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火災・防火・総合防災の6講義中4講義目です。避難開始・歩行・滞留を分け、安全区画までの段階で避難時間を組み立てます。
比較・判断の早見表
避難時間は構成要素を足して読む
避難安全を考えるとき、火災を覚知してから避難を開始するまで、経路を歩く時間、出口や階段前で待つ時間は別の要素です。選択肢がどの時間を説明しているかを決めずに「避難時間」と一括りにすると、開始時間へ歩行時間を混ぜる誤りを見逃します。設問文の動詞に注目し、知る・決める・歩く・待つ・到達するのどれを述べているかを分けます。
群集流は遅い側と出口で決まる
同じ経路でも、人が増えて密度が高まれば、互いに避ける余地が小さくなり歩行速度は低下します。群集の中では、速い人だけで流れが決まらず、遅い歩行者や狭い出口が全体の流れを支配することがあります。昼間で明るいことだけから速度が大きくなると結論付ける肢は、煙・不安・混雑・歩行者属性などの条件を省いていないかを確認します。
安全区画は避難の途中の安全側
安全区画は、最終的な屋外へ出るまでの途中で、避難者を火炎・煙から一時的に守るための場所です。避難経路は一続きの距離ではなく、区画、廊下、附室、階段などを経ながら安全側へ移る段階として捉えます。消防隊が活動する場所や防災センターの役割を、安全区画の説明へ混ぜないことも大切です。誰をどの時点で守る場所かを明確にします。
問題文の「安全」は抽象語ですが、ここでは避難者が火煙から隔離されて次の避難行動を選べる状態を指します。避難距離の短さだけで安全区画の成否を決める肢には注意します。
避難安全の問題は、公式や用語を暗記しても、時間の足し算を取り違えると失点します。「人が安全側へ到達するまで」と「火煙が危険になるまで」を別の時計として考えます。
①:避難開始の判断
避難安全は、火災を覚知して避難を始めるまでの時間、出口まで移動する時間、出口前で滞留する時間を合計し、煙・熱が危険になるまでの余裕と比較して評価します。
時間を計算する前に、避難者の行動を場面に分けます。感知器や人が異常に気づく、情報を確認する、避難すると決める、扉を開けて歩き出す、出口や階段で待つ、安全側へ到達する、という順です。このうち、歩き始める前までが避難開始に関わる時間であり、経路を移動する時間や出口前での待ち時間とは別に考えます。
たとえば、放送が早く伝わっても出口幅が不足すれば、避難開始は早くなっても滞留は減りません。逆に出口を広げても、火災を覚知できなければ避難開始は遅れます。選択肢がどの段階を改善・悪化させるかを読み分けると、原因と結果を取り違えません。
避難時間を読むときは、①覚知・判断、②歩行、③出口・階段での滞留、の3つへ線を引きます。「避難開始時間」に歩行を入れる肢は、言葉の入れ替えを疑ってください。
②:経路と安全区画を比べる
経路の安全性は、距離だけで決まりません。出口幅、群集密度、階段、煙、情報伝達が歩行や滞留に影響します。安全区画は、最終的な屋外避難までの途中で火煙から隔離される場所をつくり、避難を段階的に成立させる考え方です。
具体例として、病院や福祉施設のように、すべての人がすぐに階段を使って屋外へ出られない建物を考えます。まず火災区画から離れた安全側へ水平に移り、そこで一時的に安全を確保してから次の行動を取る必要があります。この途中の安全側が安全区画です。単に出口の近くにある空間ではなく、火煙から隔離され、避難者を受け入れられることが大切です。
③:経路と安全区画
廊下に面する居室の扉は、火災時に室内へ人が集中しても避難方向へ開けるかで評価します。さらに経路では、歩行者の属性、群集密度、煙、出口幅が歩行・滞留時間へ影響します。安全区画は、避難者を一時滞留させて火煙から守り、次の区画・階段・屋外へ段階的に移すための場所です。
扉の問題では、普段の通行の便利さだけで判断しません。火災時に居室内へ人が集中したとき、避難方向へ押して開けるか、廊下を歩く人にぶつかる危険はどうか、煙制御による差圧で開きにくくならないか、という順で確認します。1つの配慮だけを取り上げて「内開きが望ましい」とする肢は、避難者側の行動を落としていないかを見ます。
