おすすめの勉強方法って何かない?
特に消防設備士は過去問が公開されてない分、情報を集められたらそのまんま出るから全部ここで教えるわな!
本記事の信頼性
この記事をみれば消防設備士試験に出てくる電気に関する基礎的知識の "交流の位相差とRLC回路" がサービス問題になるはず!
最新ver.の過去問情報は、青木マーケ(株)noteの消防設備士「過去問テスト」で毎年更新しています。
👆併せて、ご参照ください。
この記事では、消防設備士試験の「電気に関する基礎的知識」で毎回のように出題される交流の位相差とRLC回路を解説します。
キーワードは 位相差、リアクタンス、RLC直列、RLC並列、インピーダンス の5つです。ここは「交流」という言葉だけで身構えてしまう人が多いところですが、実際に出題されるのは位相の向きを答えるだけの暗記問題と、Z=√(R²+(XL-XC)²) に数字を入れるだけの計算問題のほぼ2種類しかありません。パターンが決まっているので、覚えてしまえば確実な得点源になります。
交流の位相差の基本
直流回路では、電圧をかけた瞬間に電流が流れ、その大きさは V÷R で決まりました。ところが交流は、電圧の大きさと向きが時間とともに絶えず変化しているため、話が少し変わります。回路にコイルやコンデンサが入っていると、電圧の山と電流の山がずれるという現象が起きるのです。
この「山のずれ」のことを位相差といいます。ずれの大きさは角度で表し、単位はラジアン〔rad〕または度〔°〕を使います。1周期が 2π〔rad〕=360° なので、その4分の1にあたる π/2〔rad〕は 90° です。試験ではこの π/2 が主役で、それ以外の角度はまず出てきません。
そして、交流回路で「電流の流れにくさ」を表す量がインピーダンス Zです。単位は抵抗と同じオーム〔Ω〕で、交流版のオームの法則は次の形になります。
V = I Z (電圧=電流×インピーダンス)
直流のときの V=IR の R が Z に置き換わっただけです。抵抗だけの回路なら Z=R なので、直流とまったく同じ計算になります。
押さえるのはこれだけ
・位相差=電圧の波と電流の波のずれ。試験に出るずれは π/2〔rad〕=90° だけ
・インピーダンス Z〔Ω〕=交流版の抵抗。オームの法則は V=IZ
・位相をずらす犯人はコイルとコンデンサ。抵抗だけならずれは生じない
R・L・C だけの回路と位相差
3つの回路の特徴
交流回路の部品は、抵抗 R・コイル L・コンデンサ C の3種類です。それぞれ1つだけをつないだときにどうなるかを、まず個別に押さえます。
①抵抗 R だけの回路 → 同相(ずれない)
電圧 v と電流 i は同位相です。位相差は 0。電圧が最大のときに電流も最大になります。
インピーダンスは Z = R で、オームの法則 I=V/R がそのまま使えます。周波数がいくら変わっても抵抗値は変わりません。
②コイル L だけの回路 → 電流が90°遅れる
コイルには、電流の変化を妨げる向きに誘導起電力が発生します。この「邪魔」のせいで電流の立ち上がりが遅れ、電流は電圧より π/2〔rad〕(90°)位相が遅れます。
電流の流れにくさを表すのが誘導リアクタンス XL〔Ω〕です。
③コンデンサ C だけの回路 → 電流が90°進む
コンデンサは、電圧をかけた瞬間にいちばん多くの電荷が動きます。つまり電圧が上がりきる前に電流が流れてしまうため、電流は電圧より π/2〔rad〕(90°)位相が進みます。
電流の流れにくさを表すのが容量リアクタンス XC〔Ω〕です。
「コイルは遅れ、コンデンサは進み」の覚え方
試験でいちばん狙われるのが、この遅れと進みの向きです。選択肢は「π/2 進む」「π/2 遅れる」「π 進む」「π 遅れる」の4つがお決まりで、正解は必ず π/2 のどちらか。つまり実質2択です。
覚え方は「コイルは遅れ、コンデンサは進み」とセットで唱えるのがいちばん確実です。片方だけ覚えると、本番で「どっちだったか」と迷った瞬間に両方あやしくなります。必ず2つ一組にしてください。
ベクトル図で答えさせる問題も出ます。電圧ベクトル V を基準(右向き)として、
・コイル(遅れ)→ 電流ベクトル I は時計回りに90°回転=真下を向く
・コンデンサ(進み)→ 電流ベクトル I は反時計回りに90°回転=真上を向く
「進み=反時計回り=上向き」だけ覚えておけば、残りは自動的に決まります。
計算例:コイルだけの回路に流れる電流
【例題】0.2〔H〕のコイルだけの回路に、100〔V〕、50〔Hz〕の交流電圧を加えた。流れる電流を求めなさい。ただし π=3.14 とする。
