【過去問】消防設備士甲1・乙1の構造⑥|湿式・乾式・予作動式・開放型

【過去問】消防設備士甲1・乙1の構造⑥|湿式・乾式・予作動式・開放型

スプリンクラー設備の方式は、平常時に「弁の一次側と二次側へ何が入っているか」で整理すると分かりやすくなります。

これから覚える4つ

  1. 湿式:一次側も二次側も加圧水
  2. 乾式:一次側は加圧水、二次側は加圧空気
  3. 予作動式:一次側は加圧水、標準型の二次側は空気。感知部と連動
  4. 開放型:一斉開放弁まで加圧水、二次側は大気圧。開放型ヘッドを使用

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湿式:一次側も二次側も加圧水

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乾式:一次側は加圧水、二次側は加圧空気

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予作動式:一次側は加圧水、標準型の二次側は空気。感知部と連動

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開放型:一斉開放弁まで加圧水、二次側は大気圧。開放型ヘッドを使用

この講義では、平常時、火災時、復旧時の3場面で違いを追います。

強欲な青木
乾式は、水を使わず空気だけで消火する方式ですか。

消火時には水を放射します。乾式なのは平常時の二次側配管で、最初に圧縮空気を排出してから水が入ります。
消防設備士

4方式の平常時断面比較

まず二次側を見る。水なら湿式、加圧空気なら乾式、感知連動なら予作動式、開放ヘッドなら開放型。

 

 

現在地:水理・構造・工事整備9(9/12)|この講義3問・単元全36問

水理・構造・工事整備|全12講義・36問


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>> 甲種1類「過去問テスト」乙種1類「過去問テスト」

併せて、ご参照ください。

 

💧 湿式|二次側まで加圧水

湿式流水検知装置は、一次側と二次側の両方に加圧水を満たしています。

火災時の流れは単純です。

  1. 閉鎖型スプリンクラーヘッドの感熱体が作動する
  2. ヘッドが開放し、配管内の水が直ちに放出される
  3. 流水検知装置が流れを検知して警報を発する
  4. 配管内の圧力低下で加圧送水装置が起動する
  5. 開放したヘッドから連続放水する

二次側に最初から水があるため、乾式や標準的な予作動式より放水開始が速いのが特徴です。

小区画型ヘッドを用いるスプリンクラー設備の流水検知装置は、原則として湿式とします。

湿式の作動シーケンス

強欲な青木
湿式なら、感知器の電気信号が来るまで水は出ないのですか。

閉鎖型ヘッド自体が熱で開き、すでに配管内にある水を放出します。感知器の信号を放水の必須条件にはしません。
消防設備士

流水検知装置の技術規格省令は、湿式を一次側・二次側とも加圧水等で満たし、ヘッド等の開放による圧力低下で弁体が開く装置と定義しています。規則第14条は小区画型ヘッドに湿式流水検知装置を求めています。

湿式は「水→ヘッド開放→即放水→流水検知」。

 

 

💨乾式|二次側は加圧空気

乾式流水検知装置は、一次側に加圧水、二次側に加圧空気を満たします。

水が凍結するおそれのある場所に向く方式です。

  1. 閉鎖型ヘッドが火災の熱で開放する
  2. 二次側の加圧空気が排出される
  3. 二次側圧力が低下し、乾式流水検知装置の弁体が開く
  4. 一次側の加圧水が二次側配管へ流入する
  5. 開放したヘッドから放水する

空気を排出し、配管へ水を送り込む時間が必要なので、湿式より放水開始が遅れます。

ただし遅れは無制限ではありません。乾式又は予作動式では、ヘッドが開放した場合に1分以内にそのヘッドから放水できる必要があります。

乾式の空気排出から放水

強欲な青木
1分は、火災を感知してからポンプが起動するまでの時間ですか。

基準の起点はスプリンクラーヘッドの開放です。ヘッドが開いてから1分以内に放水します。
消防設備士

消防法施行規則第14条第1項第8号の2は、乾式又は予作動式について、ヘッド開放から1分以内に当該ヘッドから放水できることを求めています。

乾式は「ヘッド開放→空気排出→乾式弁開放→充水→1分以内放水」。

 

