おすすめの勉強方法って何かない?
特に消防設備士は過去問が公開されてない分、情報を集められたらそのまんま出るから全部ここで教えるわな!
本記事の信頼性
この記事をみれば消防設備士試験に出てくる電気に関する基礎的知識の "正弦波交流の基礎と実効値" がサービス問題になるはず!
最新ver.の過去問情報は、青木マーケ(株)noteの消防設備士「過去問テスト」で毎年更新しています。
👆併せて、ご参照ください。
この記事では、消防設備士試験の「電気に関する基礎的知識」で出題される正弦波交流の基礎と実効値を解説します。
キーワードは 最大値、実効値、平均値、周期、周波数、角速度 の6つです。ここから先は「交流」の世界に入ります。直流と違って値が刻々と変化するので身構えてしまいますが、試験に出るのは√2 で割るか、√2 を掛けるかという一点にほぼ集約されます。公式は片手で数えられるほどしかありません。落ち着いていきましょう。
交流の基本
まず、直流(DC)とは、時間が経っても大きさと向きが変わらない電気のことです。乾電池やバッテリーがこれにあたります。グラフに描けば、ただの水平な直線になります。
これに対して交流(AC)は、時間とともに大きさも向きも周期的に変化する電気です。コンセントから来ている電気がこれです。プラスとマイナスが1秒間に何十回も入れ替わっています。
交流にはいくつか波形の種類があり、正弦波交流・方形波交流・三角波交流などがあります。このうち、波形がサインカーブ(正弦波形)を描くものが正弦波交流で、家庭用100V交流をはじめ最も広く使われているのがこれです。試験で単に「交流」と書かれていたら、まず正弦波交流だと思って構いません。
押さえるのはこれだけ
・直流=大きさも向きも一定(乾電池)
・交流=大きさも向きも周期的に変化(コンセント)
・交流のうち、波形が正弦波形のものが正弦波交流。試験の主役はこれ
ここで一つ問題が起こります。直流なら「12Vの電池」と言えばそれで済みますが、交流は値が絶えず変わっているので、「この交流は何ボルトなのか」を一言で言えません。そこで「何を基準に交流の大きさを表すか」を決める必要が出てきます。その答えが実効値で、この記事の最重要ポイントです。
周期 T と周波数 f
周期と周波数の特徴
正弦波の波形を見ると、山と谷がセットになった同じ形が延々と繰り返されています。この繰り返しの1回分を1周波といい、1周波に要する時間を周期といいます。
①周期 T〔s〕
波形が1回ぶん繰り返されるのにかかる時間です。量記号は T、単位は秒〔s〕。周期が短いほど、繰り返しの速度が速いことになります。
②周波数 f〔Hz〕
1秒間に繰り返される周波の数です。量記号は f、単位はヘルツ〔Hz〕。1秒間に50回繰り返せば50Hz です。
③T と f は逆数の関係
T = 1/f〔s〕 および f = 1/T〔Hz〕
掛け合わせると T × f = 1 になります。
この逆数の関係は、意味を考えれば当たり前です。1周期に0.02秒かかるなら、1秒間には 1 ÷ 0.02 = 50回入る。それがそのまま周波数50Hz です。公式を忘れても「1秒を周期で割れば回数」と考えれば必ず出せます。
ちなみに日本の商用電源は、東日本が50Hz、西日本が60Hzです。明治期に東京がドイツ製、大阪がアメリカ製の発電機を導入したことに由来する、世界的にも珍しい二重構造です。試験でもこの数字はそのまま問われることがあります。
計算例:周期と周波数を行き来する
【例題】周波数60Hz の正弦波交流の周期を求めなさい。また、周期が20ms の交流の周波数を求めなさい。
①周波数から周期を求める
T = 1/f = 1 ÷ 60 = 0.01666… ≒ 0.0167s(約16.7ms)
②単位をそろえてから逆を計算する
20ms は 20 ÷ 1,000 = 0.02s です。ミリ〔m〕は1/1,000 なので、まず秒に直します。
f = 1/T = 1 ÷ 0.02 = 50Hz
③意味を確認する
60Hz のほうが1秒あたりの回数が多いので、1回にかかる時間(周期)は短くなります。16.7ms < 20ms となっていて、つじつまが合っています。
