学習範囲:実技(鑑別)|ガス漏れ検知器・火災通報装置・非火災報
最新ver.の過去問情報は、青木マーケ(株)ショップの消防設備士「過去問テスト」で毎年更新しています。
>> 消防設備士「過去問テスト」
併せて、ご参照ください。
この講義で扱うのは、ガス漏れ・火災通報に関係する機器の識別と非火災報の原因を切り分ける調査手順です。設置義務は「法令④」「法令⑤」、機器の規格は「規格④」「規格⑤」で扱います。
過去問を解く前の4つの観察ポイント
正答名を先に覚えるのではなく、写真の外観、表示の変化、設置位置、信号の行先から機器を絞ります。
1 ガス漏れ検知器は表示灯と検知部を見る
外観が似ていても、通常時に点く表示、異常時に変わる表示、空気を取り込む開口、音を出す部分を分けて観察します。ランプの色だけで名称を決めず、銘板と取付方向も確認します。
2 信号は検知器から受信機へ進む
加ガスで検知器を作動させ、検知器の表示・警報、中継器と配線、受信機の地区表示と音響の順に確認します。どこまで反応したかで不具合範囲を絞れます。
3 火災通報装置は外観と信号の向きを見る
写真では本体、押しボタン状の操作部、送受話器、表示部を分けて観察します。系統図では、建物内から外部へ向かう信号と、外部から戻る通話経路の大枠だけを追います。各部分名と詳しい動作は、写真問題の解説で確認します。
4 設置位置と点検器具を外観で結び付ける
空気より軽いガス
天井側へ上がるため、天井面と燃焼器・貫通部からの水平距離を確認します。
空気より重いガス
床側へたまるため、床面と燃焼器からの水平距離を確認します。
表示灯は検知器本体のランプとは別です。設置図では、廊下から店舗内の警報状態を確認できない区画がないかを追います。
点検器具は、容器、支持棒、試験槽、フィルターなどの外観差を観察します。名称や校正期限は、後半の写真問題で写真と結び付けて確認します。
写真では「何を検知する機器か」「どこへ信号を送るか」「人が操作する部分はどこか」を順に確認します。
【過去問】ガス漏れ検知器・火災通報装置・非火災報
ガス漏れ火災警報器の各部と機能
下の写真は、天井面から下方0.3m以内の位置に取り付けられた、ある消防用設備等に使用される機器の一例である。次の各設問に答えなさい。
A
+ 解答・よく分かる解説
ガス漏れ火災警報器
天井面から下方0.3m以内に設けられ、ガス検知部・通電表示灯・警報ランプ・警報ブザーを備える外観から、ガス漏れ火災警報器と判断します。火災の熱・煙・炎をとらえる「感知器」ではなく、燃料用ガスをとらえる「検知器」である点を言葉から分けます。
見分け方:外観だけで迷う場合は、銘板の対象ガス、取付方向、電源電圧、検知方式を確認します。天井付近の機器だからという理由だけで煙感知器と決めないことが大切です。
+ 解答・よく分かる解説
通電表示灯(電源ランプ)
通電表示灯は、検知器へ電源が供給され、監視できる状態であることを示します。ガスを検知したときに点灯する警報ランプとは役割が違います。
見分け方:緑色の電源ランプは通常監視、赤色の警報ランプはガス漏れ作動を示すのが、この写真の読み方です。ランプの色だけでなく、写真中の表示文字と矢印位置を合わせて答えます。
3 警報ランプが点灯したときの、この機器の機能(働き)を、2つ答えなさい。
+ 解答・よく分かる解説
ガス漏れ信号を受信機へ送ること。ガス漏れの発生を音響装置で警報すること。
警報ランプの点灯は、検知部が設定濃度のガスをとらえて作動した状態を示します。このとき、検知器は設備側へガス漏れ信号を送り、同時に内蔵音響装置でその場の人へ知らせます。
答え方:「知らせる」だけでは二つの働きを区別できません。「受信機へ信号を送る」と「音響で警報する」を分けて記述します。対象ガスと型式は裏面表示で確認します。
ガス漏れ表示灯と検知器の設置距離
下図は、ガス漏れ火災警報設備の構成例の一部を示したものである。次の各設問に答えなさい。
1 店舗A~Cのうち、ガス漏れ表示灯が必要な店舗はどれか、すべて選び、記号で答えなさい。
+ 解答・よく分かる解説
店舗B、店舗C
一の警戒区域が一室だけで構成される店舗Aは、その室の外から区域を取り違えるおそれがないため、図の条件ではガス漏れ表示灯を省略できます。複数室・複数区域の位置を外部から示す必要がある店舗Bと店舗Cには表示灯が必要です。
図の読み方:機器の個数だけで判断せず、「一の警戒区域が一室だけか」「室外からガス漏れ場所を特定する表示が必要か」を図面上で確認します。
2 空気より軽いガスの場合、ガス漏れ検知器は燃焼器から水平距離何m以内に設置するか答えなさい。
+ 解答・よく分かる解説
8m以内
空気より軽いガスは上方へ移動して天井付近に滞留するため、検知器を燃焼器または導管貫通部から水平距離8m以内、天井面から下方0.3m以内に設けます。
数字の整理:軽いガスは「上・8m・天井から0.3m」、重いガスは「下・4m・床から0.3m」です。水平距離と上下方向の取付高さを混同しないようにします。
次の図は、空気より軽いガス用の検知器と、燃料用ガスの導管が建物を貫通する部分への設置例である。
3 図のAで示す緑色の表示灯は、どのような状態を表示するか答えなさい。
+ 解答・よく分かる解説
電源が正常に通電されている状態
