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火災・防火・総合防災の6講義中5講義目です。消火は燃焼の何を断つか、感知は何を検出して何が変化するかで判定します。
比較・判断の早見表
消火作用は燃焼のどこを断つか
水は主に熱を奪う冷却で燃焼を弱めます。泡は液面を覆うことで可燃性蒸気の発生や空気との接触を抑える働きをもちます。可燃物を取り除く除去、燃焼の連鎖反応へ働きかける抑制も、同じ「消火」ですが標的が異なります。設備名を見たときは、燃料・酸素・熱・連鎖反応のどこに作用する説明かへ戻ります。複数の作用を持つ場合も、選択肢が主に何を述べるかで判定します。
光電式は煙で光の変化をみる
光電式感知器は、煙粒子による光の散乱または減光といった、光路上の変化を利用します。分離型では送光部と受光部を対向させ、煙が光路に入ることで受光量が変わることを検出します。炎感知器は、炎から出る紫外線・赤外線などの放射を捉える方式です。どちらも光に関係しますが、煙が光路へ入る説明か、炎自身の放射を扱う説明かで明確に分けます。
設置環境は原理の後に考える
感知方式を選ぶ問題では、最初に検出原理を確定し、その後に設置環境との適否を考えます。煙が滞留しやすい場所、温度変化が大きい場所、炎が見通せる場所では、それぞれ感知のしやすさや非火災報の可能性が異なります。方式名から設置場所を暗記するだけでは、条件を変えた肢に対応できません。「どの現象が先に現れ、機器がそれを受け取れるか」で説明します。
この順序を守れば、原理として正しい説明と、その場所に適さない説明を分けられます。感知器の名称、検出現象、設置環境の3つが一つの肢で矛盾していないかを最後に確認します。
この講義の中心は、設備名を覚えることではなく、火災現象に対して「何を減らすか」と「何を検出するか」を対応させることです。原理まで説明できれば、初見の組合せ肢も切れます。
①:消火の四作用
消火剤は燃焼の三要素と連鎖反応のどこへ作用するかで整理します。水は主に冷却、泡は液面被覆による窒息と蒸気発生抑制、ガス系・粉末系は濃度低下や連鎖反応抑制などを利用します。ハロゲン化合物系は、酸素濃度低下・冷却という物理効果と、燃焼連鎖反応を抑える化学効果が組み合わさります。ハロン1301は主として化学効果による消火ですが、物理効果が存在しないという意味ではありません。
消火方式の名称を暗記する前に、燃焼が続くために必要なものを4つに分けます。可燃物を取り除けば除去、空気との接触や可燃性蒸気の発生を抑えれば窒息、熱を奪えば冷却、燃焼の連鎖反応を弱めれば抑制です。1つの消火剤が複数の働きを示すことはありますが、選択肢が説明している主な働きがどれかを選びます。
たとえば、油面を泡で覆う説明は、泡の層が可燃性蒸気と空気の接触を抑える働きへ結びます。水をかけて温度を下げる説明は冷却です。「泡だから冷却」「水だからどんな火災にも使える」といった、名称だけで作用を決める読み方をしないようにします。
消火の肢は、①何を燃やしているか、②どの燃焼条件を断つか、③その方法がその火災で成り立つか、の順に読みます。消火剤の名前ではなく、作用の矢印で判定します。
②:原理を比べる
泡では、発泡倍率、流動展開性、耐火・耐熱性を別の性状として読みます。低発泡・高発泡という語だけから、泡の重さや油面への投入挙動を逆にしないことが重要です。炎感知器では、炎の紫外線・赤外線の変化による受光量変化を検出するので、煙による散乱・減光を検出する光電式と区別します。
泡の問題で確認する言葉は、発泡倍率、流動性、油面を覆う速さ、耐熱性・保水性です。これらは似て見えても別の性状です。たとえば、流動性が高いという説明は油面へ広がる速さに関係しますが、発泡倍率だけから直ちに決めるものではありません。問題文がどの性状を言っているかを先に分けてから、泡の種類を当てはめます。
