加圧送水装置の問題は、ポンプ単体だけを見ていると解けません。
ポンプが必要なときに確実に起動し、必要な量と圧力で送水できるように、次の付属装置がまとめて構成しています。
これから覚える7つ
- 制御盤
- 呼水装置
- 水温上昇防止用逃し配管
- ポンプ性能試験装置
- 起動用水圧開閉装置
- フート弁
- その他必要な機器
step
1制御盤
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2呼水装置
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3水温上昇防止用逃し配管
step
4ポンプ性能試験装置
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5起動用水圧開閉装置
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6フート弁
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7その他必要な機器
この講義では、「どの装置が、どの状態で働くか」を水の流れに沿って整理します。
装置名は「何を検知・防止・試験するか」と「逆止弁の一次側か二次側か」で覚える。
現在地:水理・構造・工事整備4(4/12)|この講義5問・単元全36問
水理・構造・工事整備|全12講義・36問
🧭圧力計と連成計
ポンプに設ける計器は、次の組合せです。
| 取付位置 | 計器 | 確認する値 |
|---|---|---|
| 吐出側 | 圧力計 | ポンプが送り出す側の正圧 |
| 吸込側 | 連成計 | 正圧と負圧の両方 |
連成計は、圧力計と真空計の測定範囲を1台に連成した計器です。
水源の水面がポンプより低い場合、吸込側は負圧になります。一方、押込み水頭があれば正圧になることもあります。どちらにも対応するため、吸込側は連成計です。
告示は、ポンプの圧力計と連成計に、JIS B 7505-1の1.6級またはそれと同等以上の精度も求めています。
消防法施行規則第12条第1項第7号ハ(ホ)は、ポンプの吐出側に圧力計、吸込側に連成計を設けるよう定めています。平成9年消防庁告示第8号第6第8号は、両計器の精度を定めています。
「吐出側→圧力計」「吸込側→連成計」。左右を入れ替えた選択肢に注意する。
⚙グランドパッキンとメカニカルシール
ポンプの軸がケーシングを貫く部分には、内部の水が外へ過大に漏れないように軸封装置を設けます。
| 比較 | グランドパッキン | メカニカルシール |
|---|---|---|
| 基本構造 | パッキンをスタッフィングボックスに詰め、グランドで締める | 回転環と固定環のしゅう動面で密封する |
| 漏れ | 潤滑と冷却に必要な滴下を残す | 極少量に抑える |
| 軸の回転 | 締め付けによる抵抗が比較的大きい | 回転動力の損失を抑える |
| 保守 | 漏れ量の調整や交換が必要 | 構成は精密だが、一般に高密封・長寿命 |
グランドパッキンは、漏水を完全にゼロにするまで締めません。漏れ量を極端に絞ると発熱、焼付き、異常摩耗の原因になります。
現行の消防用設備等点検要領も、グランド部は「著しい漏水がないこと」とし、全く漏水がない状態まで締め付けないよう注記しています。
総務省消防庁の消防用設備等点検要領はグランド部の判定と締付け上の注意を示しています。イーグル工業の技術解説は、グランドパッキンが潤滑のための漏れを要し、メカニカルシールは漏れと動力損失を抑えることを説明しています。
漏れ量は「グランドパッキンが多い、メカニカルシールが少ない」。逆の組合せが誤り。
💧 呼水装置
水源の水位がポンプより低いとポンプと吸水管内に空気が残ります。遠心ポンプは空気だけでは水を吸い上げられないため、運転前にポンプと配管を水で満たします。これが呼水です。
呼水装置の構成
- 呼水槽
- 溢水用排水管
- 排水管(止水弁を含む)
- 呼水管(逆止弁と止水弁を含む)
- 減水警報装置の発信部
- 自動給水装置
この構成品リストに「水位計」はありません。
ただし、減水を検出する発信部は必要です。フロートスイッチまたは電極により、呼水槽の貯水量が有効水量の2分の1となる前に警報信号を発します。
