このページを見たら消防設備士試験 甲4・乙4の工事・整備に出てくる「電源・接地工事・絶縁抵抗」に関する問題が得点源となるはず!
工事・整備|全7講義
最新ver.の過去問情報は、青木マーケ(株)noteの消防設備士「過去問テスト」で毎年更新しています。
併せて、ご参照ください。
常用電源・非常電源・予備電源の役割
自動火災報知設備で扱う電源は、次の3種類です。
| 電源 | 役割・設置 | 試験での注意 |
|---|---|---|
| 常用電源 | 通常時に受信機等へ給電 | 蓄電池または交流低圧屋内幹線から、他の配線を分岐せずに取る。開閉器へ用途表示 |
| 非常電源 | 常用電源停止時に給電 | 非常電源専用受電設備または蓄電池設備 |
| 予備電源 | 一般に受信機へ内蔵 | 非常電源の容量が十分でも省略できない |
予備電源の容量が、自動火災報知設備に必要な非常電源の容量以上なら、非常電源を省略できる場合があります。
逆方向は成立しません。非常電源が十分でも、予備電源は省略できません。
また、延べ面積1,000㎡以上の特定防火対象物では、非常電源専用受電設備ではなく蓄電池設備を設けます。

消防法施行規則第24条第3号・第4号を照合。常用電源の専用分岐・表示、非常電源の種類、1,000㎡以上の特定防火対象物、非常電源と予備電源の省略関係を確認しています。
予備容量≧必要非常容量なら非常を省略可。非常が十分でも予備は省略不可。
蓄電池設備と鉛蓄電池
非常電源として使う蓄電池設備は、次の条件を押さえます。
- 自動火災報知設備を有効に10分間作動できる容量以上
- 点検しやすく、火災等の被害を受けるおそれが少ない場所へ設置
- 他の電気回路の開閉器・遮断器で遮断されない
- 開閉器へ自動火災報知設備用と表示
- 常用電源停止時に自動で非常電源へ切替え
- 常用電源復旧時に自動で常用電源へ復帰
鉛蓄電池の基本
| 部分 | 材料 |
|---|---|
| 正極活物質 | 二酸化鉛 PbO₂ |
| 負極活物質 | 鉛 Pb |
| 電解液 | 希硫酸 H₂SO₄ |
| 単電池の起電力 | 約2.0V |
放電すると両極に硫酸鉛PbSO₄が生じ、電解液の希硫酸濃度が下がるため比重は小さくなります。充電では反対向きの反応が進み、比重が戻ります。
消防法施行規則第24条第4号、蓄電池設備の基準を照合。10分間の容量、設置場所、他回路からの非遮断、自動切替え・自動復帰を整理しています。
蓄電池=10分・専用表示・他回路で遮断されない・停電時自動切替え・復旧時自動復帰。
接地工事は漏電時の安全な通り道を作る
接地工事は、金属製外箱等と大地をつなぎ、異常電流が安全に流れる経路を作ります。
機器接地の目的
- 人体の感電を防止する
- 漏電による火災を防止する
- 漏電遮断器・漏電警報器を確実に動作させる
系統接地の目的
変圧器の高圧側と低圧側が混触したとき、低圧電路へ高い電圧が侵入するのを防ぎます。
力率改善や通常時の電圧降下防止は、接地工事の主目的ではありません。
D種接地工事
自動火災報知設備の金属製外箱等は、試験ではD種接地工事として整理します。
| 項目 | 基準 |
|---|---|
| 主な対象 | 使用電圧300V以下の低圧機器の金属製外箱等 |
| 接地抵抗値 | 100Ω以下 |
| 例外 | 地絡時に0.5秒以内で自動遮断する装置がある場合は500Ω以下 |
| 接地線 | 引張強さ0.39kN以上の腐食しにくい金属線、または直径1.6mm以上の軟銅線等 |
現行の電気設備の技術基準の解釈第17条で、D種接地工事の100Ω、0.5秒以内自動遮断時の500Ω、接地線0.39kN・1.6mmを照合しています。
D種=100Ω以下。0.5秒遮断付き=500Ω以下。接地線=0.39kNまたは1.6mm。
接地抵抗を測る前に電源を遮断する
電気機器の鉄台・金属製外箱等の接地抵抗を測るときは、対象機器の電源を遮断します。
絶縁が劣化していれば、金属製外箱に漏電して電圧が生じている可能性があります。通電したまま触れると測定者が感電する危険があります。
また、被測定接地電極に生じる地電圧が大きいと接地抵抗の測定誤差が増えます。安全確保を最優先し、使用する計器の取扱説明書と現場の手順に従います。
一般的な3極法では、被測定接地極E、電圧用補助接地極P、電流用補助接地極Cをほぼ一直線に配置します。測定前に地電圧を確認し、補助接地抵抗が許容範囲かも確認します。