①誘導リアクタンス XL を求める
XL = 2πfL = 2 × 3.14 × 50 × 0.2 = 62.8Ω
②オームの法則で電流を求める
コイルだけの回路なので Z = XL です。
I = V/XL = 100 ÷ 62.8 ≒ 1.59A
③検算
逆向きに戻します。V = XL × I = 62.8 × 1.59 ≒ 99.9V。電源電圧の100Vとほぼ一致したので正しく計算できています。
ちなみに、この電流は電圧より90°遅れて流れています。大きさは 1.59A、位相は 90°遅れ——交流ではこの2つをセットで答えるのが本来の形です。
リアクタンスの公式
コイルとコンデンサの「電流の流れにくさ」をまとめてリアクタンスといいます。覚える式は次の2つだけです。
この2式は丸暗記
誘導リアクタンス(コイル):XL = ωL = 2πfL〔Ω〕
容量リアクタンス(コンデンサ):XC = 1/ωC = 1/2πfC〔Ω〕
ω(オメガ)は角速度で ω=2πf です。f は周波数〔Hz〕、L はインダクタンス〔H〕、C は静電容量〔F〕。
形を見比べてください。XL は f と L が分子、XC は f と C が分母。ここが決定的な違いで、周波数を上げたときの動きが正反対になります。
・周波数 f が高くなると XL は大きくなる→ コイルは交流を流しにくくする
・周波数 f が高くなると XC は小さくなる→ コンデンサは交流を流しやすくする
計算例:周波数が変わるとリアクタンスはどう変わるか
【例題】100〔μF〕のコンデンサだけの回路に100〔V〕の交流電圧を加える。50Hz と 60Hz で流れる電流を比べなさい。π=3.14 とする。
①単位を直してから50Hzで計算する
100μF = 100 × 10⁻⁶F = 0.0001F です。
XC = 1 ÷ (2 × 3.14 × 50 × 0.0001) = 1 ÷ 0.0314 ≒ 31.85Ω
I = 100 ÷ 31.85 ≒ 3.14A
②60Hzで計算する
XC = 1 ÷ (2 × 3.14 × 60 × 0.0001) = 1 ÷ 0.03768 ≒ 26.54Ω
I = 100 ÷ 26.54 ≒ 3.77A
③検算
コンデンサの回路は I = ωCV でも直接求められます。50Hzなら I = 2 × 3.14 × 50 × 0.0001 × 100 = 0.0314 × 100 = 3.14A。①と一致しました。
結果として、周波数が 50Hz → 60Hz と高くなると、コンデンサに流れる電流は増えることが確認できます。コイルなら逆に減ります。
使うときの注意点
μF は必ず F に直してから代入する。1μF = 10⁻⁶F です。ここを直さずに計算すると答えが100万倍ずれます。リアクタンスの計算ミスは、その大半が単位換算のミスです。
試験では XL・XC の値が最初から〔Ω〕で与えられることが多い。「XL=5Ω」と書いてあれば、2πfL を計算する必要はありません。与えられた数字はそのまま使う——これだけで大幅に時短できます。
直流(f=0)を加えたときは XL=0、XC=∞。コイルはただの導線、コンデンサは切れた線とみなせます。「直流を加えたら〜」という問題はここが出発点です。
RLC直列回路のインピーダンス
直列回路の3つのポイント
抵抗 R、コイル L、コンデンサ C が一列につながった回路をRLC直列回路といいます。ここからが計算問題の本番です。
①足し算は「そのまま」ではなく三平方の定理
Z = √{ R² + (XL - XC)² }〔Ω〕
R と X は位相が90°ずれているので、単純に足せません。直角三角形の斜辺を求めるイメージです。R が底辺、(XL-XC) が高さ、Z が斜辺。
②XL と XC は打ち消し合う
コイルは遅らせ、コンデンサは進ませる——向きが逆なので、2つは引き算になります。この差を合成リアクタンス X = |XL - XC|といいます。
絶対値なので、どちらが大きくても最後は2乗するので符号は関係ありません。
③部品が無ければその項はゼロ
コンデンサが描かれていない回路なら XC=0、コイルが無ければ XL=0 として同じ公式を使います。RL直列でもRC直列でも、公式を覚え直す必要はありません。
試験では 3・4・5 と 6・8・10、5・12・13 の直角三角形がよく使われます。√の中が 25、100、169 のようなきれいな数になったら、まず疑ってください。
計算例:RLC直列回路の電流と各部の電圧
