このページを見たら消防設備士試験 甲4・乙4の実技(鑑別)に出てくる「配線・終端抵抗・警戒区域・系統図」に関する問題が得点源となるはず!
実技(鑑別)|全6講義
最新ver.の過去問情報は、青木マーケ(株)noteの消防設備士「過去問テスト」で毎年更新しています。
併せて、ご参照ください。
感知器回路のL線・C線を読む
P型受信機の基本的な感知器回路は、表示線と共通線で構成します。
| 記号 | 名称 | 役割 |
|---|---|---|
| L | 表示線(Line) | 警戒区域ごとの火災信号を受信機へ伝える |
| C | 共通線(Common) | 複数の感知器回路で共通に使う帰路 |
感知器が作動してL線とC線の回路が閉じると受信機は該当する警戒区域を火災表示します。
系統図で最初に見る順番
1. 受信機の種類
2. 警戒区域番号
3. 各警戒区域のL線
4. L線をまとめるC線
5. 機器収容箱と感知器回路
6. 終端器の位置
系統図全体の電線本数をいきなり数えると表示灯線・ベル線・電話線まで混ざります。まず感知器回路のLとCだけを抜き出します。

青がL線、オレンジがC線です。受信機から各感知器を順に送り、回路末端の終端器まで連続させます。
消防法施行規則第24条第1号イ・ヘ・ト。感知器信号回路の送り配線、回路末端、共通線、P型・GP型の回路抵抗を現行条文で確認しています。
系統図は「受信機 → 警戒区域L → 共通C → 感知器 → 終端器」の順で読む。
送り配線と終端器
消防法施行規則では、感知器の信号回路を容易に導通試験できるよう、原則として次の構成を求めています。
- 送り配線にする
- 回路末端に発信機、押しボタンまたは終端器を設ける
ただし、配線外れや断線があれば受信機が自動的に警報を発するものは例外です。
なぜ途中に終端器を置いてはいけないのか
受信機は終端器まで回路がつながっていることを見ています。
終端器を途中の感知器へ付けると受信機からはそこが回路末端に見えます。その先に感知器と配線が残っていても、終端器より先で起きた断線を検出できません。
終端抵抗の抵抗値は受信機・終端器の仕様に従います。「必ず10kΩ」と固定して覚えないでください。
左は終端器を最後の感知器より先の回路末端へ設けた正しい例です。右は途中へ設けた例で、終端器より先の断線を受信機から監視できません。
消防法施行規則第24条第1号イ。送り配線と回路末端の発信機・押しボタン・終端器、断線自動警報を有する場合の例外を確認しています。
終端器は回路末端。途中へ置くと終端器より先の断線を検出できない。
2本配線と4本配線
図面の「2本」「4本」は、感知器の種類ではなく、図示した区間を通る電線本数です。
2本配線の基本
受信機側から、機器収容箱、感知器、最後の感知器に付けた終端抵抗まで、L線とC線の2本で進みます。
4本配線になる例
「終端抵抗は機器収容箱内に設置する」という条件なら、機器収容箱から感知器へ向かうL・Cの2本に加え、最後の感知器から機器収容箱内の終端抵抗へ戻る2本が必要です。
この区間は、行き2本+戻り2本=4本です。
| 指定 | 終端抵抗 | 機器収容箱と感知器回路の区間 |
|---|---|---|
| 末端感知器に設置 | 最後の感知器 | 2本が基本 |
| 機器収容箱内に設置 | 機器収容箱 | 往復区間は4本 |
4本を2つの別回路と考えず、同じ送り配線が終端抵抗まで戻ると捉えます。
機器収容箱内へ終端抵抗を戻す区間は、行き2本+戻り2本=4本。
警戒区域と共通線を系統図で数える
P型・GP型受信機の感知器回路へ共通線を設ける場合、共通線は1本につき7警戒区域以下です。
| 警戒区域数 | 必要な共通線の最少本数 |
|---|---|
| 1~7 | 1本 |
| 8~14 | 2本 |
| 15~21 | 3本 |
計算式は次のとおりです。
警戒区域数 ÷ 7を切り上げ
15警戒区域なら、15÷7=2.14…なので3本です。
この制限はP型・GP型の共通線を扱う基本です。R型・GR型に接続される固有信号の感知器・中継器が接続される回路は、条文上の例外です。
L線とC線だけの最少本数
たとえばP型1級受信機で9警戒区域なら、L線9本+C線2本=11本です。
ただし、実際の幹線電線本数には表示灯線、ベル線・ベル共通線、発信機の応答線・電話線等が条件に応じて加わります。
上から区域1~9へL線を1本ずつ設け、共通線は区域1~7のC1と区域8~9のC2に分けます。
消防法施行規則第24条第1号ヘ・ト。P型・GP型の共通線は1本につき7警戒区域以下、感知器回路の電路抵抗は50Ω以下と確認しています。
共通線の最少本数=警戒区域数÷7を切り上げ。L線は警戒区域ごとに1本。
回路導通試験と絶縁抵抗試験
回路導通試験
感知器回路が終端器まで導通しているか、つまり断線していないかを確認します。
導通試験スイッチ・回線選択スイッチ等を操作し、試験用計器や確認灯で回線ごとに確認します。回路を自動監視するものは、任意の感知器回路を外すなどして断線状態を作り、断線警報を確認します。
