【過去問】消防設備士甲1・乙1の工事整備②|配管・管継手・弁・支持・溶接

【過去問】消防設備士甲1・乙1の工事整備②|配管・管継手・弁・支持・溶接

消防用設備の配管は、水を通すだけの管ではありません。

火災時に必要な流量と圧力を維持するため、管の材質・厚さ・継手・弁・支持・防食を一つの系統として選びます。

この講義では、次の順に整理します。

これから覚える5つ

  1. 材料記号から、鋼材と鋼管の用途を読む
  2. スケジュール番号から、管の厚さ区分を読む
  3. 管継手の形から、曲がり・分岐・縮径・閉止を読む
  4. 弁と接合方法を、流れと保守の目的で選ぶ
  5. 支持・埋設・防食で、施工後の変形と腐食を防ぐ

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材料記号から、鋼材と鋼管の用途を読む

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スケジュール番号から、管の厚さ区分を読む

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管継手の形から、曲がり・分岐・縮径・閉止を読む

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弁と接合方法を、流れと保守の目的で選ぶ

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支持・埋設・防食で、施工後の変形と腐食を防ぐ

強欲な青木
鋼管はどれも丸く見えるので、記号まで覚える必要がありますか。

外見が似ていても、用途と規格が違います。記号は材質・用途・強さを確認する入口です。
消防設備士

消火配管の構成要素

配管問題は「何を通すか」「どの圧力か」「どこで曲げ・分岐・閉止するか」の順に読む。

 

 

現在地:水理・構造・工事整備6(6/12)|この講義5問・単元全36問

水理・構造・工事整備|全12講義・36問



 

🧱SS400の読み方

SS400は、JIS G 3101に定める一般構造用圧延鋼材です。

記号を分けると次のように覚えられます。

  • SS:一般構造用圧延鋼材の種類記号
  • 400:引張強さの下限値400N/mm²を表す数字

現行JIS G 3101:2024のSS400は、引張強さ400〜510N/mm²です。400は硬度、圧縮強さ、降伏点を直接表す数字ではありません。

消防設備では、鋼材そのものの問題だけでなく、架台、支持材、フランジなどの材料を読む土台になります。

SS400の記号分解

強欲な青木
数字が大きいので、硬さを表す番号だと思っていました。

SS400の400は、引張強さの下限値です。試験では「硬度」と入れ替えられます。
消防設備士

JIS G 3101:2024は一般構造用圧延鋼材を規定し、SS400の引張強さを400〜510N/mm²としています。

SS400は「一般構造用圧延鋼材・引張強さ400〜510」。

 

 

🏷鋼管記号を用途で区別

鋼管記号は、文字を丸暗記するより、どの流体・圧力に使う規格かで整理します。

記号 JIS 名称・用途の軸
SGP JIS G 3452 配管用炭素鋼鋼管。比較的低圧の一般配管
SGPW JIS G 3442 水配管用亜鉛めっき鋼管
STPG JIS G 3454 圧力配管用炭素鋼鋼管
SUS304TP等 JIS G 3459 配管用ステンレス鋼鋼管。鋼種数字を含む

「圧力配管用炭素鋼鋼管」はSTPGです。

日本規格協会の現行版はJIS G 3454:2026です。2026年5月20日に改正され、2019版を置き換えましたが、この問題の記号STPGは変わりません。

鋼管記号の用途マップ

強欲な青木
Pが入っているSGPも、圧力配管用に見えます。

名称とセットで区別します。「圧力配管用炭素鋼鋼管」という固有のJIS名称がSTPGです。
消防設備士

JIS G 3454:2026は圧力配管用炭素鋼鋼管を規定します。日本製鉄の配管用鋼管資料も、JIS G 3452をSGP、JIS G 3454をSTPGとして用途別に示しています。

「圧力配管用炭素鋼鋼管→JIS G 3454→STPG」を一続きで覚える。

 

 

📏スケジュール番号

圧力配管用炭素鋼鋼管では、管の厚さ区分をスケジュール番号で表します。

たとえば、Sch40Sch80のように表記します。

同じ呼び径なら、一般にスケジュール番号が大きいほど肉厚が厚くなり、内径は小さくなります。

 

間違えやすい点

  • スケジュール番号は管の呼び径ではない
  • 管の長さではない
  • 断面積そのものではない
  • Sch40が40mmの厚さという意味ではない
  • 実際の肉厚は呼び径とスケジュール番号の組合せで決まる
スケジュール番号の管断面

