【過去問】電気に関する基礎的知識⑥:電力と電力量の計算

強欲な青木
消防設備士の免許取りたいんやけど電気に関する基礎的知識が全然分からへん!
おすすめの勉強方法って何かない?
おすすめ勉強方法はズバリ過去問を攻略しておくこと!
特に消防設備士は過去問が公開されてない分、情報を集められたらそのまんま出るから全部ここで教えるわな!
管理人
強欲な青木
強欲な感謝♪
特に私 "電気" は電験三種まで(※合格率8.0%の難しい時代に)取ったんで皆さんのお役に立てればと!
管理人

本記事の信頼性

この記事をみれば消防設備士試験に出てくる電気に関する基礎的知識の "電力と電力量の計算" がサービス問題になるはず!

最新ver.の過去問情報は、青木マーケ(株)noteの消防設備士「過去問テスト」毎年更新しています。

>> 消防設備士「過去問テスト」

 

👆併せて、ご参照ください。

この記事では、消防設備士試験の「電気に関する基礎的知識」で毎回のように出題される電力と電力量を解説します。

キーワードは P=VI、I²R、V²/R、J、kWh、熱エネルギー の6つです。ここは公式そのものは簡単なのに、「どの式を使うか」で手が止まる人が非常に多いところです。逆に言えば、式の選び方さえ決めてしまえば得点源になります。

 

電力と電力量の基本

まず、電気を消費するものを負荷といいます。モーターは電気エネルギーを運動エネルギーに、電熱器やアイロンは電気エネルギーを熱エネルギーに変換しています。この負荷が1秒間に消費する電気エネルギーのことを電力といいます。

電力の量記号は P、単位はワット〔W〕です。1W とは「1秒間に1J のエネルギーを消費する」という意味で、1V の電圧で 1A の電流が流れているときの電力が 1W と決められています。そして、その電力をある時間ぶん使い続けた合計電力量で、量記号は W、単位はワット秒〔W・s〕やキロワット時〔kW・h〕を使います。

家電製品の裏に貼ってあるシールに「100V 600W」と書かれていたら、それは100V で使ったときに1秒あたり600J を消費するという意味です。このとき流れる電流は 600W ÷ 100V = 6A と、その場で計算できます。試験問題も結局はこれと同じことを聞いているだけです。

押さえるのはこれだけ

電力 P〔W〕= 1秒あたりのエネルギー(スピードのようなもの)

電力量 W〔W・s〕= 電力 × 時間(距離のようなもの)

1〔W・s〕= 1〔J〕なので、電力量と熱量は同じ単位で扱える

「電力」と「電力量」は名前が似ていますが、まったく別物です。電力はその瞬間の勢い、電力量は使った総量。車でいえば、電力が「時速」、電力量が「走った距離」にあたります。

電力と電力量、試験でわざと入れ替えて出してきよるで。単位を見たら一発や。〔W〕なら電力、〔W・s〕とか〔kWh〕とか〔J〕なら電力量。まずここで迷わんようにな。
管理人

 

電力 P〔W〕の3つの式

 

3つの式の特徴

電力の基本式は P=VI ですが、ここにオームの法則を代入すると、全部で3つの形になります。

①基本形 P=VI

電圧 V〔V〕と電流 I〔A〕の両方が分かっているときに使います。いちばん素直な形です。

②電流形 P=I²R

V=RI を P=VI に代入した形です。電流 I と抵抗 R が分かっているときに使います。直列回路では電流が全部の抵抗で共通なので、この式が主役になります。

③電圧形 P=V²/R

I=V/R を P=VI に代入した形です。電圧 V と抵抗 R が分かっているときに使います。並列回路では電圧が全部の抵抗で共通なので、この式が主役になります。

3つとも中身は同じものです。分かっている量が2つあれば、その2つが入っている式を選ぶ——ただそれだけの話です。暗記というより「手持ちのカードで選ぶ」感覚を持ってください。

 

計算例:どの式を使うか決める

【例題】24Vの電源に、4Ωと2Ωの抵抗を直列に接続した。2Ωの抵抗で消費する電力を求めなさい。

①分かっている量を書き出す

分かっているのは電源電圧24V抵抗4Ω・2Ωです。2Ωにかかる電圧はまだ分かりません。

②電流を出して I と R をそろえる

合成抵抗は直列なので 4Ω+2Ω=6Ω。回路に流れる電流は

I = 24V ÷ 6Ω = 4A

これで「電流 I=4A」と「抵抗 R=2Ω」がそろいました。使うのは②の P=I²R です。

③電力を計算する

P = I²R = 4² × 2 = 16 × 2 = 32W

【検算】別ルートでも確かめます。2Ωにかかる電圧は 4A × 2Ω = 8V。よって P=VI=8V × 4A=32W。一致しました。さらに4Ωのほうは P=4²×4=64W なので、全体は 32+64=96W。電源側から見ると P=VI=24V × 4A=96W で、こちらも一致します。

