学習範囲:実技(鑑別)|配線・終端抵抗・警戒区域・系統図
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この講義で扱うのは、配線・終端抵抗・警戒区域・系統図を読み取ることです。施工方法は工事・整備② 電線接続・耐火配線・耐熱保護配線、区域設定は工事・整備⑤ 警戒区域と感知区域の設定、答案として配線本数や系統図を作成する手順は実技(製図)① 図記号・感知器回路・配線本数の読み方と実技(製図)④ 系統図・受信機・共通線・配線本数で扱います。
過去問を解く前の4つの観察ポイント
名称や数値を先に暗記せず、受信機から回路末端まで線を追う練習をします。図を見る順番を確認してください。
1 L線・C線は受信機から末端まで追う
最初に線の記号を色分けし、受信機から各感知器を通ってどこで終わるかを一筆書きで追います。線の名称は、その線が区域ごとか複数区域で共用されるかを図から判断します。
受信機から線を指で追い、回路を監視する部品より先に感知器や配線が残っていないか確認します。
2 2心・4心は終端器の位置で決まる
配線本数は暗記せず、図示された区間を線が何回通るかで数えます。回路末端の部品を別の箱へ戻す条件なら、行きだけでなく戻りの線も同じ区間へ加えます。
3 配線試験は断線と絶縁を分ける
回路の末端まで線が続くかを見る試験と、線から大地へ電気が漏れにくいかを見る試験は別です。問題写真では、終端側を操作しているか、MΩ表示の計器を接続しているかを観察します。
4 系統図と設置図は測る場所を先に決める
問題図では「機器」「警戒区域」「配線」の順に読み、名称だけでなく、なぜその位置・本数になるかまで説明します。
【過去問】配線・終端抵抗・警戒区域・系統図
感知器回路の送り配線と終端器
P型1級受信機に用いる感知器と配線の接続を示します。
+ 解答・よく分かる解説
感知器配線の断線を容易に検出するため。
送り配線は、受信機からL線・C線を各感知器へ順番に通し、回路末端の終端器まで一筆書きでつなぐ配線です。受信機は終端器までの導通を確認できるため、途中で線が切れれば回路導通試験や断線監視で異常を見つけられます。
図を説明するときは「受信機を起点に、感知器A、B、Cを順に通り、最後に終端器へ着く」と口頭で追います。途中で枝分かれして戻らない線があれば、その枝の断線を見逃す可能性があります。
覚え方:送り配線は、火災信号を送るためだけでなく、回路の末端まで切れていないことを試験できるようにする配線です。
2 図Bのように感知器AおよびCへ終端器が接続されている場合の問題点を1つ答えなさい。
+ 解答・よく分かる解説
途中の終端器より先にある感知器配線の断線を検出できない。
受信機から見ると、最初に出会う終端器Aで回路が正常に終わったように見えます。このため、Aより先の感知器B・C間で断線しても、受信機から終端器Aまでの導通は残り、異常を見つけられません。
終端器は抵抗値を暗記するより位置を読みます。機器の仕様に合う終端器を、問題条件で指定された回路末端へ1つ置くのが原則です。
図の追い方:受信機から線を指で追い、最初に終端器へ着いたあとにも感知器が続いていたら、終端位置が不適切です。
絶縁抵抗試験の判定基準
自動火災報知設備の配線で絶縁抵抗を測定している例です。
+ 解答・よく分かる解説
絶縁抵抗計。
写真の計器にMΩの表示があることから判別できます。絶縁抵抗計は、電路と大地の間や線間に漏電しにくい絶縁状態が保たれているかを高い抵抗値で測る計器です。
測定前に電源を遮断し、受信機や終端器など試験電圧で損傷するおそれのある機器を切り離します。テスターのΩレンジと混同せず、MΩ表示と試験電圧レンジを確認します。
2 電源回路の対地電圧が150V以下の場合、電源回路と大地との間の抵抗は何MΩ以上必要か答えなさい。
+ 解答・よく分かる解説
0.1MΩ以上。
250V絶縁抵抗計を用い、電源回路の対地電圧が150V以下なら0.1MΩ以上、150Vを超え300V以下なら0.2MΩ以上であることを確認します。感知器回路・附属装置回路は、電源回路を除き、1警戒区域ごとに0.1MΩ以上です。
区別:150V以下は0.1MΩ、150V超は0.2MΩです。測定電圧の250Vと判定値を取り違えないでください。
自動火災報知設備の系統図記号
各階の警戒区域番号と機器収容箱を示す系統図です。
+ 解答・よく分かる解説
