このページを見たら消防設備士試験 甲4・乙4の工事・整備に出てくる「計測器と電路を遮断する機器」に関する問題が得点源となるはず!
工事・整備|全7講義
最新ver.の過去問情報は、青木マーケ(株)noteの消防設備士「過去問テスト」で毎年更新しています。
併せて、ご参照ください。
測定対象から計測器を選ぶ
最初に、計測器と測定対象を一対一で結びます。
| 計測器・方法 | 主に測るもの | 試験での見分け方 |
|---|---|---|
| ホイートストンブリッジ | 未知抵抗 | 検流計が0になるように可変抵抗を調整 |
| 回路計(テスター) | 抵抗、直流電圧・電流、交流電圧など | 複数の電気量を切り替えて測る |
| 絶縁抵抗計(メガー) | 電線・機器の絶縁抵抗 | MΩ級、直流試験電圧、LINE・EARTH |
| 接地抵抗計 | 接地電極と大地の間の抵抗 | 補助接地極、交流で測定 |
| 電位差計 | 電池などの起電力 | 平衡時に測定対象から電流を流さない |
「大きな抵抗」という言葉だけではなく、どこの抵抗かを見ます。電路と大地の絶縁なら絶縁抵抗計、接地極と大地なら接地抵抗計です。

HIOKIの抵抗測定・絶縁抵抗計・接地抵抗計資料を確認。実際の測定では、使用機種の取扱説明書と安全手順を優先します。
未知抵抗=ブリッジ、MΩ級の絶縁=メガー、接地極=接地抵抗計。
ホイートストンブリッジの平衡条件
ホイートストンブリッジは、3個の既知抵抗と未知抵抗Xをひし形に接続し、対角線上に電源と検流計を置く回路です。
可変抵抗R₄を調整し、検流計Gに電流が流れない平衡状態を作ります。平衡時は検流計を挟む2点の電位が等しくなります。
教材の記号では、未知抵抗Xを次の式で求めます。
X =(R₁ ÷ R₃)× R₄
例として、R₁=100Ω、R₃=10Ω、R₄=123Ωなら、
X =(100 ÷ 10)× 123 = 1,230Ω = 1.23kΩ
R₁=100Ω、R₃=10Ω、R₄=123ΩをX=(R₁/R₃)R₄へ代入するとX=1,230Ω。1kΩ=1,000Ωなので1.23kΩです。
平衡=検流計0。X=(R₁/R₃)R₄。
回路計と電位差計
回路計(テスター)
回路計は、抵抗を測定できるように作られた計器です。一般に、測定レンジを切り替えて直流電圧・直流電流・交流電圧なども測れます。
ただし、抵抗測定では測定対象を活線のまま測りません。実務では対象回路を安全な状態にし、機種の取扱説明書に従います。
電位差計(ポテンショメーター)
電位差計は、既知の起電力と未知の起電力を、検流計が0になる平衡点で比較します。
平衡時は測定対象の電池から電流を取り出さないため、内部抵抗による電圧降下の影響を避けて起電力を測れます。
教材の記号では、既知の起電力E₀、未知の起電力Eₓ、平衡する長さL₀・Lₓの間に、次の関係があります。
Eₓ ÷ E₀ = Lₓ ÷ L₀
回路計・電位差計の基本原理を確認。活線確認、レンジ設定、端子接続などの実操作は、使用する計器の取扱説明書に従います。
回路計=多用途。電位差計=零位法で起電力を比較。
絶縁抵抗計と接地抵抗計
絶縁抵抗計
絶縁抵抗計は、電線・電気機器の絶縁状態を抵抗値で確認する計器です。測定対象へ直流試験電圧を加え、流れる漏れ電流から絶縁抵抗を求めます。
| 端子 | 基本的な接続先 |
|---|---|
| LINE | 回路側・被測定導体側 |
| EARTH | 接地側・大地側 |
10⁶Ωは1MΩです。M(メガ)は10⁶倍なので、MΩ級の抵抗を問われたら絶縁抵抗計を候補にします。
接地抵抗計
接地抵抗計は、接地電極と大地との間の抵抗を測ります。大地には分極作用があるため、一般に交流で測定します。
基本的な3極法では、測定対象の接地極に加えて、2本の補助接地極と3本の測定コードを使用します。
HIOKIの絶縁抵抗計取扱説明書では、印加電圧と漏れ電流から絶縁抵抗を求め、LINE・EARTHの極性を示しています。接地抵抗計資料では、大地の分極作用を避けるため交流で測定する原理を確認しています。
絶縁=電路と大地の漏れにくさ。接地=接地極から大地への流れやすさ。
異常を検出する機器と電流を切る機器
電路保護は、検出と遮断を分けて考えます。
| 機器 | 主な役割 | 過負荷・短絡への動作 |
|---|---|---|
