このページを見たら消防設備士試験 甲4・乙4の構造・機能に出てくる「ガス漏れ火災警報設備の構造・機能」に関する問題が得点源となるはず!
最新ver.の過去問情報は、青木マーケ(株)noteの消防設備士「過去問テスト」で毎年更新しています。
併せて、ご参照ください。
設備の構成と信号の流れ
ガス漏れ火災警報設備は、基本的に次の機器で構成します。
| 機器 | 主な役割 |
|---|---|
| ガス漏れ検知器 | 可燃性ガスを検知し、ガス漏れ信号を発信する |
| 中継器 | 検知器から受けた信号を受信機へ中継する |
| G・GP・GR型受信機 | ガス漏れの発生と警戒区域を表示する |
| 警報装置 | 音声・表示灯・検知区域の音響で関係者や利用者へ知らせる |
信号の流れは、検知器 → 必要に応じて中継器 → 受信機 → 警報装置です。
検知器には、ガス漏れ信号だけを送るものと検知した場所で音響警報も発するものがあります。
消防法施行規則第24条の2の3、受信機規格省令第2条。検知器・中継器・受信機・警報装置による設備構成とG・GP・GR型受信機の役割を確認しています。
検知器 → 中継器 → 受信機 → 警報装置。信号を左から右へ追う。
G・GP・GR型受信機と「黄色・60秒」

受信機の型は、扱う信号で分けます。
| 受信機 | 主に扱う信号 |
|---|---|
| G型 | ガス漏れ信号 |
| GP型 | ガス漏れ信号+P型の火災信号 |
| GR型 | ガス漏れ信号+R型の火災信号等 |
G・GP・GR型受信機がガス漏れ信号を受信したときは、次を自動的に表示します。
- 黄色のガス漏れ灯と主音響装置:ガス漏れの発生
- 地区表示装置:ガス漏れが発生した警戒区域
GP・GR型の地区表示装置では、火災の警戒区域とガス漏れの警戒区域を明確に識別できなければなりません。
時間は「何が始まり、何が終わるか」をセットで覚えます。
| 時間の基準 | 上限 |
|---|---|
| G型受信機がガス漏れ信号を受信してからガス漏れ表示まで | 60秒以内 |
| 中継器が受信を開始してから発信を開始するまで | 原則5秒以内 |
| 条件を満たすガス漏れ信号用中継器 | 60秒以内とできる |
中継器を60秒以内とできるのは、ガス漏れ信号の受信開始からガス漏れ表示までが5秒以内の受信機へ接続する場合です。

受信機規格省令第6条第4項・第6項、第11条第5号、第12条・第13条、中継器規格省令第4条。黄色のガス漏れ灯、区域の識別表示、受信機60秒、中継器5秒・条件付き60秒を定めています。
G=ガス、GP=ガス+P、GR=ガス+R。ガス漏れ灯は黄色。
検知方式は3種類
試験で扱う代表的な検知方式は、半導体式・接触燃焼式・気体熱伝導度式の3種類です。
| 検知方式 | ガスによって起こる変化 | 読み取る量 |
|---|---|---|
| 半導体式 | 半導体表面へ可燃性ガスが吸着し、電気伝導度が上がる | 抵抗値の減少 |
| 接触燃焼式 | 触媒表面で可燃性ガスが燃焼し、検知素子の温度が上がる | 検知素子の抵抗値増加と補償素子との差 |
| 気体熱伝導度式 | 空気と対象ガスの熱伝導度の違いで、加熱素子の温度が変わる | 電気抵抗値の変化 |
半導体式
酸化スズなどの半導体を加熱した状態で可燃性ガスに触れさせ、電気伝導度の変化を利用します。教材で扱う基本形では、可燃性ガスが吸着すると電気伝導度が上がり、抵抗値は下がります。
接触燃焼式
可燃性ガスが触媒表面で燃焼すると検知素子の温度が上がり、抵抗値が増加します。ガスに反応しない補償素子との抵抗差を、ブリッジ回路の不平衡として読み取ります。
気体熱伝導度式
気体ごとの熱伝導度の違いを利用します。教材のメタンの例では、濃度が高くなるほど加熱素子の温度が下がり、抵抗値も下がります。
熱電対式と空気管式は、熱を検知する差動式分布型感知器の方式です。ガス漏れ検知器の代表3方式には入りません。
新コスモス電機・フィガロ技研が公開するガスセンサ原理資料を確認。検知方式の構造は製品により異なるため、ここでは試験範囲の基本原理だけを扱います。
半導体=吸着、接触燃焼=燃焼、気体熱伝導度=熱の伝わり方の差。
爆発下限界と検知器の作動範囲
可燃性ガスは、濃度が低すぎても高すぎても爆発しません。点火によって爆発できる濃度範囲の下端を爆発下限界、上端を爆発上限界といいます。
ガス漏れ検知器の性能基準は、爆発する前に警報できるように定められています。
| ガス濃度 | 検知器の動作 |
|---|---|
| 爆発下限界の1/4以上 | 確実に作動する |
| 爆発下限界の1/200以下 | 作動しない |
温泉採取設備の付近に設けるものは、1/4ではなく1/10以上で確実に作動する基準です。
また、信号を発する濃度のガスに接したときは、60秒以内に信号を発します。警報機能を持つ検知器は、60秒以内に信号と警報を発します。
