このページを見たら消防設備士試験 甲4・乙4の工事・整備に出てくる「受信機・感知器の点検と各種試験」に関する問題が得点源となるはず!
工事・整備|全7講義
最新ver.の過去問情報は、青木マーケ(株)noteの消防設備士「過去問テスト」で毎年更新しています。
併せて、ご参照ください。
試験は「どこまで確認できるか」で区別する
| 試験群 | 主な対象 | 確認するもの | 確認できない代表例 |
|---|---|---|---|
| 受信機の試験 | 受信機・感知器回路 | 表示、保持、導通、複数回線、予備電源 | 感知器自体の感度・接点不良 |
| 空気管式の試験 | 空気管・検出部 | 作動時間、継続時間、漏れ・詰まり、接点、リーク | 他方式感知器の機能 |
| 感知器別作動試験 | 個々の感知器 | 熱・煙・光等を与えたときの作動 | 回路全体の絶縁抵抗 |
| 総合点検 | 設備全体 | 同時作動、感度、音圧、停電時の総合作動 | 個別不良の原因特定すべて |
同じ「表示が点いた」という結果でも、受信機内部の疑似信号による火災表示試験と実際に感知器を作動させる試験では確認範囲が違います。
試験名は「対象・操作・確認範囲」の3点セットで覚える。
受信機の4試験を区別する
1.火災表示試験
火災試験スイッチと回線選択スイッチを操作し、回線ごとに受信機の火災表示を確認します。
確認する主な項目は、火災灯、地区表示灯、受信機内部のリレー、主音響装置、地区音響装置、火災表示の保持機能です。
感知器を実際に作動させる試験ではないため、感知器の接点や感度の異常は確認できません。
2.回路導通試験
導通試験スイッチと回線選択スイッチを操作し、感知器回路が終端器まで電気的につながっているかを1回線ごとに確認します。
電圧計の指針が規定値を示す、または導通表示灯が点灯すれば導通しています。終端器の接続不良や配線断線は検出できますが、空気管の切断や感知器の接点不良だけでは、電気回路がつながっている限り導通表示することがあります。
3.同時作動試験
2回線以上から同時に火災信号が入っても、受信機が正常に表示・鳴動するかを確認します。
- 常用電源:任意の5回線
- 予備電源:任意の2回線
火災復旧操作をせずに回線を追加し、地区表示灯が順に保持・追加点灯することを確認します。
4.予備電源試験
予備電源の電圧が規定値であることと常用電源から予備電源、常用電源復旧後に予備電源から常用電源へ自動切替えできることを確認します。
消防庁「消防用設備等の点検要領」第11を照合。火災表示、回路導通、同時作動、予備電源の対象と確認範囲を整理しています。
火災表示=受信機、導通=回路、同時作動=常用5・予備2、予備電源=電圧と自動切替え。
空気管式は5試験を目的で覚える
差動式分布型感知器(空気管式)は、空気管、コックスタンド、ダイヤフラム、リーク孔から成ります。試験ごとにコックハンドルと接続を切り替えます。
| 試験 | 主に確認するもの | 測定・判定の考え方 |
|---|---|---|
| 作動試験(火災作動試験) | 作動開始時間 | 規定量の空気を注入し、接点が閉じるまで |
| 作動継続試験 | 作動継続時間 | 接点が閉じてから開くまで |
| 流通試験 | 空気管の漏れ・つぶれ・詰まり・管長 | マノメーター100mmから50mmまでの時間 |
| 接点水高試験 | ダイヤフラム接点の作動圧力 | 接点が閉じたときの水高 |
| リーク試験 | リーク抵抗 | リーク孔から空気が抜け、水高が低下する時間 |
作動試験と作動継続試験
試験孔に5cc用テストポンプを接続し、空気管長等に応じた規定空気量を注入します。テストポンプは空気の逆流を防ぐため押し切った状態にします。
- 作動時間が長い:若干の漏れ、若干の詰まり等
- 接点が閉じない:大きな漏れ、切断、詰まり等
- 作動時間が短い:接点水高の狂い、空気管長が短い等
そのまま接点が開くまで測るのが作動継続試験です。
流通試験
空気管の一端をマノメーターへ接続し、テストポンプで100mmまで加圧します。試験孔を外し、50mmまで低下する時間を測ります。
- 所定時間より短い:漏れの疑い
- 所定時間より長い:つぶれ・詰まりの疑い
基準時間は空気管長に応じるため、流通試験では管長も確認します。
接点水高試験とリーク試験
接点水高値が低すぎると接点が閉じやすく、非火災報の原因になり得ます。高すぎると作動が遅くなります。