 

🔐 予作動式|感知とヘッド開放の二条件

予作動式流水検知装置は、一次側に加圧水、標準型の二次側に空気を満たし、感知器や火災感知用ヘッドなどの感知部が作動したときに弁体を開きます。

標準的な二次側乾式の予作動式では、次の2条件を組み合わせます。

  • 火災感知装置の作動:予作動弁を開き、二次側へ水を送る
  • 閉鎖型ヘッドの開放:放水口を開く

火災感知装置が先に作動すれば二次側配管へ水が入り、その後にヘッドが開くと放水します。

反対に、物が衝突してヘッドだけが破損しても、火災感知装置が作動しなければ予作動弁は開きません。このため、一次側からの継続的な放水を防ぎ、水損を抑えられます。

ただし、感知部、制御盤、弁開放機構が加わるため、湿式より構成が複雑で、点検項目も増えます。

予作動式AND条件

強欲な青木
ヘッドだけ壊れたら、二次側の空気圧低下で乾式と同じように弁が開きますか。

標準的な予作動式は感知部の作動で弁を開きます。ヘッド破損だけでは一次側の水を送りません。
消防設備士

流水検知装置の技術規格省令は、予作動式を、感知部が作動した場合に弁体が開いて加圧水等が二次側へ流出する装置と定義しています。消防庁の概要資料も感知とヘッド開放のAND作動を示しています。

予作動式は「感知で弁を開く」「ヘッド開放で放水口を開く」。

 

 

🧭特例品と問題文の読み方

試験問題の基本は、技術規格省令に定義された二次側に空気を満たす予作動式です。

一方、消防庁の特例資料には、二次側へ水等を満たして負圧に保つ予作動式や、一次側・二次側とも加圧水等を満たす予作動式もあります。

したがって実務では、単に「予作動式」という名称だけで二次側の状態を決めず、認定・特例の型式、設計図書、作動原理を確認します。

教材では、次のように整理します。

  • 法令試験の基本:標準型の二次側空気
  • 実務の型式確認:湿式・負圧湿式の特例品も区別
  • どの型式でも:感知部と弁の連動、ヘッド開放、放水までの作動を確認
標準型と特例型の予作動式

強欲な青木
予作動式の二次側は、実物でも必ず空気だと言い切れますか。

標準定義は空気ですが、特例の湿式・負圧湿式もあります。実務では型式と設計図書を確認します。
消防設備士

消防庁の特例資料は、二次側を水等で満たす負圧湿式及び一次・二次側を加圧水等で満たす湿式の予作動式流水検知装置を、技術規格省令の特例品として示しています。

試験は標準定義、実務は認定型式まで確認。

 

 

❄️ 上向型・防食・排水

乾式と予作動式は、放水後や試験後の残水を残さない施工が重要です。

 

上向型ヘッド

乾式又は予作動式の流水検知装置の二次側に設けるヘッドは、原則としてデフレクターが取付け部より上になる上向型とします。

凍結するおそれのない場所では例外があります。

下向型の短い枝管に水が残ると寒冷時に凍結して放水口をふさぐおそれがあります。

 

防食

乾式・予作動式流水検知装置及び一斉開放弁の二次側金属配管には、亜鉛めっき等の防食処理を施します。

 

排水

乾式・予作動式流水検知装置の二次側配管には、内部の水を有効に排出できる措置を講じます。

配管を排水点へ向け、末端・低部に排水弁を設け、残水がたまる逆勾配や局部的なたるみを避けます。

上向型・防食・排水の施工

強欲な青木
二次側は平常時に空気なので、防食や排水は不要ではないですか。

試験や放水後には水が入ります。残水と湿気を考えて、防食と有効排水が必要です。
消防設備士

消防法施行規則第13条の2は、乾式・予作動式の二次側ヘッドを原則上向型とします。第14条第1項第10号は、二次側金属配管の防食及び配管内の水を有効に排出する措置を求めています。

