ポンプは、回転しただけでは合格ではありません。
必要な吐出量と全揚程が出ること運転中に異常がないこと設備の各部が火災時に確実に働くことまで確認して、初めて正常と判定できます。
これから覚える3つ
- 性能試験装置を使って、ポンプの吐出量と全揚程を測る
- 症状から、送水不能や吐出量低下の原因を絞る
- 点検要領に従い、機器・表示・作動状態を判定する
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1性能試験装置を使って、ポンプの吐出量と全揚程を測る
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2症状から、送水不能や吐出量低下の原因を絞る
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3点検要領に従い、機器・表示・作動状態を判定する
性能試験は「水を流す」「流量を測る」「吐出側と吸込側の圧力から全揚程を確かめる」の3動作。
現在地:水理・構造・工事整備5(5/12)|この講義5問・単元全36問
水理・構造・工事整備|全12講義・36問
最新ver.の過去問情報は、青木マーケ(株)noteの消防設備士1類甲種「過去問テスト」・乙種「過去問テスト」で毎年更新しています。
併せて、ご参照ください。
🧪ポンプ性能試験装置
ポンプを用いる加圧送水装置には、定格負荷運転時のポンプ性能を試験する機構を設けます。
一般的な試験の流れは次のとおりです。
- ポンプ吐出側の主配管にある止水弁を閉じる
- 性能試験配管の流量調整弁を開き、試験配管へ水を流す
- 流量計で吐出量を読む
- 吐出側の圧力計と吸込側の連成計を読み、全揚程を確認する
- 流量調整弁の開度を変え、必要な運転点を確認する
性能試験で使うもの
| 機器 | 役割 |
|---|---|
| 仕切弁・止水弁 | 主配管側を閉止し、試験水路を切り替える |
| 流量調整弁 | 試験流量を変化させる |
| 流量計 | 吐出量を測定する |
| 圧力計 | 吐出側の圧力を測定する |
| 連成計 | 吸込側の正圧又は負圧を測定する |
逆止弁は送水の逆流を防ぐ重要な機器ですが、この過去問が問う「ポンプ性能を試験する装置」の測定・調整機器には該当しません。
平成9年消防庁告示第8号第6第4号は、定格負荷運転時の性能試験機構を定めています。消防庁の屋内消火栓設備点検要領は、流量計・圧力計・連成計により性能を確認する点検方法を示しています。
逆止弁の役割は「逆流防止」。性能を測る計器と混同しない。
📈 ポンプの性能曲線
横軸に吐出量、縦軸に全揚程をとると一般的な遠心ポンプは吐出量が増えるほど全揚程が下がる曲線になります。
消防用ポンプでは、次の3点を区別します。
| 運転点 | 吐出量 | 全揚程の基準 |
|---|---|---|
| 締切運転 | 0% | 定格全揚程の140%以下 |
| 定格運転 | 100% | 定格全揚程の100%以上110%以下 |
| 過負荷運転 | 150% | 定格全揚程の65%以上 |
定格吐出量400L/minのポンプで600L/minを吐出すると流量比は次のようになります。
600 ÷ 400 × 100 = 150%
したがって、全揚程は定格全揚程の65%以上必要です。
平成9年消防庁告示第8号第5第3号は、締切運転時、定格負荷運転時及び定格吐出量の150%時の全揚程を定めています。
「0%→140%以下」「100%→100〜110%」「150%→65%以上」を性能曲線上の3点で覚える。
🔄回転数と吐出量の関係
同一のポンプで条件が同じなら、ポンプの吐出量は回転数にほぼ比例します。
回転数を N、吐出量を Q、全揚程を H、軸動力を P とすると相似則は次の関係です。
Q ∝ NH ∝ N²P ∝ N³