機器収容箱。
機器収容箱は、P型発信機、表示灯、地区音響装置などをまとめて収める箱です。系統図では、受信機からの縦幹線と各階の感知器回路が接続される中継点として読みます。
図の追い方:受信機から上へ伸びる幹線を追い、各階でP・○・Bを囲む箱が機器収容箱です。
+ 解答・よく分かる解説
P型発信機。
人が火災を発見したとき、押しボタンを操作して受信機へ火災信号を送る機器です。系統図では機器収容箱内のPで見分けます。P型1級発信機を用いる系統では、感知器回路のL・Cのほか、応答確認線Aや電話線Tが条件に応じて幹線本数へ加わるため、L・Cだけを数えて終わらないようにします。
+ 解答・よく分かる解説
表示灯。
発信機の所在を離れた位置から確認できるよう、赤色の灯火で位置を明示します。写真では発信機の上部付近にある赤色灯、系統図では機器収容箱内の丸記号で見分けます。表示灯線は感知器回路のL線・C線とは別に数えるため、丸記号を感知器や終端器として追わないことが注意点です。
+ 解答・よく分かる解説
地区音響装置。
ベル等を鳴動させ、建物内の在館者へ火災を知らせる機器です。系統図では機器収容箱内のB、実物では音を放出するベルやスピーカー状の外観で見分けます。地区音響装置の線と共通線は、感知器回路のL・Cとは別系統なので、幹線本数を求めるときに同じ線として混ぜないことが注意点です。
実体配線図の2心・4心と接続箱
次の設備図は、機器収容箱と感知器回路の配線を示しています。終端抵抗の位置を確認してから答えなさい。
機器収容箱⇄感知器─感知器─感知器
終端位置の指定により、同じ区間を通る心線数が変わる
1 終端抵抗を末端感知器へ設ける回路で、機器収容箱から感知器へ向かう基本の心線数を答えなさい。
+ 解答・よく分かる解説
2心。
感知器回路は、警戒区域ごとの表示線Lと共通線Cの2本を基本にします。機器収容箱から感知器を順に送り、最後の感知器に終端抵抗を設けるなら、同じ区間を戻る線はありません。
図の追い方:LとCの2本を指で並べて追い、最後の感知器で終端抵抗へ着けば2心です。
2 終端抵抗を機器収容箱内へ設ける場合、機器収容箱と最初の感知器との区間が4心になる理由を答えなさい。
+ 解答・よく分かる解説
L・Cの行き2本に、末端から機器収容箱内の終端抵抗へ戻る2本が加わるため。
4心は別々の感知器回路が2つあるという意味ではありません。同じ回路を末端まで送り、指定された終端位置まで戻す往復分です。
口頭説明:機器収容箱を出る2本、最後の感知器から終端抵抗へ戻る2本、合計4本と説明します。
電線の接続部を保護する箱
下の模式構造図は、電線相互の接続部分を箱内へ収めた状態を示します。次の各設問に答えなさい。
A
接続部
電線を引き込み、接続部分を箱内へ収める
+ 解答・よく分かる解説
接続箱(ジョイントボックス)。
電線相互を接続する場所へ設け、接続部分を箱内へ収める部材です。接続部を露出させず、外力や接触から保護し、点検できる状態にします。
見分け方:機器収容箱は発信機・表示灯・地区音響装置等を収めます。接続箱は電線の接続部分を収めます。外形だけでなく、箱へ入る電線と内部の用途で判断します。
+ 解答・よく分かる解説
電線の接続部分を収容して保護するため。
接続箱内で電線を適切な接続方法により接続し、接続子や導体が外へ露出しないようにします。単に電線を通す電線管や、機器を取り付ける機器収容箱とは用途が異なります。
答え方:「電線を入れるため」だけでは不足です。「接続部分を収容し、保護する」と用途まで記述します。
共通線と階段回路の本数
1 P型受信機で9警戒区域をまとめる場合、感知器回路のL線とC線の最少本数をそれぞれ答えなさい。
+ 解答・よく分かる解説
L線9本、C線2本。
L線は警戒区域ごとに1本なので9本です。P型・GP型受信機の共通線は1本につき7警戒区域以下のため、区域1~7をC1、区域8~9をC2とすれば2本になります。
したがって感知器回路だけなら合計11本です。表示灯線、地区音響線、応答確認線、電話線は別回路なので、問題条件に応じてあとから加えます。
2 系統図中の「階段」という警戒区域について、煙感知器の個数を判断するときに用いる距離を答えなさい。
+ 解答・よく分かる解説
階段の垂直距離。