HIOKI接地抵抗計取扱説明書を照合。実測は使用機種の安全手順を優先し、活線・漏電の可能性を確認してから行います。
接地抵抗測定前=電源遮断・感電防止・地電圧確認。
絶縁抵抗は対地電圧で基準を選ぶ
自動火災報知設備の絶縁抵抗は、直流250Vの絶縁抵抗計で測ります。
消防法施行規則上の自動火災報知設備
| 測定する回路 | 条件 | 絶縁抵抗 |
|---|---|---|
| 電源回路と大地の間・電源回路の配線相互間 | 対地電圧150V以下 | 0.1MΩ以上 |
| 同上 | 対地電圧150Vを超える | 0.2MΩ以上 |
| 感知器回路・附属装置回路と大地の間、配線相互間 | 電源回路を除き、一の警戒区域ごと | 0.1MΩ以上 |
一般の低圧電路で学ぶ3区分
| 対地電圧等の区分 | 絶縁抵抗 |
|---|---|
| 対地電圧150V以下 | 0.1MΩ以上 |
| 対地電圧150Vを超え300V以下 | 0.2MΩ以上 |
| 使用電圧300Vを超える低圧電路 | 0.4MΩ以上 |
基準を選ぶときは、線間電圧ではなく対地電圧を見ます。
単相3線式100/200Vでは、外線と中性線の間は100V、外線同士の線間電圧は200Vです。中性線が接地されているため対地電圧は100Vとなり、基準は0.1MΩ以上です。
一方、問題文が単に「交流200V電路」とだけ書かれている場合、接地方式によって対地電圧が変わり得ます。対地電圧や配線方式が示されていない問題を、線間電圧だけで一意に判定しないよう注意します。
消防法施行規則第24条第1項第1号ロ、電気設備に関する技術基準を定める省令第58条を照合。自火報固有の0.1・0.2MΩと一般低圧電路の0.1・0.2・0.4MΩを分けています。
絶縁抵抗=直流250Vで測定。基準は線間電圧でなく対地電圧から選ぶ。
※よく出る引っかけポイント6つ
引っかけ①:非常電源が十分なら予備電源を省略できる
省略の向きが逆です。予備電源の容量が必要な非常電源容量以上なら、非常電源を省略できる場合があります。
引っかけ②:蓄電池は30分作動できればよい
自動火災報知設備の非常電源では10分間です。他設備の数値と混同しないようにします。
引っかけ③:D種は常に500Ω以下
原則100Ω以下です。500Ω以下は、地絡時に0.5秒以内で自動遮断する装置がある場合です。
引っかけ④:接地は力率改善のため
力率改善は進相コンデンサー等の役割です。接地の主目的ではありません。
引っかけ⑤:150Vは0.2MΩ以上
150Vちょうどは「150V以下」なので0.1MΩ以上です。
引っかけ⑥:単相3線式200Vは0.2MΩ以上
単相3線式100/200Vの対地電圧は100Vなので、0.1MΩ以上です。
10分・100Ω・500Ω・150V以下・対地電圧が得点の分岐点。
📝試験問題を解くときの手順
1. 電源・接地・絶縁抵抗のどの問題かを決める
2. 電源なら、常用・非常・予備の役割を分ける
3. 「省略できる」の主語と方向を確認する
4. D種なら、原則100Ω、0.5秒遮断付き500Ω、接地線
1.6mmを照合する
5. 接地測定なら、電源遮断と感電防止を先に判断する
6. 絶縁抵抗なら、測定回路と直流250Vを確認する
7. 最後に対地電圧から0.1・0.2・0.4MΩを選ぶ
全部で14ポイント
- 電源は常用・非常・予備の3種類
- 常用電源は他の配線を分岐させずに取り、開閉器へ自火報用と表示する
- 非常電源は非常電源専用受電設備または蓄電池設備
- 予備電源の容量が必要非常容量以上なら非常電源を省略できる場合がある
- 非常電源が十分でも予備電源は省略できない
- 蓄電池設備は10分間有効に作動でき、停電・復旧時に自動切替えする
- 鉛蓄電池は正極PbO₂、負極Pb、電解液H₂SO₄。放電で比重が小さくなる
- D種接地工事は原則100Ω以下、0.5秒以内の自動遮断付きなら500Ω以下
- 接地線は0.39kN以上または直径1.6mm以上の軟銅線等
- 接地抵抗測定前は電源を遮断し、感電を防ぐ
- 自火報の絶縁抵抗は直流250Vの絶縁抵抗計で測る
- 対地電圧150V以下は0.1MΩ以上、150V超は0.2MΩ以上
- 一般低圧電路では300V超の区分に0.4MΩ以上がある
- 単相3線式100/200Vは対地電圧100Vなので0.1MΩ以上
それでは以下の「電源・接地工事・絶縁抵抗」に関する消防設備士試験の過去問にチャレンジして、これまでの内容が頭に入っているかを確認しましょう!