強欲な青木
Sch40なら、肉厚が40mmという意味ですか。

いいえ。スケジュールは呼び厚さの区分番号です。実寸法は呼び径ごとの表で確認します。
消防設備士

JIS G 3454:2026は寸法・単位質量・許容差を規定し、配管用鋼管メーカーの規格表は呼び径ごとにスケジュール番号と肉厚を対応させています。

スケジュール番号は「呼び厚さ」。実際のmm値ではない。

 

 

🧩管継手は流れの形で覚える

管継手は、配管の進路や本数を変える部品です。

管継手 主な役割 見分ける形
エルボ 方向を変える 小さい曲率半径で曲がる
ベンド 方向を変える エルボより大きな曲率半径
ティー 3方向に分岐・合流 T字
クロス 4方向に分岐・合流 十字
Y 3方向に分岐・合流 Y字
レジューサ 異なる径の管を接続 太い管から細い管へ変化
ソケット 同じ太さの管を直線上に延長 両側にめねじ
ユニオン 管を回さずに脱着しやすくする 中央のユニオンナット
キャップ 管端を閉止 帽子状

配管を直角に接続する代表的な継手はエルボです。ねじ込み式や差込み溶接式など、接合方法が異なる製品があります。

管継手の機能一覧

強欲な青木
名前が多くて、似た形を混同します。

まず「曲げる・分ける・縮める・延ばす・閉じる」の動作を見れば、候補を絞れます。
消防設備士

JIS B 2301:2013は消火用水を含む一般配管用のねじ込み式可鍛鋳鉄製管継手を規定します。JIS B 2311:2024及びJIS B 2312:2024は鋼製突合せ溶接式管継手を規定し、メーカーのJIS対応カタログはエルボ、クロス、ソケット、ユニオン、キャップ等の製品区分を示しています。

エルボ=曲げる、レジューサ=異径、ソケット=直線延長、キャップ=末端閉止。

 

 

↪️ エルボとベンド

エルボもベンドも配管の方向を変えますが、曲率半径の扱いが違います。

  • エルボ:比較的小さい曲率半径で、互いに角度をなす2本の管を接続
  • ベンド:比較的大きい曲率半径で、緩やかに方向を変える

エルボには90度、45度などがあり、施工空間を抑えて方向転換できます。ベンドは曲がりが緩やかな分、一般に流れの急変を抑えやすくなります。

エルボとベンドの曲率比較

強欲な青木
90度に曲がっていれば、全部エルボですか。

角度だけでなく曲率半径も見ます。小さいRがエルボ、大きいRがベンドです。
消防設備士

「小R=エルボ」「大R=ベンド」。

 

 

🚪 弁は開閉・調整・逆流防止で区別

配管に使う弁は、弁体の形より先に目的を整理します。

主な用途 流れの特徴
仕切弁 全開・全閉 全開時の流路が比較的直線的
玉形弁 流量調整 流れが方向を変え、抵抗が比較的大きい
アングル弁 開閉・調整と方向転換 入口と出口が直角
バタフライ弁 開閉・調整 円板状弁体が回転
逆止弁 逆流防止 逆流時の背圧で閉じる

消火設備の制御弁は、みだりに閉止できない措置、開閉状態の表示、点検可能性なども設備別基準と合わせて確認します。

5種類の弁断面

強欲な青木
仕切弁を少しだけ開けて、いつも流量調整に使えばよいですか。

仕切弁は基本的に全開・全閉用です。調整の必要性、圧力損失、弁の構造を見て選びます。
消防設備士

仕切弁=遮断、玉形弁=調整、逆止弁=逆流防止。

 

 

🔧接合・支持・埋設施工

管と管の接合方法は、口径、材質、圧力、施工場所、保守方法に合わせます。

 

主な接合方法

接合 特徴 注意点
ねじ込み 加工・施工しやすい ねじ部の肉厚低下、シール、防食
差込み溶接 ソケットへ差し込み溶接 差込み代、すみ肉溶接の品質
突合せ溶接 管端同士を突き合わせて溶接 開先、芯ずれ、溶込み、検査
フランジ ボルト・ガスケットで接合 締付け、ガスケット、芯合わせ

「地下埋設配管は必ずねじ接続」と一律に決まるものではありません。設計条件に応じて管種・接合方法・耐震性・防食を決めます。

 

支持と埋設の要点

  • 配管と弁・装置の荷重が局部へ集中しないよう支持する
  • 横揺れ、地震時変位、建物貫通部の相対変位を考える
  • 排水や空気だまりを妨げない配管経路とする
  • 地中埋設の鋼管類は、外面被覆又は防食材で腐食を防ぐ
  • 防食材は隙間、空気の巻込み、ピンホール、埋戻し時の損傷を避ける
  • 寒冷地では凍結深度を考慮する
  • 地中埋設は保守が難しいため、可能な範囲で回避し、必要な場合は耐震・防食対策を具体化する