【例題】25〔Ω〕の抵抗、0.2〔H〕のコイル、150〔μF〕のコンデンサの直列回路に、100〔V〕、50〔Hz〕の交流電圧を加えた。流れる電流 I と、抵抗・コイル・コンデンサそれぞれの両端の電圧 VR、VL、VC を求めなさい。π=3.14 とする。
①2つのリアクタンスを求める
XL = 2πfL = 2 × 3.14 × 50 × 0.2 = 62.8Ω
XC = 1 ÷ (2 × 3.14 × 50 × 150 × 10⁻⁶) = 1 ÷ 0.0471 ≒ 21.23Ω
②インピーダンス Z を求める
R² = 25 × 25 = 625
(XL - XC)² = (62.8 - 21.23)² = 41.57² ≒ 1728
Z = √(625 + 1728) = √2353 ≒ 48.5Ω
③電流を求める
I = V/Z = 100 ÷ 48.5 ≒ 2.06A
④各部の電圧を求める
直列回路なので、どの部品にも同じ 2.06A が流れます。
VR = R × I = 25 × 2.06 ≒ 51.5V
VL = XL × I = 62.8 × 2.06 ≒ 129.4V
VC = XC × I = 21.23 × 2.06 ≒ 43.7V
⑤検算
ここが交流の面白いところで、3つの電圧を単純に足しても電源電圧にはなりません(51.5+129.4+43.7=224.6V)。電圧もベクトルなので、インピーダンスと同じ形で合成します。
V = √{ VR² + (VL - VC)² } = √{ 51.5² + (129.4 - 43.7)² } = √(2652 + 7344) = √9996 ≒ 100.0V
電源電圧の100Vと一致したので、計算は正しいと確認できました。
使うときの注意点
√の中は最後にまとめて計算する。R² を出す → (XL-XC)² を出す → 足す → √をとる。この順番を崩さないこと。途中で√をとると必ず間違えます。
(XL-XC) を先に計算してから2乗する。XL²-XC² としてしまうミスが非常に多いです。70と40なら (70-40)²=900 であって、70²-40²=3300 ではありません。
直列は電流が共通、並列は電圧が共通。直流回路と同じルールがそのまま生きています。ここを踏まえておけば、各部の電圧を求める問題で迷いません。
直列共振——XL=XC になったとき
RLC直列回路で、XL と XC がちょうど等しくなった状態を直列共振といいます。このとき何が起きるか、公式に代入すれば一目でわかります。
Z = √{ R² + (XL - XC)² } = √{ R² + 0² } = R
つまりインピーダンスは抵抗 R だけになり、最小になります。Z が最小ということは I=V/Z が最大ということ。共振=「Z が最小、電流が最大」——このセットで覚えてください。
計算例:直列共振している回路
【例題】R=6Ω、XL=8Ω、XC=8Ω の直列回路に、60V の交流電圧を加えた。電流 I と各部の電圧を求めなさい。
①インピーダンスを求める
Z = √{ 6² + (8 - 8)² } = √(36 + 0) = 6Ω (=R そのもの)
②電流を求める
I = V/Z = 60 ÷ 6 = 10A
③各部の電圧を求める
VR = 6 × 10 = 60V/VL = 8 × 10 = 80V/VC = 8 × 10 = 80V
④検算
V = √{ 60² + (80 - 80)² } = √3600 = 60V。電源電圧と一致します。
注目すべきは、VL と VC がどちらも80Vで、電源の60Vを超えているのに、互いに打ち消し合って結果的に VR = 電源電圧 になっている点です。共振時は「抵抗だけの回路とまったく同じ振る舞い」になり、電圧と電流も同相になります。
RLC並列回路の考え方
抵抗・コイル・コンデンサが横並びにつながっているのがRLC並列回路です。公式もありますが、分数だらけで実戦向きではありません。
Z = 1 ÷ √{ (1/R)² + (1/XC - 1/XL)² }
試験では、この式に代入するより「枝ごとの電流を出して、最後にベクトル合成する」ほうが圧倒的に速くて確実です。手順は次の4つです。
step
1各枝に加わる電圧は全部同じ(=電源電圧)と確認する
step
2枝ごとの電流を求める(IR=V/R、IL=V/XL、IC=V/XC)
step
3IL と IC は向きが逆なので引き算する(IC-IL)
step
4I = √{ IR² + (IC - IL)² } で合成する