消防庁告示「ガス漏れ検知器並びに液化石油ガスを検知対象とするガス漏れ火災警報設備に使用する中継器及び受信機の基準」第2。爆発下限界の1/4(温泉採取設備は1/10)以上で確実に作動し、1/200以下では作動せず、所定濃度で60秒以内に信号を発することを定めています。
通常は1/4で確実作動、1/200以下では不作動。温泉は1/10。
軽いガスは天井、重いガスは床
検知器の設置位置は、ガスの空気に対する比重で決まります。
| 検知対象ガス | 水平距離 | 高さ方向 |
|---|---|---|
| 比重1未満の軽いガス | 燃焼器・貫通部から8m以内 | 検知器の下端を天井面等の下方0.3m以内 |
| 比重1超の重いガス | 燃焼器・貫通部から4m以内 | 検知器の上端を床面の上方0.3m以内 |
代表例は、都市ガスの主成分であるメタンが空気より軽く、プロパンが空気より重いガスです。ただし、実際の都市ガスは供給ガスの組成を確認します。
軽いガスでは、天井面等から0.6m以上突出したはり等がある場合、燃焼器側または貫通部側に検知器を設けます。近くに吸気口があるときは、はり等で区画されていない最も近い吸気口の付近にも注意します。
次の場所は、ガス漏れを有効に検知できないため設置できません。
- 外部の気流が頻繁に流通する出入口付近
- 換気口の吹き出し口から1.5m以内
- ガス燃焼機器の廃ガスに触れやすい場所
- その他、ガス漏れを有効に検知できない場所
消防法施行規則第24条の2の3第1項第1号。比重1未満は8m以内・天井下0.3m以内、比重1超は4m以内・床上0.3m以内とし、はり・吸気口・設置禁止場所も定めています。
軽い=8m・上0.3m、重い=4m・下0.3m。
警報装置の25m・3m・70dB
警報装置は、3種類に分けます。
| 警報装置 | 誰・どこへ知らせるか | 数値 |
|---|---|---|
| 音声警報装置 | 関係者と利用者へ音声で警報 | 各部分からスピーカーまで水平25m以下 |
| ガス漏れ表示灯 | 通路にいる関係者へ表示灯で警報 | 前方3mから点灯を明確に識別 |
| 検知区域警報装置 | 検知区域にいる関係者へ音響で警報 | 装置から1mで70dB以上 |
ガス漏れ表示灯は、検知器を設ける室が通路に面する場合、その出入口付近に設けます。ただし、一つの警戒区域が一つの室だけで構成される場合は、省略できます。
検知区域警報装置は、警報機能を持つ検知器を設ける場合、機械室など常時人がいない場所、貫通部では省略できます。
消防法施行規則第24条の2の3第1項第4号。音声警報装置、ガス漏れ表示灯、検知区域警報装置の配置・性能・省略条件を定めています。
音声25m・表示灯3m・検知区域1mで70dB。
※よく出る引っかけポイント6つ
引っかけ①:ガス漏れ灯は赤色
ガス漏れ灯は黄色です。火災灯の赤色と混ぜません。
引っかけ②:熱電対式・空気管式もガス検知方式
どちらも熱感知器で使う方式です。ガス漏れ検知器の代表3方式ではありません。
引っかけ③:接触燃焼式も抵抗値が下がる
接触燃焼式では、検知素子の温度上昇により抵抗値が上がります。
引っかけ④:軽いガスは4m・床付近
軽いガスは8m・天井付近、重いガスは4m・床付近です。
引っかけ⑤:音声警報のスピーカーは35m
水平距離25m以下です。35mではありません。
引っかけ⑥:3m・70dBは同じ警報装置
3mはガス漏れ表示灯の見え方です。70dBは検知区域警報装置から1mの音圧です。
📝試験問題を解くときの手順
1. 問われている機器を、検知器・中継器・受信機・警報装置から決める
2. 検知方式なら、吸着・燃焼・熱伝導度のどれかを見る
3. 受信機なら、G・GP・GRと黄色のガス漏れ灯を確認する
4. 設置位置なら、比重1未満か1超かを確認する
5. 距離は、軽8m・重4m・スピーカー25m・表示灯3mから選ぶ
6. 音圧なら、検知区域警報装置の1m・70dBを確認する
全部で10ポイント
- ガス漏れ火災警報設備は、検知器・中継器・受信機・警報装置で構成する
- G型はガス、GP型はガス+P型火災、GR型はガス+R型火災等を扱う
- ガス漏れ灯は黄色、火災灯は赤色
- 検知方式は半導体式・接触燃焼式・気体熱伝導度式の3種類
- 通常は爆発下限界の1/4以上で確実に作動し、1/200以下では作動しない
- 軽いガスは8m・天井下0.3m、重いガスは4m・床上0.3m
- 音声警報装置は水平25m、ガス漏れ表示灯は前方3m
- 検知区域警報装置は1mで70dB以上
- 受信機はガス漏れ信号の受信開始から表示まで60秒以内
- 中継器は原則5秒、条件付きで60秒以内
それでは以下の「ガス漏れ火災警報設備の構造・機能」に関する消防設備士試験の過去問にチャレンジして、これまでの内容が頭に入っているかを確認しましょう!
