おすすめの勉強方法って何かない?
特に消防設備士は過去問が公開されてない分、情報を集められたらそのまんま出るから全部ここで教えるわな!
本記事の信頼性
この記事をみれば消防設備士試験に出てくる電気に関する基礎的知識の "電池・蓄電池とキルヒホッフの法則" がサービス問題になるはず!
最新ver.の過去問情報は、青木マーケ(株)noteの消防設備士「過去問テスト」で毎年更新しています。
👆併せて、ご参照ください。
この記事のキーワードは電池の内部抵抗、端子電圧、キルヒホッフ、蓄電池の4つです。ここまでの記事では「電池は決まった電圧を出してくれる便利な箱」として扱ってきましたが、実物の電池は中に抵抗を持っていて、電流を流すほど出せる電圧が下がります。その仕組みを表すのが端子電圧の式 V=E−rI で、電池が2個以上入った複雑な回路を解くための道具がキルヒホッフの法則です。最後に、消防設備の非常電源として必ず出てくる蓄電池もまとめて押さえます。
電池の内部抵抗と端子電圧の基本
電池は化学反応で電圧をつくり出しています。この「電池がつくり出す電圧そのもの」を起電力 E〔V〕といいます。ところが電池に負荷(豆電球やモーターなど)をつないで電流を流すと、電池の+端子と−端子の間で測った電圧は、起電力より必ず小さくなります。
これは、電池の内部にも電気の通りにくさ、つまり内部抵抗 r〔Ω〕があるためです。電流 I〔A〕が電池の中を通るときに、内部抵抗のところで rI〔V〕の電圧降下が起きてしまい、その分だけ外に出せる電圧が目減りするというわけです。この外に出てくる電圧を端子電圧 V〔V〕といいます。
押さえるのはこれだけ
V = E − rI
E:電池の起電力〔V〕/r:電池の内部抵抗〔Ω〕/I:流れる電流〔A〕/V:端子電圧〔V〕
「電池が本来出せる電圧 E から、内部で食われる分 rI を引いたものが、実際に外へ出てくる電圧 V」と読みます。
回路図を描くときは、電池を「起電力 E だけの理想的な電池」と「内部抵抗 r という普通の抵抗」が直列につながったものとして描き直します。こう描いてしまえば、あとは今までどおりの直列回路の計算になります。内部抵抗は電池の中にあって取り外せないだけで、計算上は普通の抵抗とまったく同じ扱いです。
端子電圧 V=E−rI の見方
ここだけ覚えれば得点できる3つの特徴
特徴① 電流を流していないときは V=E
負荷をつないでいない状態、つまり I=0 のときは rI=0 になるので、V=E となります。電池に何もつながずに電圧計だけを当てて測った値が、そのまま起電力だと考えてください。試験では「起電力を求めよ」ときたら、まず電流が 0 の状態を探します。
特徴② 電流が増えるほど端子電圧は下がる
V=E−rI の rI の部分は、I が大きくなるほど大きくなります。つまり重い負荷をつなぐ(=大きな電流を流す)ほど、端子電圧は下がるということです。乾電池にモーターをつなぐと電圧が落ちるのはこのためです。
特徴③ 古い電池は内部抵抗が大きい
電池は使い込むほど内部抵抗 r が大きくなります。r が大きいと、同じ電流を流しても電圧降下 rI が大きくなるので、端子電圧はより大きく下がります。「起電力はまだ残っているのに使えない電池」の正体はこれです。
V=E−rI を、横軸に電流 I、縦軸に端子電圧 V をとってグラフにすると、右下がりの直線になります。縦軸との交点(I=0 の点)が起電力 E、直線の傾きの大きさが内部抵抗 r です。このグラフの読み取りはそのまま試験に出ます。
計算例:グラフから起電力と内部抵抗を読み取る
ある電池に電流計・電圧計・可変抵抗 R をつないで測定したところ、電流が 0A のとき端子電圧は 1.5V、電流が 0.1A のとき端子電圧は 1.0V になりました。①この電池の起電力、②内部抵抗、③電流が 0.1A のときの可変抵抗 R の値を求めます。
①起電力 E を読む
電流が 0A のときの端子電圧が、そのまま起電力です。
E = 1.5V
②内部抵抗 r を求める
V=E−rI に、V=1.0V、E=1.5V、I=0.1A を代入します。
1.0 = 1.5 −(r × 0.1)
(r × 0.1)= 1.5 − 1.0 = 0.5
r = 0.5 ÷ 0.1 = 5Ω
③可変抵抗 R を求める
このとき回路は「起電力 1.5V」「内部抵抗 5Ω」「可変抵抗 R」の直列回路です。全体にオームの法則を当てはめます。
1.5 = 0.1 ×(5 + R)
5 + R = 1.5 ÷ 0.1 = 15