リーク抵抗が小さすぎると空気が抜けやすく遅報側、大きすぎると空気が抜けにくく非火災報側です。リーク孔が詰まると抵抗が大きくなります。
消防庁点検要領を照合。作動・継続・流通・接点水高・リークの目的、接続、異常傾向を確認しています。
空気管=作動時間、継続時間、流通、接点水高、リーク抵抗の5本立て。
感知器と試験器具を一対一で覚える
| 感知器 | 主な試験 | 主な試験器具 |
|---|---|---|
| 差動式分布型(熱電対式) | 作動試験、回路合成抵抗試験 | メーターリレー試験器 |
| 定温式感知線型 | 作動試験、回路合成抵抗試験 | 末端の回路試験器、回路計 |
| 差動式スポット型 | 加熱作動試験 | 加熱試験器 |
| 定温式スポット型(再用型) | 加熱作動試験 | 加熱試験器 |
| 煙スポット型 | 加煙作動試験・感度試験 | 加煙試験器、煙感知器用感度試験器 |
| 光電式分離型 | 作動・不作動試験 | 所定の減光フィルター |
| 炎感知器 | 作動試験 | メーカー指定の光照射式試験器等 |
差動式・定温式スポット型
差動式スポット型は加熱試験器で作動させます。1種・2種とも、蓄積機能がない場合の作動時間目安は30秒です。
可燃性ガスが滞留するおそれがある場所や高圧受変電設備室では、加熱試験器による引火・感電の危険があるため、差動スポット試験器や回路試験用押しボタン等で行います。
定温式スポット型の非再用型は、警戒区域ごとに抜取り試験を行います。1~10個なら1個、11~50個なら2個が目安です。
煙感知器
煙スポット型は加煙試験器を使います。光電式スポット型の感度は、所定の煙感知器用感度試験器で確認します。
光電式分離型は、受光部の前へ所定の減光フィルターを入れ、作動する減光率と作動しない減光率を確認します。


消防庁点検要領を照合。熱電対式・感知線型・熱スポット・煙スポット・分離型・炎の試験器具を確認しています。
加熱=熱スポット、加煙=煙スポット、減光=分離型、メーターリレー=熱電対式。
総合点検は設備全体の連動を見る
自動試験機能を有するものを除く自動火災報知設備の代表的な総合点検は次のとおりです。
| 点検項目 | 点検方法 | 主な判定 |
|---|---|---|
| 同時作動 | 復旧せず任意の5回線で火災表示 | 受信機・主音響・地区音響が正常 |
| 煙感知器等の感度 | 所定の感度試験器 | スポット型・分離型とも所定範囲 |
| 地区音響装置の音圧 | 前面1mで騒音計A特性 | 音響90dB以上、音声92dB以上 |
| 総合作動 | 常用電源を遮断し、任意の感知器を作動 | 表示・音響が予備電源で正常 |
スポット型へ減光フィルターを使う選択肢は誤りです。減光フィルターは分離型です。
点検前は消火設備・放送設備・防排煙設備等との連動回路を必要に応じて遮断し、点検終了後に必ず復元します。音響停止や蓄積解除など点検中に変更した状態も、終了後に元へ戻します。
消防庁「消防用設備等の点検基準・点検要領」第11を照合。同時作動、感度、音圧、総合作動、一般的留意事項を確認しています。
総合点検=同時作動・感度・音圧・停電時総合作動。最後に全状態を復元する。
接地・絶縁抵抗は別の測定試験
接地抵抗試験は、接地抵抗計で機器の接地抵抗値を測ります。絶縁抵抗試験は、回路の電源を遮断し、絶縁抵抗計で電路と大地間・配線相互間を測ります。
この講義では受信機・感知器の機能試験との違いを押さえ、測定値と手順の詳細は工事・整備③「電源・接地工事・絶縁抵抗」で確認します。
電気設備の技術基準の解釈を照合。機能試験と接地・絶縁抵抗測定を分けています。
※よく出る引っかけポイント6つ
引っかけ①:火災表示試験で感知器接点も確認できる
火災表示試験は受信機内部の機能を確認します。感知器自体は別途作動試験が必要です。
引っかけ②:回路導通試験で空気管の切断を検出できる
空気管が切れても電気回路が導通していれば、受信機は導通表示することがあります。
引っかけ③:流通試験は接点水高を測る
流通試験は漏れ・つぶれ・詰まり・管長です。接点水高は接点水高試験です。
引っかけ④:光電式スポット型は減光フィルター
スポット型は加煙・感度試験器、分離型が減光フィルターです。
引っかけ⑤:同時作動試験は常用2回線、予備5回線
逆です。常用5回線、予備2回線です。
