煙層の形成
火災プルームは周囲空気を巻き込みながら上昇し、天井へ達すると天井流となって広がり、煙層を形成します。大空間、竪穴、開口部では浮力と圧力差が煙の移動方向を決めます。

流動と開口部
排煙は煙を外へ出すだけでなく、避難経路への流入を抑え、煙層高さを保つ目的があります。自然排煙は開口、機械排煙は排煙機、加圧防排煙は安全区画側の正圧を利用します。
引っかけ①:排煙の役割
煙の温度が高いほど浮力は大きくなりますが、流動速度や煙層高さは空間形状、開口、給気、排煙量にも左右されます。一つの因子だけで必ず増減すると断定していないかを確認します。
【過去問】主題
建物内における大規模な空間で火災が発生した場合の煙の流動について、最も不適当なものは次のうちどれか。
1 温度が均一な大規模空間内部での蓄積性状は、簡単な2層ゾーンモデルによって予測が可能である。
2 大規模な空間内部で火災が発生した場合、煙はその浮力によって上昇し、大空間の天井面下に蓄積され、煙層と空気層とが比較的きれいに成層化する。
3 水平断面積が小さく頂部のみが開放された垂直方向の高さが高いボイド空間で煙が上昇する場合には、煙層と空気層とが2層を形成し上昇する。
4 空間の頂部付近が日射の影響などにより底部と比べて高温になっており、火災初期の煙の温度が比較的低い場合は、頂部の高温層を突き抜けて頂部から成層化していくという保証はなく、その温度や速度条件によっては、空気層の下に煙層が形成されることもある。
耐火建築物の火災時における煙・ガスの拡散について、最も不適当なものは次のうちどれか。
1 煙の比重は同じ温度の空気と比べて軽いので、一般には廊下において火災室に向かう新鮮な空気とで二層流を形成して、煙は廊下の上部を流れていく。この煙層の厚さは、火炎伝播速度・最小着火エネルギー・煙の膨張比によって決まる。
2 階段室や竪ダクトやシャフトなどが開口していれば、浮力効果によって流速が増大し、2~3ⅿ/sの流速で煙は急速に竪穴を上昇する。階段室の扉が火災階と上層階とで開放されている場合、その階段室に煙が入ると、その内部空気が温められて煙突降下を生じ、建物全体に空気の強い流れが形成され、多量の煙やガスが急速に上階へ伝播し、上層階ほど短時間で煙が充満する。
3 煙の流れは、流路・開口の抵抗や圧力差に左右される為、火災室から避難路に通じる扉や上階に通じるダクトやシャフトのダンパーを閉じて流路の抵抗を大きくするか、避難路の圧力を大きくすれば、煙の避難路への流入を阻止できる。
4 流路・開口の抵抗を大きくするには、火災室扉・廊下扉・階段室扉のような要所に自動式閉鎖扉を設置し、竪ダクト等には防煙ダンパーを設置する。また、避難路への煙の流入を防ぐには、避難路に給気加圧をするか、あるいは火災室やその近傍において排煙することが必要である。
自然排煙方式による排煙設備の構造について建築基準法令上、誤っているものは次のうちどれか。
1 排煙設備の排煙口・風道その他煙に接する部分を準不燃材料で造らなければならない。
2 排煙口は、防煙区画部分の床面積の1 / 50以上の開口面積を有しなければならない。
3 排煙口には、手動開放装置もしくは煙感知器と連動する自動開放装置または遠隔操作方式による開放装置により開放された場合を除き閉鎖状態を保持し、かつ解放時に排煙に伴い生ずる気流により閉鎖されるおそれのない構造の戸その他これに類するものを設けなければならない。
4 排煙口は、防煙区画部分のそれぞれについて、当該防煙区画部分の各部分から排煙口の一に至る水平距離が30 ⅿ以下となるように設けなければならない。
建物内における大規模な空間で火災が発生した場合の煙の流動について、最も不適当なものは次のうちどれか。
1 空間の頂部付近が日射の影響などにより底部と比べて高温になっており、火災初期の煙の温度が比較的低い場合は、頂部の高温層を突き抜けて頂部から成層化していくという保証はなく、その温度や速度条件によっては、空気層の下に煙層が形成されることもある。
