学習範囲:工事・整備|熱・煙・炎感知器の設置基準
工事・整備|全7講義
最新ver.の過去問情報は、青木マーケ(株)ショップの消防設備士「過去問テスト」で毎年更新しています。
併せて、ご参照ください。
この講義で扱うのは、感知器の設置場所・離隔・必要個数の判断です。設置義務は法令(類別)② 警戒区域・感知器・受信機・非常電源、感知原理と構造は構造・機能② 熱感知器の種類・構造・作動原理と構造・機能③ 煙・炎・複合式感知器と非火災報、規格は規格② 感知器の構造・機能・表示、製図答案への反映は実技(製図)⑤ 空気管式・光電式分離型感知器の設備図で扱います。
まず感知方式ごとの設置ルールを分ける
| 感知器 | 個数・監視の決め方 | 取付け位置の代表数値 | 主な注意 |
|---|---|---|---|
| 熱式スポット型 | 感知区域面積÷感知面積 | 下方0.3m以内、吹出し口1.5m以上 | 高さ・構造・種別で感知面積が変わる |
| 差動式分布型(空気管式) | 空気管で区域を囲む | 露出20m以上、接続100m以下 | 壁から1.5m以内、相互間隔9mまたは6m |
| 煙スポット型 | 感知区域面積または歩行・垂直距離 | 下方0.6m以内、壁・はり0.6m以上 | 廊下30m・20m、階段15m・10m |
| 光電式分離型 | 光軸と公称監視距離 | 光軸高さ80%以上、壁から0.6m以上 | 送光部・受光部の種別と高さを確認 |
| 炎感知器 | 視野角と公称監視距離 | 監視空間は床上1.2mまで | 障害物・日光・火炎露出を避ける |
感知器名だけで数字を選ばず、「スポットか分布か」「煙スポットか分離型か」「道路用か道路用以外か」まで分類します。
感知器を5方式に分類してから、面積・距離・光軸・監視空間を選ぶ。
熱式スポット型は感知面積で個数を計算する
熱式スポット型には、差動式スポット型・定温式スポット型・補償式スポット型・熱複合式スポット型があります。
必要個数は、感知区域ごとに次式で求めます。
必要個数=感知区域の床面積÷感知器1個の感知面積
小数点以下は切り上げます。感知面積は、取付け面の高さ、特定主要構造部が耐火構造かその他の構造か、感知器の種別で変わります。
試験で優先して覚える感知面積
| 感知器 | 高さ | 耐火構造 | その他の構造 |
|---|---|---|---|
| 差動式スポット型1種 | 4m未満 | 90㎡ | 50㎡ |
| 差動式スポット型2種 | 4m未満 | 70㎡ | 40㎡ |
| 差動式スポット型1種 | 4m以上8m未満 | 45㎡ | 30㎡ |
| 差動式スポット型2種 | 4m以上8m未満 | 35㎡ | 25㎡ |
| 定温式スポット型特種 | 4m未満 | 70㎡ | 40㎡ |
| 定温式スポット型1種 | 4m未満 | 60㎡ | 30㎡ |
例えば、取付け面高さ3m、耐火構造、差動式スポット型2種で141㎡の一感知区域なら、141÷70=2.014…なので3個必要です。
共通する取付け条件
- 感知器の下端は、取付け面の下方0.3m以内
- 換気口等の空気吹出し口から1.5m以上離す
- 45°以上傾斜させない
- 一感知区域内に極端に偏在させない
- 定温式の性能を持つスポット型は、正常時の最高周囲温度が公称作動温度より20℃以上低い場所へ設ける
熱スポット=区域ごとに面積÷感知面積、端数切上げ。下方0.3m・吹出し1.5m。

空気管式は20・100・1.5・9/6で整理する
差動式分布型感知器(空気管式)は、天井等に張った空気管内の空気膨張を検出部で受けて作動します。
設置基準
- 露出部分は、一の感知区域ごとに20m以上
- 一の検出部へ接続する空気管の接続長は100m以下
- 取付け面の下方0.3m以内
- 感知区域の取付け面の各辺から1.5m以内
- 検出部は5°以上傾斜させない
- 相対する空気管の間隔は、特定主要構造部が耐火構造なら9m以下、その他の構造なら6m以下
小部屋で外周に一周させても露出長20mに満たないときは、2重巻またはコイル巻として20m以上を確保します。
施工時の寸法
- 直線部分の止め金具間隔は35cm以内かつ等間隔
- 屈曲部は曲がりから5cm以内で固定