【検算】掛け算で確かめます。T × f = 0.0167 × 60 ≒ 1.00、0.02 × 50 = 1.00。どちらも1になったので正解です。T と f を掛けて1にならなければ、どこかで間違えています。
角速度 ω と瞬時値
この2本をセットで覚える
・角速度 ω = 2πf〔rad/s〕 ……f を角度の速さに翻訳したもの
・瞬時値 v = Vm sin ωt〔V〕 ……Vm は最大値、t は時間〔s〕
正弦波がなぜ「サインカーブ」になるのかというと、円周上をぐるぐる回る点の、縦方向の高さを時間軸に沿って描いたものだからです。半径1の円を描き、中心 O から円周上の点 A へ線分を引くと、A の高さ AB は sinφ で表されます。線分 OA を反時計回りに回していけば、AB の値はゼロ→1→ゼロ→−1→ゼロ、と変化し、これをグラフにすると正弦曲線が現れます。
この1秒間に線分 OA が回転する角度を角速度 ω(オメガ)といい、単位は〔rad/s〕(ラジアン毎秒)です。角度の単位ラジアンは、π〔rad〕=180°、2π〔rad〕=360°と決められています。
1周(360°=2π rad)まわると波形が1回ぶん完成するので、1秒間に f 回まわるということは、1秒間に 2π × f だけ角度が進むということです。だから ω = 2πf。これが超頻出の関係式です。そして t 秒間まわったときの回転角は ωt〔rad〕 になります。
この回転角 ωt を sin に入れ、最大値 Vm を掛けたものが、その瞬間の電圧である瞬時値です。式にすると v = Vm sin ωt。小文字の v・i は瞬時値、大文字の V・I は実効値、添字 m 付きの Vm・Im は最大値、という書き分けも覚えておいてください。
計算例:角速度と瞬時値を求める
【例題】最大値141V、周波数50Hz の正弦波交流電圧がある。角速度 ω を求め、t = 1/600 秒における瞬時値 v を求めなさい。(π=3.14)
①角速度を求める
ω = 2πf = 2 × 3.14 × 50 = 314 rad/s
50Hz のときの ω=314 は、よく出てくるので覚えてしまって損はありません。
②回転角 ωt を求める
ωt = 314 × (1/600) = 0.5233… rad
度に直すと、π rad = 180° なので 0.5233 ÷ 3.14 × 180 = 約30° です。
③瞬時値を計算する
v = Vm sin ωt = 141 × sin30° = 141 × 0.5 = 70.5V
【検算】時間の割合から確かめます。50Hz の周期は T=1/50=0.02s。t=1/600s は 0.001666…s なので、0.001666 ÷ 0.02 = 1/12 周期ぶん進んだことになります。1周は360°なので 360 × 1/12 = 30°。②と一致しました。「1周期のうち何分の1か」を先に出しても同じ角度にたどりつきます。
使うときの注意点
注意1:ω と f を混同しない
ω〔rad/s〕は角度の速さ、f〔Hz〕は回数で、まったく別の量です。50Hz は ω=314rad/s、60Hz は ω=2×3.14×60=376.8rad/s。ω のほうが数字が約6.28倍大きくなるので、桁を見ればどちらの話か判断できます。
注意2:sin の中身は角度、外の Vm は電圧
v=Vm sin ωt の sin ωt は −1〜+1 の範囲におさまる、単位のない数です。したがって瞬時値が最大値を超えることは絶対にありません。計算結果が Vm より大きくなったら、その時点で間違いです。
注意3:ラジアンと度をその場で換算する
π=180°、π/2=90°、π/3=60°、π/6=30°。π を 180 に置き換えるだけなので、問題を見た瞬間に度へ直してしまうほうが早いです。
実効値・最大値・平均値
ここが本題です。交流は値が変わり続けるので、大きさを表すのに3つの尺度が用意されています。
①最大値 Vm(Em・Im)
瞬時値のうち最も大きい値です。波形の山のてっぺんの高さ、そのままです。
②実効値 V(E・I)
同じ抵抗に対して同じ電力を消費する直流に換算した値です。この定義はそのまま穴埋め問題に出ます。
