消火の四作用
消火剤は燃焼の三要素と連鎖反応のどこへ作用するかで整理します。水は主に冷却、泡は液面被覆による窒息と蒸気発生抑制、ガス系・粉末系は濃度低下や連鎖反応抑制などを利用します。
感知する現象
感知器は周囲温度の上昇、煙粒子による光の散乱・減光、炎の紫外線・赤外線などを検出します。検知原理と設置環境を対応させると、誤作動や感知遅れの理由も説明できます。

引っかけ①:方式選定の引っかけ
泡の発泡倍率・流動性・耐熱性、ガス系消火剤の電気絶縁性、感知器の検出波長などは別の性能です。作用機序と対象火災を結び付けて正誤を判定します。
【過去問】主題
泡消火設備に使用される消火剤の特徴について、最も不適当なものは次のうちどれか。
1 たん白泡消火剤は、動植物たん白加水分解生成物を主成分とし、これに鉄塩などの泡安定剤や不凍剤としてグリコール類を加えたものである。この泡消火剤により生成した泡は耐熱性に優れているが、発泡器によっては流動性が劣り、消火に要する時間が長くなる欠点がある。
2 フッ素たん白泡消火剤は、たん白泡にフッ素系界面活性剤を添加し、たん白泡消火薬剤の欠点であった泡の流動性と油汚損性を改善したものである。この泡は、貯蔵タンクの底部より直接油の中に注入する底部注入方式にも使用される。
3 合成界面活性剤泡消火剤は、炭化水素系界面活性剤を主成分とし、生分解性のよい高級アルコール系の陰イオン界面活性剤が用いられている。低発泡にすると泡が軽くなって油面にゆるやかに落下して、火災を消火できるものとなる。
4 水成膜泡消火剤は、フッ素系界面活性剤を主成分とし、その水溶液から生成された泡が流動性に優れているので、素早く火災油面を覆い、火災抑制制御することができるが、泡の耐熱性と火熱時の保水性が劣る。
自動火災報知設備の炎感知器について、最も不適当なものは次のうちどれか。
1 感知器は、炎から放射される電磁波のピーク値を位相差により火炎を検知する。
2 感知器は、炎から放射されて検知素子に入射する電磁波の強度が設定された値を超えたときに作動する。
3 市販されている感知器の感度は、一般に電磁波の強度ではなく、感知器の各方向において標準とする光源が検出可能な最大距離で表現されていることが多い。
4 感知器の感度の原理として表現されるものは、電磁波のエネルギー流束である。炎から離れた場所における電磁波のエネルギー流束は、燃焼剤の種類および燃焼形態が同じであれば、おおむね火源の総放射エネルギーに比例し、距離の2乗に反比例する。
ガス系消火設備の性能について、最も不適当なものは次のうちどれか。
1 ハロゲン化物消火設備に用いるHFC-23消火剤は、消火の際に炎や加熱された可燃物の表面に接触してフッ化水素が発生するため、消火剤の放出から終了までの時間が10秒以内と制限されている。
2 ハロゲン化物消火剤は、噴射ヘッドから放出されると速やかに気化して不燃性の重い気体になり、燃焼物の周囲に滞留してハロゲン元素Br・Cl・Fが燃焼物の連鎖反応機構における活性物質に作用して燃焼を抑制して消火する。
3 ハロゲン化物消火設備に用いるHFC-23やHFC-227eaは、オゾン層に影響を与えないという特徴を持っているが、消火剤放射時は視界が悪くなることおよび生ガスの人体に対する影響が大きいなどの性質を有している。
4 二酸化炭素消火剤は電気絶縁性が大きく、わずかな隙間にも浸透するため室内の隅々まで消火でき、また寒冷地でも凍結などによる性能の低下が無い等の特徴を有している。
自動火災報知設備の熱感知器について、最も適当なものは次のうちどれか。
1 熱感知器の熱伝達のプロセスには、高温空気と感知器の間の対流熱伝達、高温物体から感知器に直接作用する放射熱伝達の2つの現象が関係し、伝導熱伝達は無視できる。
2 熱感知器の応答特性は熱を感知する感熱部の温度の時間的な変化によって表されるが、その温度変化は火災が発生してからある程度までに感熱部に吸収される熱量の総和で決まる。
3 火災のごく初期の間は、感知器の周囲にある物体の温度は比較的低いので、炎が感知器の直近にある場合を除いて、対流により感熱部に伝達される熱量は他の現象により伝達される熱量に比べて小さく、ほぼ無視できる。
4 感熱部が感知器の本体と十分に断熱されている場合には、感熱部から本体への伝導による熱の移動は無視でき、放射による感熱部への熱伝導が考慮すべき最も重要な現象となる。
消火設備について、最も不適当なものは次のうちどれか。
1 二酸化炭素の誤放出を防止するための安全対策として、点検時に消火剤の放出を遮断する閉止弁、閉止弁の開・閉表示機能付きの操作箱、電路の短絡による誤放出防止機能付き制御盤の設置がある。
2 ハロゲン化物の消火剤は、噴射ヘッドから放出されると速やかに気化して不燃性の重い気体となり燃焼物の周囲に滞留し、ハロゲン元素Br、Cl、Fが燃焼物の連鎖反応機構における活性物質に作用して燃焼を抑制する酸素濃度希釈効果と冷却効果がある。
3 粉末消火設備の消火剤の特徴は、消火効果が迅速強力であり、電気絶縁性が大きく、寒冷地でも凍結による性能の低下がない。また、放出は加圧式窒素ガス容器のガスまたは粉末消火剤タンクの蓄圧ガスで行われるので、特別の動力源を必要としない、などである。
4 水系消火設備は、消火剤として水を使用するか、あるいは水を主体とし、これに水以外の消火剤を混合して使用するものがあり、大きくは移動式と固定式に分類される。特に移動式は人がホースなどを延長して消火活動を行うものであり、操作性の良いことが要求される。
自動火災報知設備の感知器の種類と作動原理に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1 光電式分離型感知器は、光を発する送光部とその光を受ける受光部をそれぞれ独立した構造とし、公称監視距離の範囲で対向設置し、その光路上に進入する火炎により増幅される受光量の変化を受光量の変化を受光部で検知し作動する。
2 赤外線式スポット型感知器は、炎から放射される赤外線の変化が、一定の量以上になったときに火災信号を発するもので、一局所の赤外線による受光素子の受光素子の受光量の変化により作動する。
3 差動式スポット型感知器(空気の膨張を利用したもの)は、室温が緩やかに上昇するときには膨張した空気はリーク孔から逃げ、動作するには至らないが、火災の際の急激な温度上昇のときは空気室の膨張によりダイヤフラムを押し上げ、接点を閉じて作動する。
4 差動式分布型感知器(空気管式)は、天井面に張られた空気管が一定長さ以上にわたり加熱されると、加熱された部分の空気が膨張し検出部内のダイヤフラムを押し上げ、接点を閉じて作動する。
まとめ
- 問題文の条件を省略せず、主語・数値・対象を確認します。
それでは続いて【火災・防火・総合防災⑥】総合操作盤・消防活動支援|消防設備士甲種特類【過去問】へ進みます。