【過去問】耐火・防火区画・階段|消防設備士甲種特類【火災・防火・総合防災③】

【火災・防火・総合防災③】耐火・防火区画・階段|消防設備士甲種特類【過去問】

強欲な青木
耐火性能と防火区画、避難階段はどう分けて覚えるん?

梁・柱・床・壁は、加熱時の変形と荷重支持の両方を確認します。
消防設備士





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火災・防火・総合防災の6講義中3講義目です。部材性能・区画・階段形式を分け、開口部はどの壁のどちら側かで判定します。

比較・判断の早見表

掲載問の判定語 正しい因果・位置関係 誤答の見分け方
RC梁の熱膨張 伸びを周囲部材が拘束すると圧縮力。下から加熱した梁は下凸たわみ 拘束力を引張り応力とする
屋外階段の開口 通行用出入口以外の開口から原則2m以上。各1㎡以内で防火設備付きはめごろし戸は例外 1㎡をすべての窓の上限とする
特別避難階段 屋内→附室・バルコニー→階段室。階段室以外の屋内に面する壁は出入口以外の開口不可 はめごろし戸なら可とする
性能の用語 防火設備の遮炎性能と遮煙性能は別。法令にない「10分遮煙」で置換しない 時間表現だけで同一視する
異種用途区画 用途が著しく異なる部分を、耐火構造だけでなく準耐火構造の床・壁等でも区画する 「すべて耐火構造に限る」とする

耐火性能と区画性能は目的が違う

耐火構造は、火災加熱を受けた部材が必要な性能を保つことを考えます。柱・梁・床・壁のように、荷重を支える部材か、区画を構成する部材かによって見方が変わります。一方、防火区画は火炎・煙が建物内の別の部分へ広がる範囲を制限する考え方です。材料の性能を述べる肢と、開口部を含む区画の構成を述べる肢を同じ基準で判定しないでください。

特別避難階段は入口の順序で読む

特別避難階段では、屋内から直接階段室へ入るのではなく、附室またはバルコニー等を介して煙の侵入を抑える構成をとります。問題文の開口部は、屋内に面する壁なのか、階段室に面する壁なのか、附室・バルコニーのどの部分かを確認します。はめごろしの扱いなども、開口の位置を固定しないと、正しい設備名だけで誤った結論に至ります。

屋外階段とは保護の考え方が異なる

屋外階段では、建物の開口部から火炎や煙の影響を受けにくくする位置関係が問われます。特別避難階段は、附室・バルコニー等を含めて室内側の煙の流入を抑える構成が中心です。どちらも安全な避難経路を確保しますが、選択肢に出た離隔、壁、開口部の条件を別の階段形式へ流用してはいけません。最初に階段の形式を固定するのが解法の出発点です。

迷ったら、階段室へ至る前に何があるかを順にたどります。屋内、附室またはバルコニー、階段室という位置関係を確定してから、壁・戸・開口部の条件を当てはめます。

この講義は、材料・区画・階段を一つに混ぜないことが重要です。部材が火に耐える性能、火煙を閉じ込める区画、避難者を逃がす階段という、守る対象の違いから整理します。

①:区画の目的

耐火構造は火災加熱を受けても一定時間、非損傷性・遮熱性・遮炎性などを保つことが求められます。防火区画は火炎と煙の拡大範囲を限定し、避難階段は安全な縦方向経路を確保します。

RC梁などの部材問題では、加熱による熱膨張が周囲から拘束されると圧縮力が生じる、という因果を追います。これは階段や開口部の配置問題とは別の入口です。

階段・開口部の問題では、室→廊下→附室またはバルコニー→階段室→屋外の位置関係を先に描きます。そのうえで、屋外避難階段から開口部までの距離や開口面積の例外など、該当する細目だけを確認します。

ここで「耐火」と「防火区画」を同じ言葉として処理しないことが重要です。梁の熱膨張の問題は、加熱された部材が拘束を受けたときの力やたわみを追います。一方、壁・戸・開口部の問題は、火炎と煙をどこまで通さない構成かを追います。問題の名詞が梁・柱・床なら部材性能、壁・戸・開口なら区画、階段室・附室なら避難経路から読み始めます。

