危険物取扱者「過去問テスト」はこちらから!

【過去問】塩素酸塩類・過塩素酸塩類とは?第1類(酸化性固体)の代表例を解説|危険物取扱者【甲、乙1】

【過去問】塩素酸塩類・過塩素酸塩類とは?第1類(酸化性固体)の代表例を解説|危険物取扱者【甲、乙1】

A出題ランク:甲種で頻出のAランク(重要)

第1類(酸化性固体)のなかでも、塩素酸塩類過塩素酸塩類は代表的な品名グループです。どちらも「酸素を出す」性質は共通していますが、安定性の差溶解性の違いがひっかけ問題の中心になります。

この記事では塩素酸カリウム・塩素酸ナトリウム・塩素酸アンモニウム・塩素酸バリウム・塩素酸カルシウムの塩素酸塩類5種と、過塩素酸カリウム・過塩素酸ナトリウム・過塩素酸アンモニウムの過塩素酸塩類3種、あわせて8物質をまとめて整理します。

強欲な青木

塩素酸塩と過塩素酸塩、名前が似すぎて覚えられないっす……全部同じような性質じゃないんすか?

消防設備士

似ていますが、決定的な違いがあります。同じ金属の塩素酸塩と過塩素酸塩を比べると、過塩素酸塩のほうが熱に対して安定です。この安定性の差が、試験でよく問われるポイントです。

このページを見たら危険物取扱者甲種・乙1の性質に出てくる「第1類(酸化性固体)塩素酸塩類・過塩素酸塩類」に関する問題が得点源となるはず!

最新ver.の過去問情報は、青木マーケ(株)noteの危険物取扱者「過去問テスト」毎年更新しています。

>> 危険物取扱者「過去問テスト」

併せて、ご参照ください。

目次

🔰基礎教養学習

1. 塩素酸塩類の性状

塩素酸カリウムの分子モデル
塩素酸カリウム KClO₃

塩素酸塩類は第1類(酸化性固体)に分類され、いずれも加熱すると分解して酸素を放出する強い酸化剤です。代表格は塩素酸カリウム(KClO₃)で、火薬・マッチの酸化剤として使われてきました。

塩素酸塩類の性状
塩素酸塩類の性状
物質名 化学式 特徴
塩素酸カリウム KClO₃ 無色の結晶。硫黄・赤リン・有機物と混合すると、摩擦・打撃で発火・爆発する危険な組み合わせ。単独でも加熱・衝撃で分解が進む
塩素酸ナトリウム NaClO₃ 潮解性があり、水に溶けやすい。鉄を腐食させる性質があるため、鉄製容器の使用は避ける
塩素酸アンモニウム NH₄ClO₃ 水に溶けやすい。アンモニウム塩特有の不安定さがあり、常温でも徐々に分解が進み、単独でも発火・爆発の危険がある
塩素酸バリウム Ba(ClO₃)₂ 無色の結晶。水に溶ける。バリウムイオンに毒性がある
塩素酸カルシウム Ca(ClO₃)₂ 無色の結晶。潮解性があり、水に溶けやすい
強欲な青木

アンモニウムがつく塩素酸塩だけ「単独でも危ない」ってなってるの、なんでっすか?

消防設備士

アンモニウムイオンと塩素酸イオンの組み合わせは、そもそも化学的に不安定なんです。「アンモニウム塩=単独でも不安定」というパターンは、この後に学ぶ硝酸アンモニウムや過塩素酸アンモニウムにも共通するので、まとめて覚えておきましょう。

2. 過塩素酸塩類の性状

過塩素酸カリウムの分子モデル
過塩素酸カリウム KClO₄

過塩素酸塩類も第1類(酸化性固体)です。同じ金属の塩素酸塩と比べると熱に対してより安定という性質があります。

過塩素酸塩類の性状
過塩素酸塩類の性状
物質名 化学式 特徴
過塩素酸カリウム KClO₄ 無色の結晶。塩素酸カリウムより水に溶けにくく、熱にも安定。加熱すると分解して酸素を放出する
過塩素酸ナトリウム NaClO₄ 潮解性があり、水に非常に溶けやすい(カリウム塩との対比が頻出)
過塩素酸アンモニウム NH₄ClO₄ 水に溶ける。ロケット推進剤の酸化剤として利用される。アンモニウム塩ゆえにやや不安定

試験で狙われるのは「塩素酸カリウムと過塩素酸カリウム、どちらが安定か」という対比です。同じカリウム塩なら過塩素酸カリウムのほうが安定、これを軸に覚えると混同しません。

上記の内容をふまえて、さっそく過去問に挑戦してみましょう!

