著者:青木俊輔(強欲な青木)/青木マーケ(株) 取締役 COO、(株)防災屋 代表取締役 社長、(一社)予防団 共同代表理事
保有資格(記事に関係するもの):消防設備士 甲種特類・甲種1〜5類・乙種6・7類
確認日:2026年10月19日
更新内容:初版
この記事の結論
間違えた問題は、ノートにまとめ直さなくてかまいません。次の3つを、問題集や過去問のその問題の横に書き込むだけで管理できます。
- 結果の記号(○:自信を持って正解、△:迷った・まぐれ、×:間違えた)
- 解いた日付
- 間違えた理由をひとこと(知識がなかった/読み違えた/似たものと混同した/計算を間違えた)
そして、△と×の問題だけを、日をあけて解き直します。ノート作りに使っていた時間は、解き直しに回してください。
間違えた問題は、本番前に見つかった「点数の伸びしろ」です。×が多いほど、伸びる余地が大きいと考えてください。
なぜ、ノートを作らなくていいのか
間違いノートを作ると、勉強した気持ちになります。ただ、問題文と解説を書き写す作業は、時間がかかるわりに、頭から思い出す作業がほとんど起きません。
理科の文章を学ぶときに、内容を図にまとめる「概念マップ」を作るより、読んだ後に思い出して書き出すほうが、1週間後のテストで成績がよかったという研究があります(Karpicke & Blunt、2011年)。対象は大学生で、資格試験を直接調べたものではありません。また、まとめる作業が無意味だという意味でもありません。
ただ、時間が限られた社会人にとっては、まとめ直すより「もう一度解いて思い出す」ほうに時間を使うほうが得だと考えられます。
きれいなノートを作って満足するのは、ドリブルの練習だけして試合に出るのと同じだと思います。
書き込み方:記号・日付・理由

記号は3種類だけ
| 記号 | 意味 | 次の扱い |
|---|---|---|
| ○ | 自信を持って正解した。選択肢ごとに理由も言える | 解き直さなくてよい(直前に軽く確認) |
| △ | 正解したが迷った、まぐれだった | 次の解き直しの対象 |
| × | 間違えた | 次の解き直しの対象(最優先) |
まぐれで正解した問題を○にすると、本番での実力より正答率が高く見えます。迷ったら△にしてください。
日付を書く
記号の横に、解いた日付を書きます(例:「10/19 ×」)。2回目に解いたら、その横に「10/22 △」のように並べて書きます。日付が並ぶと、同じ問題を何度間違えているか、前に解いてから何日たったかが一目で分かります。
間違えた理由をひとこと
×と△には、理由をひとことだけ書きます。
| 理由 | 例(消防設備士) | 解き直しで足すこと |
|---|---|---|
| 知識がなかった | 規格の数値を覚えていなかった | テキストの該当箇所を読み、数字を表にまとめる |
| 読み違えた | 「誤っているものはどれか」を「正しいもの」と読んだ | 問題文の聞き方に線を引いてから解く |
| 似たものと混同した | 着工届と設置届の期限を取り違えた | 似たもの同士を並べた対比表を作る |
| 計算を間違えた | 単位の換算を忘れた | 途中式を書いて解き直す |
理由が分かると、同じ種類の間違いを減らす対策が立てられます。似た数字・用語の対比表の作り方は、別の記事(消防設備士の語呂合わせ・覚え方|法令の数字と似た用語を混同しないコツ)で説明しています。
解き直しの回し方
解き直すのは△と×だけ
2周目以降は、全部を解き直すのではなく、△と×の問題だけを解き直します。○が増えるほど、解き直す問題は減っていきます。
日をあけて解き直す
同じ日に何度も解くより、日をあけて解き直すほうが、記憶に残りやすいと考えられています。言葉や事実の記憶を対象にした多くの実験をまとめた分析(Cepedaら、2006年)では、間隔をあけて学ぶほうが長く覚えていられることが示されています。思い出す練習を間隔をあけて行う利点を検討した分析(Latimierら、2021年)もあります。
目安は「翌日 → 数日後 → 1週間後」です。試験までの期間に合わせた間隔の決め方は、別の記事(覚えてもすぐ忘れるのはなぜ?復習のタイミングを試験日から決める方法)で詳しく説明しています。
理由を言えたら○に変える
解き直しで正解しても、選択肢ごとに「なぜ正しいか・なぜ誤りか」を言えなければ△のままにします。理由まで言えたら○に変えます。
ノートが役に立つ場面
ノートを一切作るなという意味ではありません。次のようなものは、紙1枚にまとめておくと役に立ちます。
- 何度も混同する似た数字・用語の対比表(届出の期限、点検と報告の周期など)
- 自分がよく間違える理由の一覧(「読み違えが多い」など)
- 試験直前に見返す「最後の確認リスト」
どれも、書き写すためではなく、隠して思い出すために作ってください。
本番形式で、弱い科目を見つける
分野ごとの過去問で△と×が減ってきたら、本番と同じ問題数・形式で解いて、科目ごとの正答率を見ます。消防設備士の筆記試験は、各科目40%以上かつ全体60%以上、さらに実技試験60%以上が合格基準です(一般財団法人消防試験研究センター「試験の方法」)。全体の正答率がよくても、1科目だけ×が多いと不合格になります。
私は、試験の直前1週間は、本番形式で解いて弱い科目が分かったら、点を伸ばすべき弱い科目に8、それ以外の科目の復習に2、場合によっては9対1くらいの割合で、弱い科目に時間を寄せてよいと考えています(YouTube「【🗓️試験まで1週間】乙6チャレンジ直前追い込み勉強企画 📑【消防設備士】」8:04〜8:15)。
私は、参考書の問題に、できた問題は◯、正解したけど微妙なら△、間違えたら×をつけて、全部が◯になるまで繰り返していました。それから過去問テストを解いて、本試験で得点できるかを試します(2026年10月時点の私のやり方)。
研究の限界
- 紹介した研究は、大学生などを対象に、文章や単語の記憶で調べたものが中心です。消防設備士の計算問題や製図で同じ効果が出るかは確かめられていません。
- まとめる作業が役に立つ場面もあります。この記事は、時間が限られた社会人にとっての優先順位を示したものです。
- 間違えた問題の管理方法と合否の関係を直接調べた研究は、今回の調査では見つかっていません。
次にやること