乾式・予作動式は「上向型・防食・排水」を一組で見る。

 

 

🌊 開放型|放射区域を一斉放水

開放型スプリンクラー設備は、放水口が常時開いている開放型ヘッドを使用します。

一斉開放弁までは加圧水があり、弁の二次側からヘッドまでは通常大気圧です。

火災時は、次の流れで作動します。

  1. 自動火災報知設備の感知器又は火災感知用ヘッドが作動する
  2. 加圧送水装置と一斉開放弁を起動する
  3. 一斉開放弁が開き、放水区域の配管へ水が流れる
  4. その区域にある開放型ヘッドから一斉に放水する
  5. 流水検知装置が流れを検知し、警報・表示を行う

手動式起動装置も備え、直接操作又は遠隔操作で一斉開放弁等を起動できるようにします。

閉鎖型のように、火災の熱を受けた一個のヘッドだけが開く方式ではありません。

開放型の放射区域一斉放水

強欲な青木
開放型ヘッドも、一個ずつ熱で開いて必要な場所だけ放水しますか。

開放型ヘッドの放水口は最初から開いています。一斉開放弁が開くと選択した区域のヘッドから一斉に放水します。
消防設備士

消防法施行規則第14条は、開放型の一斉開放弁、放水区域、自動式・手動式起動装置及び警報装置を定めています。

開放型は「感知又は手動→一斉開放弁→区域内一斉放水」。

 

 

🔁4方式の作動と復旧を比較

方式 平常時の二次側 放水開始の主条件 主な特徴
湿式 加圧水 閉鎖型ヘッド開放 放水が速い
乾式 加圧空気 閉鎖型ヘッド開放・乾式弁開放 凍結対策、放水遅れあり
予作動式 標準型は空気 感知部作動・閉鎖型ヘッド開放 水損抑制、構成が複雑
開放型 大気圧 感知又は手動で一斉開放弁開放 区域内の複数ヘッドから一斉放水

復旧時は、作動したヘッドや感熱部、弁、警報、ポンプを元へ戻すだけでは不十分です。

  • 二次側配管の水を排出する
  • 圧縮空気を設定圧力まで戻す
  • 弁体と制御弁を監視状態へ戻す
  • 感知部と連動制御を復旧する
  • 排水弁、試験弁を正規位置へ戻す
  • 警報と表示が正常に復旧したことを確認する
4方式の作動・復旧タイムライン

強欲な青木
放水が止まれば、乾式設備は自動的に元の空気配管へ戻りますか。

排水、ヘッド交換、弁の復旧、空気圧の再設定が必要です。水が止まっただけでは監視状態に戻りません。
消防設備士

強欲な青木
4方式はヘッドの形だけ見れば判定できますか。

流水検知装置、一斉開放弁、二次側媒体、感知部、作動順を一緒に見て判定します。
消防設備士

消防庁のスプリンクラー設備点検要領は、流水検知装置、圧力検知装置、一斉開放弁、感知器、警報、配管及び弁類を系統ごとに点検します。

消防庁の消防機器概要は、湿式・乾式・予作動式の流水検知装置の二次側状態と予作動式の感知・弁開放・ヘッド開放の作動フローを示しています。

方式判定は「二次側媒体・ヘッド・弁・感知・放水順」の5点セット。

 

 

