学習範囲:実技(鑑別)|感知器・空気管部品の名称と構造
実技(鑑別)|全6講義
最新ver.の過去問情報は、青木マーケ(株)ショップの消防設備士「過去問テスト」で毎年更新しています。
併せて、ご参照ください。
この講義で扱うのは、感知器と部品の外観・断面から名称、用途、作動部を識別することです。感知原理は「構造・機能②」「構造・機能③」、規格値は「規格②」、設置条件は「工事・整備⑥」で扱います。
空気管式の部品を見分ける
差動式分布型感知器(空気管式)は、天井等へ張った空気管の膨張空気を検出部へ送り、火災信号を出します。
頻出部品
| 部品 | 用途 | 外観の要点 |
|---|---|---|
| 銅管端子 | 空気管を検出部側へ接続 | 端子部と環状部 |
| スリーブジョイント | 空気管同士を接続 | 細い筒状。スリーブ・ジョイントとも呼ぶ |
| 貫通キャップ | 壁等の貫通部で空気管を保護 | 管を通す保護部品 |
| ステッカー | 接着して空気管を固定 | 裏面に接着部 |
| ステップル | 打ち込んで空気管を固定 | U字状の固定部 |
名前が似るもの
- 銅管端子:検出部側へつなぐ
- スリーブジョイント:空気管同士をつなぐ
- ステッカー:接着固定
- ステップル:打込み固定
写真問題では「何と何をつなぐか」まで答えます。

環状部と空気管を差し込む接続部を見て、検出部側へ接続する部品だと判断します。

管同士をつなぐスリーブジョイントや、検出部側の銅管端子と用途を区別します。
空気管部品は「検出部接続・管同士接続・固定・貫通保護」で分類する。
熱感知器の外観と作動部
差動式スポット型
一局所の周囲温度の上昇率が一定率以上になったときに火災信号を出すスポット型です。
空気膨張を利用するものでは、受熱室内の空気が急に膨張し、ダイヤフラムを押して接点を閉じます。緩やかな温度変化では、リーク孔から空気が逃げて作動しにくくします。
定温式スポット型
一局所の周囲温度が一定温度以上になったときに火災信号を出す、外観が電線状以外の感知器です。
代表的な内部構造を2つに分けます。
| 方式 | 作動原理 |
|---|---|
| バイメタル反転 | 異なる熱膨張率の金属を貼り合わせ、一定温度で反転して接点を閉じる |
| 金属膨張差 | 膨張率の異なる金属の伸びの差で接点間隔を変え、接点を閉じる |
同じ定温式スポット型でも内部構造は1種類ではありません。
差動式分布型・熱電対式
異種金属の接点へ温度差が生じると起電力が発生するゼーベック効果を利用します。複数の熱電対を接続するときは極性をそろえ、+→-の順で接続します。
Aは差動式スポット型で、急激に膨張した空気がダイヤフラムを押します。Bはバイメタルが一定温度で反転する定温式、Cは2種類の金属の熱膨張差で接点を動かす定温式です。

熱膨張率の異なる金属と接点の位置関係を確認します。
熱感知器は「差動=上昇率、定温=一定温度、熱電対=起電力」。
煙・炎・光電式分離型を見分ける
光電式スポット型感知器
外観では、煙を内部へ入れる開口、虫の侵入を防ぐ網・円孔板等を確認します。内部では発光部と受光部を持ち、煙粒子による散乱光を利用する方式が代表的です。
光電式分離型感知器
送光部と受光部を分離して設置し、光軸上の煙による減光を検出します。
写真が1台だけなら、送光部・受光部の表示、光学窓、端子表示を確認します。必ず2台一組の構成まで撮影します。
炎感知器
炎から放射される赤外線または紫外線を検出します。外観では光学窓・受光方向が手掛かりですが、煙感知器と形状が似る製品もあるため、型式表示を含めて確認します。
| 写真の手掛かり | 候補 |
|---|---|
| 周囲に煙流入口 | 光電式スポット型 |
| 同形2台・向き合う光学窓 | 光電式分離型 |
| 明確な受光窓・視野方向 | 炎感知器 |