実効値 = 最大値 ÷ √2 ≒ 最大値 × 0.707
最大値 = 実効値 × √2 ≒ 実効値 × 1.414
③平均値 Va(Ea・Ia)
1周期ぶんを平均するとプラスとマイナスが打ち消し合って0になってしまうため、半周期を平均した値を平均値とします。
平均値 = 最大値 × 2/π ≒ 最大値 × 0.637
実効値の考え方だけ、もう少し説明します。同じ抵抗 R に、交流電流 i と直流電流 I をそれぞれ流したとします。t 秒間の電力量は、交流側が Ri²t、直流側が RI²t です。この2つの電力量が等しくなるときの直流の値 Iを、その交流の実効値と決めたのです。
つまり実効値とは、「この交流は、直流でいえば何ボルトぶんの仕事をしているか」という換算値です。だからこそ、実効値を使えば交流でも直流と同じようにオームの法則や電力の式が使える——これが実効値の最大のメリットであり、試験でも繰り返し問われるポイントです。
そして最重要の具体例が、身近な家庭用100V交流です。
家庭用100V交流の3つの数値
・実効値 E = 100V(コンセントの「100V」はこれ)
・最大値 Em = 100 × 1.414 ≒ 141V(プラス側+141V、マイナス側−141V)
・平均値 Ea ≒ 0.637 × 141 ≒ 90V
コンセントに書いてある「AC100V」は実効値であって、実際には瞬間的に±141V まで振れています。この「100V・141V・90V」という3点セットは、そのまま答えになる問題も多いので、数字ごと覚えてしまうのが得策です。
計算例:3つの数値を全部出す
【例題】実効値200V の正弦波交流電圧がある。最大値と平均値を求めなさい。(√2=1.414、π=3.14)
①最大値を求める(実効値 × √2)
Em = 200 × 1.414 = 282.8V
②平均値を求める(最大値 × 2/π)
2 ÷ 3.14 = 0.637 なので
Ea = 282.8 × 0.637 ≒ 180.1V
③大小関係を確認する
最大値282.8V > 実効値200V > 平均値180.1V。この順番は正弦波交流では必ずこうなります。
【検算】逆算します。最大値282.8V を √2 で割ると 282.8 ÷ 1.414 = 200.0V で、元の実効値に戻りました。また、平均値と実効値の比は 180.1 ÷ 200 = 0.90 で、平均値は実効値の約0.9倍という関係(0.637 ÷ 0.707 ≒ 0.9)とも一致します。
使うときの注意点
注意1:√2 で「割る」のか「掛ける」のか
最大のミスがこれです。最大値のほうが必ず大きいと覚えてください。最大値を求めるなら数字は大きくなる(×1.414)、実効値を求めるなら数字は小さくなる(÷1.414)。答えを出したあと、大小が逆になっていないかだけ見れば防げます。
注意2:平均値は「半周期」の平均
「1周期の平均」と書かれた選択肢は誤りです。1周期で平均すると0になってしまいます。「1周期の波形と横軸で囲まれる面積をπで除したもの」という選択肢も、正しくは半周期の波形です。ここは誤答選択肢の定番なので要注意。
注意3:交流の計算は実効値どうしで行う
オームの法則 V=IR や電力 P=VI を交流で使うとき、代入するのはすべて実効値です。最大値と実効値を混ぜて計算してはいけません。逆に言えば、全部実効値でそろえてしまえば、直流とまったく同じ手順で解けます。
位相と位相差
正弦波を式で表すと v = Vm sin ωt でしたが、波形の出発点がずれている場合があります。このずれ具合を表すのが位相で、2つの波形の間のずれの量を位相差といいます。
公論テキストの表現では、交流の変化の時間的なずれを表すものを「位相」または「位相角」というとなっています。この一文がそのまま正誤問題に出ます。位相差は角度〔rad〕または〔°〕で表し、v = Vm sin(ωt ± θ) のように sin の中に足し引きされます。+θ なら進み位相、−θ なら遅れ位相です。
step
12つの式を並べて、sin の中身だけを見る
v₁ = 141 sin 314t、v₂ = 141 sin(314t − π/6) のように書き出します。頭の Vm や ω が同じなら、違いはsin の中の足し引きだけです。