直列のときの「R と (XL-XC) を三平方で合成」が、並列では「IR と (IC-IL) を三平方で合成」に変わっただけです。直列は電圧が枝分かれ、並列は電流が枝分かれ——考え方は直流回路とまったく同じです。
なお、引き算の向きが直列とは逆(直列は XL-XC、並列は IC-IL)になっていますが、どのみち2乗するので符号を間違えても答えは変わりません。安心して大きいほうから小さいほうを引いてください。
計算例:RLC並列回路に流れる全電流
【例題】180V の交流電源に、R=15Ω、XL=10Ω、XC=20Ω が並列に接続されている。電源に流れる電流 I を求めなさい。
①各枝の電流を求める
並列なので、3つの枝すべてに180Vが加わります。
IR = 180 ÷ 15 = 12A
IL = 180 ÷ 10 = 18A
IC = 180 ÷ 20 = 9A
②IL と IC を打ち消し合わせる
IC - IL = 9 - 18 = -9 → 大きさは 9A
③三平方で合成する
I = √{ 12² + 9² } = √(144 + 81) = √225 = 15A
④検算
公式のほうでも確かめます。
Z = 1 ÷ √{ (1/15)² + (1/20 - 1/10)² } = 1 ÷ √(1/225 + 1/400) = 1 ÷ √(625/90000) = 1 ÷ (25/300) = 12Ω
I = V/Z = 180 ÷ 12 = 15A。③と一致しました。枝電流から攻めるほうが、分数計算をしなくて済むぶん速いことが分かると思います。
🔰試験問題を解くときの手順
迷ったらこの順番
①位相を聞かれているのか、数値を聞かれているのか判別する……「進む・遅れる」なら暗記問題、「〜の値」なら計算問題。
②位相問題なら「コイルは遅れ、コンデンサは進み」で即答……答えは必ず π/2 のどちらか。π の選択肢は捨てる。
③計算問題なら図から R・XL・XC を書き出す……無い部品は 0 と書く。単位が μF や H なら先に Ω に直す。
④直列なら Z=√{R²+(XL-XC)²}、並列なら枝電流を出して合成……直列は電流共通、並列は電圧共通。
⑤最後に V=IZ で聞かれた量に変換する……電流なら I=V/Z、電圧なら V=IZ、部分電圧なら(その部品のΩ)×I。
この分野は、出題される数字のパターンがかなり限られています。3・4・5(Z=5)、40・30・50(Z=50)、16・12・20(Z=20)——過去問を何問か解けば、同じ三角形が繰り返し出てくることに気づくはずです。√の中がきれいな平方数になるように問題が作られているので、割り切れない数が出たら計算ミスを疑ってください。
【過去問】電気に関する基礎的知識⑪:交流の位相差とRLC回路
負荷が誘導リアクタンスだけの回路に単相交流電圧を加えた場合、回路に流れる電流と電圧の位相差について、正しいものは次のうちどれか。
- 電流は電圧より位相が π/2〔rad〕だけ進む。
- 電流は電圧より位相が π/2〔rad〕だけ遅れる。
- 電流は電圧より位相が π〔rad〕だけ進む。
- 電流は電圧より位相が π〔rad〕だけ遅れる。
コンデンサに単相交流電圧を加えた場合、回路に流れる電流と電圧の位相差について、正しいものは次のうちどれか。
- 電流は電圧より位相が π/2〔rad〕だけ進む。
- 電流は電圧より位相が π/2〔rad〕だけ遅れる。
- 電流は電圧より位相が π〔rad〕だけ進む。
- 電流は電圧より位相が π〔rad〕だけ遅れる。
静電容量の異なる C₁ 及び C₂ の2つのコンデンサがある。これらを直列または並列に接続して正弦波交流電圧を印加した場合、電源に流れる電流が最も大きいものは次のうちどれか。ただし、電圧はすべて等しいものとする。
- C₁ と C₂ を直列に接続し、50Hz の電源を接続したとき。
- C₁ と C₂ を直列に接続し、60Hz の電源を接続したとき。
- C₁ と C₂ を並列に接続し、50Hz の電源を接続したとき。
- C₁ と C₂ を並列に接続し、60Hz の電源を接続したとき。
消防設備士「過去問テスト」は、その名の通り“過去に出た問題” のテストです。
ブログでお馴染みの管理人が過去問に関する情報収集を積み重ね、その中からピックアップして過去問ベースの模擬試験を作成したものです。

上記以外に新傾向問題の情報など提供あり次第、解説を毎年追記して更新しています。これから消防設備士の試験を受けられる方は是非ご覧下さい。
それでは続いて国家資格「消防設備士」試験の ❝電気に関する基礎的知識❞ に出題される過去問をみていきましょう。






