【過去問】消防設備士甲1・乙1の構造⑤|屋外消火栓・水噴霧消火設備

【過去問】消防設備士甲1・乙1の構造⑤|屋外消火栓・水噴霧消火設備

屋外消火栓設備と水噴霧消火設備は、どちらも大量の水を使いますが、放水の仕組みは大きく異なります。

これから覚える2つ

  1. 屋外消火栓:人がホースとノズルを使って建築物へ放水する
  2. 水噴霧消火設備:固定した多数のヘッドから、防護対象物や床面へ水を霧状に放射する

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屋外消火栓:人がホースとノズルを使って建築物へ放水する

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水噴霧消火設備:固定した多数のヘッドから、防護対象物や床面へ水を霧状に放射する

この講義では、設備を操作する順に整理します。

  1. 屋外消火栓の地上式・地下式
  2. 開閉弁とホース接続口の位置
  3. ホース格納箱、標識、始動表示灯
  4. 水平距離と放水性能
  5. 水噴霧設備の起動、一斉開放弁、噴霧ヘッド、排水

強欲な青木
屋外にある赤い箱なら、箱の表面は全部「消火栓」でよいですか。

屋外消火栓箱は放水用器具を納める箱なので、表面表示は「ホース格納箱」です。消火栓本体の直近には別に「消火栓」の標識を設けます。
消防設備士

屋外消火栓と水噴霧の全体系統

屋外消火栓は「人がホース放水」、水噴霧は「固定ヘッドが面へ放射」。

 

 

現在地:水理・構造・工事整備8(8/12)|この講義4問・単元全36問

水理・構造・工事整備|全12講義・36問



 

🚒 屋外消火栓設備の構成

屋外消火栓設備は、次の機器で構成します。

  1. 水源
  2. 加圧送水装置
  3. 配管、弁、呼水装置、非常電源
  4. 地上式又は地下式の屋外消火栓
  5. 屋外消火栓箱
  6. ホース、ノズル、結合金具
  7. 起動装置、始動表示灯

火災時は、ホース格納箱から放水用器具を取り出し、屋外消火栓のホース接続口へ結合して、加圧送水装置を起動し、開閉弁を開いて放水します。

消防庁の現行点検要領では、屋外消火栓箱の位置・扉・表示、ホースとノズルの外形・接続、消火栓本体、開閉弁、始動表示灯を分けて確認します。

屋外消火栓の操作フロー

強欲な青木
ホース格納箱の中に、屋外消火栓本体も必ず入っていますか。

別置きの場合があります。箱は放水用器具を格納し、原則として消火栓から歩行距離5m以内に置きます。
消防設備士

消防法施行令第19条及び消防法施行規則第22条は、屋外消火栓、放水用器具、格納箱、始動表示灯、加圧送水装置等の基準を定めています。

屋外消火栓本体と屋外消火栓箱は、同じものとは限らない。

 

 

📏開閉弁とホース接続口の位置

屋外消火栓の寸法問題は、1.5・0.6・0.3の3数値を位置と対応させます。

部位 設置位置
開閉弁を地盤面より上に設ける 地盤面から高さ1.5m以下
開閉弁を地盤面下に設ける 地盤面から深さ0.6m以内
地盤面下のホース接続口 地盤面から深さ0.3m以内

開閉弁の地下深さを0.8m以内とする選択肢は誤りです。

ホース接続口は、ホースを確実に結合できるよう、開閉弁より浅い0.3m以内にします。

地上式・地下式の寸法断面

強欲な青木
地下式なら、開閉弁もホース接続口も0.6m以内でよいですか。

開閉弁は0.6m以内ですが、ホース接続口はさらに浅い0.3m以内です。
消防設備士

消防法施行規則第22条第1号は、開閉弁を地盤面から高さ1.5m以下又は深さ0.6m以内、地下式のホース接続口を深さ0.3m以内としています。

1.5=地上の弁、0.6=地下の弁、0.3=地下の接続口

 

 

🧰ホース格納箱と2つの表示

屋外消火栓箱は、屋外消火栓設備の放水用器具を格納する箱です。

 

箱の位置

原則として、屋外消火栓からの歩行距離が5m以内の箇所に設けます。

ただし、屋外消火栓に面する建築物の外壁の見やすい箇所に設ける場合は、5m以内の規定に例外があります。

 

表示の違い

対象 表示
屋外消火栓箱の表面 ホース格納箱
屋外消火栓本体の直近・見やすい箇所 消火栓

「消火栓格納箱」という表示は、2つの言葉を混ぜた誤りです。

 

始動表示灯

加圧送水装置の始動を明示する表示灯は赤色とし、屋外消火栓箱の内部又はその直近に設けます。

箱・標識・表示灯の配置

強欲な青木
箱の表面を「消火栓格納箱」にすると内容が一番伝わりやすいですよね。

法令上の表示は「ホース格納箱」です。消火栓本体側の標識が「消火栓」です。
消防設備士

消防法施行規則第22条第2号から第4号は、屋外消火栓箱の歩行距離、赤色の始動表示灯、箱表面の「ホース格納箱」、消火栓直近の「消火栓」標識を定めています。

箱は「ホース格納箱」、本体直近は「消火栓」、両者の原則距離は歩行5m。

 