階段は各階の床面積ではなく、たて穴方向の高さで個数を決めます。一般の防火対象物では1・2種を垂直距離15mにつき1個以上、3種を10mにつき1個以上設けます。特定一階段等防火対象物では、1・2種を7.5mにつき1個以上です。
図の追い方:断面図の階高を下から足し、基準距離を超える前に感知器を置き、頂部等も確認します。地上階と地下階は分けて警戒します。
煙感知器・光電式分離型・空気管式の設置図
1 煙スポット型感知器を取付け面および壁・はりからどの位置へ設けるか答えなさい。
+ 解答・よく分かる解説
感知器の下端を取付け面の下方0.6m以内とし、壁またははりから0.6m以上離す。
煙は天井付近へ上昇するため、感知部を取付け面から大きく下げません。一方、壁際やはり際は煙が届きにくい空間が生じるため離隔を取ります。換気口等の空気吹出し口からは1.5m以上離します。
覚え方:煙スポット型は下方0.6m、壁・はり0.6m、吹出し口1.5mです。
2 光電式分離型感知器の光軸について、天井等の高さに対する位置と、平行する壁からの距離を答えなさい。
+ 解答・よく分かる解説
光軸の高さを天井等の高さの80%以上とし、平行する壁から0.6m以上離す。
送光部と受光部を向かい合わせ、機器の公称監視距離内に置きます。設置図では、床から光軸までの高さを天井高さで割って80%以上かを確認し、次に壁との水平離隔を確認します。
例:天井高さ10mなら、光軸高さは床から8m以上です。
3 差動式分布型感知器(空気管式)の空気管について、露出部分の最少長さ、1つの検出部へ接続する最大長さ、主要な壁からの距離を答えなさい。
+ 解答・よく分かる解説
露出部分は20m以上、1つの検出部へ接続する長さは100m以下、主要な壁から1.5m以内。
空気管式は、火災の熱で管内の空気が膨張する変化を検出部で受けます。短すぎる露出管では受熱量が不足し、長すぎる接続では応答に影響するため、長さを分けて覚えます。
配置間隔は、耐火構造の防火対象物では相互間隔9m以下、その他では6m以下です。図では外周から1.5m以内に最初の管を置き、内側を9mまたは6m以下で埋めます。
消防設備士「過去問テスト」は、その名の通り“過去に出た問題” のテストです。
ブログでお馴染みの管理人が過去問に関する情報収集を積み重ね、その中からピックアップして過去問ベースの模擬試験を作成したものです。
上記以外に新傾向問題の情報など提供あり次第、解説を毎年追記して更新しています。これから消防設備士の試験を受けられる方は是非ご覧下さい。
受信機の火災表示試験
下図は受信機の表示・音響を確認する試験と、感知器回路の断線を調べる試験を比較したものです。操作対象と確認対象を読み分けてください。
1 受信機の火災灯、地区表示灯、主音響装置の作動を確認する試験名を答えなさい。
+ 解答・よく分かる解説
火災表示試験。
受信機の火災表示試験スイッチを操作し、火災灯、地区表示灯、主音響装置などが正常に表示・鳴動するかを確認します。回路末端まで電線が切れていないかを調べる回路導通試験とは確認対象が違います。
図の読み方:受信機内部の試験操作で表示部と音響部を動かしているなら火災表示試験です。感知器回路へ試験電流を流して終端器までの導通を見る図なら回路導通試験です。
2 火災表示試験で作動を確認する表示と音響を3つ答えなさい。
+ 解答・よく分かる解説
火災灯、地区表示灯、主音響装置。
火災受信時に必要な共通表示、発生区域の表示、受信機の音響が働くことを確認します。機種により名称や操作部の配置が異なるため、試験前に取扱説明書を確認します。
誤りの見分け方:回路導通試験は断線の有無を確認する試験であり、全地区表示灯を順次点灯させて表示・音響を確認することが主目的ではありません。
3 試験終了後に確認する復旧事項を2つ答えなさい。
+ 解答・よく分かる解説
試験スイッチを定位へ戻し、停止した音響や連動設備を通常状態へ復旧する。
試験中は音響停止や連動停止を行う場合があるため、表示が消えたことだけで完了にしません。試験スイッチ、主音響・地区音響、連動停止、蓄積解除など、操作した箇所を一つずつ通常位置へ戻します。
注意:復旧漏れは実火災時の警報・連動を妨げます。試験前に操作箇所を記録し、終了後に受信機が平常監視状態であることまで確認します。
まとめ
配線図は、受信機から末端まで線を追い、L線、共通線、終端抵抗を区別します。
次は【過去問】ガス漏れ検知器・火災通報装置・非火災報|消防設備士甲4・乙4【実技(鑑別)⑥】へ進みます。