【過去問】ガス漏れ火災警報設備の構造・機能
ガス漏れ火災警報設備の検知器の検知方式として、最も不適当なものは次のうちどれか。
1. 半導体式
2. 熱電対式
3. 接触燃焼式
4. 気体熱伝導度式
検知対象ガスの空気に対する比重が1未満の場合、検知器の取付け場所として正しいものは次のうちどれか。
1. 燃焼器から水平8m以内で、検知器の上端が天井面等の上方0.3m以内
2. 燃焼器から水平12m以内で、検知器の上端が天井面等の上方0.3m以内
3. 燃焼器から水平8m以内で、検知器の下端が天井面等の下方0.3m以内
4. 燃焼器から水平12m以内で、検知器の下端が天井面等の下方0.3m以内
ガス漏れ火災警報設備の警報装置の設置について、誤っているものは次のうちどれか。
1. 音声警報装置のスピーカーを、各階の各部分から水平距離35m以下となるように設ける。
2. 音声警報装置の音圧・音色を、他の警報音や騒音と明確に区別して聞き取れるものとする。
3. 検知区域警報装置の音圧を、装置から1mで70dB以上とする。
4. 警報機能を持つ検知器を設ける場合や、機械室など常時人がいない場所では、検知区域警報装置を省略できる。
G型・GP型・GR型受信機がガス漏れ信号を受信したとき、ガス漏れの発生を表示するガス漏れ灯の色として正しいものはどれか。
1. 青色
2. 黄色
3. 赤色
4. 緑色
ガス漏れ火災警報設備に使用されている検知器の検知方式として、正しいも のは次のうちどれか。 1.可燃性ガスによるイオン電流の変化を利用して検知する方式 2.可燃性ガスによる光電素子の受光量の変化に伴う電気抵抗の変化を利用し て検知する方式 3.可燃性ガスの燃焼による熱起電力の発生を利用して検知する方式 4.可燃性ガスの吸着による半導体の電気伝導度の変化を利用して検知する方 式
ガス漏れ火災警報設備の検知器について、適当なものは次のうちどれか。 1.検知器は、消防庁長官が定める基準に適合するものでなければならない。 2.検知器は、ガス漏れを検知し、音響警報を発するとともにガス漏れ信号を 発信するものと音響警報を発せず信号のみを発信するものとがある。 3.検知器は、空気より軽いガス用、空気より重いガス用及び全ガス用の3種 類に分けられる。 4.全ガス用の検知器は、空気より軽いガスと空気より重いガスの両方のガス を検知対象としたもので、床面と天井面の中間に設置するものである。 (標準遅延時間)
ガス漏れ火災警報設備の検知器の標準遅延時間及び受信機の標準遅延時間の 合計として、消防法令に定められているものは、次のうちどれか。 1.30秒以内 2.60秒以内 3. 90秒以内 4.120秒以内
(検知器の設置基準)
ガス漏れ火災警報設備の検知器の取付け場所に関する次の文中の( )に当てはまる数値の組合せとして、消防法令に定められているものはどれか。ただし、検知対象ガスの空気に対する比重は、1を超えるものとする。
ア.「ガス燃焼機器又は貫通部から水平距離で(ア)m以内の位置に設けること。」
イ.「温泉の採取のための設備の周囲の長さ(イ)mにつき1個以上、当該設備付近でガスを有効に検知できる場所に設けること。」
| 選択肢 | (ア) | (イ) |
|---|---|---|
| 1 | 4 | 10 |
| 2 | 4 | 20 |
| 3 | 8 | 10 |
| 4 | 8 | 20 |
ガス漏れ火災警報設備に関する説明文1〜4のうち、正しいものには「○」、誤っているものには「×」を記入しなさい。
1. 検知器の検知方式は、半導体式、接触燃焼式、気体熱伝導度式の3種類に分類される。
2. 有電圧出力方式とは、通常監視時とガス漏れ検知時に異なる電圧を出力する方式である。
3. 消防法令上、受信機の受信開始からガス漏れ表示までの所要時間は、10秒以内と定められている。
4. 消防庁告示上、中継器の受信開始から発信開始までの所要時間は、90秒以内と定められている。
消防設備士「過去問テスト」は、その名の通り“過去に出た問題” のテストです。
ブログでお馴染みの管理人が過去問に関する情報収集を積み重ね、その中からピックアップして過去問ベースの模擬試験を作成したものです。
上記以外に新傾向問題の情報など提供あり次第、解説を毎年追記して更新しています。これから消防設備士の試験を受けられる方は是非ご覧下さい。
それでは続いて【工事・整備まとめ】配線・設置・試験|消防設備士甲4・乙4【過去問】の過去問をみていきましょう。