R = 15 − 5 = 10Ω
【検算】合成抵抗 5+10=15Ω に 1.5V を加えると、I=1.5÷15=0.1A で条件と一致します。さらに可変抵抗 10Ω の両端の電圧は 0.1×10=1.0V。これが端子電圧 1.0V と一致するので正解です。内部抵抗での降下 0.1×5=0.5V と足すと 1.0+0.5=1.5V=起電力になり、つじつまが合っています。
内部抵抗を含む回路の電流を求める公式
この2本で足ります
I = E ÷(r + R) …回路に流れる電流
V = E − rI = R ÷(r + R)× E …外部抵抗の両端の電圧(=端子電圧)
r は電池の内部抵抗、R は外部につないだ抵抗です。要するに内部抵抗と外部抵抗の直列回路とみて、オームの法則と分圧の式を当てるだけです。
計算例:負荷が重くなると端子電圧はどこまで下がるか
起電力 12V、内部抵抗 0.5Ω の電池があります。外部抵抗が 5.5Ω のときと 1.5Ω のときで、流れる電流と端子電圧を比べます。
①外部抵抗が 5.5Ω のとき
I = 12 ÷(0.5 + 5.5)= 12 ÷ 6 = 2A
V = 12 −(0.5 × 2)= 12 − 1 = 11V
②外部抵抗が 1.5Ω のとき
I = 12 ÷(0.5 + 1.5)= 12 ÷ 2 = 6A
V = 12 −(0.5 × 6)= 12 − 3 = 9V
③比べてみる
外部抵抗を小さくした(=重い負荷をつないだ)ことで電流は 2A から 6A に増え、端子電圧は 11V から 9V に下がりました。特徴②のとおりの結果です。
【検算】①では外部抵抗の電圧 2×5.5=11V、内部抵抗の電圧 2×0.5=1V で、足すと 11+1=12V=起電力。②でも 6×1.5=9V と 6×0.5=3V を足して 9+3=12V=起電力。どちらも一周分を足すと起電力に戻るので正しく計算できています。
使うときの注意点
①問題文が聞いているのが「外部抵抗器の両端の電圧」なのか「起電力」なのかを必ず確認します。外部抵抗器の両端の電圧は端子電圧と同じ値になりますが、起電力より小さい値です。選択肢に起電力と同じ数字(例:100V)が混ざっていたら、それは引っかけです。
②内部抵抗は「無視できるものとする」と書かれることがあります。この一文があれば r=0 として、端子電圧=起電力で計算して構いません。書いていなければ必ず r を勘定に入れます。
③電圧を求めるだけなら、分圧の式 V=R÷(r+R)×E を使うと電流を出さずに一発で答えが出ます。
電池を直列・並列につないだときの内部抵抗
直列は全部足す、並列は個数で割る
同じ電池 n 個をつないだとき
直列接続:起電力は nE、内部抵抗は nr
並列接続:起電力は E のまま、内部抵抗は r ÷ n
直列は電圧が増える代わりに内部抵抗も増えます。並列は電圧が増えない代わりに内部抵抗が減るので、大きな電流を取り出せるようになります。
電池の並列接続で内部抵抗が r÷n になるのは、同じ抵抗を並列につないだときの合成抵抗と同じ考え方です。2個なら r÷2、4個なら r÷4 になります。ここを間違えて「並列でも起電力が2倍」としてしまう人が多いので注意してください。
計算例:2個直列を2組、並列につないだ回路
起電力 1.5V、内部抵抗 0.3Ω の同じ電池を「2個直列にしたもの」を2組つくり、その2組を並列に接続します(電池は全部で4個)。両端に外部抵抗 2.7Ω をつないだときに流れる全電流と、電池1個あたりに流れる電流を求めます。
①1組(2個直列)をまとめる
起電力:1.5 × 2 = 3V 内部抵抗:0.3 × 2 = 0.6Ω
②2組を並列にしてまとめる
並列にしても起電力は 3V のままです。内部抵抗だけが半分になります。
内部抵抗:0.6 ÷ 2 = 0.3Ω
③全体の電流を出す
I = 3 ÷(0.3 + 2.7)= 3 ÷ 3 = 1A
この 1A が2組に分かれて流れるので、1組(=電池1個)あたりは 1 ÷ 2 = 0.5A です。
【検算】電池側の端子電圧は 3 −(0.6 × 0.5)= 3 − 0.3 = 2.7V。外部抵抗の電圧は 1 × 2.7 = 2.7V。両者が一致するので正しく解けています。
キルヒホッフの法則
電池が1個だけの回路なら、直列・並列の合成抵抗とオームの法則で解けます。しかし電池が2個以上あって、しかも別々の枝に入っている回路になると、直列でも並列でもまとめられなくなり、オームの法則だけでは手が出せません。そこで使うのがキルヒホッフの法則です。