 

📐水平距離40mとホース経路

屋外消火栓は、建築物の各部分から一つのホース接続口までの水平距離が40m以下となるように配置します。

50mではありません。

水平距離40mは、屋外消火栓本体から建築物各部までを平面上で測る配置基準です。一方、屋外消火栓箱の5mは、消火栓本体から箱まで実際に歩く経路で測る歩行距離です。

また、消防用ホースは、ホース接続口から水平距離40mの範囲内にある建築物の各部分へ有効に放水できる長さとします。水平距離40mを、そのままホース長40mと読み替えてはいけません。

水平40mと歩行5mの平面図

強欲な青木
40mも5mも、どちらも最短の直線距離ですか。

40mは水平距離、5mは歩行距離です。問題文の距離の種類を先に確認してください。
消防設備士

消防法施行令第19条第3項第1号・第2号は、水平距離40m以下の配置とその範囲へ有効に放水できるホース長を定めています。

建築物まで水平40m、格納箱まで歩行5m

 

 

💧 放水性能と減圧

屋外消火栓は、すべてを同時に使用したとき、設置個数が2を超える場合は2個を同時使用するものとして性能を確保します。

それぞれのノズル先端で必要な性能は、次のとおりです。

項目 基準
放水圧力 0.25MPa以上
放水量 350L/min以上
同時使用数 最大2個

さらに、ノズル先端の放水圧力が0.6MPaを超えないための措置が必要です。

消防庁の現行点検要領では、任意の屋外消火栓で放水し、圧力0.25MPa以上0.6MPa以下、放水量350L/min以上を確認します。

屋外消火栓の放水性能

強欲な青木
0.25MPa以上なら、圧力は高いほどよいのですか。

過大圧力は扱いにくく危険です。0.6MPaを超えない措置も必要です。
消防設備士

消防法施行令第19条第3項第4号、消防法施行規則第22条及び消防庁点検要領は、0.25MPa以上・350L/min以上、0.6MPa超過防止及び総合点検方法を示しています。

屋外消火栓は「0.25以上・0.6以下・350以上・最大2個」。

 

 

🌧️ 水噴霧消火設備の作動

水噴霧消火設備は、水を細かな粒子にして固定ヘッドから放射し、火炎の冷却、周囲からの放射熱の遮断、防護対象物の表面冷却などを行う設備です。

代表的な作動の流れは、次のとおりです。

  1. 火災感知用ヘッド又は自動火災報知設備の感知器が作動する
  2. 一斉開放弁が開く
  3. 流水検知装置が作動する
  4. 加圧送水装置が起動する
  5. 開いた放射区域の水噴霧ヘッドから放射する

一つの一斉開放弁によって同時に放射する区域を、放射区域といいます。

一斉開放弁の二次側の金属配管には、亜鉛めっき等の防食処理が必要です。普段水がない部分でも、放射後の残水や湿気による腐食を考えます。

水噴霧設備の作動シーケンス

強欲な青木
水噴霧ヘッドは、スプリンクラーヘッドのように一個ずつ熱で開くのですか。

代表的な構成では、感知と一斉開放弁の作動により、放射区域の開放型ヘッドから一斉に放射します。
消防設備士

消防法施行規則第16条及び消防庁技術資料は、放射区域、一斉開放弁、起動装置、流水検知装置、配管防食及び放射までの流れを示しています。

水噴霧は「感知→一斉開放弁→流水検知→ポンプ→ヘッド放射」。

 

 

🛠️ 噴霧ヘッドと排水設備

水噴霧ヘッドは、防護対象物の表面や放射区域へ適正な分布で水を放射できるように配置します。

点検では、次を確認します。

  • ヘッドに変形、損傷、著しい腐食がない
  • ヘッドを他の物の支えや吊り材に使っていない
  • 周囲に散水分布を妨げる障害物がない
  • 塗装や異物の付着がない
  • 間仕切り、たれ壁、ダクト、棚の変更で未警戒部分が生じていない
  • 一斉開放弁が確実に開放する

駐車場などでは大量の水と油分を処理するため、排水設備も設備の一部です。

  • 排水溝・集水管:損傷、詰まりがない
  • 区画境界堤:水や油分が他区画へ流れ出ないようにする
  • 消火ピット:ごみ等の詰まりがなく、油分離装置が正常に働く
噴霧分布と排水断面

