【過去問】電線接続・耐火配線・耐熱保護配線|消防設備士甲4・乙4【工事・整備②】

【過去問】消防設備士甲4・乙4の工事・整備②|電線接続・耐火配線・耐熱保護配線
強欲な青木
耐火配線と耐熱配線は、どの区間に使い分けますか?
送り配線と接続条件を押さえ、設備の区間ごとに必要な保護方法を判断します。
消防設備士

学習範囲:工事・整備|電線接続・耐火配線・耐熱保護配線



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>> 消防設備士「過去問テスト」

併せて、ご参照ください。

この講義で扱うのは、4類設備に必要な電線接続と耐火・耐熱保護配線の施工条件です。配線図の読み取りは実技(鑑別)⑤ 配線・終端抵抗・警戒区域・系統図、図記号や配線本数を答案へ落とし込む手順は実技(製図)① 図記号・感知器回路・配線本数の読み方と実技(製図)④ 系統図・受信機・共通線・配線本数で扱うため、ここでは施工方法と使用できる電線・ケーブルの判定に集中します。

 

感知器信号回路は送り配線にする

感知器の信号回路は、容易に導通試験ができるように送り配線とし、回路の末端に発信機、押しボタンまたは終端器を設けます。

送り配線では、感知器の端子へ入った線と次の機器へ出る線を端子でつなぎます。途中で分岐接続して端子を飛ばすとその感知器を外しても末端まで導通してしまい、断線箇所を正しく確認できません。

ただし、配線が感知器・発信機から外れた場合や断線した場合に、受信機が自動的に警報を発する方式は例外です。

 

信号回路で覚える3つの数値・条件

項目 基準 覚え方
同一の管・ダクト 原則として他の配線と一緒にしない 60V以下の弱電流回路には例外あり
P型受信機の共通線 1本につき7警戒区域以下 R・GR型へ固有信号を送る回路等は別扱い
P型・GP型の感知器回路 電路の抵抗50Ω以下 ループ全体の抵抗で判定
自動火災報知設備の配線系統図

強欲な青木
送り配線は、感知器を外したら先の導通も切れるつなぎ方ですね。

はい。端子を通るため、外れ・断線を導通試験で追えます。数字は、共通線7警戒区域・PとGPの回路抵抗50Ωです。
消防設備士

送り配線+末端器具。共通線7警戒区域以下。P・GP回路50Ω以下。

 

電線接続は4つの安全条件で判定する

電線の接続部は、通電・張力・絶縁・材料の組合せに耐えなければなりません。試験では次の4点にまとめると判断しやすくなります。

接続条件 目的 正しい施工の考え方
電気抵抗を増加させない 発熱を防ぐ 接続管その他の器具を使う、またはろう付けする
引張強さを20%以上減少させない 接続部の断線を防ぐ 接続部を機械的な弱点にしない
同等以上の絶縁効力を確保する 感電・漏電を防ぐ 適切な接続器または十分な絶縁被覆を使う
電気的腐食を生じさせない 異種金属接続部の劣化を防ぐ 材料の組合せと接続方法を選ぶ

スリーブやワイヤーコネクターは、使用しない器具ではありません。電線と用途に適合した接続器具を正しく使います。

「引張強さを20%減少させる」という意味でもありません。元の引張強さを100とすれば、接続後も80以上を保つという意味です。

電線接続に用いる圧着工具

強欲な青木
スリーブやコネクターは、正しく選んで使うんですね。

はい。線種・本数に適合する接続器具を使い、そのうえで抵抗増加、引張強さ、絶縁、腐食を確認します。
消防設備士

電気設備に関する技術基準を定める省令第7条と電気設備の技術基準の解釈第12条を照合。電技解釈では、抵抗を増加させないこと引張強さを20%以上減少させないこと接続器具またはろう付け、同等以上の絶縁効力、電気的腐食の防止が示されています。

電線接続=抵抗を増やさない・強度80%以上・絶縁同等以上・腐食防止。

 

耐火配線は非常電源を受信機まで届ける

耐火配線で守る代表区間は、非常電源から受信機または中継器までです。

火災で常用電源が失われても、受信機・中継器を動かす非常電源を確保する必要があります。そのため、単に「熱に強い電線」を選ぶだけではなく、次のどちらかの工事にします。

 

方法A:耐火構造の壁・床等に埋設する

  • HIV(600V二種ビニル絶縁電線)または同等以上の耐熱性を有する電線を使う
  • 金属管、可とう電線管、合成樹脂管等に収める
  • 耐火構造の壁・床等へ埋設する
  • 表面からの埋設深さは10mm以上
  • 合成樹脂管を使う場合は20mm以上