したがって、回転数が規定値を若干超えている状態は、一般には吐出量をわずかに増加させる方向です。「吐出量が減少する、又は揚水不能となる原因」にはなりません。
ただし、規定回転数を超えた運転を推奨する意味ではありません。機器は所定の回転数で運転し、異常な高回転は是正します。
酉島製作所の回転速度制御の技術解説は、ポンプ吐出し量が回転速度に比例し、軸動力が回転速度の3乗に比例する関係を示しています。
「高回転だから不適切」と即断せず、問題が機器の良否と流量変化のどちらを聞いているか確認する。
🔎 吐出量低下・揚水不能の原因
原因を暗記する前に、水がポンプへ入り、羽根車から送り出される経路に沿って診断します。
| 原因 | ポンプで起きること | 結果 |
|---|---|---|
| 吸水高さが高過ぎる | 吸込側の圧力が下がり、十分に吸い上げにくい | 吐出量低下、揚水不能、キャビテーション |
| フート弁ストレーナの詰まり | 吸込抵抗が増える | 吐出量低下、揚水不能 |
| ポンプの逆回転 | 羽根車が設計方向に水へエネルギーを与えられない | 吐出量・全揚程低下 |
| 吸込管・軸封部からの空気吸込み | 羽根車周辺に空気がたまる | 呼水不能、揚水不能 |
| 回転数が若干高い | 吐出量は増加方向 | 吐出量低下の原因ではない |
「水が来ない」ときは吸込側、「回るが圧力が出ない」ときは回転方向・羽根車・弁・配管抵抗を順に確認すると整理しやすくなります。
吐出量低下は「吸込条件・閉塞・空気・回転方向」を先に疑う。
💧 グランド部の点検
グランドパッキンは、パッキン自体の冷却と潤滑のため、運転時に若干の漏水を必要とします。
点検要領の判定は「著しい漏水がないこと」です。漏水を完全に止めるまで強く締め付けることではありません。
過度に締め付けると次の不具合につながります。
- パッキンと軸の摩擦増加
- 発熱
- 軸又はスリーブの摩耗
- 焼付き
- 電動機負荷の増加
ナットは片締めを避け、左右を均等に少しずつ調整します。
消防庁の屋内消火栓設備点検要領は、グランド部について著しい漏水がないことを判定基準とし、全く漏水がない状態まで締め付けないよう注意を示しています。
グランド部は「大量漏水も不可、滴下ゼロも不可」。
🧰機器点検と総合点検
消防用設備等の点検は、大きく機器点検と総合点検に分けて整理できます。
| 区分 | 確認の考え方 | 例 |
|---|---|---|
| 機器点検 | 外観、機能、簡易な操作で各機器の状態を確認 | 弁、表示、ポンプ、電動機、呼水装置 |
| 総合点検 | 設備を作動させ、設備全体の機能を確認 | 放水圧力、放水量、表示・警報、起動連動 |
実際の点検では、同じ機器でも外観だけでなく、作動や測定値まで確認することがあります。試験では「何を、どの方法で確認し、どの状態なら良好か」を一組で覚えます。
点検問題は「点検項目・点検方法・判定方法」の3列で読む。
🚿 スプリンクラー設備の点検
スプリンクラー設備では、設備本体だけでなく、設置後の間仕切りや棚、表示、補助散水栓まで確認します。
頻出の4チェック
- ヘッドの未警戒部分
間仕切り、たれ壁、ダクト、棚などの変更・新設により、ヘッドの警戒が届かない部分が生じていないこと。
- 送水口の標識
スプリンクラー設備用送水口である旨と送水圧力範囲を示す標識が、見やすい箇所に適正に設けられていること。
- 呼水槽の自動給水
排水操作により、呼水槽の水量が2分の1に減水するまでの間に自動給水装置が作動すること。
- 補助散水栓の表示灯
取付け面と15度以上の角度となる方向に沿って、10m離れた位置から容易に識別できること。
「5m離れた位置から識別できれば正常」とする選択肢は誤りです。数値は10mです。
消防庁のスプリンクラー設備点検要領は、ヘッドの未警戒部分、送水口標識、呼水槽の自動給水装置及び補助散水栓表示灯の点検方法・判定方法を示しています。
補助散水栓の表示灯は「15度以上の方向・10mから識別」。