【過去問】電源・接地工事・絶縁抵抗
蓄電池設備を用いた自動火災報知設備の非常電源について、誤っているものは次のうちどれか。
1. 10分間有効に作動できる容量以上とする。
2. 常用電源の復旧時は、自動的に非常電源から常用電源へ切り替わる。
3. 非常電源の容量が十分なら、予備電源を省略できる。
4. 他の消防用設備等と共用するとき、その設備の開閉器により遮断されない。
一般的なD種接地工事の数値として、正しい組合せはどれか。
| 選択肢 | 接地抵抗値 | 軟銅線の直径 |
|---|---|---|
| 1 | 10Ω以下 | 1.6mm以上 |
| 2 | 10Ω以下 | 2.6mm以上 |
| 3 | 100Ω以下 | 1.6mm以上 |
| 4 | 100Ω以下 | 2.6mm以上 |
ただし、地絡時に0.5秒以内で自動遮断する装置を設ける場合は500Ω以下とする。
電気機器の鉄台等の接地抵抗を測定する前に、電源を遮断する主な理由として最も適当なものはどれか。
1. 測定器が故障するから
2. 絶縁物の劣化等により感電する場合があるから
3. 測定値が必ず大きく出るから
4. 測定値が必ず小さく出るから
対地電圧が150V以下の操作回路における絶縁抵抗の最小値として、正しいものはどれか。
1. 0.1MΩ
2. 0.2MΩ
3. 0.4MΩ
4.
1.0MΩ
単相3線式200V電路の屋内配線の開閉器又は過電流遮断器で区切ることのできる電路ごとに、大地と電路間の絶縁抵抗を測定する場合、許容される絶縁抵抗の最小値として、正しいものは次のうちどれか。
1. 0.1MΩ
2. 0.2MΩ
3. 0.4MΩ
4.
1.0MΩ
接地工事を施す主な目的として、正しいものは次のうちどれか 1.電気工作物の保護と力率の改善 2.過負荷防止と漏電による感電防止 3.電気工作物の保護と漏電による感電防止 4.電圧降下の防止と力率の改善
接地工事を行う主な目的として、最も不適当なものは次のうちどれか。 1.高圧の侵入のおそれがあり、かつ、危険度が大きいため 2.漏電による感電の危険度が大きいため 3.高圧回路と低圧回路が混触した場合、低圧回路を保護するため 4.電気工作物の力率を改善する必要があるため
接地工事を施す主な目的として、最も適当でないものは次のうちどれか。 1.高電圧の侵入等による感電を防止するため 2.火災の発生を防止するため 3.機器の絶縁性を良くし、その損傷を防止するため 4.異常時の電位上昇を防止するため
接地工事に関する次の文中の( )に当てはまる語句として、正しいものはどれか。
「( )種接地工事における接地抵抗値は、100Ω(低圧電路において、地絡を生じた場合に0.5秒以内に当該電路を自動的に遮断する装置を施設するときは、500Ω)以下でなければならない。」
1. A
2. B
3. C
4. D
接地工事に関する次の文中の()に当てはまる語句として、正しいものはど れか。 「D種接地工事における接地抵抗値は、( )Q (低圧電路において、地絡を 生じた場合に0.5秒以内に当該電路を自動的に遮断する装置を施設するときは、 500Ω)以下でなければならない。」 1. 10 2. 20 3. 50 4. 100
D種接地工事の接地抵抗は、何Ω以下でなければならないか。
1. 500Ω
2. 100Ω
3. 10Ω
4. 5Ω
D種接地工事における接地抵抗について、正しいものは次のうちどれか。
1. 100Ω以下とすること。
2. 200Ω以下とすること。
3. 300Ω以下とすること。
4. 500Ω以下とすること。
自動火災報知設備の感知器回路及び付属装置回路の電路と大地との間の絶縁 抵抗を、一の警戒区域ごとに直流250Vの絶縁抵抗計で計った値は、何MΩ以上 でなければならないか。 1. 0.1MΩ 2. 0.3MΩ 3. 0.5MΩ 4. 1.0MΩ
対地電圧が150Vを超え300V以下の回路において、電線相互間の絶縁抵抗の 最小値として、正しいものは次のうちどれか。 1. 0.1MΩ 2. 0.2MΩ 3. 0.3MΩ 4. 0.4MΩ
消防設備士「過去問テスト」は、その名の通り“過去に出た問題” のテストです。
ブログでお馴染みの管理人が過去問に関する情報収集を積み重ね、その中からピックアップして過去問ベースの模擬試験を作成したものです。
上記以外に新傾向問題の情報など提供あり次第、解説を毎年追記して更新しています。これから消防設備士の試験を受けられる方は是非ご覧下さい。
それでは続いて【工事・整備④】受信機・発信機・表示灯・地区音響の設置|消防設備士甲4・乙4【過去問】の過去問をみていきましょう。


