【過去問】黄リンとは?第3類(自然発火性物質)と赤リンとの違いを解説|危険物取扱者【甲、乙3】

第3類の3番目は黄リンです。名前が似ている第2類の赤リンとは「同素体」の関係にありながら、性質はまったく異なるという、試験で必ず比較される定番の物質です。
そして黄リンには「水中に貯蔵するのに禁水性ではない」という、多くの受験者が引っかかる大きなポイントがあります。
強欲な青木黄リンって水中に貯蔵するんすよね?じゃあ禁水性物質じゃないんすか?
消防設備士そこが最大のひっかけです。黄リンは水とは反応しません。水中に貯蔵するのは、あくまで空気(酸素)との接触を断って自然発火を防ぐためです。黄リンの性質は「自然発火性」であって「禁水性」ではないんです。
このページを見たら危険物取扱者甲種の性質に出てくる「第3類(自然発火性物質及び禁水性物質)黄リン」に関する問題が得点源となるはず!
最新ver.の過去問情報は、青木マーケ(株)noteの危険物取扱者「過去問テスト」で毎年更新しています。
併せて、ご参照ください。
🔰基礎教養学習
1. 黄リンとは
黄リン(P₄、白リンとも呼ばれる)は、第3類(自然発火性物質及び禁水性物質)に分類される固体です。赤リン(第2類)とは同じリン原子からなる「同素体」の関係にありますが、性質は大きく異なります。
指定数量:20kg/危険等級:Ⅰ(赤リンの指定数量100kgとは異なる点に注意)

2. 黄リンと赤リンの比較
| 項目 | 黄リン(第3類) | 赤リン(第2類) |
| 性質 | 自然発火性(禁水性ではない) | 可燃性固体 |
| 融点 | 約44℃ | 約590℃ |
| 発火点 | 約34℃(常温付近でも自然発火) | 約260℃ |
| 毒性 | 猛毒(経口致死量約0.1g前後) | ほぼ無毒 |
| 二硫化炭素への溶解 | よく溶ける | ほとんど溶けない |
| 貯蔵方法 | 水中(保護液)に貯蔵し、空気との接触を断つ | 容器に密栓して貯蔵 |
強欲な青木じゃあ黄リンとカリウムって、同じ倉庫に置いちゃダメなんすか?
消防設備士そのとおりです。黄リンなど水中に貯蔵する物品と、カリウムなどの禁水性物品は同一の貯蔵所で貯蔵してはいけません。水を介して禁水性物品が水と反応してしまう危険があるからです。
上記の内容をふまえて、さっそく過去問に挑戦してみましょう!
【過去問】黄リン
【問1】 黄リンと赤リンに関する性状の比較において、次のうち妥当でないものはどれか。
- 黄リンは赤リンより融点が低い。
- 黄リンは赤リンより発火しやすい。
- 黄リンは赤リンより毒性が強い。
- 黄リンは禁水性の固体であるが、赤リンは可燃性の固体である。
- 黄リンは二硫化炭素によく溶けるが、赤リンは溶けない。
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正解:4
黄リンは第3類危険物ですが、その性質は「自然発火性物質」であり、禁水性ではありません。水中に保存するのは空気との接触を断つためで、水とは反応しません。赤リンは第2類危険物(可燃性固体)で正しいです。
【問2】 次の物質の組み合わせのうち、互いに同素体であるものはどれか。
- ダイヤモンドと黒鉛
- 鉄の赤さびと黒さび
- 酸素とオゾン
- 斜方硫黄と単斜硫黄
- 黄リンと赤リン
上記のうち、互いに同素体でないものはどれか。
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正解:2(鉄の赤さびと黒さび)
同素体とは、同一元素からなるが原子の配列や結合が異なり、性質も異なる単体をいいます。黄リンと赤リンは互いに同素体です(ダイヤモンドと黒鉛、酸素とオゾン、斜方硫黄と単斜硫黄も同様)。赤さび(Fe₂O₃)と黒さび(Fe₃O₄)は化合物であり単体ではないため、同素体には該当しません。
【問3】 燃焼の仕方と可燃物の組合せについて、次のうち誤っているものはどれか。
- アルコール、硫黄の燃焼………蒸発燃焼
- プラスチック、木材の燃焼………分解燃焼
- 木炭、コークスの燃焼………表面燃焼
- 都市ガスの燃焼………予混合燃焼
- 黄リン、ナフタレンの燃焼………自己燃焼(内部燃焼)
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正解:5
黄リン及びナフタレンの燃焼形態は蒸発燃焼です。「自己燃焼(内部燃焼)」は誤りで、自己燃焼はニトロセルロースのように分子内に酸素を含む物質の燃焼形態です。
チェック1(4択)
黄リンの貯蔵方法として、正しいものはどれか。
- 灯油などの保護液中に貯蔵する。
- 水中に貯蔵する。
- 容器を密栓し、乾燥した場所に貯蔵する。
- 窒素封入した容器に貯蔵する。
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正解:2
黄リンは水中に貯蔵し、空気(酸素)との接触を断つことで自然発火を防ぎます。カリウム・ナトリウムの保護液(灯油)貯蔵とは異なる点に注意してください。
チェック2(○✕)
次の記述の正誤を答えなさい。
黄リンは水と反応して有毒ガスを発生するため、禁水性物質に分類される。
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正解:✕
黄リンは水とは反応しません。分類上は「自然発火性物質」であり「禁水性」ではありません。水中貯蔵はあくまで空気との接触を断つためです。
チェック3(穴埋め)
次の( )に当てはまる語句・数値を答えなさい。
- 黄リンの指定数量は( ① )kg、危険等級は( ② )である。
- 黄リンと赤リンは互いに( ③ )の関係にある。
- 黄リンの燃焼形態は( ④ )である。
- 黄リンなど水中に貯蔵する物品と( ⑤ )性物品は、同一の貯蔵所に貯蔵してはならない。
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① 20 ② Ⅰ ③ 同素体 ④ 蒸発燃焼 ⑤ 禁水
深掘り解説