最初の仕分けは「部材が持ちこたえる話」「火煙を区切る話」「人を逃がす話」の3つです。同じ選択肢に複数の言葉があっても、結論を決める主語を1つに固定します。

室・廊下・付室またはバルコニー・階段室・屋外の防火区画と特別避難階段の位置関係

②:階段形式を比べる

避難階段は、階段室を火煙から守るための構造・開口条件を備えます。特別避難階段では、階段室へ直接煙が入りにくいよう、附室またはバルコニー等を介する構成をとります。名称が似た設備の要件ではなく、平面・断面上の位置関係で判定します。

試験では「何階建てか」より先に、階段室へ入る直前の空間を確認します。屋内から附室またはバルコニーを経て階段室へ入るなら、火煙を一段ずつ遠ざける構成です。開口部の可否を問われたときは、階段室そのものに面する壁か、附室を隔てた壁か、屋外に面する壁かを分けます。はめごろし戸という語だけで例外と決めず、どの壁の話なのかを必ず戻してください。

見る場所 何を確認するか 読み違えやすい点
屋内側 火煙が最初に出る側 階段室側の条件を先に当てる
附室・バルコニー 火煙を緩衝する空間 単なる廊下と同じに扱う
階段室 縦方向の避難経路 出入口以外の開口条件を見落とす

③:階段と附室

鉄筋コンクリート部材はコンクリートの熱劣化、鉄筋温度、かぶり厚さ、熱膨張差が耐火性能に影響します。階段は屋内・屋外・特別避難階段で、開口部、附室、排煙、遮煙の条件が異なります。

屋外避難階段の問題では、建物の開口から出る火炎・煙が階段利用者へ届きにくい離隔を考えます。特別避難階段の問題では、室内の煙が階段室まで直通しない経路を考えます。どちらも「安全な階段」ですが、前者は外壁側との位置関係、後者は屋内側の区画と附室の構成が中心です。数値・面積・開口の例外は、階段の形式を決めた後にだけ当てはめます。

図は、左から右へ屋内・附室またはバルコニー・階段室・屋外の順に追います。選択肢の開口部を、図のどの境界に置くかを決めてから可否を判断しましょう。

④:区画を避難と消防活動の共通条件として読む

区画は、火炎と煙の拡大を遅らせて避難者の経路を確保するだけでなく、消防隊が出火区画や安全な進入側を判断するための前提にもなります。部材の耐火性能、戸や壁による区画、階段への経路を一つの性能語として混ぜず、「どこまで火煙をとどめるか」「誰がどちら側を使うか」を順に確認します。

見る対象 守るもの 次の行動につながること 取り違えやすい説明
梁・柱・床 加熱時の構造の安定 建物の崩壊を抑える 部材性能だけで開口条件も満たすとする
壁・戸・開口 火炎・煙の拡大範囲 隣接区画と避難経路を守る 防火設備なら位置を問わず開口可とする
附室・階段室 縦方向の避難経路 避難者と消防隊の安全側を確保する 附室を単なる廊下とする

具体例では、室から階段室までに附室がある場合、火災室からの煙は一つの境界を越えるごとに抑えられます。そこで「階段室に直接面する開口」と「附室を介した屋内側の開口」を同じ位置として扱う肢は、経路を描き直して判定します。

強欲な青木
ここまでの説明で、過去問を解けるようになったと思うで!

それでは、実際の過去問を確認していきましょう。
消防設備士


鉄筋コンクリート構造(RC)部材の梁の火災時における正常について、最も不適当なものは次のうちどれか。

1 RC部材の耐火性は、断面寸法に大きく依存する。RC部材の断面が大きくなると、部材の内部では温度が上がらず、熱膨張変形が抑えられる。また、加熱の影響を受けない健全領域が大きいので、部材の耐力低下も抑えることができる。

2 火災を受けるRC部材は、コンクリートの熱膨張により伸びる。また、その伸びを周囲の部材が拘束するために、その部材には引張り応力が生じる。これを熱応力という。

3 火災時には、火災室の柱の両端部および梁の両端部に、大きな曲げモーメントが生じる。このうち柱の両端部の曲げモーメントは、梁の伸び出しと拘束によりせん断力が生じる為に発生する。

