試験の対象、電流の流し方、設定値の判定を一組で整理します。
最新版の過去問情報は、学習の進み具合に合わせてこの講義で確認できます。
漏電火災警報器の試験では、「何を基準にするか」と「どの試験段階か」を分けて覚える必要があります。
- 警戒電路用変流器の定格電流は、警戒電路の最大負荷電流以上とする。
- B種接地線用変流器の定格電流は、警戒電路の定格電圧の数値の20%以上とする。
- 検出漏えい電流設定値は、警戒電路でおおむね100〜400mA、B種接地線でおおむね400〜800mAとする。
以下は、容量・設定値・試験方法を学ぶために再構成した確認問題です。
結論:設置完了試験と総合点検を混同しない
| 区分 | 確認する範囲 |
|---|---|
| 設置工事完了時の漏えい電流検出試験 | 設定値の40%以上105%以下で作動 |
| 総合点検の漏えい電流検出試験 | 公称作動電流値の40%以上110%以下で作動 |
上限が105%か110%かは、試験段階によって違います。受信機の機能試験は試験用押しボタンで確認し、総合点検の漏えい電流検出試験では、変流器へ別の試験用電線を通して試験電流を流します。
仕組みと確認順
試験値は、先に「警戒電路用かB種接地線用か」、次に「機器容量か検出設定値か」、最後に「設置完了時か総合点検か」を確定してから数値を当てはめます。異なる基準を横並びで暗記せず、対象と試験段階を先に決めるのが要点です。
| 順序 | 確認すること |
|---|---|
| 1 | 変流器を通るのが警戒電路かB種接地線か |
| 2 | 定格電流、検出設定値、作動範囲のどれか |
| 3 | 設置完了時の105%か、総合点検の110%か |
| 4 | 押しボタンか、別の試験用電線か |
ここからは「作動・検出試験」の確認問題です。問題文から判断根拠を決めた後で、解答・解説を開いてください。
【過去問】作動・検出試験
確認問題1:警戒電路用変流器の定格電流
警戒電路用変流器の定格電流と最も関係が深いものはどれでしょうか。
- 負荷設備の容量の合計
- 負荷設備に用いる電線の全長
- 負荷設備の需要率
- 負荷設備の不平衡電流
確認問題2:変流器容量と設定値
設置工事完了時の確認事項として、正しいものはどれでしょうか。
- B種接地線用変流器の定格電流は、警戒電路の定格電圧の数値の20%以上とする。
- 警戒電路用変流器の定格電流は、警戒電路の最大負荷電流の90%以上とする。
- 警戒電路に設ける場合の検出漏えい電流設定値は、400〜800mAとする。
- B種接地線に設ける場合の検出漏えい電流設定値は、100〜400mAとする。
確認問題3:B種接地線での設定値
変流器をB種接地線へ設ける場合、検出漏えい電流設定値の適切な範囲はどれでしょうか。
- 100〜200mA
- 100〜400mA
- 400〜800mA
- 400〜1,000mA
確認問題4:警戒電路での設定値
変流器を警戒電路へ設ける場合、検出漏えい電流設定値の適切な範囲はどれでしょうか。
- 100〜200mA
- 100〜400mA
- 400〜600mA
- 400〜800mA
確認問題5:設定値を決める要素
検出漏えい電流設定値を定めるうえで、考慮しなくてもよいものはどれでしょうか。
- 警戒電路に使用する電線の種類
- 警戒電路の負荷の起動装置の種類
- 警戒電路の負荷の種類および使用方法
- 警戒電路の負荷の使用場所
確認問題6:受信機の機能試験
受信機の機能試験について、正しいものはどれでしょうか。
- B種接地線用変流器の二次側配線へ漏えい電流を流す。
- 試験用押しボタンを押して点検する。
- 変流器へ負荷電流を流して点検する。
- 変流器へ高周波電流を流して点検する。
確認問題7:総合点検の試験用電線
三相3線式電路の総合点検で漏えい電流検出試験を行う方法として、正しいものはどれでしょうか。
- 変流器を通る3本のうち2本へ全負荷電流を流す。
- 変流器を通る3本とは別に電線1本を通し、その電線へ試験電流を流す。
- 変流器を通る3本すべてへ全負荷電流を流す。
- 変流器を通る3本のうち1本へ全負荷電流を流す。
確認問題8:B種接地線用変流器の容量
機器点検について、誤っているものはどれでしょうか。
- 変流器からの二次側配線に断線がないか点検する。
- 変流器端子と配線が確実に接続されているか点検する。
- 警戒電路用受信機の設定値がおおむね100〜400mAか確認する。
- B種接地線用変流器の定格電流値が、警戒電路の定格電圧の数値をmAに読み替えた数値以上か確認する。
確認問題9:最大負荷電流との比較
機器点検の判定方法として、最も不適当なものはどれでしょうか。
- 受信機の接地に著しい腐食や断線などがないことを確認する。
- 警戒電路用変流器の定格電流値が最大負荷電流値の90%以上であることを確認する。
- B種接地線用変流器の定格電流値が警戒電路の定格電圧の数値の20%以上であることを確認する。
- 試験装置を操作し、漏電表示灯の点灯と音響装置の鳴動を確認する。
実務メモ
- 警戒電路用変流器は最大負荷電流以上。
- B種接地線用変流器は定格電圧数値の20%以上。
- 設定値は警戒電路100〜400mA、B種接地線400〜800mA。
- 設置完了試験は40〜105%、総合点検は40〜110%。
- 機能試験は押しボタン、総合点検は別の試験用電線1本を通す。
点検票では、測定値だけでなく設定値と判定範囲を同じ行に記録します。試験用電線を通す試験と、受信機の押しボタンだけで行う機能試験を取り違えないよう、試験前に手順を声に出して確認します。
まとめと次の講義
作動・検出試験は「対象」「容量・設定値」「試験段階」の順で整理します。次は、誤作動と不作動を配線、設定値、変流器の順に切り分けます。