2 水平断面積が小さく頂部のみが開放された垂直方向の高さが高いボイド空間で煙が上昇する場合には、煙層と空気層とが2層を形成し上昇する。
3 大規模な空間内部で火災が発生した場合、煙はその浮力によって上昇し、大空間の天井面下に蓄積され、煙層と空気層とが比較的きれいに成層化する。
4 温度が均一な大規模空間内部での蓄積性状は、簡単な2層ゾーンモデルによって予測が可能である。
建築物内の煙の流動に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1 室内の初期火源から高温の煙が生成され、周囲の空気を巻き込みながら上昇し天井に至る。
2 煙は、天井面に衝突すると方向転換して水平に広がる。さらにこの流れが壁面に到達するとまた方向転換して、空間上部に高温層を形成する。
3 煙は、扉などの上部の垂れ壁高さまで降下し、開口部から廊下や外部へと流出する。流出した煙は浮力を維持し、廊下が長い場合でも、天井面を水平に広がり、常に2層を形成する。
4 廊下に流出した煙は、階段やエレベーターシャフトなどの開口部や隙間を通じて堅穴区画に侵入し、建物全体へと拡散する。堅穴区画での煙の上昇速度は3~5m / sである。
消防庁告示上、排煙設備に代えて加圧防排煙設備を設置する場合の設置および維持に関する技術上の基準について、誤っているものは次のうちどれか。
1 加圧式消火活動拠点は、防火対象物の階ごとに、その階の各部分から一の遮煙開口部までの水平距離が50m以下となるように設けること。
2 排煙用の風道には、原則として自動閉鎖装置を設けたダンパーを設置してはならない。
3 給気口は規則の規定の例によるほか、加圧式消火活動拠点ごとに1以上設けるとともに、給気用の風道に接続されていること。
4 非常電源として蓄電池設備を用いる場合、容量は有効に20分間以上作動できるものであること。
アトリウムにおける煙制御の基本的な考え方について、最も不適当なものは次のうちどれか。ただし、排煙は自然排煙によるものとする。
1 煙は、上昇する過程で多量の空気を巻き込み、容積が増す。このため、最上部付近では、隣接する空間に煙が漏れる可能性が高いため、ガラススクリーンなどの固定の間仕切りを設置するのがいい。
2 アトリウム内の中性帯の位置は、給気口を設けた場合、給気口を設けない場合と比べ、下降する。
3 給気口が排煙口より大きければ大きいほど排煙効率が上がるため、煙層の温度上昇が抑制される。
4 アトリウムなどの吹抜空間では、吹抜空間を防火区画・排煙区画して、吹抜空間以外の部分への煙拡散を防止する場合がある。
煙制御方法に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1 排煙機はダクト系の最頂部に設置することが原則である。竪シャフトの最頂部に排煙機を設け、他の機器と熱的に隔離されている計画の場合には、排煙機自体の吸い込み側に防火ダンパーは不要である。また、付室などに給気を行う場合、外気の取り入れ口は建物の下部に設置することが原則である。
2 1台の大きな排煙機を用いると各排煙口での風量バランスが取り易く、静圧も小さく安定する。これに配して、複数の排煙機で、排煙系統を分割した場合、区画の貫通数が多くなり、広い設置スペースが必要となる他、維持管理にも手間がかかる。
3 排煙ダクトは、そこを通過する煙量が多く、かつ高温になることから、使用する鉄板厚が厚く、支持も強固なものとなる。従って、天井内の主ダクトの引き回しはできるだけ避けた方がいい。また、各排煙口での風量バランスを取るためには、竪ダクトの断面積をできるだけ大きく取り、そこから分岐ダクトを相対的に小さくする。
4 外気取り入れ口から送風機までの部分はダクト内が負圧になるために、煙がその周囲にあると吸引して給気空気が汚染されるおそれがある。引き込み部分はできるだけ短くし、汚染のおそれがないことを確認する。
まとめ
- 問題文の条件を省略せず、主語・数値・対象を確認します。
それでは続いて【火災・防火・総合防災③】耐火・防火区画・階段|消防設備士甲種特類【過去問】へ進みます。