【過去問】塩素酸塩類・過塩素酸塩類

【問1】 次に掲げる危険物とその性状の組合せとして、正しいものはどれか。

  1. 塩素酸カリウム………加熱すると分解して酸素を発生する。
  2. 過塩素酸ナトリウム………水には溶けない。
  3. 過酸化カリウム………水と反応して水素と熱を発生する。
  4. 過マンガン酸カリウム………無色または白色の粉末である。
  5. 硝酸ナトリウム………潮解性はない。
解答と解説を見る

正解:1

塩素酸カリウムは加熱すると分解して酸素を発生します。2は誤り(過塩素酸ナトリウムは水に非常に溶けやすい)。3は誤り(過酸化カリウムは水と反応すると酸素を発生する。水素ではない)。4は誤り(過マンガン酸カリウムは赤紫色〜黒紫色の結晶で、無色・白色ではない)。5は誤り(硝酸ナトリウムには潮解性がある)。

塩素酸塩類の性状 図解
塩素酸塩類の性状

【問2】 過塩素酸カリウムに関わる火災の消火方法について、次のうち適切でないものはどれか。

  1. 棒状の水を放射する消火器で消火する。
  2. 泡を放射する消火器で消火する。
  3. リン酸塩類の粉末を放射する消火器で消火する。
  4. 二酸化炭素を放射する消火器で消火する。
  5. 霧状の強化液を放射する消火器で消火する。
解答と解説を見る

正解:4

過塩素酸カリウムは第1類(酸化性固体)で、それ自体は燃えませんが、可燃物と共に燃える火災には大量の水による冷却消火が有効です。二酸化炭素・ハロゲン化物・粉末(りん酸塩類以外)は窒息効果が中心のため、酸素を自ら供給する第1類の火災には不向きです。

【問3】 「加熱すると分解して酸素を放出し、還元性物質と混合すると発火または爆発の危険性があり、また水と作用して激しく発熱する。」以上の説明に該当する危険物は、次のうちどれか。

  1. NH₄ClO₃(塩素酸アンモニウム)
  2. K₂O₂(過酸化カリウム)
  3. C₂H₅NO₃(硝酸エチル)
  4. KMnO₄(過マンガン酸カリウム)
  5. C₆H₂(NO₂)₃CH₃(トリニトロトルエン)
解答と解説を見る

正解:2

「水と作用して激しく発熱する」という記述は、この記事のグループには含まれない無機過酸化物(次の記事で解説)に特有の性質です。塩素酸塩類・過塩素酸塩類は一般に水に溶けるだけで、水と反応して発熱することはありません。この違いも重要な判別ポイントです。

チェック1(4択)

塩素酸カリウムと混合すると、摩擦・打撃で発火・爆発する危険性が特に高い物質はどれか。

  1. 硫黄・赤リン
  2. 二酸化炭素
  3. 窒素
解答と解説を見る

正解:2

塩素酸カリウムは硫黄・赤リン・有機物などの可燃物と混合すると、わずかな摩擦・打撃でも発火・爆発する危険な組み合わせです。マッチの発火剤として使われてきた歴史も、この性質と関係しています。

チェック2(○✕)

次の記述の正誤を答えなさい。

同じカリウムの塩でも、過塩素酸カリウムのほうが塩素酸カリウムより熱に対して安定である。

解答と解説を見る

正解:○

過塩素酸塩類は、同じ金属の塩素酸塩類より一般に熱に対して安定です。分解温度も過塩素酸カリウムのほうが高くなります。

チェック3(穴埋め)

