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火災・防火・総合防災の6講義中1講義目です。火災荷重は量、発熱・発煙速度は時間変化、換気支配は酸素供給が制限要因です。
比較・判断の早見表
火災荷重は「燃える速さ」ではない
火災荷重は、室内の可燃物が持つ熱量を床面積との関係で見た指標です。火災が実際にどの速さで成長するかを直接示す値ではありません。発熱速度は、可燃物の状態、燃焼面積、熱分解、酸素供給などにより時間とともに変化します。選択肢が「火災荷重が大きいから常に発熱速度も大きい」と結んでいれば、潜在的な量と実際の燃焼条件を飛ばしていないかを確認します。
燃料支配と換気支配を分ける
燃料支配型では、燃える可燃物の量・表面積・熱分解が燃焼速度を左右します。換気支配型では、室内に供給される酸素量、特に開口条件が燃焼速度の制限要因になります。どちらの場合も可燃物も空気も存在しますが、「不足している側」が判定の軸です。開口を小さくしたときの変化を述べる肢では、換気支配の説明かを最初に疑います。
拡散火炎では、燃料と酸化剤があらかじめ均一に混ざっているのではなく、流れの中で出会う位置に火炎面ができます。対向流では両者の流れがぶつかる淀み面付近を起点に、必要な酸化剤量とのつり合いで火炎面を考えます。
火災段階で発煙を読む
初期火災では燃焼速度が小さい一方、材料によっては発煙係数が大きいことがあります。盛期には燃焼速度が増大し、換気条件も発煙の状態に影響します。そのため、特定の段階を示さず「常に初期より盛期が小さい」などと断定する肢は注意が必要です。発煙速度は、燃焼速度と発煙係数の組合せとして読み、片方の条件だけで結論を出しません。
確認では、火災段階、燃焼速度、発煙係数の3語を肢ごとに書き出します。どれか1つしか述べていないのに全体の大小を断定している肢は、必要な条件が足りない可能性があります。
この範囲では、用語を単独で覚えるより「燃焼が続く条件」と「時間とともに何が増えるか」をつなげるのが得点への近道です。火災荷重は量の指標、火災成長は変化の指標として分けます。
①:燃焼の三要素
燃焼現象は、可燃物から発生した可燃性蒸気と酸素が反応し、熱を次の燃焼へ戻す連鎖として捉えます。区画火災では開口から入る空気量と室内の可燃物量のどちらが支配的かを確認します。
ここでの出発点は、室に紙・木材・樹脂がどれだけあるかではありません。まず「いま燃える面へ空気が届くか」を見ます。たとえば、可燃物が多い室でも開口が小さく空気の供給が限られるなら、燃焼速度を決める主役は酸素供給です。反対に、十分に開放されていて可燃物の表面積や熱分解の進み方が変わるなら、燃料側の条件が強く表れます。
②:火災荷重と火災成長を比べる
火災荷重は、室内にある可燃物が持つ熱量を床面積との関係で表し、潜在的な燃焼規模をみる指標です。一方、火災成長は、実際の発熱速度や発煙の変化を時間軸でみます。同じ室でも、燃焼条件や換気条件によって成長の仕方は変わります。
たとえば、同じ床面積の2室を比べても、一方は可燃物が密に置かれ、もう一方は散らばって置かれていれば、燃える面積の広がり方は同じとは限りません。火災荷重は「その室にはどれだけ燃えるものがあるか」の物差し、発熱速度は「この時点でどれだけ激しく燃えているか」の物差しです。問題文に荷重・速度・時間のうちどれが書かれているかへ印を付けると、言葉のすり替えを防げます。
③:火災成長の因果
初期火災、成長期、フラッシュオーバー、盛期、減衰期を発熱速度と室内温度の変化で並べます。火災荷重は、室内可燃物が持つ発熱量を床面積との関係で表す指標です。
初期火災では、火源の近くで燃焼が始まり、熱と煙が天井へ集まります。成長期には、熱を受けた周囲の可燃物が燃えやすくなり、燃焼面積が広がります。フラッシュオーバーは室全体の可燃物がほぼ同時に燃焼へ移る急変点として捉え、盛期では換気条件が燃焼を大きく左右します。減衰期で火炎が小さく見えても、室内の高温や煙の危険が直ちになくなるとは限りません。
図では、横軸を時間、縦軸を発熱や室内温度の変化として見てください。曲線の高さだけでなく、どの段階で上がり方が急になったかを読むと、「火災荷重」と「火災成長」を混同しにくくなります。

