は次のうちどれか。
1. 感知器回路の配線の一線に地絡が生じたとき。
2. 開閉器の開閉等により、回路の電圧又は電流に変化が生じたとき。
3. 振動又は衝撃を受けたとき。
4. 感知器回路の配線の一部が短絡したとき。
消防設備士「過去問テスト」は、その名の通り“過去に出た問題” のテストです。
ブログでお馴染みの管理人が過去問に関する情報収集を積み重ね、その中からピックアップして過去問ベースの模擬試験を作成したものです。
上記以外に新傾向問題の情報など提供あり次第、解説を毎年追記して更新しています。これから消防設備士の試験を受けられる方は是非ご覧下さい。
それでは続いて【構造・機能④】発信機・中継器・地区音響装置|消防設備士甲4・乙4【過去問】の過去問をみていきましょう。