| 保護継電器 | 異常を検出し、遮断器へ引外し指令を出す | 過電流継電器は過負荷を限時、短絡を瞬時に検出 |
| 遮断器 | 主回路の電流を実際に遮断する | 接点を開き、発生するアークを消弧する |
| ヒューズ | 過電流のジュール熱で溶断する | 過負荷・短絡の双方から保護し、溶断後は交換 |
| 配線用遮断器 | 開閉器と自動遮断の機能を持つ | 過電流を遮断し、原因確認後に復帰できる |
| 漏電遮断器 | 漏電・地絡を検出して遮断する | 漏電時に自動遮断。過電流保護の有無は機種による |
過電流継電器は、過負荷電流に対して保護能力がないのではありません。過負荷は一定時間後、短絡は瞬時に遮断器を動作させます。
教材に出る油遮断器・空気遮断器は、アークを絶縁油や圧縮空気で消す方式です。現在の設備選定を説明する章ではなく、試験で方式名と消弧媒体を対応させるために扱います。
三菱電機の過電流継電器資料で、過負荷を限時要素、短絡を瞬時要素で保護すること保護継電器から遮断器へ引外し指令を送る役割分担を照合しています。
継電器=検出・指令。遮断器=電流を切る。
※よく出る引っかけポイント6つ
引っかけ①:10⁶Ωは10MΩ
10⁶Ωは1MΩです。Mは10⁶倍を表します。
引っかけ②:接地抵抗は絶縁抵抗計で測る
接地極と大地の間は接地抵抗計です。電線・機器の絶縁は絶縁抵抗計です。
引っかけ③:ホイートストンブリッジは検流計が振れたときに平衡
平衡は検流計が0、つまり電流が流れない状態です。
引っかけ④:保護継電器が主回路を直接遮断する
保護継電器は異常を検出し、遮断器へ指令を出します。主回路を遮断するのは遮断器です。
引っかけ⑤:過電流継電器は短絡だけを保護する
過負荷は限時、短絡は瞬時で保護します。
引っかけ⑥:ヒューズは過負荷を保護できない
ヒューズは過負荷・短絡の双方を保護します。溶断後に交換が必要です。
10⁶=1M、平衡=0、過負荷=限時、短絡=瞬時。
📝試験問題を解くときの手順
1. 問題を「計測器」か「遮断機器」に分ける
2. 計測器なら、測定対象を抵抗・絶縁・接地・起電力から決める
3. 指数は10⁶Ω=1MΩへ換算する
4. ブリッジ計算は、検流計0を確認してから比を使う
5. 遮断機器なら、検出役と遮断役を分ける
6. 過負荷は限時、短絡は瞬時、漏電は漏電遮断器と整理する
全部で10ポイント
- ホイートストンブリッジは検流計が0になる平衡点を使う
- X=(R₁/R₃)R₄
- 回路計は抵抗・直流電圧・電流・交流電圧などを測れる
- 絶縁抵抗計は電線・機器の絶縁抵抗、接地抵抗計は接地極と大地の間を測る
- 10⁶Ω=1MΩ
- 電位差計は平衡時に測定対象から電流を流さず起電力を測る
- 保護継電器は異常を検出し、遮断器へ指令する
- 過電流継電器は過負荷を限時、短絡を瞬時に保護する
- ヒューズは溶断後に交換、配線用遮断器は原因確認後に復帰できる
- 漏電遮断器は漏電・地絡を検出して電路を遮断する
それでは以下の「計測器と電路を遮断する機器」に関する消防設備士試験の過去問にチャレンジして、これまでの内容が頭に入っているかを確認しましょう!
【過去問】計測器と電路を遮断する機器
10⁶Ω以上の抵抗を測定する方法として、最も適当なものは次のうちどれか。
1. ホイートストンブリッジ法
2. 電位差計
3. 絶縁抵抗計
4. 接地抵抗計
電路を遮断する機器の説明として、最も不適当なものは次のうちどれか。
1. ヒューズは、過負荷電流・短絡電流のいずれに対しても機器を保護する。
2. ブレーカーはヒューズと用途が同じで、遮断後も簡単に復帰できる利点がある。
3. 過電流継電器は、過負荷電流に対して保護能力がない。
4. 大電流用遮断器には、アークを消滅させる油遮断器・空気遮断器等がある。
消防設備士「過去問テスト」は、その名の通り“過去に出た問題” のテストです。
ブログでお馴染みの管理人が過去問に関する情報収集を積み重ね、その中からピックアップして過去問ベースの模擬試験を作成したものです。
上記以外に新傾向問題の情報など提供あり次第、解説を毎年追記して更新しています。これから消防設備士の試験を受けられる方は是非ご覧下さい。
それでは続いて【工事・整備②】電線接続・耐火配線・耐熱保護配線|消防設備士甲4・乙4【過去問】の過去問をみていきましょう。