次の( )に当てはまる語句を答えなさい。

  1. 塩素酸アンモニウムは( ① )塩特有の不安定さがあり、単独でも発火・爆発の危険がある。
  2. 塩素酸ナトリウムは( ② )性があり、水に溶けやすく、( ③ )を腐食させる性質がある。
  3. 過塩素酸アンモニウムは( ④ )の酸化剤として利用される。
解答と解説を見る

アンモニウム ② 潮解 ③  ④ ロケット推進剤

🪏深掘り解説

① 塩素酸カリウムとマッチの歴史

塩素酸カリウムは、かつて摩擦マッチの発火剤として実際に使われていた物質です。マッチ箱の側薬(赤リン)とマッチ棒の頭薬(塩素酸カリウムを含む酸化剤+硫黄などの可燃物)が擦れることで発火する仕組みは、まさに「塩素酸塩+可燃物+摩擦」で発火するという第1類の危険性そのものです。

試験で「塩素酸カリウムと混合すると危険な物質」を問われたら、硫黄・赤リンといった身近な可燃物を思い浮かべると覚えやすくなります。

② 「安定性の序列」を1本の軸で覚える

第1類の酸化性塩類は、同じ金属でも陰イオンの種類によって安定性が変わります。過塩素酸塩>塩素酸塩という安定性の序列は、この先に学ぶ他の塩でも繰り返し登場する考え方です。

また、アンモニウム塩は同じ陰イオンの他の金属塩より不安定という傾向も共通しています。「陰イオンで安定性を比べる」「アンモニウム塩は別枠で不安定」という2つの軸を持っておくと、初見の物質が出ても性質を推測しやすくなります。

