このページを見たら消防設備士試験 甲4・乙4の工事・整備に出てくる「警戒区域と感知区域の設定」に関する問題が得点源となるはず!
工事・整備|全7講義
最新ver.の過去問情報は、青木マーケ(株)noteの消防設備士「過去問テスト」で毎年更新しています。
併せて、ご参照ください。
警戒区域と感知区域は目的が違う
| 比較 | 警戒区域 | 感知区域 |
|---|---|---|
| 目的 | 火災発生区域を他区域と区別して受信機へ表示 | 感知器が火災を有効に感知 |
| 主な単位 | 階・建物平面・たて穴 | 部屋・天井・壁・はり |
| 主な数値 | 600㎡、50m、例外500㎡・1,000㎡・100m | はり0.4m・0.6m、感知面積 |
| 製図の順序 | 先に決める | 警戒区域内をさらに分ける |
一つの警戒区域の中に、複数の感知区域が入ることがあります。逆に、別々の警戒区域を一つの感知区域として扱うことはありません。

消防法施行令第21条第2項、消防法施行規則第23条第1項を照合。警戒区域と感知区域の定義・目的を混同しない構成にしています。
警戒区域=受信機の表示単位。感知区域=感知器の監視単位。
警戒区域の原則は600㎡・50m・1階
一の警戒区域は、原則として次の3条件をすべて満たします。
1. 防火対象物の2以上の階にわたらない
2. 面積600㎡以下
3. 1辺の長さ50m以下
面積が600㎡以下でも、1辺が50mを超えれば分割が必要です。逆に1辺が50m以下でも、面積が600㎡を超えれば分割します。
例えば45m×15mの長方形は675㎡です。長辺45mは50m以下ですが、面積が600㎡を超えるため2警戒区域以上に分けます。
主な例外
| 例外 | 条件 |
|---|---|
| 2の階にわたる | 2階分の床面積合計500㎡以下。感知器等の作動状況を容易に確認できること |
| 階段・傾斜路・エレベーター昇降路・ダクト等 | 煙感知器を設ける場合は2以上の階にわたるたて方向の区域にできる |
| 主要な出入口から内部を見通せる | 面積1,000㎡以下にできる |
| 光電式分離型感知器 | 1辺100m以下にできる |
消防法施行令第21条第2項、消防法施行規則第23条第1項を照合。600㎡・50m・2階特例500㎡・見通し1,000㎡・分離型100mを確認しています。
原則=1階・600㎡・50m。例外=2階合計500㎡、見通し1,000㎡、分離型100m。
階段・たて穴・面積・区域番号の扱い
階段、エレベーター昇降路、パイプダクト等は、各階の居室・廊下とは別の警戒区域にします。
水平距離50m以下にある階段・たて穴は、まとめて同じ警戒区域にできる場合があります。
階段の地上部分と地下部分は原則として別区域です。ただし、地階が1階だけの場合は、地上部分と同じ警戒区域にできる場合があります。地上部分の階段は、垂直距離45m以下ごとに区分します。
面積に入れる・入れない
| 面積へ含める | 面積へ含めない |
|---|---|
| 便所、洗面所、浴室、シャワー室など、感知器を省略できる室 | 開放された階段、開放廊下、ベランダなど、床面積に算定されない部分 |
感知器を設けない場所でも、床面積として算定されるなら警戒区域の面積へ含めます。
区域番号は、原則として下階から上階へ、同じ階では受信機に近い場所から遠い場所へ付けます。階段・たて穴は各階の居室等の後に付けます。
消防法施行規則第23条第1項を照合。たて穴の区分、地下部分、垂直45m、面積算入、番号順を整理しています。
たて穴は居室と別。面積算入と番号順は図面全体を見て決める。
感知区域は壁・はりの深さで分ける
感知区域は、壁やはり等で区画された天井部分を単位とします。はり等がない平面天井なら、原則として一つの部屋が一感知区域です。
はり等が一定以上突出すると熱や煙の流れが妨げられるため、はりで囲まれた部分ごとに別の感知区域とします。
| 感知器の代表区分 | 別感知区域にするはり等の突出し |
|---|---|
| 差動式スポット型、定温式スポット型など熱スポット型 | 0.4m以上 |
| 差動式分布型、煙感知器のスポット型 | 0.6m以上 |
はりの深さが0.5mなら、熱スポット型では0.4m以上なので分割し、煙スポット型では0.6m未満なので分割しません。
数値が境界と同じ場合は「以上」に含まれます。0.4mちょうどなら熱スポット型で分け、0.6mちょうどなら煙スポット型・差動式分布型で分けます。

消防法施行規則第23条第4項を照合。代表的な熱スポット型0.4m、差動式分布型・煙スポット型0.6mで区分しています。
はり=熱スポット0.4m、煙スポット・差動式分布型0.6m。
製図では区切ってから個数を計算する
感知器の必要個数は、感知区域ごとに計算します。
必要個数=感知区域の面積÷感知器1個の感知面積
小数点以下は切り上げます。はりで二つの感知区域に分かれる場合は、合計面積をまとめて割らず、各区域で1個以上になるよう別々に計算します。
製図の基本順序は次のとおりです。
1. 警戒区域を600㎡・50m等で区切る
2. 警戒区域番号を付ける
3. 壁・はりと使用感知器から感知区域を区切る
4. 各感知区域の面積を求める
5. 取付け面高さ・構造・種別から1個当たりの感知面積を選ぶ
6. 区域ごとに割り算し、小数点以下を切り上げる
工事・整備⑥では、感知器種別ごとの感知面積と設置位置を詳しく扱います。
製図講義資料を照合。個数計算そのものは工事・整備⑥・SEI講義で詳説し、本講義では区域を確定してから計算する順序を示しています。