step
2差を取って位相差 θ を出す
上の例なら θ = π/6〔rad〕。符号がマイナスなので v₂ のほうが遅れていると読み取ります。
step
3必要なら度に直す
π = 180° なので、π/6 = 180 ÷ 6 = 30°。ラジアンのままだとイメージしづらいときは、必ず度に直します。
step
4必要なら時間差に換算する
1周期が360°なので、時間差 = 周期 T ×(θ° ÷ 360)で求まります。
計算例:位相差を時間に直す
【例題】50Hz の交流で、位相差が π/6〔rad〕であるとき、時間にすると何秒のずれか求めなさい。
①位相差を度に直す
π/6 rad = 180 ÷ 6 = 30°
②周期を求める
T = 1/f = 1 ÷ 50 = 0.02s
③時間差に換算する
30° は1周360°の 30/360 = 1/12 にあたるので
時間差 = 0.02 × 1/12 = 0.001666… ≒ 0.00167s(約1.67ms)
【検算】角速度から確かめます。ω=2πf=2×3.14×50=314rad/s。位相差 π/6=3.14÷6=0.5233rad なので、時間 = 0.5233 ÷ 314 = 0.001666s。③と一致しました。「角度 ÷ 角速度 = 時間」という関係も使えます。
🔰試験問題を解くときの手順
迷ったらこの順番
①与えられた数字が実効値か最大値か確認する……問題文の「実効値」「最大値」に丸をつける。ここが全て。
②何を答えるのか確認する……実効値か、最大値か、平均値か。聞かれていないものを答えない。
③√2 の向きを決める……最大値を求める=×1.414(大きくなる)、実効値を求める=÷1.414(小さくなる)。
④オームの法則が必要なら実効値のまま使う……交流でも V=IR、P=VI がそのまま成立する。
⑤大小関係で答えを見直す……最大値 > 実効値 > 平均値。逆になっていたら計算ミス。
この分野の計算問題は、実質掛け算か割り算を1回するだけです。難しいのは計算ではなく、どちら向きに換算するかの判断だけ。だから①と③さえ丁寧にやれば、まず落とすことはありません。
また、周期・周波数・角速度はT=1/f と ω=2πf の2本で全部つながっています。f を軸にして、時間が欲しければ 1/f、角度の速さが欲しければ 2πf、と覚えておけば十分です。
【過去問】電気に関する基礎的知識⑩:正弦波交流の基礎と実効値
正弦波交流起電力について、最大値が312Vである場合の実効値として、最も近い値は次のうちどれか。
- 310V
- 220V
- 200V
- 160V
正弦波交流回路において、起電力の実効値が103Vであるとき、起電力の最大値として、最も近いものは次のうちどれか。
- 125V
- 135V
- 145V
- 155V
正弦波交流回路において、起電力の最大値がEmであるときの実効値Eを表す式として、正しいものは次のうちどれか。
- E = Em ÷ √2
- E = Em × π
- E = √2 × Em
- E = π × Em
実効値105Vの単相交流電圧を7Ωの抵抗に加えたとき、この抵抗に流れる電流の実効値として、正しいものは次のうちどれか。
- 7 A
- 7√2 A
- 15 A
- 15√2 A
交流に関する次の説明のうち、文中の( )にあてはまる語句として、正しいものはどれか。「交流の電圧・電流について、同じ抵抗に対して同じ電力を消費する直流の電圧・電流の大きさに換算した値を( )という。」
- 平均値
- 実効値
- 瞬間値
- 最大値
消防設備士「過去問テスト」は、その名の通り“過去に出た問題” のテストです。
ブログでお馴染みの管理人が過去問に関する情報収集を積み重ね、その中からピックアップして過去問ベースの模擬試験を作成したものです。

上記以外に新傾向問題の情報など提供あり次第、解説を毎年追記して更新しています。これから消防設備士の試験を受けられる方は是非ご覧下さい。
それでは続いて国家資格「消防設備士」試験の ❝電気に関する基礎的知識❞ に出題される過去問をみていきましょう。

