消火器のホースについて、およびノズルに開閉・切替装置を設けてもよい場合等について消防設備士の試験に実際に出た問題に(過去問)と共に解説していきます!
消火器のホース
消火器のホース(だいたい黒い)には、以下の規定があります。
【第15条(ホース)】
1 消火器にはホースを取り付けなければならない。ただし「ハロゲン化物消火器で消火剤の質量が4kg未満のもの」または「粉末消火器で消火剤の質量が1kg以下のもの」については、この限りでない。
2、消火器のホースは、次の各号に適合するものでなければならない。
- 一 本体容器の耐圧試験を行なつた場合において、漏れを生ぜず、かつ、著しい変形を生じないこと。
- 二 長さは、消火剤を有効に放射するに足るもの(据置式の消火器にあつては、有効長(有効に使用することが出来る、もっとも長く延長したときの長さ)が10m以上であるもの)であること。
- 三 使用温度範囲で耐久性を有するもので、かつ、円滑に操作できるものであること。
- 四 ホースを延長して使用するものにあつては、延長の操作により変形・き裂その他の異常を生じないものであること。
ハロゲン化物の4kg未満、粉末の1kg以下のような小型のものは、放射する方向をホースで制御しなくても、軽いので本体を傾けたらいけるから不要です。
ホースの具体的な長さの規定は「据置式」のみ有効長が10m以上となっています。
消火器ホースのリコール
消火器のノズル
上図の通り、消火器のノズルは「開閉式」および「切替式」にできる場合があります。
【第16条(ノズル)】
消火器(車載式の消火器を除く。)のノズルには、開閉式および切替式の装置を設けてはならない。ただし、据置式の消火器及び背負式の消火器のノズルにあっては、開閉式の装置を設けることができる。
2 消火器のノズルは、次の各号に適合するものでなければならない。
- 一 本体容器の耐圧試験を行つた場合において漏れを生ぜず、かつ著しい変形を生じないこと。
- 二 内面は、平滑に仕上げられたものであること。
- 三 開閉式又は切替式のノズルにあっては、開閉又は切替えの操作が円滑に行われ、かつ放射の際消火剤の漏れその他の障害を生じないこと。
- 四 開閉式のノズルにあつては、0.3MPaの圧力を5分間加える試験を行った場合において、漏れを生じないこと。
- 五 開放式のノズルで栓を施しているものにあつては、使用温度範囲で漏れを生じないものであつて、かつ作動させた場合において確実に消火剤を放射することができるものであること。
「消火器の動作数」でも分かるように、放射までの動作をなるべく少なくしたいけども一部は構造上仕方なく開閉式ノズルが容認されています。
開閉式ノズルは0.3Mpaの圧力を5分間加える試験を行った場合に、漏れを生じないこととされています。
覚え方
開閉ノズル・0.3・圧・5分・加え・漏れ生じない = 『海兵のズールー人のオッサンは、アツアツのご飯をくわえて潜っても息漏れを生じない』
※[ズールー人:アフリカの民族]・[5分:ご飯]
消防設備士試験の過去問(消火器と消火薬剤の規格)
ホースの規定で誤っているものは次のうちどれか。
- 1消火器には原則、ホースを取り付けなければならない。
- 粉末消火器で消火剤質量が1kg以下のものは、ホースを取り付けなくともよい。
- ハロゲン化物消火器で消火薬剤質量が4kg未満のものは、ホースを取り付けなくともよい
- ホースの長さは、30cm以上でなければならない。
ノズルに設ける装置について、次のうち誤っているものはどれか。
- 手さげ式消火器には、開閉式、切替え式の装置を設けることができない。
- 据置式消火器には、切替え式の装置を設けることができる。
- 背負い式消火器には、切替え式の装置を設けることができない。
- 車載式消火器は、開閉式および切替え式の装置を設けることができる。
消防設備士「過去問テスト」は、その名の通り“過去に出た問題” のテストです。
ブログでお馴染みの管理人が過去問に関する情報収集を積み重ね、その中からピックアップして過去問ベースの模擬試験を作成したものです。
上記以外に新傾向問題の情報など提供あり次第、解説を毎年追記して更新しています。これから消防設備士の試験を受けられる方は是非ご覧下さい。