区域ごとに割り算し、小数点以下切上げ。区画をまたいで合算しない。
※よく出る引っかけポイント6つ
引っかけ①:警戒区域と感知区域は同じ
警戒区域は受信機の表示、感知区域は感知器の監視単位です。
引っかけ②:面積600㎡以下なら一辺は何mでもよい
原則として1辺50m以下も同時に満たします。
引っかけ③:2階にわたる例外も合計600㎡以下
2の階にわたる例外は合計500㎡以下です。
引っかけ④:感知器を省略した便所は面積から除く
床面積として算定される便所等は、警戒区域の面積へ含めます。
引っかけ⑤:すべての感知器で、はり0.4m以上なら分割
煙スポット型・差動式分布型は0.6m以上です。
引っかけ⑥:はりで分かれても合計面積で個数計算
感知区域ごとに個数を求めます。
警戒は600・50、2階は500、はりは熱0.4・煙等0.6。
📝試験問題を解くときの手順
1. 問題が警戒区域か感知区域かを確定する
2. 警戒区域なら、階・面積・1辺の順に確認する
3. 例外なら、2階500㎡・見通し1,000㎡・分離型100m・たて穴を判定する
4. 面積に含める室と除く開放部分を確認する
5. 感知区域なら、感知器の種類を先に決める
6. はりの突出しを0.4mまたは0.6mと比較する
7. 分割後の各区域で感知器個数を計算する
全部で12ポイント
- 警戒区域は受信機が火災発生区域を識別表示する最小単位
- 感知区域は感知器が火災を有効に感知する天井側の区域
- 警戒区域は原則として1階・600㎡以下・1辺50m以下
- 2の階にわたる例外は床面積合計500㎡以下
- 主要な出入口から内部を見通せる場合は1,000㎡以下
- 光電式分離型感知器では1辺100m以下
- 階段・たて穴は居室等と別の警戒区域にする
- 便所等は感知器省略でも警戒区域面積へ含める
- 番号は下階から上階、受信機に近い場所から遠い場所、たて穴は後
- 熱スポット型は、はり0.4m以上で別感知区域
- 煙スポット型・差動式分布型は、はり0.6m以上で別感知区域
- はりで分割した後、各感知区域で感知器個数を計算する
それでは以下の「警戒区域と感知区域の設定」に関する消防設備士試験の過去問にチャレンジして、これまでの内容が頭に入っているかを確認しましょう!
【過去問】警戒区域と感知区域の設定
自動火災報知設備の警戒区域について、誤っているものは次のうちどれか。
1. 感知器の種類にかかわらず、一の警戒区域は2の階にわたることができない。
2. 一の警戒区域は原則600㎡以下、1辺50m以下とする。
3. 光電式分離型感知器では、1辺100m以下にできる。
4. 主要な出入口から内部を見通せる場合は、面積1,000㎡以下にできる。
差動式スポット型感知器の設置基準について、誤っているものは次のうちどれか。
1. 45°以上傾斜させないように設ける。
2. 取付け面から0.4m以上突出したはりで区画された部分ごとに、別の感知区域とする。
3. 感知器の下端を取付け面の下方0.6m以内に設ける。
4. 換気口等の空気吹出し口から
1.5m以上離す。
光電式分離型感知器を設置する場合、一の警戒区域について(ア)面積、(イ)1辺の長さ、(ウ)主要な出入口から内部を見通せる場合の面積の組合せとして、正しいものはどれか。
1. (ア)500㎡・(イ)100m・(ウ)1,000㎡
2. (ア)500㎡・(イ)60m・(ウ)1,500㎡
3. (ア)600㎡・(イ)100m・(ウ)1,000㎡
4. (ア)600㎡・(イ)60m・(ウ)1,500㎡
光電式分離型感知器を除く自動火災報知設備の警戒区域について、誤っているものは次のうちどれか。
1. 警戒区域は、火災の発生した区域を他の区域と区分して識別できる最小単位である。
2. 一の警戒区域は、原則として防火対象物の2以上の階にわたらない。
3. 一の警戒区域の面積は、500㎡以下とする。
4. 一の警戒区域の1辺の長さは、50m以下とする。
光電式分離型感知器を除く自動火災報知設備の警戒区域について、誤っているものは次のうちどれか。
1. 警戒区域は、原則として防火対象物の2以上の階にわたらない。
2. 階段または傾斜路に煙感知器を設ける場合は、警戒区域を2以上の階にわたらせることができる。
3. 一の警戒区域の面積は、原則600㎡以下とする。
4. 一の警戒区域の1辺の長さは、原則100m以下とする。
自動火災報知設備の警戒区域の設定として、正しいものは次のうちどれか。
1. 定温式スポット型感知器だけを設け、主要な出入口から内部を容易に見通せる区域を、1辺50m・面積1,000㎡とした。
2. 光電式スポット型感知器だけを設け、主要な出入口から内部を容易に見通せない区域を、1辺100m・面積600㎡とした。
3. 差動式スポット型感知器だけを設け、主要な出入口から内部を容易に見通せる区域を、1辺100m・面積1,000㎡とした。
4. 光電式分離型感知器だけを設け、主要な出入口から内部を容易に見通せない区域を、1辺100m・面積1,000㎡とした。
消防設備士「過去問テスト」は、その名の通り“過去に出た問題” のテストです。
ブログでお馴染みの管理人が過去問に関する情報収集を積み重ね、その中からピックアップして過去問ベースの模擬試験を作成したものです。
上記以外に新傾向問題の情報など提供あり次第、解説を毎年追記して更新しています。これから消防設備士の試験を受けられる方は是非ご覧下さい。
それでは続いて【工事・整備⑥】熱・煙・炎感知器の設置基準|消防設備士甲4・乙4【過去問】の過去問をみていきましょう。