 

方法B:認められたケーブルを使う

  • MIケーブル、または消防庁告示に適合する耐火電線を使う
  • 末端・接続部に、その電線ごとに定められた耐火保護を行う
  • 条件を満たせば露出配線にできる

MIは Mineral Insulated(無機絶縁) の略です。

強欲な青木
MIや告示適合の耐火電線は、端末処理をして露出できるんですね。

はい。MIケーブルや告示適合の耐火電線は、所定の端末・接続処理を条件に、埋設しない方法が認められます。
消防設備士

消防法施行規則第24条第4号と第12条第1項第4号ホ、消防庁の耐火電線基準を照合。耐火配線は非常電源回路の区間、埋設工事または告示適合電線等の所定工事として整理しています。

耐火=非常電源→受信機・中継器。HIV等は管+耐火構造へ埋設、MI・耐火電線は所定の端末保護で露出可。

 

耐熱配線は警報・固有信号を伝え続ける

耐熱配線は、火災時にも警報や設備作動の信号を伝える必要がある区間へ設けます。

耐熱配線とする区間 判定のポイント
受信機 → 地区音響装置 火災を在館者へ知らせる
固有の信号を発する感知器・中継器 → R型・GR型受信機 R・GR型の信号回路。試験ではアナログ式感知器が代表例
受信機 → 発信機直近の表示灯 発信機を他の消防用設備等の起動装置と兼用する場合に限る
受信機 → 移報器等 他の消防用設備等の操作回路へ信号を移す

一方、受信機から通常の発信機までの感知器信号回路は、上の耐熱保護範囲に含まれません。一般配線として扱います。

耐熱配線の工事は、HIVまたは同等以上の耐熱性を有する電線を使い、金属管工事、可とう電線管工事、金属ダクト工事、または不燃性ダクト内のケーブル工事等で設けます。

MIケーブル、告示適合の耐熱電線・耐火電線は、末端・接続部へ所定の耐熱保護を行えば露出配線にできます。

強欲な青木
範囲を先に決めてから、電線と工事方法を見るんですね。

地区音響、R・GRの固有信号、条件付き表示灯、移報が耐熱です。普通の発信機までの回路を、無条件で耐熱にしないよう注意します。
消防設備士

耐熱=地区音響・R/GR固有信号・条件付き表示灯・移報。通常の発信機回路は一般配線。

 

金属管工事とIV・VV・HIV・MIの違い

記号が似ている電線は、構造と使い方を分けます。

記号 名称・構造 試験上の基本整理
IV 600Vビニル絶縁電線 導体をビニル絶縁体で覆う。一般配線。通常は管内へ通す
VV 600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル IV相当の線心をビニルシースで保護。一般配線
HIV 600V二種ビニル絶縁電線 IVより耐熱性が高い。耐火・耐熱工事に使えるが施工条件が必要
MI 無機絶縁ケーブル 金属シースと無機絶縁物を使う。所定の端末保護で露出できる

 

金属管工事で問われる数値

  • 使用する電線は絶縁電線
  • 単線は直径3.2mm以下
  • 肉厚1.2mmの金属管は選択肢として適当
  • 屈曲部の内側半径は管内径の6倍以上

金属管の種類によって肉厚は異なります。試験問題の「1.2mmを用いた」は正しい選択肢ですが、すべての金属管が1.2mmという意味ではありません。

また、屈曲部の半径は問題文で「中心線の半径」「曲率半径」と表現される場合があります。本講義では、出題上の判定基準として管内径の6倍以上を判定数値とします。

強欲な青木
HIVだから無条件で露出できる、ではないんですね。

IVとVVは一般配線、HIVは施工条件付き、MIは所定処理で露出可能です。金属管の曲げは、管内径の6倍以上を選びます。
消防設備士

消防法施行規則の耐火・耐熱配線条項を確認。金属管の曲げ数値は、収録過去問の判定基準に沿って扱います。実施工は適用法令・規格・設計図書を確認します。

IV・VV=一般、HIV=耐熱性はあるが工事条件あり、MI=所定の端末保護で露出可。金属管の曲げ=6倍以上。

 

※よく出る引っかけポイント7つ

 

引っかけ①:送り配線はスポット型感知器だけ

送り配線の原則は、スポット型感知器だけに限定されません。

 

引っかけ②:共通線は10警戒区域まで

P型受信機の共通線は1本につき7警戒区域以下です。

 

引っかけ③:引張強さを20%減少させる

「20%以上減少させない」ので、接続後は元の80%以上を保ちます。

 

引っかけ④:スリーブ・コネクターを使わない

逆です。接続管その他の適切な器具を使う、またはろう付けします。

 