- 屈曲半径は5mm以上
- スリーブ接続部はスリーブの両端から5cm以内で固定
- スリーブの上から止め金具を打ち込まない
空気管=20m以上・100m以下・各辺1.5m以内・耐火9m/その他6m。
煙スポット型は居室・廊下・階段で数え方が変わる
煙感知器は、場所により「感知面積」「歩行距離」「垂直距離」を使い分けます。
居室等の感知面積
| 種別 | 4m未満 | 4m以上15m未満 | 15m以上20m未満 |
|---|---|---|---|
| 1種 | 150㎡ | 75㎡ | 75㎡ |
| 2種 | 150㎡ | 75㎡ | 設置不可 |
| 3種 | 50㎡ | 設置不可 | 設置不可 |
取付け位置
- 下端は取付け面の下方0.6m以内
- 壁またははりから0.6m以上離す
- 幅1.2m未満の廊下等では中心部に設ける
- 天井付近に吸気口がある居室では吸気口付近
- 吹出し口から1.5m以上離す
- 低い居室・狭い居室では出入口付近
- 45°以上傾斜させない
廊下・通路と階段
| 場所 | 1種・2種 | 3種 |
|---|---|---|
| 廊下・通路 | 歩行距離30mにつき1個以上 | 歩行距離20mにつき1個以上 |
| 階段・傾斜路 | 垂直距離15mにつき1個以上 | 垂直距離10mにつき1個以上 |
特定一階段等防火対象物の階段・傾斜路では、1種または2種を垂直距離7.5mにつき1個以上設けます。
煙スポット=居室は面積、廊下30/20m、階段15/10m。下方0.6m。
光電式分離型は光軸を80%以上へ通す
光電式分離型感知器は、送光部から受光部へ通る光が煙で減衰することを利用します。
光軸の設置基準
- 受光面が日光を受けない位置
- 光軸は並行する壁から0.6m以上離す
- 送光部・受光部は背部の壁から1m以内
- 光軸長は公称監視距離5m以上100m以下の範囲内
- 区域の各部分から一の光軸までの水平距離は7m以下
- 天井等の高さ20m未満の場所へ設ける
- 高さ15m以上20m未満では1種を用いる
- 光軸の高さは天井等の高さの80%以上
例えば天井高さ18mなら、光軸高さは18×0.8=14.4m以上必要です。14.0mでは不足します。
炎感知器は床上1.2mまでの監視空間を見る
道路用以外
炎感知器を天井等または壁に設け、壁で区画された区域ごとに、床面から高さ1.2mまでの監視空間の各部分が公称監視距離内となるようにします。
障害物で視野を遮らないこと日光を受けない位置にすることも必要です。遮光板等により感知障害が生じない措置をした場合は、日光に対する例外があります。
道路用
- 道路の側壁部または路端の上方へ設ける
- 道路面または監視員通路面から1.0m以上1.5m以下
- 道路の各部分を公称監視距離内にする
- 計算上1個になる場合でも2個設ける
- 障害物と日光による感知障害を防ぐ
適応・不適応の代表
| 場所 | 炎感知器 |
|---|---|
| じんあい・微粉が多量に滞留 | 適応 |
| 排気ガスが多量に滞留 | 適応 |
| 水蒸気が多量に滞留 | 不適応 |
| 火を使用する設備で火炎が露出 | 不適応 |
紫外線式はハロゲンランプ・殺菌灯・電撃殺虫灯・溶接等、赤外線式は自動車ヘッドライト・直射日光・赤外線機器の影響に注意します。
炎=監視空間は床上1.2mまで。道路用は高さ1.0~1.5m、最低2個。
※よく出る引っかけポイント6つ
引っかけ①:熱スポットの下端は0.6m以内
熱スポットは0.3m以内です。0.6m以内は煙スポットです。
引っかけ②:空気管は20m以下・100m以上
露出部分20m以上、接続長100m以下です。
引っかけ③:空気管の相互間隔は耐火6m・その他9m
逆です。耐火9m以下、その他6m以下です。
引っかけ④:煙感知器の廊下は水平距離30m
歩行距離30mです。3種は20mです。
引っかけ⑤:分離型の光軸高さは70%以上
80%以上です。
引っかけ⑥:道路用炎感知器は計算上1個なら1個でよい
計算上1個でも2個設けます。
数値だけでなく、対象・向き・以上以下を一組にして暗記する。
📝試験問題を解くときの手順
1. 熱・煙・炎のどれかを確定する