引っかけ⑥:点検が終われば連動停止のままでもよい
連動回路、音響停止、蓄積解除など、変更した状態を必ず復元します。
受信機内部・電気回路・空気管・感知器・設備全体を混同しない。
📝試験問題を解くときの手順
1. 受信機、感知器回路、空気管、感知器単体、設備全体のどれかを決める
2. 問われているのが表示、導通、時間、圧力、感度、音圧かを確認する
3. 試験器具と感知器方式を一対一で照合する
4. 空気管式なら、作動・継続・流通・接点水高・リークから選ぶ
5. 異常時に数値が長くなるか短くなるかを、空気の抜け方で考える
6. 火災表示試験と実際の感知器作動試験の確認範囲を分ける
7. 総合点検では、電源・表示・音響・感知器を一連で見る
全部で12ポイント
- 火災表示試験は、受信機の表示・リレー・音響・保持を確認する
- 回路導通試験は、感知器回路の断線を終端器まで確認する
- 同時作動試験は常用5回線、予備2回線
- 予備電源試験は電圧と自動切替えを確認する
- 空気管式は作動・継続・流通・接点水高・リークの5試験
- 流通試験は漏れ・つぶれ・詰まり・管長を確認する
- 熱スポットは加熱、煙スポットは加煙、分離型は減光フィルター
- 差動式スポット型の作動時間目安は1種・2種とも30秒
- 熱電対式はメーターリレー試験器を使う
- 総合点検は同時作動・感度・音圧・停電時総合作動を確認する
- 点検前に必要な連動を遮断し、点検後に必ず復元する
- 接地・絶縁抵抗試験は、受信機・感知器の機能試験と目的が違う
それでは以下の「受信機・感知器の点検と各種試験」に関する消防設備士試験の過去問にチャレンジして、これまでの内容が頭に入っているかを確認しましょう!
【過去問】受信機・感知器の点検と各種試験
自動火災報知設備(自動試験機能を有する自動火災報知設備を除く。)の総合点検における点検項目に対する点検方法について、最も不適当なものは次のうちどれか。
| 選択肢 | 点検項目 | 点検方法 |
|---|---|---|
| 1 | 同時作動 | 火災試験スイッチにより、復旧させることなく任意の5回線の火災表示試験を行い、確認した。 |
| 2 | 煙感知器の感度 | 光電式スポット型感知器を、減光フィルターを用いて確認した。 |
| 3 | 地区音響装置の音圧 | 音響装置の取り付けられた位置の中心から前面1m離れた位置で騒音計(A特性)を使って測定した。 |
| 4 | 総合作動 | 受信機の常用電源の主開閉器を遮断し、任意の差動式スポット型感知器を加熱試験器を用いて加熱を行い、確認した。 |
差動式分布型感知器(空気管式)において、空気管に空気を送入させ空気管の漏れ、つぶれ、つまり等の有無および空気管の長さを確認する試験方法として、正しいものは次のうちどれか。
1. 流通試験
2. 接点水高試験
3. 火災作動試験
4. 作動継続試験
加熱試験器を用いて差動式スポット型感知器(1種)の作動試験を行った場合、感知器の合否判定基準の目安となる作動時間として、正しいものは次のうちどれか。ただし、蓄積機能を有しないものとする。
1. 20秒
2. 30秒
3. 40秒
4. 50秒
感知器が機能不良のときに行う試験として、誤っているのものは次のうちどれか。
1. 差動式分布型感知器(空気管式)‥‥‥火災作動試験
2. 差動式分布型感知器(熱電対式)‥‥‥火災作動試験
3. 差動式スポット型感知器 ‥‥‥加熱作動試験
4. 光電式スポット型感知器 ‥‥‥回路導通試験
下の写真は、自動火災報知設備のP型1級受信機の火災表示試験の一例である。回路選択スイッチにより、④の地区表示灯が点灯している。この回路の自己保持機能の確認方法を示した文中の【 】に当てはまる語句を語群から選び、記号で答えなさい。計20点このままの状態で、【 ⑴ 】スイッチを操作せずに、回路選択スイッチで【 ⑵ 】を選択し、【 ⑶ 】の地区表示灯が【 ⑷ 】ことを確認する。
「このままの状態で、【1】スイッチを操作せずに、回線選択スイッチで【2】を選択し、【3】の地区表示灯が【4】ことを確認する。」
語群から選ぶと次の組合せになります。
| 記号 | 語句 | 記号 | 語句 | 記号 | 語句 |
|---|---|---|---|---|---|
| ア | 導通試験 | イ | 自己保持試験 | ウ | 回線選択 |
| エ | ベル停止 | オ | 復旧 | カ | 予備電源 |