⚠よく出る注意ポイント

  1. 乾式は空気で消火する → 火災時は水で消火する
  2. 乾式の二次側は加圧水 → 加圧空気
  3. 乾式・予作動式はヘッド開放後30秒以内 → 1分以内
  4. 予作動式は湿式より必ず迅速で高圧 → 空気排出・充水の遅れがあり、放水圧力が強いとは限らない
  5. 予作動式はヘッド破損だけで弁が開く → 標準型は感知部の作動で弁が開く
  6. 凍結場所では下向型 → 原則として上向型
  7. 二次側は空気なので防食不要 → 金属配管には防食処理
  8. 排水措置は不要 → 二次側配管の水を有効に排出
  9. 開放型は作動した一個だけ放水 → 放射区域の開放型ヘッドから一斉放水
  10. 予作動式の二次側は実務でも必ず空気 → 特例の湿式・負圧湿式もある

 

 

✍過去問で確認しよう

この単元の収録過去問は、全部で3問です。

 

乾式の流水検知装置を設けているスプリンクラー設備において、スプリンクラーヘッドが開放してから放水を開始するまでの所要時間として、消防法令上、正しいものは次のうちどれか。

  1. 10秒以内
  2. 20秒以内
  3. 30秒以内
  4. 1分以内

 

予作動式の流水検知装置を設けたスプリンクラー設備の構造及び機能について、消防法令上、誤っているものは次のうちどれか。

  1. 凍結するおそれのある所に、スプリンクラーヘッドを設置しなければならない場合、予作動式流水検知装置の設置は適当である。ただし、スプリンクラーヘッドはデフレクターをスプリンクラーヘッドの取付け部より上方に取り付けて使用するものとする。
  2. 予作動式流水検知装置の二次側配管には、あらかじめ加圧空気を満たしているため、一般に湿式流水検知装置を設置する場合より、放水圧力が強く作動も迅速である。
  3. 予作動式流水検知装置を設けた場合は、倉庫などで商品や資材を運搬するとき、これらをスプリンクラーヘッドに衝突させて破損させたとしても、放水をしないので無用な水損を防ぐことができる。
  4. 予作動式流水検知装置を設ける場合は、専用の火災感知器等の感知部が必要となるため、構造が複雑で維持管理も難しくなる。

 

予作動式の流水検知装置を設けているスプリンクラー設備において、スプリンクラーヘッドが開放してから放水を開始するまでの所要時間として、消防法令上、正しいものは次のうちどれか。

  1. 10秒以内
  2. 20秒以内
  3. 30秒以内
  4. 1分以内

 

 

まとめ

  • 湿式:二次側まで加圧水。ヘッド開放で直ちに放水
  • 乾式:二次側は加圧空気。空気排出、弁開放、充水後に放水
  • 予作動式:感知部作動で弁を開き、閉鎖型ヘッド開放で放水
  • 開放型:一斉開放弁が開くと放射区域の開放型ヘッドから一斉放水
  • 乾式・予作動式は、ヘッド開放から1分以内に放水
  • 凍結のおそれがある乾式・予作動式は原則上向型
  • 二次側金属配管は防食し、水を有効に排出できる措置を講じる
  • 実務では予作動式の湿式・負圧湿式特例品も型式確認する

4方式は名称だけでなく、平常時の二次側と火災時の作動順で見分けましょう。

強欲な青木
迷わずに回答できましたか?
まだ自信がない場合は、noteの甲種「過去問テスト」または乙種「過去問テスト」で類題を繰り返し解くことをオススメします!
消防設備士

消防設備士「過去問テスト」は、その名の通り“過去に出た問題” のテストです。

ブログでお馴染みの管理人が過去問に関する情報収集を積み重ね、その中からピックアップして過去問ベースの模擬試験を作成したものです。

\甲種1類の本番対策/

甲種1類「過去問テスト」

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乙種1類「過去問テスト」

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消防設備士試験のマークシート

上記以外に新傾向問題の情報など提供があり次第、解説を毎年追記して更新しています。これから消防設備士の試験を受けられる方は是非ご覧下さい。



それでは続いて【過去問】消防設備士甲1・乙1の構造⑦|スプリンクラーヘッドの種類・作動・配置過去問をみていきましょう。

水理・構造・工事整備|全12講義・36問