引っかけ⑤:HIVを金属管へ収めれば耐火配線

耐火配線にするには、耐火構造の壁・床等への埋設条件まで満たします。

 

引っかけ⑥:受信機から発信機までは耐熱配線

通常の発信機までの回路は一般配線です。発信機を他設備の起動装置と兼用する場合の表示灯回路とは区別します。

 

引っかけ⑦:耐熱電線なら耐火配線にも使える

耐熱電線と耐火電線は同じではありません。耐火配線に使える電線と施工条件を確認します。

耐火・耐熱は、区間と施工条件をセットで見ます。「耐熱性がある」と「露出できる」を混同しないでください。
消防設備士

区間 → 電線 → 工事方法の順なら、耐火・耐熱の選択肢を切れる。

 

📝試験問題を解くときの手順

1. 問われているのが信号回路、接続方法、耐火、耐熱、金属管のどれかを決める

2. 信号回路なら、送り配線・末端器具・7警戒区域・50Ωを確認する

3. 接続なら、抵抗・引張強さ・絶縁・腐食の4条件で判定する

4. 耐火・耐熱なら、最初に配線区間を決める

5. 次に、電線の種類と工事方法を組み合わせる

6. 「露出配線」はMI・告示適合電線と末端・接続部の保護条件を確認する

7. 金属管なら、絶縁電線・3.2mm・1.2mm・6倍を照合する

強欲な青木
耐火か耐熱かを、電線名だけで決めないようにします。

はい。区間を決めてから施工条件へ進めば迷いません。
消防設備士

 

全部で12ポイント


  1. 感知器の信号回路は原則として送り配線とし、末端に発信機・押しボタン・終端器を設ける
  2. P型受信機の共通線は1本につき7警戒区域以下
  3. P型・GP型の感知器回路の電路抵抗は50Ω以下
  4. 電線接続では抵抗を増やさず、引張強さを20%以上減少させず、同等以上の絶縁と腐食防止を確保する
  5. スリーブ・ワイヤーコネクターは適切に使用する接続器具
  6. 耐火配線は非常電源から受信機・中継器まで
  7. HIV等は管へ収めて耐火構造へ埋設する。通常10mm以上、合成樹脂管は20mm以上
  8. MIケーブル・告示適合耐火電線は、所定の末端・接続部保護で露出配線にできる
  9. 耐熱配線は地区音響、R・GR型の固有信号、条件付き表示灯、移報回路等
  10. 受信機から通常の発信機までは一般配線
  11. IV・VVは一般配線、HIVは施工条件付き、MIは無機絶縁ケーブル
  12. 金属管の屈曲部の半径は、試験では管内径の6倍以上で判定する

ここからは、直前までに整理した「電線接続・耐火配線・耐熱保護配線」の判断手順を、実際の過去問で確認します。

 

強欲な青木
問題文では、どの条件から確認すればええんですか?
本文で整理した「電線接続・耐火配線・耐熱保護配線」の判断手順を使い、条件と選択肢を一つずつ照合しましょう。
消防設備士

【過去問】電線接続・耐火配線・耐熱保護配線

感知器回路の配線の基準として、誤っているものは次のうちどれか。

1. P型受信機の共通線は、1本につき7警戒区域以下とすること。

2. P型受信機の感知機回路の電路の抵抗は、50Ω以下とすること。

3. 原則として、自動火災報知設備以外の配線用の電線と同一の管・ダクト等の中に設けないこと。

4. スポット型感知器を設置する場合に限り、配線は送り配線とすること。


 

電線の接続について、誤っているものは次のうちどれか。

1. 電線の引張強さを20%以上減少させないようにする。

2. スリーブおよびワイヤーコネクターは使用しないようにする。

3. 接続部分は、絶縁電線の絶縁物と同等以上の絶縁効力のあるもので十分に被覆する。

4. 電線の電気抵抗を増加させないようにする。


 

金属管に収め耐火構造の壁に埋め込まなくても、耐火配線の工事と同等と認められるものは次のうちどれか。

1. アルミ被ケーブルを使用するもの

2. CDケーブルを使用するもの

3. MIケーブルを使用するもの

4. クロロプレン外装ケーブルを使用するもの


 

自動火災報知設備の有線による配線のうち、耐熱保護配線とする必要のない部分は次のうちどれか。

1. 受信機からアナログ式感知器までの間

2. 受信機から地区音響装置までの間

3. 受信機から発信機上部の表示灯までの間(発信機は他の消防用設備等の起動装置と兼用している。)

4. 受信機から発信機までの間


 