感知原理も同じです。光電式は煙粒子による光路の変化、炎感知器は炎が出す紫外線・赤外線などの放射を捉えます。「光を使う」という共通点だけで同じ検出対象にしないことがポイントです。
③:感知する現象
感知器は周囲温度の上昇、煙粒子による光の散乱・減光、炎の紫外線・赤外線などを検出します。検知原理と設置環境を対応させると、誤作動や感知遅れの理由も説明できます。
方式を選ぶときは、火災で最初にどの現象が現れ、その現象を機器が見通せるかを考えます。煙が光路に入りやすいなら光電式の説明と結び、炎が直接見えるなら炎の放射を検出する説明と結びます。温度変化が大きい環境では、熱を検出する方式の感度や非火災報にも注意が必要です。設置場所の名称を丸暗記するより、現象→検出→設置条件の順に戻る方が初見の肢にも対応できます。
図は左側の消火作用と右側の感知現象を別々に読み、最後に「火災のどの段階で、何を減らし、何を検出するか」を1文で説明してみてください。

④:感知から消火・避難判断までを切り分ける
感知器は火災現象を検出して信号に変える装置であり、消火剤のように燃焼条件を断つ装置ではありません。感知した情報は、受信・表示、警報や放送、避難判断、初期消火や消防活動へつながります。連続した流れを知ることと、各設備の役割を混ぜないことの両方が必要です。
具体例として、煙で光路が変化して光電式感知器が作動しても、その現象だけで泡の発泡倍率や冷却作用は決まりません。感知は「何を見たか」、消火は「何を断つか」と言い換えてから、情報伝達と避難の順序へつなげます。
泡消火設備に使用される消火剤の特徴について、最も不適当なものは次のうちどれか。
1 たん白泡消火剤は、動植物たん白加水分解生成物を主成分とし、これに鉄塩などの泡安定剤や不凍剤としてグリコール類を加えたものである。この泡消火剤により生成した泡は耐熱性に優れているが、発泡器によっては流動性が劣り、消火に要する時間が長くなる欠点がある。
2 フッ素たん白泡消火剤は、たん白泡にフッ素系界面活性剤を添加し、たん白泡消火薬剤の欠点であった泡の流動性と油汚損性を改善したものである。この泡は、貯蔵タンクの底部より直接油の中に注入する底部注入方式にも使用される。
3 合成界面活性剤泡消火剤は、炭化水素系界面活性剤を主成分とし、生分解性のよい高級アルコール系の陰イオン界面活性剤が用いられている。低発泡にすると泡が軽くなって油面にゆるやかに落下して、火災を消火できるものとなる。
4 水成膜泡消火剤は、フッ素系界面活性剤を主成分とし、その水溶液から生成された泡が流動性に優れているので、素早く火災油面を覆い、火災抑制制御することができるが、泡の耐熱性と火熱時の保水性が劣る。
自動火災報知設備の炎感知器について、最も不適当なものは次のうちどれか。
1 感知器は、炎から放射される電磁波のピーク値を位相差により火炎を検知する。
2 感知器は、炎から放射されて検知素子に入射する電磁波の強度が設定された値を超えたときに作動する。
3 市販されている感知器の感度は、一般に電磁波の強度ではなく、感知器の各方向において標準とする光源が検出可能な最大距離で表現されていることが多い。
4 感知器の感度の原理として表現されるものは、電磁波のエネルギー流束である。炎から離れた場所における電磁波のエネルギー流束は、燃焼剤の種類および燃焼形態が同じであれば、おおむね火源の総放射エネルギーに比例し、距離の2乗に反比例する。
ガス系消火設備の性能について、最も不適当なものは次のうちどれか。
1 ハロゲン化物消火設備に用いるHFC-23消火剤は、消火の際に炎や加熱された可燃物の表面に接触してフッ化水素が発生するため、消火剤の放出から終了までの時間が10秒以内と制限されている。
2 ハロゲン化物消火剤は、噴射ヘッドから放出されると速やかに気化して不燃性の重い気体になり、燃焼物の周囲に滞留してハロゲン元素Br・Cl・Fが燃焼物の連鎖反応機構における活性物質に作用して燃焼を抑制して消火する。