④:燃焼の変化を次の対策へつなぐ
火災荷重が大きいという情報だけでは、直ちに避難が危険になる時刻も、必要な排煙方式も決まりません。燃料の量は火災の潜在力を示し、実際の発熱・発煙は燃焼面積、熱の戻り、酸素供給で変化します。その結果として煙層が下がり、区画や避難経路への対策が必要になります。問題では、一つ前の原因を飛ばして結論だけを断定していないかを確認します。
具体例として、同じ可燃物量の室でも、一方だけ開口が狭ければ、まず酸素供給が燃焼速度を制限します。ここで可燃物量の説明を発熱速度の説明へ、その発熱速度の説明を避難時間の説明へ直接移すと、途中の条件を抜かした肢になります。
区画火災に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1 燃焼速度が開口の大きさによって求められるような火災は、換気支配型火災と呼ばれる。
2 大きな開口を有する空間の中で、少量の可燃物が燃焼する場合は、燃焼速度は可燃物量によって決まり、燃料支配型火災と呼ばれる。
3 換気支配型火災では、可燃物量に比例して、燃焼速度は大きくなる。
4 換気支配型火災であっても時間経過とともに燃料支配型火災に変化することがある。
拡散火炎について、最も不適当なものは次のうちどれか。
1 拡散バーナ火炎は、噴流拡散火炎とも呼ばれ、実用燃焼器に一般的に多く用いられている火炎である。バーナ口から可燃性気体が空気中に噴出し、そこへ空気中の酸素が拡散してきて燃焼反応が持続する。
2 境界層に形成される拡散火炎の主なものとしては、平面に沿う流れの境界層に形成される拡散火炎、球面や円筒面付近に形成される拡散火炎などがある。
3 対向流拡散火炎は、可燃性気体と酸化剤の流れが互いに向き合っている場合に、その淀み面付近に形成される火炎である。可燃性気体を完全燃焼させるのに必要な酸化剤の量は、一般に可燃性気体の量に比べて少ない為、火炎面は淀み面の酸化剤側に形成される。
4 平行流拡散火炎は、可燃性気体と酸化剤の流れが平行である場合に、その拡散層中に形成される火炎である。可燃性気体と酸化剤が反応する速度は、それらが反応帯に向かって拡散する速度に依存する。
火災性状の基本的な要素である火災荷重に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1 可燃物には多種類の材料があり、燃焼時の発熱量も材質によりそれぞれ異なる。この発熱量をどう発熱量の木材重量に換算した値を等価可燃物量という。
2 固定可燃物は、建築物を設計する段階で決めることができるため、構造計算を行う場合の固定荷重の評価と同様に容易であり、かつ正確に求めることが可能である。
3 区画火災の温度とその継続時間を支配する最大の要因は、その区画内に含まれる可燃物量と開口部の大きさである。可燃物量と区画の床面積の積を火災荷重と呼んでいる。
4 建築物内の可燃物は、床・壁・天井の下地と内装材料および建具・造りつけ家具など建築時に持ち込む固定可燃物と、家具・書籍・衣類・寝具など建築後に持ち込む積載可燃物とに分けられる。
燃焼に関わる相に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1 燃焼現象を燃焼帯の物質の状態、すなわち相に関して分類すると、固相燃焼、液相燃焼、気相燃焼、固液界面燃焼、液気界面燃焼の5種類に分類することができる。
2 可燃性物質あるいは分解燃焼性物質の初期状態の相に関して分類すると、気体の燃焼・液体の燃焼・固体の燃焼の3種類に分類することができる。
3 灯油や木のような液体や固体の可燃性物質が燃焼するときには、酸化剤が気体であれば、ほとんどの場合、燃焼は気相で起こることになるが、燃焼現象が異なる相にわたっているので不均一燃焼といわれる。
4 都市ガスのような気体が燃焼するときには、燃焼現象が起こる場すべてが気相にあるので、相が変化しないという意味で、均一燃焼といわれる。
区画火災の成長過程は、初期火災・成長期・盛期火災、減衰期に大別されるが、これらについての次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1 初期火災の段階では、可燃物の燃焼が限られた範囲にとどまり、可燃物の燃焼反応に十分な酸素量が供給される。この段階では、火災区画の上方に煙などの高温層が形成され始める。