 

3つの式でよくある間違い

間違い1:V に電源電圧をそのまま入れてしまう
P=V²/R の V は、その抵抗の両端にかかっている電圧です。直列回路では電源電圧が各抵抗に分かれてかかるので、電源電圧をそのまま代入すると必ず過大な答えになります。上の例題で 24²÷2=288W としてしまうのが典型的なミスです。

間違い2:I を2乗し忘れる
P=I²R であって P=IR ではありません。IR はオームの法則で「電圧」を表す式です。P=IR と書いた時点で単位が〔V〕になってしまうので、単位を見れば自分で気づけます。

間違い3:どの式を使うか最初に決めようとする
決めるのは最後で構いません。まず回路の電流と電圧を全部埋めてしまえば、どの式でも同じ答えが出ます。迷ったらオームの法則で穴を埋めるのが結局いちばん速い解き方です。

 

電力量 W と 熱量 Q の公式

この3本をセットで覚える

電力量 W = Pt〔W・s〕=〔J〕

熱量(ジュール熱)Q = Pt = I²Rt〔J〕 …… ジュールの法則

1〔W・s〕= 1〔J〕

抵抗に電流を流すと必ず熱が出ます。これがジュール熱です。電力 P で t 秒間流したときの熱量 Q は Q=Pt。ここに P=I²R を代入すると Q=I²Rt となり、これをジュールの法則と呼びます。

ジュールの法則で Q が I の2乗に比例する点は特に重要です。電流が2倍になると熱量は4倍、3倍になると9倍。電線が細すぎたり、過大な電流が流れたりすると一気に危険になるのは、この2乗のせいです。抵抗 R と時間 t は1乗なので、2倍になれば熱量も2倍で済みます。2乗で効くのは電流だけ——ここを押さえておくと、比較の問題で迷いません。

大事なのは、電力量と熱量は計算式がまったく同じだということです。抵抗で消費された電気エネルギーは、そっくりそのまま熱に変わるからです。問題文が「電力量を求めよ」でも「発生する熱エネルギーを求めよ」でも、やることは P を出して時間を掛ける だけです。

 

計算例:電気ドライヤーの電力量

【例題】電気ドライヤーに100Vの電圧を加えたら6Aの電流が流れた。電力は何Wか。また10分間使用したときの電力量を〔W・s〕と〔kW・h〕で求めなさい。

①電力を求める

V と I が分かっているので、①の基本形を使います。

P = VI = 100V × 6A = 600W

②時間を単位に合わせて変換する

〔W・s〕で答えるなら時間は、〔kW・h〕で答えるなら時間は時間に直します。

10分 = 10 × 60 = 600s / 10分 = 10 ÷ 60 = 1/6 h

③それぞれ掛け算する

W = Pt = 600W × 600s = 360,000 W・s(=360,000J)

W = Pt = 600W × 1/6 h = 100W・h = 0.1 kW・h

【検算】0.1kWh を J に直すと 0.1 × 3,600,000 = 360,000J。①の答えとぴったり一致します。

 

使うときの注意点

注意1:時間の単位を必ずそろえる
W=Pt の t は、答えの単位で決まります。〔J〕や〔W・s〕なら、〔Wh〕〔kWh〕なら時間。「3分」と書いてあったら反射的に 180s に直すクセをつけてください。ここのミスが失点の最多パターンです。

注意2:k(キロ)と m(ミリ)の処理
10kΩ=10,000Ω、10mA=0.01A。計算前にすべて基本単位(Ω・A・V)に直すのが安全です。10k × 10m = 100 のように頭の中で相殺しようとすると、桁を1つ落とします。

注意3:Q=I²Rt の I は「その抵抗に流れる電流」
回路全体の電流とは限りません。並列回路では枝ごとに電流が違うので、必ず「どの抵抗の話か」を確認してから代入してください。

 

単位の換算(kWh・J・cal)

電力量の単位でいちばん身近なのがキロワット時〔kW・h〕です。1kWh は「1kW の電力を1時間使ったときの電力量」のことで、電気料金の請求書に載っている単位です。

換算はこの2つだけ

1kWh = 1,000W × 3,600s = 3,600,000J = 3.6 × 10⁶ J = 3.6MJ

1cal = 4.186J(水1gを1℃上げるのに必要な熱量が1cal)