古い教材で見られる「アスファルトジュート一重巻」は、現在の公開用説明では一般化しません。現行の公共建築工事仕様に沿って、外面被覆管、プライマー、防食テープやペトロラタム系防食材など、設計仕様で定めた方法として説明します。

接合・支持・地下埋設の正解施工

強欲な青木
地下なら、ねじ接続と決めてしまえば簡単ではないですか。

地盤変位、口径、管材、接合部強度、防食、保守を合わせて決めます。「地下=ねじだけ」という一律判断はできません。
消防設備士

国土交通省の公共建築工事標準仕様書は、地中埋設深さ、防食材と施工方法、寒冷地の凍結深度を示しています。消防庁の耐震研究資料は、土中埋設配管の回避、ねじ継手・溶接部の防錆、地盤変動・不等沈下への対策を示しています。

施工は「接合だけ」で決めず、支持・耐震・防食・保守まで一組で考える。

 

 

⚠よく出る注意ポイント

  1. SS400の400は硬度 → 引張強さの下限値
  2. 圧力配管用炭素鋼鋼管はSGP → STPG
  3. Sch40は肉厚40mm → 呼び厚さの区分番号
  4. エルボは同径管の直線延長 → 方向転換
  5. クロスは3本の管をY字に接続 → クロスは4方向、Yは3方向
  6. レジューサは同径管を接続 → 異径管を接続
  7. ソケットは管端を閉じる → 閉じるのはキャップ
  8. 地下埋設は必ずねじ接続 → 条件に応じて接合方法を選ぶ

 

 

✍過去問で確認しよう

この単元の収録過去問は、全部で5問です。

 

一般構造用圧延鋼材に関する次の記述のうち、文中の(ア)(イ)に当てはまる語句の組合せとして、正しいものはどれか。

「日本産業規格(JIS)の一般構造用圧延鋼材として(ア)などがあり、数字は最低(イ)を表している。」

選択肢 (ア) (イ)
FC100 引張り強さ
SF340A 硬度
SS400 引張り強さ
SM400A 硬度

 

日本産業規格(JIS)の圧力配管用炭素鋼鋼管を表す鋼管記号として、正しいものは次のうちどれか。

  1. SGP
  2. SGPW
  3. STPG
  4. SUS-TP

 

圧力配管用炭素鋼鋼管には、スケジュール番号が用いられるが、その番号が示すものとして、最も適当なものは次のうちどれか。

  1. 管の呼び厚さ
  2. 管の呼び径
  3. 管の呼び長さ
  4. 管の呼び断面積

 

配管と配管を直角に接続するために用いる「ねじ込み式」又は「差込み溶接式」の管継手は、次のうちどれか。

  1. エルボ
  2. ユニオン
  3. レジューサ
  4. ソケット

 

配管に使用されている管継手の説明とその名称の組合せとして、正しいものは次のうちどれか。

選択肢 管継手の説明 名称
互いにある角度からなる2つの管の接続に用い、曲率半径が比較的小さい継手 エルボ
3つの管をY字状に接続するために用いるY形の管継手 クロス
同一の直径である2つの管を同一直線上又は平行にずらして接続するために用いる、主として突合せ溶接式の管継手 レジューサ
管の末端を閉鎖するために用いる帽子状の管継手 ソケット


強欲な青木
記号は用途、継手は水の進み方で考えると整理できます。

その通りです。最後に規格の版、口径、圧力、施工場所の条件を確認すれば、現場判断にもつながります。
消防設備士

 

 

まとめ

  • SS400は一般構造用圧延鋼材で、400は引張強さの下限値
  • 圧力配管用炭素鋼鋼管はJIS G 3454のSTPG
  • JIS G 3454の現行版は2026年版で、STPGの出題趣旨に変更なし
  • スケジュール番号は管の呼び厚さの区分で、実際のmm値ではない
  • エルボは小さい曲率半径で方向転換し、ベンドは比較的大きい曲率半径
  • クロスは4方向、Yは3方向、レジューサは異径、キャップは閉止
  • 弁は遮断・調整・方向転換・逆流防止の目的で区別する
  • 接合方法は口径・材質・圧力・施工場所・保守条件で選ぶ
  • 支持、耐震、防食、凍結深度まで含めて配管施工を判断する

 

 

➡次に進みましょう

強欲な青木
次はどこへ進めばいいですか?

水理・構造・工事整備の6/12講義が終了です。次は「1号・2号・易操作性1号消火栓」を学習します。
消防設備士

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【過去問】消防設備士甲1・乙1の構造④|1号・2号・易操作性1号消火栓
【過去問】消防設備士甲1・乙1の構造④|1号・2号・易操作性1号消火栓