火災表示試験は、受信機内部で火災表示・音響等の機能を確認する試験です。外部の感知器回路が断線していても、火災表示試験では地区表示灯が点灯できます。
| 試験 | 主に確認するもの |
|---|---|
| 火災表示試験 | 受信機の火災灯・地区表示・音響等 |
| 回路導通試験 | 感知器回路の断線の有無 |
絶縁抵抗試験
| 測定対象 | 250V絶縁抵抗計での基準 |
|---|---|
| 電源回路・対地電圧150V以下 | 0.1MΩ以上 |
| 電源回路・対地電圧150V超 | 0.2MΩ以上 |
| 感知器回路・附属装置回路(電源回路を除く) | 一警戒区域ごとに0.1MΩ以上 |
試験では電源を遮断し、受信機側・終端器等を回路から外し、電気部品へ試験電圧を加えない状態で測定します。実設備では機器仕様・点検要領・安全手順に従ってください。
左から、受信機の表示・音響を確認する火災表示試験、感知器回路の断線を調べる回路導通試験、電源を切り離した回路の絶縁を250V絶縁抵抗計で調べる測定です。
消防法施行規則第24条第1号ロ。250V絶縁抵抗計、電源回路の0.1・0.2MΩ、感知器・附属装置回路の一警戒区域ごと0.1MΩを確認しています。
消防庁「自動火災報知設備の点検基準・試験基準」第11。回路導通の確認対象、回線ごとの操作、断線自動監視回路の確認方法を照合しています。
火災表示=受信機、回路導通=断線、絶縁抵抗=回路と大地・線間の絶縁。
※よく出る引っかけポイント5つ
引っかけ①:終端器は途中でもよい
回路末端へ設けます。途中へ付けるとその先の断線を検出できません。
引っかけ②:共通線1本で何区域でもよい
P型・GP型は1本につき7警戒区域以下です。
引っかけ③:火災表示試験で断線が分かる
断線を見る試験は回路導通試験です。
引っかけ④:終端抵抗は必ず10kΩ
抵抗値は受信機・終端器の仕様に従います。試験では機種固有値を勝手に固定しません。
引っかけ⑤:4本配線は2回路
終端抵抗を機器収容箱へ戻す場合は、同じ回路の行き2本と戻り2本です。
図問題は、接続を文章に直してから正誤判定する。
全部で10ポイント
- 感知器信号回路は原則として送り配線
- 回路末端に発信機、押しボタンまたは終端器を設ける
- 途中の終端器より先にある断線は検出できない
- P型・GP型の共通線は1本につき7警戒区域以下
- P型・GP型の感知器回路の電路抵抗は50Ω以下
- L線は警戒区域ごとC線は最大7警戒区域で共通
- 終端抵抗を機器収容箱へ戻す区間は4本配線になる
- 火災表示試験は受信機、回路導通試験は断線を確認
- 絶縁抵抗は250Vで測定し、対象ごとに0.1・0.2MΩを使い分ける
- 系統図は受信機→区域→L→C→終端器の順で読む
それでは以下の「配線・終端抵抗・警戒区域・系統図」に関する消防設備士試験の過去問にチャレンジして、これまでの内容が頭に入っているかを確認しましょう!
【過去問】配線・終端抵抗・警戒区域・系統図
P型受信機の感知器回路の共通線と警戒区域について消防法令に定められているものは次のうちどれか。
1. 感知器回路の共通線は、1本につき1警戒区域以下とすること。
2. 感知器回路の共通線は、1本につき3警戒区域以下とすること。
3. 感知器回路の共通線は、1本につき5警戒区域以下とすること。
4. 感知器回路の共通線は、1本につき7警戒区域以下とすること。
下の写真は、P型1級(8 / 10回線)受信機の一例である。次の各設問に答えなさい。ただし、この受信機は、警戒区域No.3の回線が断線しており、警戒区域No.9・No.10は予備の空き回線である。計20点受信機で火災表示試験を実施した結果として正しいものを下のア~オから選び、記号で答えなさい。
【原文の追加設問・語群】
No.3の地区表示灯が点灯しない。
No.9・No.10の地区表示灯が点灯しない。
No.3・No.9・No.10地区表示灯が点灯しない。
予備電源に切り替えれば、No.3の地区表示灯も点灯する。
全部の地区表示灯が点灯する。
No.3の回線が断線していることを判別する試験の名称を答えなさい。
1. 火災表示試験を行ったときの地区表示灯の結果を答えなさい。
2. No.3の断線を判別する試験名を答えなさい。

甲種は、この考え方を製図の配線本数へつなげます。乙種は、系統図の機器名・区域番号・線種の読取りまで固めましょう。
消防設備士「過去問テスト」は、その名の通り“過去に出た問題” のテストです。
ブログでお馴染みの管理人が過去問に関する情報収集を積み重ね、その中からピックアップして過去問ベースの模擬試験を作成したものです。
上記以外に新傾向問題の情報など提供あり次第、解説を毎年追記して更新しています。これから消防設備士の試験を受けられる方は是非ご覧下さい。
それでは続いて【実技(鑑別)⑥】ガス漏れ検知器・火災通報装置・非火災報|消防設備士甲4・乙4【過去問】の過去問をみていきましょう。






