水系消火設備の計算は、圧力、速度、高さを「水頭」という同じ単位へそろえると見通せます。流量がどこでも同じという条件と配管で失われるエネルギーを足せば、ポンプ全揚程へつながります。
流量は保存され、全水頭は損失分だけ減る。
これから覚える7つ
- 水は非圧縮性流体として扱う
- 圧力は単位面積当たりの力
- 流量と連続の式
- x1f9ed;ベルヌーイの定理
- トリチェリーの定理
- x1f9f1;摩擦損失水頭
- x1f517;ポンプ全揚程への接続
step
1水は非圧縮性流体として扱う
step
2圧力は単位面積当たりの力
step
3流量と連続の式
step
4x1f9ed;ベルヌーイの定理
step
5トリチェリーの定理
step
6x1f9f1;摩擦損失水頭
step
7x1f517;ポンプ全揚程への接続
現在地:水理・構造・工事整備1(1/12)|この講義0問・単元全36問
水理・構造・工事整備|全12講義・36問
💧 水は非圧縮性流体として扱う
代表問の誤りは「水は圧縮性流体である」です。実際には圧力で密度がわずかに変化しますが、通常の設備計算では非圧縮性流体として扱います。
- 自由表面をもつ
- 小さなせん断力でも連続して変形する
- 引張力には抵抗しない
- 粘性があるため、実配管ではエネルギー損失が生じる
📦 圧力は単位面積当たりの力
p = F/A
p:圧力PaF:面へ垂直に働く力NA:面積m2
1Pa=1N/m2です。消防設備ではMPaを使うため、1MPa=10^6Paも固定します。
パスカルの原理は「密閉流体の一部へ加えた圧力は、等しい強さで流体全体へ伝わる」です。代表問G07-Q02の正答は3です。
🚿 流量と連続の式
Q = Av
Q:流量m3/sA:管断面積m2v:平均流速m/s
非圧縮・定常流で途中に分岐や流入がなければ、A1v1=A2v2です。
代表問では、太い管の内径が細い管の2倍です。断面積は直径の2乗に比例するため太い側は4倍の面積となり、細い側の流速は4倍です。正答は4です。
直径比を、そのまま流速比にしない。面積へ直してから逆比にする。
🧭ベルヌーイの定理
理想的な定常流の全水頭は次の3つの和です。
v²/(2g) + z + p/(ρg) = He
| 項 | 名称 | 意味 |
|---|---|---|
v²/(2g) |
速度水頭 | 流速がもつ運動エネルギー |
z |
位置水頭 | 基準面からの高さ |
p/(ρg) |
圧力水頭 | 圧力を水柱高さへ換算 |
理想流では全水頭Heが一定です。実配管では摩擦や継手・弁による損失があるため、上流の全水頭から損失水頭を差し引いて下流へ伝わります。
🕳️ トリチェリーの定理
大きな水槽の水面から深さHの小孔へ流出するとき、粘性と水面低下を無視すれば次式です。
v = √(2gH)
水面と小孔にベルヌーイの式を適用すると両点の圧力水頭は大気圧で相殺され、水面速度はほぼ0、小孔の位置水頭を0として導けます。代表問G03-Q01の正答は2です。
🧱摩擦損失水頭
直管の基本関係はダルシー・ワイスバッハ式で整理できます。
hf = λ(L/D)・v²/(2g)
- 管長
Lが長いほど大きい - 流速
vの2乗に比例する - 同条件では管径
Dが太いほど小さい - 摩擦係数
λは流れと管内面の条件により変わる
代表問G04-Q01の正答は「管長と流速の2乗に比例する」の2です。
実設備では直管だけでなく、エルボ、チーズ、弁、入口・出口などの局部損失を加えます。消防庁告示の基準表・計算方法へ接続して求めます。
🔗ポンプ全揚程への接続
設備計算では、必要な放水圧力水頭、実揚程、ホース・配管の摩擦損失を合計します。
必要全揚程 = 放水圧力水頭 + 実揚程 + ホース損失 + 配管・弁損失
ベルヌーイの各水頭を、ポンプが補うべきエネルギーへ読み替えたものです。
代表問で確認
- 水を通常の設備計算で何流体として扱うか。
- 深さHの小孔からの理想流出速度を示す式は何か。
- 摩擦損失水頭は何に比例・反比例するか。
- 管径が半分になったとき、流量一定なら流速は何倍か。
- 密閉流体へ加えた圧力が等しく伝わる原理は何か。
正解:非圧縮性流体、v=√(2gH)、管長と流速の2乗に比例・管径に反比例、4倍、パスカルの原理。
まとめ
- 圧力は力÷面積、流量は断面積×流速
- 連続の式では断面積と流速が逆比になる
- 全水頭は速度・位置・圧力水頭の和
- 実配管では摩擦・局部損失を差し引く
- 水理の各式はポンプ全揚程へ一つにつながる
➡次に進みましょう
-
-
【過去問】消防設備士甲1・乙1の構造①|水源と有効水量