周囲の煙流入口と防虫網が、写真鑑別の手掛かりです。
煙=煙流入口、分離型=送光部+受光部、炎=受光窓と視野方向。
裏面表示・端子・型式で確定する
感知器を裏返すと外観だけでは分からない情報を確認できます。
確認する表示
- 感知器の種類
- 種別・感度種別
- 公称作動温度
- 定格電圧・電流
- 型式番号
- 製造年
- 端子表示
写真問題では、正面で候補を出し、裏面の種類・温度・端子・型式表示で確定します。
受信機や中継器と混同しない
感知器は火災現象を検出します。中継器は信号を受信し、他の中継器・受信機等へ発信します。受信機は信号を受けて表示・音響を行います。
鑑別は「正面で候補 → 裏面の種類・温度・端子・型式で確定」。
ガス漏れ検知器を見分ける
ガス漏れ火災警報設備でガスを検知する機器は、法令上検知器です。自動火災報知設備の感知器と用語を分けます。
写真で確認する部分
- ガス検知部
- 通電表示灯
- 作動確認灯
- 警報機能付きなら警報ブザー
- 対象ガス・取付方法・電源・検知方式の表示
軽ガス用・重ガス用、壁掛け・天井取付けは製品仕様で異なります。形だけで対象ガスを決めず、表示・取扱説明書で確認します。
電源ランプや警報ランプの色・配置は、すべての製品で共通とは限りません。写真では表示名と撮影した実機の仕様を確認して判定します。

検知部、通電表示灯、警報表示灯、対象ガスの表示を順に確認します。
消防庁「ガス漏れ検知器並びに液化石油ガスを検知対象とする中継器及び受信機の基準」。検知方式、表示・警報等を現行告示で確認します。
ガス検知器は「検知部・通電表示・作動確認・対象ガス・取付方法」。
※よく出る引っかけポイント5つ
引っかけ①:銅管端子で空気管同士を接続
管同士はスリーブジョイント。銅管端子は検出部側へ接続します。
引っかけ②:定温式は温度上昇率で作動
一定温度で作動します。上昇率は差動式です。
引っかけ③:定温式スポット型の内部はすべてバイメタル
金属膨張差を利用する構造もあります。
引っかけ④:熱電対は+と+を接続
極性をそろえ、+から-へ接続します。
引っかけ⑤:外観が似れば同じ機器
裏面表示・型式・端子と公式仕様で確定します。
実物の名称は写真、見えない作動部だけを断面図で理解する。
全部で10ポイント
- 銅管端子は検出部側、スリーブジョイントは空気管同士を接続
- ステッカー・ステップルは固定、貫通キャップは貫通部を保護
- 差動式は温度上昇率、定温式は一定温度
- 定温式にはバイメタル反転・金属膨張差等の構造がある
- 熱電対式はゼーベック効果を利用し、極性をそろえる
- 光電式スポット型は煙入口、分離型は送光部・受光部
- 炎感知器は受光窓・視野方向と型式表示で確認
- 正面で候補を出し、裏面の種類・温度・端子・型式で確定
- ガス漏れは感知器ではなく検知器
- 実機外観は実物写真、内部構造は概念図で区別する
ここからは、直前までに整理した「感知器・空気管部品の名称と構造」の判断手順を、実際の過去問で確認します。
【過去問】感知器・空気管部品の名称と構造
下の写真AおよびBは、自動火災報知設備の感知器を設置する場合に使用される部品の一例を示したものである。次の各設問に答えなさい。
【設問】
1 これらの部品を用いて設置する感知器の名称を答えなさい。
2 これらの名称を下の語群から選び、それぞれ記号で答えなさい。
〈語群〉
ア. ステップル、イ. ステッカー、ウ. ノーマルベンド、エ. クリップ、オ. 銅管端子
カ. カップリング、キ. サドル、ク. スリーブ、ケ. 貫通キャップ
1. これらを使う感知器の名称
2. Aは検出部側へ空気管を接続する部品、Bは空気管同士を接続する部品。それぞれの名称

写真のAは銅管端子です。Bのスリーブジョイントは空気管同士を接続する部品として区別します。
下の図は、差動式分布型感知器(熱電対式)の熱電対・接続電線および検出部の設置状況を模式的に示したものである。次の各設問に答えなさい。ただし、この感知器の設置されている場所は、特定主要構造部を耐火構造とした防火対象物内の居室とする。計20点1 この感知器はどのような原理で作動するか具体的に答えなさい。
【設問】
2 この模式図の中には一部誤りがある。誤っている箇所とその理由を答えなさい。
1. 具体的な作動原理
2. 複数の熱電対の接続に+→+が1か所ある場合の誤り
まとめ
感知器・空気管部品は、検出対象、外観、内部の作動部から名称と用途を判断します。
消防設備士「過去問テスト」は、その名の通り“過去に出た問題” のテストです。
ブログでお馴染みの管理人が過去問に関する情報収集を積み重ね、その中からピックアップして過去問ベースの模擬試験を作成したものです。

上記以外に新傾向問題の情報など提供あり次第、解説を毎年追記して更新しています。これから消防設備士の試験を受けられる方は是非ご覧下さい。
次は【過去問】感知器試験器と機能試験|消防設備士甲4・乙4【実技(鑑別)③】へ進みます。