⚠よく出る注意ポイント
- 性能試験装置に逆止弁を使う → 逆止弁は逆流防止
- 定格吐出量の150%時に、定格全揚程の150%が必要 → 65%以上
- 回転数が若干高いと吐出量が減少する → 吐出量は増加方向
- グランド部は漏水を完全に止める → 若干の漏水が必要
- 機器点検はすべて目視だけで行う → 操作・作動確認を伴う項目もある
- 呼水槽の自動給水は水量が1/2になってから作動 → 1/2に減水するまでの間
- 補助散水栓表示灯は5mから識別 → 10m
✍過去問で確認しよう
この単元の収録過去問は、全部で5問です。
ポンプを用いる加圧送水装置には、定格負荷運転時におけるポンプの性能を試験するための機構を設けることとなっているが、当該装置に使用されないものは次のうちどれか。
- 仕切弁
- 圧力計
- 逆止弁
- 流量計
定格吐出量が400L/minの屋内消火栓設備用ポンプを運転し、600L/minの水を吐出する場合の全揚程として、技術上の基準に定められているものは次のうちどれか。
- 定格全揚程の50%以上
- 定格全揚程の65%以上
- 定格全揚程の75%以上
- 定格全揚程の90%以上
ポンプを用いた加圧送水装置において、ポンプの吐出量が減少するか、又は揚水が不能となる原因として、考えられないものは次のうちどれか。
- ポンプの吸水高さが高過ぎる。
- 吸水管に設けてあるフート弁のストレーナに異物が付着している。
- ポンプの回転方向が逆になっている。
- ポンプの回転数が規定回転数を若干超えている。
屋内消火栓設備の点検に関する次の記述について、消防法令上、誤っているものは次のうちどれか。
- 表示、警報が適正に行われたことを確認した。
- 放水後の停止状態でポンプのシャフト部分から漏水があったので、グランドパッキンをしっかりと締め付け、漏水を完全に止めた。
- 加圧送水装置が確実に作動することを確認した。
- 機器点検で電動機の軸継手を確認し、緩み等がなく機能が正常であるため良好と判断した。
スプリンクラー設備の機器点検に関する次の記述について、誤っているものは次のうちどれか。
- 間仕切りの新設により未警戒部分が生じたため、不良とした。
- 送水口の直近の見やすい箇所に、送水圧力範囲を表示した標識がないため、不良とした。
- 呼水槽から排水を行い、呼水槽の水量が2分の1に減水するまでの間に自動給水装置が作動したため、正常とした。
- 補助散水栓の表示灯が、取付け面と15度以上の角度となる方向に沿って5m離れたところから容易に識別できるため、正常とした。
まとめ
- 性能試験は流量計・圧力計・連成計を使い、吐出量と全揚程を確認する
- 逆止弁は逆流防止の機器であり、性能を測る計器ではない
- 締切運転は全揚程140%以下、定格運転は100〜110%、150%流量時は65%以上
- 吐出量は回転数にほぼ比例する
- 吸水高さ過大、ストレーナ詰まり、逆回転は吐出量低下・揚水不能の原因になる
- グランドパッキンは若干の漏水を必要とし、滴下ゼロまで締めない
- 点検問題は「点検項目・点検方法・判定方法」を一組で読む
- 呼水槽の自動給水は水量が2分の1に減水するまでの間に作動する
- 補助散水栓表示灯は、取付け面と15度以上の方向に沿って10mから識別できること
消防設備士「過去問テスト」は、その名の通り“過去に出た問題” のテストです。
ブログでお馴染みの管理人が過去問に関する情報収集を積み重ね、その中からピックアップして過去問ベースの模擬試験を作成したものです。
上記以外に新傾向問題の情報など提供があり次第、解説を毎年追記して更新しています。これから消防設備士の試験を受けられる方は是非ご覧下さい。
それでは続いて【過去問】消防設備士甲1・乙1の工事整備②|配管・管継手・弁・支持・溶接の過去問をみていきましょう。
水理・構造・工事整備|全12講義・36問