1kWh が 3.6MJ になる理由はシンプルで、1,000倍(k)と3,600倍(1時間=3,600秒)を掛けただけです。丸暗記せず、その場で作れるようにしておくと忘れません。

あわせて、電力量の単位の「階段」も整理しておきましょう。小さいほうから 1W・s = 1J1W・h = 3,600W・s = 3,600J1kW・h = 1,000W・h = 3,600,000J の3段です。段を1つ上がるごとに 3,600倍・1,000倍と掛けていくだけなので、覚えるのは「3,600」と「1,000」の2つの数字だけです。

もうひとつのカロリーは熱量の単位で、水1g の温度を1℃上げるのに必要な熱量を1cal と定めたものです。J とは 1cal=4.186J の関係でつながっており、この換算が出てくる問題は「水を温める」パターンとほぼ決まっています。

 

計算例:水を沸かすのにかかる時間

【例題】1kW の電熱器で、20℃の水2Lを100℃まで加熱したい。熱が100%水に伝わるものとして、必要な時間を求めなさい。ただし 1cal=4.186J とする。

①必要な熱量を cal で出す

水2L = 2,000g、温度上昇は 100−20 = 80℃。水1gを1℃上げるのに1calなので、

2,000g × 80℃ = 160,000cal(=160kcal)

②cal を J に直す

160,000cal × 4.186J = 669,760J(約6.7 × 10⁵ J)

③Q=Pt を時間について解く

t = Q ÷ P = 669,760J ÷ 1,000W = 669.76s ≒ 約11分10秒

【検算】逆算します。1,000W × 669.76s = 669,760J。これを cal に戻すと 669,760 ÷ 4.186 = 160,000cal。①の値と一致しました。ちなみに 1kWh = 3,600,000 ÷ 4.186 ≒ 860,000cal = 約860kcal という関係も覚えておくと、桁の見当がすぐつきます。

強欲な青木
1cal=4.186J は「約4.2」で計算しても選択肢は選べるで。でもな、cal と J をどっち向きに掛けるかで迷うヤツが多い。J のほうが数字が大きくなる——これだけ覚えとき。cal から J は掛け算、J から cal は割り算や。

 

【応用】直列・並列でどの抵抗が一番発熱するか

ここが本記事いちばんの頻出ポイントであり、いちばんの引っかけです。「抵抗が大きいほうが電力も大きい」と機械的に覚えていると、並列回路で必ずやられます。

step
1
直列か並列かを見分ける

直列なら電流 I が共通、並列なら電圧 V が共通。まずこれを確定させます。

step
共通な量が入っている式を選ぶ

直列は I が共通なので P=I²R、並列は V が共通なので P=V²/R を使います。

step
R が分子か分母かで結論が決まる

P=I²R は R が分子なので、R が大きいほど P も大きい。P=V²/R は R が分母なので、R が小さいほど P が大きい。真逆になります。

step
数字を入れて確かめる

不安なら適当な数字を入れて1回計算すれば一瞬で確認できます。試験中でも30秒あれば足ります。

 

計算例:同じ抵抗を直列と並列でつないで比べる

【例題】100Vの電源に10Ωと40Ωの抵抗をつなぐ。(1)直列のとき、(2)並列のとき、それぞれの抵抗の消費電力を求めなさい。

①直列の場合

合成抵抗は 10+40 = 50Ω、電流は I = 100V ÷ 50Ω = 2A(共通)。

10Ω:P = I²R = 2² × 10 = 40W

40Ω:P = I²R = 2² × 40 = 160W

大きい抵抗(40Ω)のほうが4倍発熱する

②並列の場合

どちらの抵抗にも100Vがそのままかかります(共通)。

10Ω:P = V²/R = 100² ÷ 10 = 10,000 ÷ 10 = 1,000W

40Ω:P = V²/R = 100² ÷ 40 = 10,000 ÷ 40 = 250W

小さい抵抗(10Ω)のほうが4倍発熱する。直列とは逆の結果です。

③検算

直列の合計:40+160 = 200W。電源側から見ると P=VI=100V × 2A=200W で一致。

並列の合計:1,000+250 = 1,250W。合成抵抗は和分の積で(10 × 40)÷(10+40)=400÷50=8Ω なので、P=V²/R=10,000÷8=1,250W で一致。


コンセントの差し込みがゆるいと火事になる、いう話あるやろ。あれがまさに直列の I²Rや。接触抵抗が直列に入ってまうから、そこだけ抵抗が大きくなって熱を持つ。理屈が分かってると、こういう実務の問題も一発で解けるで。
管理人

 