2 成長期は、火元から近接する可燃物へ順次燃え拡がり、火災区画内の可燃物量や内装材の条件などには関係なく、爆発的な燃焼の拡大すなわちフラッシュオーバーを誘発し、火災室内温度は急激に上昇する。
3 盛期火災に至ると、耐火構造の区画は構造体が燃え抜けることがほとんどないので、その継続時間は木造家屋と比較して長くなるのが一般的である。火災性状は火災室へ持ち込まれた可燃物量に依存する燃料支配型火災と、開口部を介して火災室へ流入する空気量に依存する換気支配型火災に分けることができる。
4 盛期火災が長時間続く場合、建築物の構造体などに与える熱的影響などが大きくなるため、構造部材を保護するための耐火被覆などが必要となる。盛期火災時に可燃物の大半が燃え、次第に火災温度が下降し、減衰期となり鎮火に至る。
火災時に起こるフラッシュオーバーの説明として、最も不適当なものは次のうちどれか。
1 火炎が天井面に届き、その天井面に沿って広がり強い放射熱を室全体に照射して、室中の可燃物を着火させる現象である。
2 燃焼熱が大きく、熱分解熱の小さいプラスチック等が燃え上がった場合に起こりやすい。
3 火災初期に室内の可燃性物質が加熱されて熱分解を起こし、放出された可燃性ガスが燃焼しないで滞留した場合、その濃度と温度がある水準に達して一気に燃え上がる。
4 火災初期において、煙が黄黒色から白色に変わる時期に起こりやすい。
拡散火炎について、最も不適当なものは次のうちどれか。
1 対向流拡散火災は可燃性気体と酸化剤の流れが互いに向き合ってる場合に、その淀み面付近に形成される火炎である。可燃性気体を完全燃焼させるのに必要な酸化剤の量は、一般に可燃性気体の量に比べて多いため、火炎面は淀み面の可燃性気体側に形成される。
2 平行流拡散火炎は可燃性気体と酸化剤の流れが平行である場合に、その拡散層中に形成される火炎である。可燃性気体と酸化剤が反応する速度は、それらが反応帯に向かって拡散する速度に依存する
3 拡散バーナ火炎は、噴流拡散火炎とも呼ばれ、実用燃焼器に一般的に多く用いられている火炎である。バーナ口から可燃性気体が空気中に噴出し、そこへ空気中の酸素が拡散してきて燃焼反応が持続する。
4 境界層に形成される拡散火炎の主なものとしては、平面に沿う流れの境界層に形成される拡散火炎、球面や円筒面付近に形成される拡散火炎などがある。
燃焼による発熱と発煙について、最も不適当なものは次のうちどれか。
1 発煙量の定量化に関連する濃度には、重量濃度、個数濃度、透光率、減光係数等があるが、火災時に煙拡散で問題となるのは、主として見通し距離の低下による避難障害なので、光学的濃度を表す減光係数が用いられる。
2 発煙量は、減光係数と煙の体積の積で定義されて面積の単位を持ち、材料の単位重量当たりの発煙量を発煙係数という。また、発煙速度は、材料の燃焼速度と発煙係数の積で定義される。
3 発煙量は、室内可燃物の空気との接触表面積および室の容積、室の換気因子、内装材料の種類等によって決まる。火災初期においては、内装材料の種類が主な要因で、フラッシュオーバー現象以降の火災盛期においては、換気因子が主な要因である。
4 火災初期においては、燃焼速度は小さいが発煙係数が大きいため、発煙速度は大きくなる。フラッシュオーバー現象以降の火災盛期においては、燃焼速度は大きくなるものの発煙係数は小さくなるため、発煙速度は小さくなる。
まとめ
- 火災荷重は可燃物の熱量、火災成長は時間的な変化として分ける。
- 発煙速度は燃焼速度だけでなく発煙係数との関係で見る。
- 燃料支配・換気支配は、燃焼を制限する側で判定する。
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火災が成長した後に煙がどの経路を通るかを、煙流動・煙制御・排煙で続けて学びます。
消防設備士「過去問テスト」は、その名の通り“過去に出た問題” のテストです。
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