図では、火災室から離れる矢印と、安全区画から次の区画・階段へ進む矢印を分けてください。避難を1本の直線でなく、火煙を遮りながら安全側を増やす段階として捉えると、水平避難の役割がわかります。

④:避難の時間を煙制御と情報伝達に結ぶ
避難安全は「早く歩く」だけの問題ではありません。感知・放送などの情報伝達は避難開始を早め、区画・排煙・加圧は経路へ煙が入る時刻を遅らせ、出口の幅や誘導は滞留を減らします。これらを同じ時間に足し引きせず、どの段階へ作用する対策かを対応させます。
たとえば、放送を早くしても、狭い出口で群集が滞留すれば避難完了時刻は別に検討します。逆に排煙で経路の煙を抑えても、避難開始の判断が遅ければ余裕を使い切るおそれがあります。選択肢の対策がどの時計を動かすかを一つずつ確認してください。
避難経路に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1 避難経路に設ける扉は、煙制御により生じる差圧により開放障害にならないよう、力の弱い子供や高齢者および障がい者などでも容易に開放できるような配慮が必要である。
2 廊下に面して居室に扉を設ける場合は、廊下を歩行している人に扉がぶつかる恐れがないように、内開きにすることが望ましい。
3 避難経路に設ける扉は、特別な操作なしに開放できなくてはならないが、防犯上の必要から、例えば、火災感知と連動して自動的に解錠されるような機構を設ける場合がある。
4 居室に設ける扉は、居室に収容される全員が安全に避難できるのに必要な数と幅でなければならない。多人数を収容する居室の場合には、単に出口の幅を広くするだけでなく、出口の数を増やすことも必要である。
建物の避難経路の保護を目的とした安全区画に関する次の記述のうち、適当なものの組合せはどれか。
ア 大規模建築物や高層建築物など、避難に要する時間が長くなることが予想される場合、居室から階段に至る避難経路に設ける安全区画は、居室の近くほど区画性能が高くなるよう段階的に設定する。
イ 安全区画は、ある程度避難者が滞留できるものでないと安全区画に入れない避難者が生じるので、適切な広さを必要とする。
ウ 病院や福祉施設では、患者や高齢者・幼児など、避難速度が遅かったり、階段を避難することそのものが困難である者がいるので、階段に避難する前に、まずその階で防火区画された非火災エリアに避難し、そこから順次、階段などに避難したり、救助を待つ計画とする。この場合、非火災エリアは火災エリアに対する安全区画として機能する。
1 ア、イのみ
2 ア、ウのみ
3 イ、ウのみ
4 ア、イ、ウ すべて
火災時の避難者の行動について、最も不適当なものは次のうちどれか。
1 避難安全性を判断する要因には、在館者が避難を開始する時間、安全な場所に移動する時間、避難者に危険な状態が発生する時間が挙げられる。
2 避難開始時間は、熱気や煙に気付くか警報ベルや人の声など火災に関する情報を受け取ってから、実際の火災であることを自覚するまでの時間および避難者の行動能力による歩行時間で決まる。
3 避難行動にかかる時間は、避難経路の長さと移動速度により求められる歩行時間、並びに滞留時間から決まり、その時間は火災室・火災階・非火災階それぞれについて検討する必要がある。
4 移動速度は、避難者の行動能力・密度・心理的影響という人的要因と、煙拡散現象や停電による経路の視認性などにより左右され、火災時に限らず、通路が細くなる部分では、群衆流がある程度の密度になると、容易に通過できなくなる滞留現象が起きる。
建築基準法令に定められている次の規定のうち、階避難安全検証法により避難安全性能を確かめられた場合、当該階において規定の一部または全ての適用が除外となるものはどれか。
1 排煙設備の設置
2 屋内避難階段の耐火構造の壁
3 異種用途区画
4 屋外出口までの歩行距離