4 火災時に下からの加熱を受ける梁には、上下の温度差により下凸のたわみが生じる。この下凸のたわみが柱により端部で拘束されると端部に上凸の曲げが生じる。




避難階段および特別避難階段の構造について、最も適当なものは次のうちどれか。

1 屋内避難階段に通じる出入口には、避難上および防火上支障のない遮煙性能を有し、遮煙性能10分間の常時閉鎖式または随時閉鎖式の防火設備を設けなければならない。

2 屋外階段は、その階段に通ずる出入口以外の開口部(開口面積が各々1㎥以内で、防火設備ではめごろし戸であるものが設けられたものを除く。)から2m以上の距離に設けなければならない。

3 特別避難階段において、階段室のバルコニーまたは附室に面する部分に窓を設ける場合にあっては、その面積は各々1㎡以内とし、かつ防火設備ではめごろし戸であるものを設けなければならない。

4 特別避難階段において、階段室にはバルコニーおよび附室に面する部分以外に屋内に面して開口部を設ける場合にあっては、防火設備ではめごろし戸を設けなければならない。




建築基準法令に定められている特別避難階段の構造に関する記述として、最も不適当なものは次のうちどれか。

1 屋内から附室に通ずる出入口に遮煙性能を有する特定防火設備の扉を設けた。

2 附室の階段室以外の屋内に面する壁に、開口面積が1㎡の特定防火設備のはめごろしの窓を設けた。

3 階段室の屋外に面する壁に、開口面積が1㎡の防火設備のはめごろしの窓を設けた。

4 附室から階段室に通ずる出入口に遮煙性能を有する防火設備の扉を設けた。




建築基準法で定める防火区画について、最も不適当なものは次のうちどれか。

1 層間区画は、主として耐火構造・準耐火構造の床スラブなどの水平方向の部材や外壁のスパンドレルや袖壁などの垂直方向の部材で上下階の延焼拡大を防止するものである。

2 竪穴区画は階段・エレベーター・エスカレーター・アトリウム・吹抜き・ダクト・配管・電気シャフトなどの竪穴部分とその他の部分とを区画するものである。

3 面積区画は、火災規模の限定を目的として、一定床面積以内ごとに区画するものである。ただし劇場・映画館・・演劇場・観覧場・公会堂 ・体育館など、用途上やむを得ない場合においては、この限りでない。

4 異種用途区画は、用途が著しく異なる部分に設けられる区画である。異種用途区画は、全て耐火構造とした床もしくは壁または防火設備で区画しなければならない。




建築基準法令に定められている特別避難階段の構造について、誤っているものは次のうちどれか。

1 階段室には、バルコニーおよび付室に面する部分以外に屋内に面して開口部を設けてはならない。

2 階段室のバルコニーまたは付室に面する部分に窓を設ける場合においては、はめごろし戸を設けなければならない。

3 バルコニーおよび付室の、階段室以外の屋内に面する壁に出入口以外の開口部を設ける場合においては、はめごろし戸を設けなければならない。

4 屋内からバルコニーまたは付室に通じる出入口には特定防火設備を、バルコニーまたは付室からは階段室に通じる出入口には防火設備を設けなければならない。


まとめ

  • 耐火性能、区画、階段を守る対象で分ける。
  • 特別避難階段は、階段室へ煙を入れにくくする位置関係で覚える。
  • 開口部は「どこに面するか」を最初に確認する。

次の導線

守られた経路を人がどう使うかは、避難行動・避難経路・安全区画で時間軸に置き換えます。




強欲な青木
迷わずに回答できましたか?

もし、まだ自信がないのであれば繰り返し「過去問テスト」等を使って類題を解くことをオススメします!
消防設備士

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それでは続いて【過去問】避難行動・避難経路・安全区画|消防設備士甲種特類【火災・防火・総合防災④】へ進みます。