3 ハロゲン化物消火設備に用いるHFC-23やHFC-227eaは、オゾン層に影響を与えないという特徴を持っているが、消火剤放射時は視界が悪くなることおよび生ガスの人体に対する影響が大きいなどの性質を有している。
4 二酸化炭素消火剤は電気絶縁性が大きく、わずかな隙間にも浸透するため室内の隅々まで消火でき、また寒冷地でも凍結などによる性能の低下が無い等の特徴を有している。
自動火災報知設備の熱感知器について、最も適当なものは次のうちどれか。
1 熱感知器の熱伝達のプロセスには、高温空気と感知器の間の対流熱伝達、高温物体から感知器に直接作用する放射熱伝達の2つの現象が関係し、伝導熱伝達は無視できる。
2 熱感知器の応答特性は熱を感知する感熱部の温度の時間的な変化によって表されるが、その温度変化は火災が発生してからある程度までに感熱部に吸収される熱量の総和で決まる。
3 火災のごく初期の間は、感知器の周囲にある物体の温度は比較的低いので、炎が感知器の直近にある場合を除いて、対流により感熱部に伝達される熱量は他の現象により伝達される熱量に比べて小さく、ほぼ無視できる。
4 感熱部が感知器の本体と十分に断熱されている場合には、感熱部から本体への伝導による熱の移動は無視でき、放射による感熱部への熱伝導が考慮すべき最も重要な現象となる。
消火設備について、最も不適当なものは次のうちどれか。
1 二酸化炭素の誤放出を防止するための安全対策として、点検時に消火剤の放出を遮断する閉止弁、閉止弁の開・閉表示機能付きの操作箱、電路の短絡による誤放出防止機能付き制御盤の設置がある。
2 ハロゲン化物の消火剤は、噴射ヘッドから放出されると速やかに気化して不燃性の重い気体となり燃焼物の周囲に滞留し、ハロゲン元素Br、Cl、Fが燃焼物の連鎖反応機構における活性物質に作用して燃焼を抑制する酸素濃度希釈効果と冷却効果がある。
3 粉末消火設備の消火剤の特徴は、消火効果が迅速強力であり、電気絶縁性が大きく、寒冷地でも凍結による性能の低下がない。また、放出は加圧式窒素ガス容器のガスまたは粉末消火剤タンクの蓄圧ガスで行われるので、特別の動力源を必要としない、などである。
4 水系消火設備は、消火剤として水を使用するか、あるいは水を主体とし、これに水以外の消火剤を混合して使用するものがあり、大きくは移動式と固定式に分類される。特に移動式は人がホースなどを延長して消火活動を行うものであり、操作性の良いことが要求される。
自動火災報知設備の感知器の種類と作動原理に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1 光電式分離型感知器は、光を発する送光部とその光を受ける受光部をそれぞれ独立した構造とし、公称監視距離の範囲で対向設置し、その光路上に進入する火炎により増幅される受光量の変化を受光量の変化を受光部で検知し作動する。
2 赤外線式スポット型感知器は、炎から放射される赤外線の変化が、一定の量以上になったときに火災信号を発するもので、一局所の赤外線による受光素子の受光素子の受光量の変化により作動する。
3 差動式スポット型感知器(空気の膨張を利用したもの)は、室温が緩やかに上昇するときには膨張した空気はリーク孔から逃げ、動作するには至らないが、火災の際の急激な温度上昇のときは空気室の膨張によりダイヤフラムを押し上げ、接点を閉じて作動する。
4 差動式分布型感知器(空気管式)は、天井面に張られた空気管が一定長さ以上にわたり加熱されると、加熱された部分の空気が膨張し検出部内のダイヤフラムを押し上げ、接点を閉じて作動する。
まとめ
- 消火は、燃焼のどの条件を断つかで覚える。
- 感知は、熱・煙・炎など実際に検出する現象で覚える。
- 光電式と炎感知器は、煙による光の変化と炎の放射で区別する。
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