建物の避難経路に設ける安全区画に関する次の記述のうち、適当なものの組合せはどれか。
ア 防煙区画である間仕切り区画以上の性能をもつ区画とし、居室との出入口には常時閉鎖式または煙感知器連動閉鎖式の不燃扉、防火戸を設ける。
イ 自然排煙または機械排煙による有効な排煙設備を設ける。
ウ 内装材料の不燃化を図る他、火気や可燃物についても制限し、この部分からの出火を防ぐとともに火災拡大の可能性を抑えておく。
1 ア、イのみ
2 ア、ウのみ
3 イ、ウのみ
4 ア、イ、ウ すべて
多数の者が集まる場所における火災時の避難行動の説明で、最も不適当なものは次のうちどれか。
1 実際の危険の程度について正確な情報をもたないのに、避難先頭者や人の多く逃げる方向を追っていくため、集団としての一斉行動となりやすい。
2 建物内で群衆化して避難者が高密化すると、早く避難しようとする意識が高揚し、避難者の移動速度は速くなる。
3 多人数の集団では、一部の者の心理的動揺が集団全体に伝染しがちである。
4 火災避難時には避難者が集団状に行動すると考えられるので避難計算では集団避難の水平移動の歩行速度として、百貨店・展示場などの人が出入りする場所では1ⅿ/sがよく用いられている。
避難経路に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。。
1 廊下に面して居室に扉を設ける場合は、廊下を歩行している人に扉がぶつかる恐れがないように、内開きにすることが望ましい。
2 避難経路に設ける扉は、特別な操作なしに開放できなくてはならないが、防犯上の必要から、例えば、火災感知と連動して自動的に解錠されるような機構を設ける場合がある。
3 居室に設ける扉は、居室に収容される全員が安全に避難できるのに必要な数と幅でなければならない。多人数を収容する居室の場合には、単に出口の幅を広くするだけでなく、出口の数を増やすことも必要である。
4 避難経路に設ける扉は、煙制御により生じる差圧により開放障害にならないよう、力の弱い子供や高齢者および障がい者などでも容易に開放できるような配慮が必要である。
避難者の安全を図ることを目的とした安全区画の設計について、最も不適当なものは次のうちどれか。
1 安全区画は、不燃材料で造り、または覆われた天井面から50 cm以上下方に突出した垂れ壁による区画とし、機械排煙による排煙設備を設けた。
2 安全区画は、避難経路に相当する部分を区画し、火災室からの火煙がこの部分に侵入することを防ぐように設計した。
3 安全区画を設けることで、階段への火煙の侵入による危険性が減少するように設計した。
4 安全区画は、避難経路に沿って順次より安全性の高い空間に避難できるように設計した。
火災時の避難歩行速度について、最も不適当なものは次のうちどれか。
1 建物内に制約された空間を集団で避難する場合は、群衆密度が高まるにつれて、避難者の移動速度は小さくなる傾向がある。
2 建物周囲の明るさは避難にとっては重要な要素であり、昼間の火災では明るさによる安心感から早く逃げようと、歩行速度は大きくなる傾向がある。
3 歩行速度は、高齢者や子ども達など速度の遅い歩行者が混じった群衆流では、その速度が群衆全体の歩行速度を支配する。
4 下り階段における歩行速度は、群衆密度の増加に伴って単位時間当たりの歩数の減少により低下する傾向もあり、また水平分速度は勾配の小さいものほど大きくなる傾向がある。
まとめ
- 避難側の時間と火災側の時間を別々に置く。
- 歩行速度は明るさだけでなく密度・属性・煙・経路で変わる。
- 安全区画は段階避難を成立させる火煙の隔離として捉える。
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火災を抑え、早く検知する方法は、消火・感知の原理で燃焼条件と検出現象から整理します。
消防設備士「過去問テスト」は、その名の通り“過去に出た問題” のテストです。
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