ろ過網(化学泡消火器)および消火器の内圧が上昇した際の破裂防止をする「安全弁」について徹底解説していきます!
ろ過網(ろかあみ)を設ける消火器
ろ過網とは消火器のノズルやホースが詰まることを防ぐために設けられるフィルターのことであり、以下の通り規格が定められています。
【第17条(ろ過網)】
手動ポンプの水消火器、ガラスびんを使用する酸アルカリ消火器もしくは(ガラスびんを使用する)強化液消火器、化学泡消火器にはノズルまたはホースに通ずる薬剤導出管等の本体容器内における開口部に、次の各号に定める“ろ過網”を設けなければならない。
一 ろ過網の目の最大径は、ノズルの最小径の3/4以下であること。
二 ろ過網の目の部分の合計面積は、ノズルの開口部の最小断面積の30倍以上であること。
手動ポンプの水消火器・ガラスびんを使用する酸アルカリ消火器・強化液消火器・化学泡消火器にはノズルまたはホースに通ずる薬剤導出管等の本体容器内における開口部に、次の各号に定めるろ過網を設けなければならないと規定されています。
ろ過網を設ける消火器4つ
- 手動ポンプの水消火器
- ガラスびんを使用する酸アルカリ消火器
- ガラスびんを使用する強化液消火器
- 化学泡消火器
化学泡消火器自体もう殆ど無い消火器ですが、ろ過網が設けられていると覚えておきましょう。
消火器の安全弁
安全弁とは、本体容器の圧力が異常に上昇した時に減圧するためのものです。
【第24条(安全弁)】※抜粋
1、消火器の安全弁は、次の各号に適合するものでなければならない。
- 本体容器内の圧力を有効に減圧することができること。
- みだりに分解し、または調整することができないこと。
- 封板式のものにあつては、噴き出し口に封を施すこと。
- 「安全弁」と表示すること。
- 消火器の本体容器(高圧ガス保安法の適用を受けないものに限る)または容器弁以外のバルブに設ける安全弁は、次の表[省略]に掲げる当該安全弁を設ける消火器の区分に応じ、それぞれ当該欄に掲げる作動圧力の範囲内で作動するものでなければならない。
- 二酸化炭素の消火器及び加圧用ガス容器の容器弁に設けるものは封板式、その他の容器弁に設けるものは封板式、溶栓式または封板溶栓式であること。
- 封板式は、[省略]容器の区分に応じそれぞれに掲げる作動圧力の範囲内で作動すること。
- 溶栓式は、[省略]容器の区分に応じそれぞれに掲げる作動温度の範囲内で作動すること。
安全弁は六角ボルトと形が似ているので、つい外してみたくなりますが「ダメ絶対!」です。(※薬剤全部出ちゃいます)
温度が上昇すると封をしている金属が溶けて穴があき、そこから排圧する「溶栓式」と、温度に関係なく一定の圧力まで上昇すると封板が破れ排圧する「封板式」があります。
安全弁の種類2つ
- 溶栓式
- 封板式
二酸化炭素(炭酸ガス)は温度上昇に対して圧力上昇率が激しく、溶栓式だと溶ける温度に達する前に容器が破裂する圧力まで上昇してしまうので、封板式しか使えません。
消防設備士試験の過去問(消火器と消火薬剤の規格)
ろ過網を設けなければならない消火器として、次のうち正しいものはどれか。
- 粉末消火器
- 二酸化炭素消火器
- 蓄圧式強化液消火器
- 化学泡消火器
消火器の安全弁について、次のうち誤っているのものはどれか。
- 本体容器内の圧力を有効に減圧することができること。
- 封板式のものは、吹出し口に封を施すこと。
- 「安全弁」と表示すること。
- 点検時(内部および機能の確認)には、必ず分解、噴出し圧力の調整を行うこと。
消防設備士「過去問テスト」は、その名の通り“過去に出た問題” のテストです。
ブログでお馴染みの管理人が過去問に関する情報収集を積み重ね、その中からピックアップして過去問ベースの模擬試験を作成したものです。
上記以外に新傾向問題の情報など提供あり次第、解説を毎年追記して更新しています。これから消防設備士の試験を受けられる方は是非ご覧下さい。