まとめ

  • 塩素酸塩類・過塩素酸塩類はいずれも第1類(酸化性固体)で、加熱すると分解して酸素を放出する

  • 塩素酸カリウムは硫黄・赤リンなどの可燃物との混合で摩擦・打撃により発火・爆発する危険がある

  • 同じ金属なら過塩素酸塩のほうが塩素酸塩より熱に安定

  • アンモニウム塩(塩素酸アンモニウム・過塩素酸アンモニウム)は単独でも不安定で発火・爆発の危険がある

強欲な青木

次は無機過酸化物っすね!水と反応するタイプは要注意って覚えとくっす。

危険物取扱者「過去問テスト」は、その名の通り“過去に出た問題”のテストです。

ブログでお馴染みの管理人が過去問に関する情報収集を積み重ね、その中からピックアップして過去問ベースの模擬試験を作成したものです。

\そのまま試験に出ます/

※有料記事はnoteの仕組みで「全額返金可能」です。

危険物取扱者 乙種 解答カード

📚 甲種:危険物の性状(個別物質)の記事一覧

甲種固有の個別物質解説はここから増えていきます。いま何回目かをここで確認できます。

甲種:危険物の性状(個別物質)の学習ロードマップ27
  1. 1【過去問】次亜塩素酸カルシウム・ヨウ素酸カリウムとは?第1類(酸化性固体)の代表例を解説|危険物取扱者【甲、乙1】続きを見る
  2. 2【過去問】塩素酸塩類・過塩素酸塩類とは?第1類(酸化性固体)の代表例を解説|危険物取扱者【甲、乙1】続きを見る
  3. 3【過去問】無機過酸化物とは?第1類(酸化性固体)の代表例を解説|危険物取扱者【甲、乙1】続きを見る
  4. 4【過去問】亜塩素酸塩類・臭素酸塩類・硝酸塩類・ヨウ素酸塩類とは?第1類(酸化性固体)を解説|危険物取扱者【甲、乙1】続きを見る
  5. 5【過去問】過マンガン酸塩類・重クロム酸塩類とは?第1類(酸化性固体)を解説|危険物取扱者【甲、乙1】続きを見る
  6. 6【過去問】硫化リン・赤リン・硫黄とは?第2類(可燃性固体)を解説|危険物取扱者【甲、乙2】続きを見る
  7. 7【過去問】鉄粉・金属粉・マグネシウムとは?第2類(可燃性固体)を解説|危険物取扱者【甲、乙2】続きを見る
  8. 8【過去問】引火性固体とは?固形アルコール・ゴムのり・ラッカーパテを解説|危険物取扱者【甲、乙2】続きを見る
  9. 9【過去問】カリウム・ナトリウムとは?第3類(自然発火性・禁水性物質)を解説|危険物取扱者【甲、乙3】続きを見る
  10. 10【過去問】アルキルアルミニウム・アルキルリチウムとは?第3類(自然発火性・禁水性物質)を解説|危険物取扱者【甲、乙3】続きを見る
  11. 11【過去問】黄リンとは?第3類(自然発火性物質)と赤リンとの違いを解説|危険物取扱者【甲、乙3】続きを見る
  12. 12【過去問】リチウム・カルシウム・バリウムとは?第3類を解説|危険物取扱者【甲、乙3】続きを見る
  13. 13【過去問】ジエチル亜鉛とは?第3類(自然発火性・禁水性物質)を解説|危険物取扱者【甲、乙3】続きを見る
  14. 14【過去問】水素化ナトリウム・水素化リチウムとは?第3類を解説|危険物取扱者【甲、乙3】続きを見る
  15. 15【過去問】リン化カルシウム・炭化カルシウム・炭化アルミニウムとは?第3類を解説|危険物取扱者【甲、乙3】続きを見る
  16. 16【過去問】トリクロロシランとは?第3類(自然発火性・禁水性物質)を解説|危険物取扱者【甲、乙3】続きを見る
  17. 17【過去問】有機過酸化物とは?第5類(自己反応性物質)を解説|危険物取扱者【甲、乙5】続きを見る
  18. 18【過去問】硝酸メチル・硝酸エチルとは?第5類(硝酸エステル類)を解説|危険物取扱者【甲、乙5】続きを見る
  19. 19【過去問】ニトログリセリン・ニトロセルロースとは?第5類を解説|危険物取扱者【甲、乙5】続きを見る
  20. 20【過去問】ピクリン酸・トリニトロトルエンとは?第5類を解説|危険物取扱者【甲、乙5】続きを見る
  21. 21【過去問】ジニトロソペンタメチレンテトラミン・アゾビスイソブチロニトリルとは?第5類を解説|危険物取扱者【甲、乙5】続きを見る
  22. 22【過去問】ジアゾジニトロフェノール・硫酸ヒドラジンとは?第5類を解説|危険物取扱者【甲、乙5】続きを見る
  23. 23【過去問】ヒドロキシルアミン・硫酸ヒドロキシルアミンとは?第5類を解説|危険物取扱者【甲、乙5】続きを見る
  24. 24【過去問】アジ化ナトリウム・硝酸グアニジンとは?第5類を解説|危険物取扱者【甲、乙5】続きを見る
  25. 25【過去問】過塩素酸・過酸化水素とは?第6類(酸化性液体)を解説|危険物取扱者【甲、乙6】続きを見る
  26. 26【過去問】硝酸とは?第6類(酸化性液体)と不動態を解説|危険物取扱者【甲、乙6】続きを見る
  27. 27【過去問】三フッ化臭素・五フッ化臭素・五フッ化ヨウ素とは?第6類を解説|危険物取扱者【甲、乙6】続きを見る

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

高専から大学院まで9年間にわたり化学を専攻。
消防整備士として10年の実務経験を積み、独立・起業。

消防設備士全類、危険物取扱者全類をはじめ、第二種電気工事士、AI・DD総合種、第三種電気主任技術者など、多数の国家資格を保有。

神戸高等技術専門学院にて危険物取扱者 乙種第4類およびDO第3種の講師を担当。
また、月刊誌「電気と工事(オーム社)」にてコラムを連載中。

実務・教育・執筆の三軸から、専門性と実践力を兼ね備えた情報発信を行っている。

コメント

コメントする


目次