2. スポット・分布・分離、道路用・道路用以外まで読む
3. 居室・廊下・階段・道路など場所を確認する
4. 高さ、構造、種別から感知面積や使用可否を決める
5. 個数計算は感知区域ごとに行い、端数を切り上げる
6. 下方・壁から・吹出し口から・床面からの基準を区別する
7. 選択肢の以上・以下、歩行・水平・垂直を確認する
全部で11ポイント
- 熱スポットの必要個数は、感知区域面積÷1個の感知面積で端数切上げ
- 熱スポットの下端は0.3m以内、吹出し口から1.5m以上
- 空気管は露出20m以上、接続長100m以下、各辺から1.5m以内
- 空気管の相互間隔は耐火9m以下、その他6m以下
- 煙スポットの下端は0.6m以内、壁・はりから0.6m以上
- 1・2種の煙感知器は廊下30m、階段15m。3種は20m・10m
- 分離型の光軸は天井高さの80%以上
- 分離型は光軸5~100m、壁0.6m、背部1m、各部7m
- 道路用以外の炎感知器は床上1.2mまでの監視空間を公称監視距離内にする
- 道路用炎感知器は高さ1.0~1.5m、計算上1個でも2個設ける
- 水蒸気・露出火炎は炎感知器に不適応。じんあい・排気ガスには適応
ここからは、直前までに整理した「熱・煙・炎感知器の設置基準」の判断手順を、実際の過去問で確認します。
【過去問】熱・煙・炎感知器の設置基準
定温式スポット型感知器の設置について、消防法令上正しいものは次のうちどれか。
1. 感知器の下端は、取付け面の下方0.4m以内の位置に設けなければならない。
2. 感知器は、45°以上傾斜させないように設けなければならない。
3. 感知器は、換気口等の空気吹出し口から1.2m以上離れた位置に設けなければならない。
4. 感知器は、正常時における最高周囲温度が、公称作動温度(2以上の交渉作動温度を有するものにあっては、最も低い交渉作動温度)より低い場所に設けなければならない。
差動式分布型感知器(空気管式)の設置基準として、誤っているものは次のうちどれか。
1. 空気管の露出部分は、感知区域ごとに20m以上とする。
2. 一の検出部に接続する空気管の長さは、100m以下とする。
3. 空気管は、原則として感知区域の取付け面の各辺から1.5m以内の位置に設ける。
4. 相対する空気管の相互間隔は、原則として特定主要構造部を耐火構造以外の構造とした防火対象物にあっては9ⅿ以下となるように設ける。
煙感知器(光電式分離型感知器を除く。)を廊下等に設置する場合の個数について、次の文中の【 】に当てはまる語句の組合せとして、消防法令に定められているものはどれか。
「1種および2種の感知器は、廊下および通路にあっては【ア】距離【イ】につき1個以上の個数を設けること。」
| 選択肢 | 【ア】 | 【イ】 |
|---|---|---|
| 1 | 水平 | 20 m |
| 2 | 歩行 | 20 m |
| 3 | 歩行 | 30 m |
| 4 | 水平 | 30 m |
防火対象物の道路の用に供される部分に設ける炎感知器の設置方法について、誤っているものは次のうちどれか。
1. 感知器は、道路の側壁部または路端の上方に設けること。
2. 感知器には、直射日光により作動しないように遮光板等を設けることができる。
3. 感知器は、道路面からの高さが1.5m以上2.5m以下の部分に設けること。
4. 感知器は、監視距離が公称監視距離の範囲内となるように設けること。ただし、設置個数が1となる場合にあっては、2個設けること。
換気口等の空気吹出し口がある場合、吹出し口から1.5m以上離れた位置に設けなければならない感知器として、正しいものは次のうちどれか。
1. 差動式分布型感知器
2. 光電式分離型感知器
3. 熱複合式スポット型感知器
4. 炎感知器
差動式分布型感知器(空気管式)の取付けについて、最も不適当なものは次のうちどれか。
1. 空気管を止める場合の止め金具(ステップル等)の間隔は、直線部分は35cm以内ごととし、屈曲部は屈曲部から5cm以内ごとにする。
2. 空気管の屈曲部の半径は、5mm以上とする。
3. 空気管を接続する場合は、スリーブを使用するが、直接スリーブの上から止め金具により取付け面に堅固に止める。