強欲な青木
ヘッドから水が出れば、床の排水は建築設備側の話ではないですか。

水噴霧では放射後の水と油分を安全に処理するところまでが重要です。排水溝、境界堤、消火ピットも点検します。
消防設備士

強欲な青木
ヘッドの近くにダクトが増えても、ノズル自体が正常なら合格ですか。

散水分布が遮られ、未警戒部分ができれば不適合です。周囲の変更も確認します。
消防設備士

消防庁の水噴霧消火設備点検要領は、水噴霧ヘッドの外形、散水分布障害、未警戒部分、一斉開放弁を点検対象としています。

同点検要領は、排水溝・集水管、区画境界堤、消火ピット及び油分離装置の状態を排水設備として確認します。

水噴霧は、ヘッドだけでなく放射区域・弁・配管・排水を一系統で見る。

 

 

⚠よく出る注意ポイント

  1. 開閉弁の地下深さは0.8m以内 → 0.6m以内
  2. 地下式ホース接続口は0.6m以内 → 0.3m以内
  3. 屋外消火栓の水平距離は50m → 40m以下
  4. 屋外消火栓箱まで水平距離5m → 原則として歩行距離5m以内
  5. 箱表面は「消火栓格納箱」 → 「ホース格納箱」
  6. 消火栓本体の直近標識は「ホース格納箱」 → 「消火栓」
  7. 始動表示灯は白色 → 赤色
  8. 屋外消火栓は0.17MPa・130L/min → 0.25MPa・350L/min
  9. 放水圧力は高いほどよい → 0.6MPaを超えない措置が必要
  10. 水噴霧は放射だけ確認 → 散水障害、未警戒、排水設備まで確認

 

 

✍過去問で確認しよう

この単元の収録過去問は、全部で4問です。

 

屋外消火栓設備の設置又は維持に関する技術上の基準について、消防法令上、誤っているものは次のうちどれか。

  1. 屋外消火栓の開閉弁は、地盤面からの高さが1.5m以下の位置又は地盤面からの深さが0.8m以内の位置に設けなければならない。
  2. 屋外消火栓設備に備える放水用器具を格納する箱は、屋外消火栓からの歩行距離が5m以内の箇所に設けなければならない。
  3. 加圧送水装置の始動を明示する表示灯は、赤色とし、かつ屋外消火栓箱の内部又はその直近の箇所に設けなければならない。
  4. 屋外消火栓箱は、その表面に「ホース格納箱」と表示しなければならない。

 

屋外消火栓設備の設置に関する技術上の基準について、消防法令上、誤っているものは次のうちどれか。

  1. 屋外消火栓の開閉弁は、地盤面からの高さが1.5m以下の位置に設けなければならない。
  2. 屋外消火栓の開閉弁は、地盤面からの深さが0.8m以内の位置に設けなければならない。
  3. 地盤面下に設けられる屋外消火栓のホース接続口は、地盤面からの深さが0.3m以内の位置に設けなければならない。
  4. 屋外消火栓には、その直近の見やすい箇所に「消火栓」と表示した標識を設けなければならない。

 

屋外消火栓設備の設置について、消防法令上、誤っているものは次のうちどれか。

  1. 屋外消火栓は、建築物の各部分から一のホース接続口までの水平距離が50mとなるように設けた。
  2. 屋外消火栓箱は、屋外消火栓からの歩行距離が5m以内の箇所に設けた。
  3. 加圧送水装置の始動を明示する表示灯は赤色とし、屋外消火栓箱の内部に設けた。
  4. 屋外消火栓の開閉弁を地盤面からの深さが0.6mの位置に、屋外消火栓のホース接続口を地盤面からの深さ0.3mの位置に設けた。

 

屋外消火栓の開閉弁及びホース接続口について、次の文中の(ア)から(ウ)に当てはまる数値の組合せとして、消防法令上、正しいものはどれか。

  1. 屋外消火栓の開閉弁は、地盤面からの高さが(ア)m以下の位置又は地盤面からの深さが(イ)m以内の位置に設けること。
  2. 地盤面下に設けられる屋外消火栓のホース接続口は、地盤面からの深さが(ウ)m以内の位置に設けること。
選択肢 (ア) (イ) (ウ)
1.5 0.5 0.5
1.5 0.6 0.3
1.2 0.6 0.5
1.2 0.5 0.3

 

 

まとめ

  • 屋外消火栓の開閉弁:地上高さ1.5m以下又は地下深さ0.6m以内
  • 地下式のホース接続口:深さ0.3m以内
  • 屋外消火栓箱:原則として消火栓から歩行距離5m以内
  • 箱表面は「ホース格納箱」、消火栓直近の標識は「消火栓」
  • 建築物各部からホース接続口まで水平距離40m以下
  • 放水性能は0.25MPa以上・350L/min以上、0.6MPaを超えない措置
  • 水噴霧は、感知、一斉開放弁、流水検知、ポンプ、ヘッド、排水を一系統で見る

屋外消火栓は、1.5・0.6・0.3・5・40を、単位と距離の種類まで付けて覚えましょう。

 

➡次に進みましょう

強欲な青木
次はどこへ進めばいいですか?

水理・構造・工事整備の8/12講義が終了です。次は「湿式・乾式・予作動式・開放型」を学習します。
消防設備士

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