実務での例:接触抵抗が2倍になると発熱はどうなるか

コンセントとプラグの接触部分にほこりが溜まったり、表面が酸化して被膜ができたりすると、そこに接触抵抗が生じます。これは負荷に対して直列に入る抵抗です。

【例題】100Vの電源に100Ωの負荷をつないでいる。接触抵抗が1Ωのときと2Ωのとき、接触部分で発生する電力を比べなさい。

①接触抵抗1Ωのとき

合成抵抗は 100+1 = 101Ω、電流は I = 100V ÷ 101Ω ≒ 0.990A。

P = I²R = 0.990² × 1 ≒ 0.980W

②接触抵抗2Ωのとき

合成抵抗は 100+2 = 102Ω、電流は I = 100V ÷ 102Ω ≒ 0.980A。

P = I²R = 0.980² × 2 ≒ 1.922W

③比較する

1.922 ÷ 0.980 ≒ 約1.96倍。抵抗が2倍になると、発熱もほぼ2倍になりました。電流はわずかに減るものの、R が2倍になる効果のほうが圧倒的に大きいためです。

【検算】電圧のほうから求めても同じです。接触抵抗2Ωにかかる電圧は分圧で(2÷102)× 100V ≒ 1.961V なので、P=VI=1.961 × 0.980 ≒ 1.922W。一致しました。

接触部分がほこりで汚れていたり、接触面積が小さかったりすると接触抵抗は大きくなります。そしてジュール熱も大きくなる——これが、いわゆるトラッキング火災につながる仕組みです。「接触面積が小さい → 接触抵抗は大きい」という向きを逆に書いた選択肢が定番の誤りなので注意してください。

 

🔰試験問題を解くときの手順

迷ったらこの順番

①何を聞かれているか確認する……電力〔W〕か、電力量・熱量〔J〕〔kWh〕か。単位で判断する。

②単位をすべて基本単位に直す……kΩ→Ω、mA→A、分→秒。ここで直しておけば以後ミスしない。

③分かっている量を2つ探す……(V,I)なら P=VI、(I,R)なら P=I²R、(V,R)なら P=V²/R。

④2つそろわなければオームの法則で作る……合成抵抗→全体電流→分圧、の順で埋めていく。

⑤熱量・電力量なら最後に時間を掛ける……W=Pt。時間の単位を答えに合わせる。


②の単位そろえ、面倒くさがって飛ばすヤツおるけど、それが一番の失点原因やで。kΩ を Ω に、mA を A に、分を秒に。問題文の横に書き直してから解き始める。これだけで正答率が目に見えて変わるわ。
管理人

とくに④が肝心です。電力の問題の大半は、実質「オームの法則で電流か電圧を求める問題」であり、電力の計算そのものは最後のひと手間にすぎません。電力の問題=オームの法則+掛け算1回と考えてください。

強欲な青木
答えが出たら、全体の電力=各抵抗の電力の合計になってるか必ず見といてな。ここが合わへんかったら、どこかで計算間違いしとる。30秒でできる保険や、絶対サボったらあかんで。

 

【過去問】電気に関する基礎的知識⑥:電力と電力量の計算

下図の回路で消費する全電力として、正しいものは次のうちどれか。

  1. 100W
  2. 150W
  3. 250W
  4. 300W

下図の直流回路において、電流計が2Aを指示しているとき、抵抗Rで消費する電力として、正しいものは次のうちどれか。

  1. 12W
  2. 24W
  3. 36W
  4. 48W

抵抗値が10kΩの抵抗器がある。許容電流が10mAであるとき、許容電力の値として、正しいものは次のうちどれか。

  1. 1.0mW
  2. 10.0mW
  3. 0.1W
  4. 1.0W

5Ωの抵抗に2Aの電流を3分間流したときに発生する熱エネルギーQ〔J〕として、正しいものは次のうちどれか。

  1. 1,800J
  2. 3,600J
  3. 5,400J
  4. 9,000J
もし、まだ自信がないのであれば繰り返し「過去問テスト」等を使って類題を解くことをオススメします!
管理人

消防設備士「過去問テスト」は、その名の通り“過去に出た問題” のテストです。

ブログでお馴染みの管理人が過去問に関する情報収集を積み重ね、その中からピックアップして過去問ベースの模擬試験を作成したものです。

\そのまま試験に出ます/

「過去問テスト」をする

※有料記事はnoteの仕組みで「全額返金可能」です。

上記以外に新傾向問題の情報など提供あり次第、解説を毎年追記して更新しています。これから消防設備士の試験を受けられる方は是非ご覧下さい。


それでは続いて国家資格「消防設備士」試験の ❝電気に関する基礎的知識❞ に出題される過去問をみていきましょう。