緑色の通電表示灯は、検知器へ必要な電源が供給され、監視できる状態であることを示します。ガス漏れが発生していないという安全証明ではなく、機器が通電していることの表示です。
見分け方:緑色は通常時の通電、赤色はガス漏れ信号を発した状態です。名称だけを問われた場合は「通電表示灯」、状態を問われた場合は「電源が正常に通電されている状態」と書き分けます。
4 図のBで示す赤色の表示灯は、どのような状態を表示するか答えなさい。
+ 解答・よく分かる解説
ガス漏れ信号を発した状態
赤色の警報ランプは、検知器がガス漏れ信号を発したことを確認する表示です。原典では、単に「ガスを検知した状態」ではなく、信号を発した状態まで記述することが求められます。
見分け方:ガス漏れ信号を受信機へ送る機能と、内蔵音響装置で警報する機能が始まった状態として、前の機能問題とつなげて説明します。
5 図のDで示す、天井面から検知器下端までの距離は何m以内か答えなさい。
+ 解答・よく分かる解説
3m以内
空気より軽いガスは天井付近へ上昇して滞留するため、検知器の下端を天井面から下方0.3m以内に設けます。水平距離8m以内という条件と同時に満たす必要があります。
数字の整理:軽いガスは「水平8m以内・天井から0.3m以内」、重いガスは「水平4m以内・床から0.3m以内」です。0.3mは一桁整数ではなく小数なので半角で表記します。
ガス漏れ検知器の点検器具
次の写真は、ガス漏れ検知器の作動確認に用いる点検器具である。各設問に答えなさい。
+ 解答・よく分かる解説
加ガス試験器。
容器に標準ガスを収め、ガス漏れ検知器の検知部へ試験ガスを与えて作動を確認します。加熱試験器のような長い支持棒や、減光フィルターの板状外観ではなく、ガス容器と放出部を備える点が見分け方です。
注意点:対象ガスに適合する試験ガスを用い、検知器の表示・警報だけでなく、受信機まで信号が届くことを確認します。
+ 解答・よく分かる解説
3年。
試験ガスの供給状態や器具の性能が適正でなければ、正常な検知器を不良と判断したり、不良を見逃したりします。そのため定期的に校正を受け、器具に添付された校正証票で次期校正期限を確認します。
実務上の確認:使用前に器具の損傷、ガス残量、対象ガス、校正期限を確認し、期限切れの器具を点検結果の判定に使用しません。
火災通報装置の名称と働き
写真に示す設備の名称と働きを答えなさい。
+ 解答・よく分かる解説
火災通報装置
手動起動装置の操作または自動火災報知設備との連動により、電話回線を使って消防機関を呼び出し、蓄積音声情報で火災を通報する装置です。写真では、本体の起動・通報表示と専用電話機を一組として確認します。
見分け方:受信機は建物内の警戒区域を表示・警報する機器、火災通報装置は消防機関へ電話回線で通報する機器です。
2 火災時に人が直接操作する本体の部分名を答えなさい。
+ 解答・よく分かる解説
手動起動装置
火災を発見した人が操作すると、火災通報装置が消防機関への通報を自動的に開始します。専用電話機は通話に使う部分であり、通報開始のために押す部分ではありません。
見分け方:写真では、押しボタン・保護カバー・起動表示の位置を本体の表示と対応させます。
+ 解答・よく分かる解説
自動火災報知設備
火災通報装置は、人が手動起動するほか、自動火災報知設備から火災信号を受けて連動起動できます。連動経路には連動停止スイッチを設け、点検中の停止状態を確実に管理します。
答え方:「感知器」だけでは設備名にならないため、ここでは自動火災報知設備と答えます。
+ 解答・よく分かる解説
感知器
自動火災報知設備の感知器が熱・煙・炎を感知し、その火災信号が受信機を経て火災通報装置の連動入力へ届きます。ガス漏れを検知する「検知器」と名称を取り違えないようにします。
信号経路:感知器 → 自動火災報知設備の受信機 → 連動停止スイッチ → 火災通報装置、と追うと役割を説明できます。
5 消防機関への通報に用いる、装置内部へ記憶された情報の名称を答えなさい。
+ 解答・よく分かる解説
蓄積音声情報
所在地、建物名、火災が発生した旨などをROM等にあらかじめ記憶し、消防機関へ送る情報です。通報信号音と音声情報で構成され、明瞭な電子合成の女声で伝えます。
見分け方:119番そのものは「選択信号」、その後に建物情報を伝える内容が「蓄積音声情報」です。
6 通報後、消防機関との間で行える機能を答えなさい。
+ 解答・よく分かる解説
通話
蓄積音声情報による自動通報だけで終わらず、専用電話機を用いて消防機関と通話できます。消防機関から呼び返しがあった場合にも、受信して通話できる構成です。
操作の要点:音声情報の送出中でも、割込みスイッチを操作して送受話器側へ切り替えられます。回線が一般電話で使用中でも、火災通報を優先して発信可能な状態にします。
消防設備士「過去問テスト」は、その名の通り“過去に出た問題” のテストです。
ブログでお馴染みの管理人が過去問に関する情報収集を積み重ね、その中からピックアップして過去問ベースの模擬試験を作成したものです。
上記以外に新傾向問題の情報など提供あり次第、解説を毎年追記して更新しています。これから消防設備士の試験を受けられる方は是非ご覧下さい。
まとめ
非火災報は、区域、環境、機器、配線の順に原因を切り分けます。
乙種4類はここで全講義が完了です。甲種4類は、次に実技(製図)へ進みます。