金属管工事の施工に関して、最も不適当なものは次のうちどれか。

1. 工事に用いる電線は、絶縁電線で直径3.2mmの単線を用いた。

2. 金属管の厚さは、1.2mmのものを用いた。

3. 金属管を曲げる場合、管の屈曲部の中心線の半径は、管内径の5倍とした。

4. 金属管はできる限り屈曲部を設けないようにするとともに、1個のたわみ角度を60°とした。


 

常時開路式の感知器の信号回路は、その回路の末端に押しボタンが設けられ ている場合、どのような試験に用いるのか、正しいものは次のうちどれか。 1.回路導通試験 2.火災作動試験 3.火災表示試験 4.空気作動試験


 

感知器回路の共通線について、誤っているものは次のうちどれか。 1.共通線は、受信機の機能試験を容易に行うために設ける。 2.共通線は、1本につき7警戒区域以下とする。 3.共通線は、感知器回路の電線数を減らすために設ける。 4.感知器又は発信機に接続する共通線とベル回路等の共通線を共用にしな い。


 

電線の接続に関する次の文中の( )に当てはまる語句の組合せとして、最も適当なものはどれか。

「電線の(ア)を(イ)%以上(ウ)させないように接続すること。」

選択肢 (ア) (イ) (ウ)
1 圧縮強さ 20 増加
2 引張強さ 25 増加
3 引張強さ 20 減少
4 圧縮強さ 25 減少

 

金属管に収め耐火構造の壁に埋め込まなくても、耐火配線と同等と認められ るものは、次のうちどれか。 1. 600V2種ビニル絶縁電線を使用したもの 2.シリコンゴム絶縁電線を使用したもの 3. MIケーブルを使用したもの 4.耐熱電線を使用したもの


 

耐火保護配線の工事方法で、正しいものは次のうちどれか。 1.アルミ被ケーブルを金属管工事により敷設した。 2.600V2種ビニル絶縁電線を合成樹脂管に収め、耐火構造で造った壁に埋 設した。 3. CDケーブルを可とう電線管工事により敷設した。 4.耐熱電線をケーブル工事により施工した。


 

自動火災報知設備の発信機を他の消防用設備等の起動装置と兼用する場合の表示灯回路の工事方法及び電線の種類について、誤っているものは次のうちどれか。

1. 600V2種ビニル絶縁電線を使用し、可とう電線管工事により施工した。

2. VVケーブルを使用し、合成樹脂線ぴ工事により施工した。

3. 消防庁告示に定める耐熱電線を使用し、金属ダクト工事により施工した。

4. HIV電線を使用し、金属管工事により施工した。


 

耐熱保護配線の工事方法として、最も適当なものは次のうちどれか。 1. 600Vビニル絶縁電線を金属ダクト工事により敷設した。 2.アルミ被ケーブルを金属管工事により敷設した。 3.ポリエチレン絶縁電線を露出配線とした。 4.四ふっ化エチレン絶縁電線を合成樹脂管工事により敷設した。


 

耐熱保護配線の工事方法として、最も適当なものは次のうちどれか。 1. 600Vビニル絶縁電線を金属ダクト工事により敷設した。 2. CDケーブルを露出配線とした。 3.ポリエチレン絶縁電線を金属管工事により敷設した。 4.600V2種ビニル絶縁電線を露出配線とした。


 

配線の耐火又は耐熱保護範囲に使用することができない電線は、次のうちど れか。 1.CDケーブル 2.シリコンゴム絶縁電線 3. EPゴム絶縁電線 4. 600Vビニル絶縁電線


 

耐火電線に関する次の記述について、消防庁告示上、定められていないものはどれか。

1. 使用電圧が交流で700Vの電路に使用するケーブルは低圧ケーブルである。

2. 使用電圧が直流で800Vの電路に使用するケーブルは高圧ケーブルである。

3. 導体を絶縁物で被覆し、さらにその上を保護被覆で保護したものをケーブルという。

4. 導体を絶縁物で被覆した電線をダクト内で組み立てたものを、バスダクトという。


 

まとめ

配線問題は、区間、電線、工事方法の順に耐火・耐熱の必要条件を判定します。

強欲な青木
迷わずに回答できましたか?
もし、まだ自信がないのであれば繰り返し「過去問テスト」等を使って類題を解くことをオススメします!
消防設備士

消防設備士「過去問テスト」は、その名の通り“過去に出た問題” のテストです。

ブログでお馴染みの管理人が過去問に関する情報収集を積み重ね、その中からピックアップして過去問ベースの模擬試験を作成したものです。

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上記以外に新傾向問題の情報など提供あり次第、解説を毎年追記して更新しています。これから消防設備士の試験を受けられる方は是非ご覧下さい。


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