① 「禁水性に見えて禁水性ではない」黄リンの位置づけ
第3類は「自然発火性物質及び禁水性物質」という1つの類ですが、すべての物質が両方の性質を持つわけではありません。
- 黄リン:自然発火性のみ(禁水性ではない)→水中貯蔵
- カリウム・ナトリウム:自然発火性・禁水性の両方→保護液(灯油)中貯蔵
- リチウム:禁水性のみ(自然発火性ではない)
「第3類=すべて水に触れると危険」と思い込むと引っかかるので、物質ごとに性質を個別に確認することが大切です。

② 「同素体」は性質科目と物理化学の橋渡し
黄リン・赤リンの関係は、物理化学でおなじみの「同素体」の代表例としても出題されます。あわせて覚えておきたい同素体の組合せは次のとおりです。
- 硫黄:斜方硫黄・単斜硫黄・ゴム状硫黄
- 炭素:黒鉛・ダイヤモンド・フラーレン・カーボンナノチューブ
- 酸素:酸素(O₂)・オゾン(O₃)
- リン:赤リン・黄リン
一方、鉄の赤さび(Fe₂O₃)と黒さび(Fe₃O₄)は化合物どうしであり、同素体(単体どうしの関係)には該当しない点も、ひっかけ問題として頻出です。
まとめ
- ✓
黄リンは第3類(自然発火性物質及び禁水性物質)で、指定数量20kg・危険等級Ⅰ
- ✓
黄リンの性質は自然発火性のみ(禁水性ではない)
- ✓
水中に貯蔵するのは空気との接触を断つためで、水と反応するからではない
- ✓
黄リンと赤リンは同素体だが、性質は大きく異なる
- ✓
黄リンの燃焼形態は蒸発燃焼
- ✓
黄リンなど水中貯蔵品と禁水性物品は同一貯蔵所で貯蔵不可
強欲な青木次はリチウム・カルシウム・バリウムっすね!第3類、まだまだいきましょう!
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