2つセットで覚える
第1法則(電流則):任意の分岐点で、流れ込む電流の和 = 流れ出る電流の和
第2法則(電圧則):任意の閉回路で、起電力の和 = 電圧降下の和
第1法則は「分かれ道で電流は増えも減りもしない」、第2法則は「一周まわって戻ってきたら電圧の収支はゼロ」ということです。
第1法則は言葉のまま式にできます。分岐点に I₁ と I₂ が流れ込み、I₃ と I₄ が流れ出ているなら、
I₁ + I₂ = I₃ + I₄
となります。試験では法則の名前を答えさせる問題がそのまま出ますので、「流れ込む和=流れ出る和」といえば第1法則と即答できるようにしておきます。
第2法則は「閉回路(ループ)を1周したときに、電池が押し上げた電圧の合計と、抵抗で下がった電圧の合計が等しい」という意味です。抵抗での電圧降下は RI で計算します。
向きの決め方でつまずかないために
キルヒホッフの第2法則で符号を間違える人の共通点は、式を書き始めてから向きを考えていることです。手順を逆にしてください。
①先に各枝の電流の向きを矢印で勝手に決めて、図に書き込む。
②次にループを1周する向き(時計回りか反時計回りか)を1つ決めて、図に大きく丸い矢印を描く。
③そのうえで式を立てる。ループの向きと同じ向きに電流が流れている抵抗は「+RI」、逆向きなら「−RI」。電池もループの向きに沿って−極から+極へ通るなら「+E」、逆なら「−E」。
最初に決める向きは当てずっぽうで構いません。答えがマイナスになったら「実際は逆向きだった」というだけで、大きさは合っています。ここを恐れて悩む時間がいちばんのムダです。
キルヒホッフの法則で回路網を解く4ステップ
電池が2個入った網目状の回路を「回路網」といいます。回路網の問題は、次の4ステップで機械的に処理できます。
step
1各枝の電流に I₁・I₂・I₃ と名前を付け、向きの矢印を勝手に決める
step
2分岐点で第1法則の式を1本つくる(I₁+I₂=I₃ の形)
step
3電池を1個ずつ含む閉回路を選び、第2法則の式を2本つくる
step
43本の式を連立して解く。マイナスが出た電流は向きが逆と読む
未知数が I₁・I₂・I₃ の3つなので、式も3本そろえば必ず解けます。第1法則から1本、第2法則から2本、これで3本です。
計算例:電池2個の回路網を解く
左の枝に起電力 E₁=28V と抵抗 R₁=20Ω(電流 I₁)、右の枝に起電力 E₂=14V と抵抗 R₂=10Ω(電流 I₂)、中央の枝に抵抗 R₃=40Ω(電流 I₃)がある回路網を考えます。電流はいずれも中央の枝へ向かって流れ込む向きに仮定します。電池の内部抵抗は無視できるものとします。
①第1法則の式をつくる
I₁ と I₂ が中央に流れ込み、I₃ が流れ出るので、
I₁ + I₂ = I₃ …式①
②第2法則の式を2本つくる
E₁ を含むループを一周すると、起電力 28V が R₁ と R₃ の電圧降下と等しくなります。E₂ を含むループも同じように書きます。
28 = 20 × I₁ + 40 × I₃ …式②
14 = 10 × I₂ + 40 × I₃ …式③
③式①を式②③に代入して I₃ を消す
I₃=I₁+I₂ を入れます。
28 = 20I₁ + 40(I₁+I₂)= 60I₁ + 40I₂ → 両辺を4で割って 7 = 15I₁ + 10I₂ …式④
14 = 10I₂ + 40(I₁+I₂)= 40I₁ + 50I₂ → 両辺を2で割って 7 = 20I₁ + 25I₂ …式⑤
④連立して I₁ を求める
式④を2.5倍すると I₂ の係数がそろいます。
17.5 = 37.5I₁ + 25I₂ …式⑥
式⑥ − 式⑤:17.5 − 7 = 37.5I₁ − 20I₁
10.5 = 17.5I₁ → I₁ = 10.5 ÷ 17.5 = 0.6A
⑤残りの電流を求める
式②に I₁=0.6 を代入します。
28 = 20 × 0.6 + 40I₃ = 12 + 40I₃
40I₃ = 16 → I₃ = 0.4A
式①に代入します。
0.6 + I₂ = 0.4 → I₂ = 0.4 − 0.6 = −0.2A
I₂ がマイナスになりました。これは最初に仮定した向きと実際が逆という意味で、大きさは 0.2A です。計算をやり直す必要はありません。
【検算】式②に代入すると 20×0.6+40×0.4=12+16=28V で E₁ と一致。式③に代入すると 10×(−0.2)+40×0.4=−2+16=14V で E₂ と一致。両方のループで起電力に戻ったので、3つの電流はすべて正しい値です。