呼水槽の数値
| 項目 | 基準 |
|---|---|
| 呼水槽の有効水量 | 100L以上 |
| フート弁の呼び径150以下 | 50L以上とできる |
| 減水警報 | 有効水量の1/2となる前 |
| 補給水管の口径 | 呼び15以上 |
| 溢水用排水管の口径 | 呼び50以上 |
| 呼水管の口径 | 呼び40以上 |
平成9年消防庁告示第8号第6第2号は、呼水装置の構成、有効水量、配管口径、減水警報、自動補給を定めています。構成品に水位計は含まれません。
呼水槽は「100L、条件付き50L、1/2の前に警報」。水位計は構成品ではない。
🌡逃し配管と性能試験配管
逃し配管と性能試験配管は、どちらもポンプ吐出側逆止弁の一次側に接続します。ただし、目的が違います。
| 装置 | 主に使う運転状態 | 目的 | 主な構成 |
|---|---|---|---|
| 水温上昇防止用逃し配管 | 締切運転 | ポンプ内部の水温上昇を防ぐ | オリフィス、止水弁、呼び15以上 |
| ポンプ性能試験装置 | 定格負荷運転 | 吐出量と全揚程を確認 | 流量調整弁、差圧式流量計等 |
「締切運転で性能を試験する」「定負荷運転で水温を下げる」と入れ替えた選択肢は誤りです。
締切運転は、吐出側の弁を閉止して吐出量を0とした運転です。送水されないままポンプが回転すると水温が上がるため、逃し配管で必要量を流します。
消防法施行規則第12条第1項第7号ハ(ヘ)・(ト)と平成9年消防庁告示第8号第6第3号・第4号。性能試験は定格負荷運転時、逃し配管は締切運転時に働く目的で設けます。
「定格負荷→性能試験」「締切運転→水温上昇防止」。
🪣 圧力水槽方式
圧力水槽方式は、水槽に加えられた気体の圧力を利用して送水する方式です。
圧力水槽の水量は、水槽体積の3分の2以下とします。上部に加圧用気体(圧縮空気、窒素ガス等)の体積を確保し、その圧力で水を押し出すためです。
圧力水槽に必要な構成
- 圧力計
- 水位計
- 排水管
- 補給水管
- 給気管
- マンホール
呼水装置と違い、圧力水槽には水位計が明文で要求されています。
消防法施行規則第12条第1項第7号ロ(ロ)は、圧力水槽の水量をその体積の3分の2以下としています。同(ハ)は圧力計、水位計、排水管、補給水管、給気管及びマンホールを要求します。
圧力水槽は「水2/3以下、加圧用気体1/3以上」。水位計あり。
🔘起動用水圧開閉装置
起動用水圧開閉装置は、配管内の圧力低下を検知し、ポンプを自動起動させる装置です。
主な構成は次のとおりです。
- 起動用圧力タンク
- 起動用水圧開閉器(圧力スイッチ)
- 圧力計
- ポンプ起動試験用の排水弁
圧力スイッチは、配管内の水圧が低下して入切圧力差目盛に達するとONになり、ポンプ起動信号を送ります。
起動用圧力タンクは、ポンプ吐出側逆止弁の二次側に、呼び25以上の止水弁付き配管で接続します。容量は100L以上ですが、吐出側主配管の止水弁が呼び150以下なら50L以上とできます。
3つの水槽・タンクを比較
| 名称 | 主な役割 | 試験で見分ける語 |
|---|---|---|
| 呼水槽 | ポンプ・配管に充水 | 水源がポンプより低い、減水警報 |
| 圧力水槽 | 加圧用気体の圧力で送水 | 水2/3以下、水位計、給気管 |
| 起動用圧力タンク | 配管の圧力低下を検知しポンプを起動 | 圧力スイッチ、起動試験用排水弁 |
平成9年消防庁告示第8号第2第9号と第6第5号。起動用水圧開閉装置の定義、容量、接続位置、必要機器、設定圧力を定めています。
起動用圧力タンクは「逆止弁の二次側」。逃し配管・性能試験配管は「一次側」。
⛽ 内燃機関の性能
ポンプ方式の加圧送水装置で内燃機関を用いる場合は、次の数値を区別します。
| 項目 | 基準 |
|---|---|
| 起動信号から定格吐出量まで | 40秒以内 |
| 燃料での連続運転 | 定格負荷で30分以上 |
| セルモーターの1回の始動 | 10秒 |
| 始動回数 | 3回以上 |
| 各始動間の間隔 | 5秒 |
| 蓄電池 | 上記始動が可能な容量、常時充電可能な充電器付き |
頻出の入れ替えは、40秒を60秒とする誤りです。