- 受ける類の学習ガイドで、過去問を解き、記号と日付を書き込む
- 消防設備士 甲4・乙4(自動火災報知設備)https://aokimarke.com/kakomon4/
- 消防設備士 乙6(消火器)https://aokimarke.com/kakomon6/
- 消防関係法令(共通)の過去問・解説まとめ https://aokimarke.com/kyotsu/
- △と×が減ってきたら、本番と同じ問題数・形式で、科目ごとの弱点を確かめる
- 消防設備士4類「過去問テスト」甲種【冊子版】https://aokimarke.store/products/2026%E5%B9%B4%E5%BA%A6%E7%89%88-%E6%B6%88%E9%98%B2%E8%A8%AD%E5%82%99%E5%A3%AB%EF%BC%94%E9%A1%9E-%E9%81%8E%E5%8E%BB%E5%95%8F%E3%83%86%E3%82%B9%E3%83%88-%E7%94%B2%E7%A8%AE-%E5%86%8A%E5%AD%90%E7%89%88 /甲種【PDF版】https://aokimarke.store/products/2026%E5%B9%B4%E5%BA%A6%E7%89%88-%E6%B6%88%E9%98%B2%E8%A8%AD%E5%82%99%E5%A3%AB4%E9%A1%9E-%E9%81%8E%E5%8E%BB%E5%95%8F%E3%83%86%E3%82%B9%E3%83%88-%E7%94%B2%E7%A8%AE-pdf%E4%BB%98%E3%81%8D
- 消防設備士4類「過去問テスト」乙種【冊子版】https://aokimarke.store/products/2026%E5%B9%B4%E5%BA%A6%E7%89%88-%E6%B6%88%E9%98%B2%E8%A8%AD%E5%82%99%E5%A3%AB%EF%BC%94%E9%A1%9E-%E9%81%8E%E5%8E%BB%E5%95%8F%E3%83%86%E3%82%B9%E3%83%88-%E4%B9%99%E7%A8%AE-%E5%86%8A%E5%AD%90%E7%89%88 /乙種【PDF版】https://aokimarke.store/products/2026%E5%B9%B4%E5%BA%A6%E7%89%88-%E6%B6%88%E9%98%B2%E8%A8%AD%E5%82%99%E5%A3%AB4%E9%A1%9E-%E9%81%8E%E5%8E%BB%E5%95%8F%E3%83%86%E3%82%B9%E3%83%88-%E4%B9%99%E7%A8%AE-pdf%E4%BB%98%E3%81%8D
- 消防設備士6類「過去問テスト」乙種【冊子版】https://aokimarke.store/products/2026%E5%B9%B4%E5%BA%A6%E7%89%88-%E6%B6%88%E9%98%B2%E8%A8%AD%E5%82%99%E5%A3%AB%EF%BC%96%E9%A1%9E-%E9%81%8E%E5%8E%BB%E5%95%8F%E3%83%86%E3%82%B9%E3%83%88-%E4%B9%99%E7%A8%AE-%E5%86%8A%E5%AD%90%E7%89%88 /乙種【PDF版】https://aokimarke.store/products/2026%E5%B9%B4%E5%BA%A6%E7%89%88-%E6%B6%88%E9%98%B2%E8%A8%AD%E5%82%99%E5%A3%AB6%E9%A1%9E-%E9%81%8E%E5%8E%BB%E5%95%8F%E3%83%86%E3%82%B9%E3%83%88-%E4%B9%99%E7%A8%AE-pdf%E4%BB%98%E3%81%8D
- ほかの類:過去問テストの商品一覧 https://aokimarke.store/collections/all
PDF版はデータなので、自分で印刷すれば、同じ問題に何度でも記号や日付を書き込めます。
関連記事:過去問は何周すればいい?(過去問は何周すればいい?回数より「理由を言えて8割」で終える|答えを覚えた・まぐれ正解の対処)、復習のタイミング(覚えてもすぐ忘れるのはなぜ?復習のタイミングを試験日から決める方法)、科学的に効果が確かめられた勉強法(【勉強法】資格試験は「読む」より「思い出す」で覚える|科学的に効果が高い覚え方を過去問演習に当てはめる)
参考文献
- Karpicke, J. D., & Blunt, J. R. (2011). Retrieval practice produces more learning than elaborative studying with concept mapping. Science, 331(6018), 772–775. https://doi.org/10.1126/science.1199327
- Cepeda, N. J., Pashler, H., Vul, E., Wixted, J. T., & Rohrer, D. (2006). Distributed practice in verbal recall tasks: A review and quantitative synthesis. Psychological Bulletin, 132(3), 354–380. https://doi.org/10.1037/0033-2909.132.3.354
- Latimier, A., Peyre, H., & Ramus, F. (2021). A meta-analytic review of the benefit of spacing out retrieval practice episodes on retention. Educational Psychology Review, 33(3), 959–987. https://doi.org/10.1007/s10648-020-09572-8
- 一般財団法人消防試験研究センター「消防設備士 試験の方法」https://www.shoubo-shiken.or.jp/shoubou/annai/way.html (2026年10月19日確認)