蓄電池
電池には、一度放電してしまうと元に戻せない一次電池(マンガン乾電池、アルカリ乾電池など)と、外部から充電すれば繰り返し使える二次電池があります。この二次電池のことを蓄電池といいます。消防設備の非常電源はこの蓄電池です。
主な蓄電池の種類と特徴
鉛蓄電池
正極に二酸化鉛(PbO₂)、負極に鉛(Pb)、電解液に希硫酸(H₂SO₄)を使う、最も広く使われている蓄電池です。1セルあたりの起電力は約2.0V。放電すると両極とも硫酸鉛(PbSO₄)に変化し、電解液に水ができるため比重が下がります。充電すると元に戻ります。安価で大電流を取り出せる反面、重いのが欠点です。
アルカリ蓄電池
電解液に水酸化カリウムなどのアルカリ溶液を使う蓄電池で、代表がニッケル・カドミウム蓄電池です。1セルあたりの起電力は約1.2Vと鉛蓄電池より低いものの、寿命が長く、過充電・過放電や振動・温度変化に強いのが特徴です。価格は鉛蓄電池より高くなります。
リチウムイオン蓄電池
1セルあたりの起電力が約3.7Vと高く、小型軽量で同じ重さあたりに蓄えられるエネルギーが最も大きい蓄電池です。自己放電が少なく、継ぎ足し充電もできます。ただし過充電や内部短絡に弱く、保護回路が必要です。
容量と自己放電
蓄電池の容量は「どれだけの電流を、どれだけの時間流し続けられるか」で表し、単位はアンペア時〔Ah〕を使います。〔放電電流〕×〔放電時間〕という形です。たとえば5時間率容量が 40Ah の鉛蓄電池なら、8A の電流を5時間流し続けられる(8×5=40)という意味になります。
また、蓄電池は使わずに置いておくだけでも少しずつ容量が減っていきます。これを自己放電といいます。原因は、電極に含まれる鉛以外の金属との間で局部電池ができてしまうことや、極板表面の湿気で電流の通り道ができて漏れてしまうこと(リーク)です。温度が高いほど自己放電は大きくなります。
消防設備の非常電源としての蓄電池
①消防用設備等の非常電源には、蓄電池設備・自家発電設備・非常電源専用受電設備などがあります。このうち蓄電池設備は停電した瞬間から無停電で電気を供給できるのが最大の利点で、自家発電設備のような始動時間を必要としません。
②自動火災報知設備の非常電源は蓄電池設備で、容量は監視状態を60分間継続したあと、さらに10分間以上有効に作動できるものとされています。
③非常電源用の蓄電池は、いざというときに必ず満充電であるよう、常時充電しておく方式(浮動充電・トリクル充電)がとられます。自己放電で目減りする分を補うためです。
④「電池の容量の単位はワット〔W〕」は誤りです。容量はアンペア時〔Ah〕。W は電力の単位で、時間の要素が入っていません。
🔰試験問題を解くときの手順
迷ったらこの順番
①問題文に「内部抵抗」があるか探す。あれば、電池を「起電力+直列抵抗」に描き直す。「無視できるものとする」とあれば r=0 でよい。
②電池が1個だけなら、合成抵抗とオームの法則で終わり。I=E÷(r+R)で電流を出す。
③電池が2個以上あって、直列でも並列でもまとめられないならキルヒホッフ。電流の向きを勝手に決めて矢印を書く。
④第1法則で1本、第2法則で2本、合計3本の式を立てて連立する。マイナスが出たら向きが逆というだけで、やり直さない。
⑤答えが出たら、必ず元の式に代入して起電力に戻るか確かめる。抵抗の電圧降下を全部足して電源電圧になれば正解。
【過去問】電気に関する基礎的知識④:電池・蓄電池とキルヒホッフの法則
「回路網中の任意の接続点では、流れ込む電流の和と、流れ出る電流の和は等しい」。この法則の名称は、次のうちどれか。
- クーロンの法則
- レンツの法則
- キルヒホッフの第1法則
- オームの法則
起電力100V、内部抵抗5Ωの電源に20Ωの外部抵抗器を接続した場合、抵抗器の両端における電圧の大きさとして、正しいものは次のうちどれか。
- 80V
- 90V
- 97V
- 100V
消防設備士「過去問テスト」は、その名の通り“過去に出た問題” のテストです。
ブログでお馴染みの管理人が過去問に関する情報収集を積み重ね、その中からピックアップして過去問ベースの模擬試験を作成したものです。

上記以外に新傾向問題の情報など提供あり次第、解説を毎年追記して更新しています。これから消防設備士の試験を受けられる方は是非ご覧下さい。
それでは続いて国家資格「消防設備士」試験の ❝電気に関する基礎的知識❞ に出題される過去問をみていきましょう。