4. 検出部は、取付け面から5°以上傾斜させないように取り付ける。
煙感知器(光電式分離型を除く。)を設置する場合の基準について、正しいものは次のうちどれか。
1. 感知器は、換気口等の空気吹出し口から0.6m以上離れた位置に設けること。
2. 天井付近に吸気口のある居室にあっては、感知器をその吸気口付近に設けること。
3. 感知器の下端は、取付け面の下方0.7m以内の位置に設けること。
4. 2種及び3種の感知器は、廊下及び通路にあっては、歩行距離30mにつき1個以上の個数を設けること。
煙感知器(光電式分離型感知器を除く。)を特定一階段等防火対象物以外の防火対象物に設ける場合について、誤っているものは次のうちどれか。
1. 1種の感知器を廊下及び通路に設ける場合にあっては、歩行距離30mにつき1個以上設けること。
2. 3種の感知器を廊下及び通路に設ける場合にあっては、歩行距離20mにつき1個以上設けること。
3. 1種の感知器を階段及び傾斜路に設ける場合にあっては、垂直距離20mにつき1個以上設けること。
4. 3種の感知器を階段及び傾斜路に設ける場合にあっては、垂直距離10mにつき1個以上設けること。
煙感知器(光電式分離型感知器を除く。)の種別及び取付け面の高さに応じて、感知器を1個以上設けなければならない感知区域(廊下、通路、階段及び傾斜路を除く。)の床面積の組合せとして、誤っているものは次のうちどれか。
| 選択肢 | 種別 | 取付け面の高さ | 感知区域の床面積 |
|---|---|---|---|
| 1 | 1種 | 4m未満 | 150㎡ |
| 2 | 1種 | 4m以上20m未満 | 75㎡ |
| 3 | 2種 | 4m未満 | 150㎡ |
| 4 | 3種 | 4m未満 | 75㎡ |
煙感知器の構造及び設置基準について、誤っているものは次のうちどれか。 1.イオン化式スポット型のものは、煙が感知器に入るとイオン室にかかって いる電圧が増加し、この数値が設定値を超えるとスイッチング部を作動させ て受信機に発信する方式のものである。 2.光電式スポット型のものは、感知器に入った煙が放射光束に作用し、光電 素子への入射光量を変化させる。この変化を電気的に変えて受信機に発信す る方式のものである。 3.イオン化式スポット型のものは、極性を考えて結線する必要がある。 4.光電式分離型のものは、感知器の光軸の高さが天井等の高さの70%以上 となるように設けること。
水蒸気が多量に滞留し、かつ、急激な温度変化を伴わない場所に設ける感知器として、最も不適切なものは次のうちどれか。 1.差動式スポット型(2種) 2.熱アナログ式スポット型(防水型) 3.差動式分布型感知器(1種) 4.定温式感知器(防水型)
厨房その他正常時において煙が滞留する場所に設ける感知器として、最も適当なものは次のうちどれか。 1.差動式スポット型感知器(2種) 2.差動式分布型感知器(2種) 3.熱アナログ式スポット型感知器 4.補償式スポット型感知器(2種)
感知器を設置する場合の基準として、不適切なものは次のうちどれか。 1.じんあい、微粉等が多量に滞留する場所には煙感知器は適さないが、定温式感知器(特種)は適する。 2.排気ガスが多量に滞留する場所には煙感知器は適さないが、差動式スポット型感知器は適する。 3.火を使用する設備で火炎が露出するものが設けられている場所には、炎感知器は適さないが、差動式スポット型感知器は適する。 4.水蒸気が多量に滞留する場所には炎感知器は適さないが、熱アナログ式スポット型感知器は適する。
まとめ
感知器は、方式、高さ、感知面積、離隔、設置環境の順に必要個数と適否を判断します。
消防設備士「過去問テスト」は、その名の通り“過去に出た問題” のテストです。
ブログでお馴染みの管理人が過去問に関する情報収集を積み重ね、その中からピックアップして過去問ベースの模擬試験を作成したものです。

上記以外に新傾向問題の情報など提供あり次第、解説を毎年追記して更新しています。これから消防設備士の試験を受けられる方は是非ご覧下さい。
次は【過去問】受信機・感知器の点検と各種試験|消防設備士甲4・乙4【工事・整備⑦】へ進みます。