燃料タンクは30分以上ですが、定格吐出量までの立ち上がりは40秒以内です。「40秒」と「30分」は単位ごと覚えます。
平成9年消防庁告示第8号第5第5号。内燃機関の保護、40秒以内、セルモーターの始動条件、燃料タンクの30分以上を定めています。
「定格吐出量まで40秒以内」「10秒×3回以上、間隔5秒」「定格負荷30分以上」。
⚠よく出る注意ポイント
- 吐出側に連成計、吸込側に圧力計を設ける → 逆
- グランドパッキンは漏れが少なく、メカニカルシールは多い → 逆
- グランド部の漏水を完全に止める → 過締付けに注意
- 呼水装置に水位計を要求する → 告示の構成品ではない
- 呼水装置に減水警報は不要 → 必要
- 締切運転で性能試験をする → 性能試験は定格負荷運転
- 定格負荷運転で水温上昇を防ぐ → 逃し配管は締切運転時
- 圧力水槽の水量は2/3以上 → 2/3以下
- 起動用圧力タンクを逆止弁の一次側に接続 → 二次側
- 内燃機関が定格吐出量まで到達する時間は60秒以内 → 40秒以内
✍過去問で確認しよう
この単元の収録過去問は、全部で5問です。
屋内消火栓設備に設けるポンプを用いる加圧送水装置について、正しいものは次のうちどれか。
- 原動機はガソリンエンジン又はディーゼルエンジンによること。
- ポンプには、その吐出側に圧力計、吸込側に連成計を設けること。
- 加圧送水装置には、主として締切運転時におけるポンプの性能を試験するための配管を設けること。
- 加圧送水装置には、主として定負荷運転時における水温上昇防止のための逃し配管を設けること。
加圧送水装置のポンプにおいて、軸封装置のグランドパッキンとメカニカルシールの特徴として、不適切な組合せは次のうちどれか。
| 選択肢 | 比較項目 | グランドパッキン | メカニカルシール |
|---|---|---|---|
| 1 | 構造 | 簡単 | 複雑 |
| 2 | 寿命 | 短い | 長い |
| 3 | 漏洩量 | 少ない | 多い |
| 4 | 動力損失 | 大きい | 小さい |
水源の水位がポンプより低い位置にある加圧送水装置に設ける呼水装置について、消防法令に設けられていないものは、次のうちどれか。
- 呼水装置には、専用の呼水槽を設けなければならない。
- 呼水槽の容量は、加圧送水装置を有効に作動するものでなければならない。
- 呼水槽には減水警報装置及び呼水槽へ水を自動的に補給するための装置を設けなければならない。
- 呼水装置には、水位計を設けなければならない。
屋内消火栓設備の加圧送水装置として設ける圧力水槽の水量の基準として、消防法令に定められているものは次のうちどれか。
- 水量は、当該圧力水槽の体積の3/4以下であること。
- 水量は、当該圧力水槽の体積の2/3以下であること。
- 水量は、当該圧力水槽の体積の2/3以上であること。
- 水量は、当該圧力水槽の体積の3/4以上であること。
ポンプ式の加圧送水装置の内燃機関に関する記述について、誤っているものは次のうちどれか。
- 燃料タンクは、定格負荷の状態で30分以上運転することができる量の燃料を保有し、かつ、燃料タンク内の燃料の量が確認できる構造であること。
- 外部から容易に人が触れることができる充電部及び駆動部は、安全上支障のないように保護されていること。
- 起動信号を受けてから定格吐出量に達するまでの時間は、60秒以内であること。
- セルモーターに用いる蓄電池は、各始動間に5秒の間隔を置いて10秒の始動を3回以上行えるものとし、常時充電可能な充電器を設けること。
まとめ
- ポンプの吐出側に圧力計、吸込側に連成計
- グランドパッキンは滴下が必要で、メカニカルシールより漏洩量が多い
- 呼水装置はポンプと配管を水で満たす装置
- 呼水装置に減水警報と自動補給は必要だが、水位計の要求はない
- 性能試験配管は定格負荷運転、逃し配管は締切運転
- 圧力水槽の水量は体積の2/3以下で、水位計が必要
- 起動用圧力タンクは圧力低下を検知し、ポンプを自動起動させる
- 起動用圧力タンクは吐出側逆止弁の二次側
- 内燃機関は起動信号から定格吐出量まで40秒以内
- 蓄電池は10秒の始動を3回以上、間隔5秒、燃料は定格負荷30分以上
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