| キ | 点滅する | ク | 点灯する | ケ | 消灯する |
| コ | 消灯しない | サ | ④ | シ | ⑤ |
| ス | 予備回線 | セ | テストの位置 | ソ | 定位 |

自動火災報知設備の受信機で、火災表示試験を行ってもその機能に異常があ るかどうかを確認できないものは、次のうちどれか。 1.受信機の各リレー 2.感知器の接点 3.音響警報装置の鳴動状況 4.火災灯の作動状況
P型1級受信機の各リレーの作動、音響装置の鳴動、火災灯、地区表示灯及びその他の表示装置の作動並びに保持機能を試験するものは、次のうちどれか。
1. 回線導通試験
2. 火災表示試験
3. 予備電源試験
4. 絶縁抵抗試験
差動式分布型感知器(空気管式)において、検出部が作動するのに必要な空 気圧を測定し、その圧力が正常であるかどうかを確認する試験方法として、正 しいものは次のうちどれか。 1.流通試験 2.接点水高試験 3.火災作動試験4.作動継続試験
差動式分布型感知器(空気管式)の流通試験では、マノメーターの水位を上 昇させ停止させるが、停止させる位置として、適当なものは次のうちどれか。 1. 120mm 2. 100mm 3. 80mm 4. 50mm
差動式分布型感知器(空気管式)の火災作動試験を行った結果、作動までの 時間が早すぎた。その原因として、正しいものは次のうちどれか。 1.空気管につまりがあった。 2.接点水高値が規定値より低かった。 3.空気管に漏れがあった。 4.接点水高値が規定値より高かった。
感知器の点検を行ったところ、リーク孔が規定値よりも著しく小さいものがあった。このために生じる障害として、正しいものは次のうちどれか。
1. 非火災報の原因となる。
2. 発報する時間に変化は生じない。
3. 遅報の原因となる。
4. 接点水高値が低くなる。
可燃性ガスが滞留するおそれがある場所及び高圧受変電設備室に設けられて いる差動式スポット型感知器の機器点検の方法について、最も適切なものは次 のうちどれか。 1.所定の加熱試験器を用いて感知器を加熱し、作動時間及び警戒区域の表示 が適正であるかを確認する。 2.差動式スポット試験器又は回路試験用押しボタン等の試験器により行わな ければならない。 3.可燃性ガスが滞留するおそれがある場所の感知器は、防爆型の感知器が設 置されているので、加熱試験器を用いて試験できる。 4.高圧受変電設備室に設けられている感知器は、差動式スポット試験器より も加熱試験器を用いて試験した方が正確に作動時間等が測定できる。
感知器とその機能試験の組合せで、誤っているものは次のうちどれか。 1.イオン化式スポット型感知器……接点水高試験 2.差動式スポット型感知器……作動試験 3.差動式分布型感知器(空気管式)……流通試験 4.定温式感知線型感知器……回路合成抵抗試験
「試験器具」とそれを用いて点検することができる感知器の組合せとして、最も適当なものは次のうちどれか。
| 選択肢 | 試験器具 | 点検できる感知器 |
|---|---|---|
| 1 | 加熱試験器 | 差動式分布型感知器(空気管式) |
| 2 | メーターリレー試験器 | 差動式スポット型感知器 |
| 3 | 減光フィルター | 光電式分離型感知器 |
| 4 | 加ガス試験器 | 光電式スポット型感知器 |
「試験器具」とそれを用いて点検することができる感知器の組合せとして、最も適当なものは次のうちどれか。
| 選択肢 | 試験器具 | 点検できる感知器 |
|---|---|---|
| 1 | 煙感知器用感度試験器 | 光電式分離型感知器 |
| 2 | メーターリレー試験器 | 差動式分布型感知器(熱電対式) |
| 3 | 加ガス試験器 | 差動式スポット型感知器 |
| 4 | 減光フィルター | 光電式スポット型感知器 |
消防設備士「過去問テスト」は、その名の通り“過去に出た問題” のテストです。
ブログでお馴染みの管理人が過去問に関する情報収集を積み重ね、その中からピックアップして過去問ベースの模擬試験を作成したものです。
上記以外に新傾向問題の情報など提供あり次第、解説を毎年追記して更新しています。これから消防設備士の試験を受けられる方は是非ご覧下さい。
それでは続いて【規格まとめ】受信機・感知器・発信機|消防設備士甲4・乙4【過去問】の過去問をみていきましょう。



